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日々考えたことなどを記録します。
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『ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方』に対する読者の皆様の感想

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /





古村治彦です。

本日は、私が翻訳しました『ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方』を読んで、インターネット上に感想を書いてくださっている方々の感想をここに掲載します。アドレスを書いてありますので、是非ご訪問いただければと思います。

==========

傲岸不遜男天野才蔵の「私は本を買って読む」+「ワンワールド5大陸で世界一周旅行記」+「フィリピン短期英語留学記」
http://app.m-cocolog.jp/t/typecast/43236/43036/70666246
________________________________________
パラグ・カンナ「ネクスト・ルネサンス―21世紀世界の動かし方」感想。
提言書。2011年11月23日読了。

しばらくは積ん読本(400冊以上ある)を粛々と消化するのに留め、新しい本はなるべく買わないようにしていたのだけれども、本屋で立ち読みしたらどうしても欲しくなってしまったので買ってしまった一冊。買ってしまったからには、積ん読本の仲間入りにならないよう、とっとと読み終えることにした。

◆著者 パラグ・カンナ
1977年インド生まれ。ジョージタウン大学外交学部で学士号、ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスで博士号。ニューアメリカ財団上級研究員、兼ブルッキングス研究所研究員。米国特殊作戦部隊アドバイザー。外交問題評議会(CRF)会員。

◆本書の内容(本書帯の文句改)
国家の時代は終わった!
新しい(ネクスト)ルネサンス=21世紀を動かすのは、ビジネス界のリーダーらメガ・ディプロマシー(巨大化する外交)の担い手たちだ!
世界規模での大変動が起きている現在、私は、本書で、新しい中世の時代から新しいルネサンスへと進む道筋を示そうと試みている。私は、2種類のアクターたちが世界の外交を発展させるために大きな役割を果たすに違いないと確信している。その2種類のアクターたちとは「企業のCEOたち」と「各都市の市長」たちである。

◆本書の内容(一部引用)
本書をざっくりと言うと、これからの世界は、旧態依然とした政治家や外交官や国際機関に勤める官僚による外交が主ではなくなり、企業のCEOやNGOや各国大都市(の市長)が勝手に連携して勝手に動かしていくのが主となるだろう、というような主張が書かれた本。

(P39-40)
「世界は国民国家の総体であり、まとまりを持つ国民国家が主役となって世界を動かしている」と考えるのは時代遅れだ。現在世界を動かしているのは、国民国家の中央政府ではなく、中世のように、より小さな統治形態であり、世界は、地方政府や州政府などの「小さな統治形態が島のように散らばってそれらがつながっている」状態であると認識すべきだ。簡単に言うと、こうした小さな島々は国家ではなく、都市のことを指している。現在、四〇の都市部と呼ばれる地域が世界経済の三分の二(私の注:P14では三分の一となっていた)を占めている。そこには資金、知識が集まり、安定している。ニューヨーク市の経済規模は、アフリカのサハラ砂漠以南の国のほとんどよりも大きい。ドバイのような港湾都市や自由貿易都市は、ヴェネチアの二一世紀版といったところだ。港湾都市や自由貿易都市は「自由ゾーン」である。
(中略)
下層民たちは、混沌の中におり、「地下経済」に依存して生活している。そして、彼らは階層化された「生態系」の中で生活している。階層化された社会というのはまさに中世時代の都市の特徴である。金持ちや貧乏人であることは関係なく、個人、そして都市が、現在の世界で起きていることの主役となっている。国家が世界の主役であった時代は終わりつつある。昔、世界は一つの村であるという主張がなされたが、現在の世界は村のネットワークであると言えるだろう。

という著者の主張を裏付けるため、根拠となるような話を幾つも展開する。

(P125)
スーダンのダルフールの大虐殺に関し、アメリカとヨーロッパは指導力を発揮して介入しようとはしなかった。そうした失敗を隠すために国連安保理は利用されている。国連安保理は国際法の実施に責任を持つ機構であるが、世界各国に対する道徳的な指針を示すことはほとんどない。

(P171-172)
2004年に大規模な津波がインドネシアを襲った。インドネシアの中心部から遠く離れたバンダアチェに救援物資を届けたのはオランダの多国籍企業TNTだった。(中略)ユニリーバは、食品会社ダノンが製造し、寄付した栄養価の高いビスケットを被災者たちに配布した。国連世界食糧計画(WFP)はシティグループから提供を受けたオフィスを本部として使用した。(中略)40億ドル以上集まった国際社会の寄付のほとんどは何に使われたか、その使途をインドネシア政府は未だに発表していない。
(中略)
チャド国内で最も衛生状態がよいのは、国連が運営している難民キャンプの中である。このキャンプには五〇万人ほどの難民が生活している。彼らは、スーダンと中央アフリカ共和国から避難してきた人々だ。国際救援委員会(IRC)は世界中に飲料水の供給と衛生教育を行っている。IRCの予算の九〇パーセントは、直接現地の活動に使われている。世界で最も効率のよい人道支援団体だ。

付箋を貼ったところが30ヶ所以上あり、全部引用していたらきりがないのでこの程度に留めておきますが、著者の主張を極限まで要約すると、常任理事国の我が儘がまかり通る国連は、もはやその存在に意味がなく、それに気づいている人たち(大企業のCEOや各国のNGOや各都市の有識者など)が勝手に事実上の外交を始めている、ということです。要約しすぎですけど。

◆感想
最初の数ページを立ち読みして衝動的に買ってしまったけど、読めば読むほどかなり難しい社会政治学の本であることがわかり、1日50ページずつ、じっくりと内容を理解しながら読んで、へとへとになってしまった。
著者の主張には共感する部分もあるけど、国際NGOの活動を褒めちぎったりしている部分には共感できなかったり。
とりあえず言えることは、この本には私がいままで全く知らなかった国際機関(NGOだけじゃなく)に関する情報が多数載っており、これから国際機関で働きたいと思っている若い方は、無理してでも本書を読むべきだと思う。

8点/10点満点

==========
BOOKLOG(ブグログ)
http://booklog.jp/asin/4062165279

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

たけやんさんのレビュー

グローバルな世界の幕開けを迎えたのはついこの間のことだ。このグローバル規模で地球をそして一国家の存亡を考えていかなければならない時代においては、一人の人間の行動などとるに足らないことのように思えてしまうのかもしれない。しかしながら、そうではあるもののより大きな国や政府といった機関に頼っていてはいつまでたっても問題が進展していくそぶりすらみられない。

そんな時代にあって、積極果敢に物事に臨み、その過程において多くの賛同者を味方につけていくことが今最も求められていることだいえる。facebook, skypeを始めとするグローバル規模のコミュニケーションツールが発達している今だからこそ、今目の前にある問題、そしてこれから先私たちに降り掛かってくる問題に対して、真剣に考えていかなければいけないのだと思う。

2011年7月22日

==========
ライトニング95のほぼ365日〇〇が好き※ビジネス書と絵本と育児のブログ
http://ameblo.jp/lightning-mcqueen-95/entry-10967401565.html

【ビジ書が好き! #096】

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方
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カンナ,P.
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「新しい21世紀(ネクスト・ルネサンス)を動かすのは、メガ・ディプロマシーの担い手たちだ!」

だそうです。

著者のパラグ・カンナ氏は、新進気鋭の国際政治学者、世界経済フォーラムの「若き世界のリーダー」の一人に選出されたエリート中のエリートです。世界のエリートとは、こういう方なのか、ということを知れただけでも読んでためになりました。訳者あとがきにありましたが、「これからの時代、世界を動かすのは外交である。国際機関に勤務する官僚たちが独占する外交ではなく、様々な人が参加するメガ・ディプロマシー(巨大化する外交)のことである。」と。「外交上の成功は、政府、民間、国際機関などがいかに外交に参加させ、協力関係を築くかどうかである。こうした外交は、今までの時代と全くことなる。新しい世代(Y世代)は、自然に展開してきている。」とあります。

ふむ、ふむ。そのメガ・ディプロマシーというのは、どのようにすれば成功するのでしょうか。
①「包括性」・・・政府、企業、NGOを参加させ、資源や能力を出し合う。
②「分散化」・・・能力を分散し、問題にできるだけ接近し、能力を強化する。
③「相互説明責任」・・・参加者間で信頼を築く。相互が責任を持って行動し、指名を果たす努力をする。
以上の3つの原理にかかっているそうです。

また、このY世代と呼ばれている人たちですが、Y世代は、外交を垂直的で、階層的なものとは考えず、様々なアクターや地域の横断的なネットワークであると考えている。Y世代は、政府や大企業、その他にかかわる組織や団体で働き、内部から変化させる存在になるであろう、と。

この混沌とした世の中や、大きな災害に対処するためには、政府、民間、支援団体の能力を結集していくことの重要性を説いています。

結集させるためには、やはりリーダーが必要になるのではないでしょうか。己の地位に固執すればするほど、かけ離れていく姿が見えなくなっている。そんな気がしてなりません。

本書では、これからの外交は、メガ・ディプロマシーをベースとして、世界の問題について書かれおり、世界経済や問題について関心がある方は、気にいるのではないでしょうか?

特に中東に関する問題、アフガニスタンの国家再建の行方、安定した国家として機能するためには。
テロリズム、海賊行為、組織犯罪の問題に対する対処方法、人権や貧困問題、などです。

これからは、ますますグローバル化すると言われていますが、日本が国際政治にかかわれるように、無視されないためにも関心を持たなければならないと思いました。

ひょっとしたら、私たちひとりひとりが既にメガ・ディプロマシーに含まれているかもしれませんね。

【ざっくり目次】
1.巨大化する外交(メガ・ディプロマシー)
2.これまでにないタイプの「外交官」の登場
3.条件つきのコンセンサス
4.戦争なき平和
5.新しい植民地主義・・・古い植民地主義よりもよいもの
6.テロリスト、海賊、核兵器
7.人権がきちんと守られる世界
8.必要な手段を探る
9.貧困根絶を目指す
10.私たちの地球、私たちの選択
11.新しい時代のルネサンス

【本日のココが好き!】
 正直、もうちょっと入門編を読むべきだったかなぁ。あまりにも無理過ぎて人物と出来事が多すぎて完璧に消化不良です・・・子どもが大きくなるまでには、もう少しお勉強しておかなくては思った次第でございます。

世界のエリートのすごさを思い知りました。。。

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-12-17 18:42 | Trackback | Comments(0)
『ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方』をご紹介します

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /





今回は今年の6月に出版した『ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方』をご紹介します。

【目次】

第1章 巨大化する外交
第2章 これまでにないタイプの「外交官」の登場
第3章 条件つきのコンセンサス
第4章 戦争なき平和
第5章 新しい植民地主義-古い植民地主義よりもよいもの
第6章 テロリスト、海賊、核兵器
第7章 人権がきちんと守られる世界
第8章 必要な手段を採る
第9章 貧困根絶を目指す
第10章 私たちの地球、私たちの選択
第11章 新しい時代のルネサンス

【著者情報】

カンナ,パラグ(Khanna,Parag)

 1977年インド生まれ。ニューアメリカ財団上級研究員。ブルッキングス研究所研究員も兼任。米国特殊作戦部隊のアドバイザーも務める。外交問題評議会(CFR)会員。世界経済フォーラム「若き世界のリーダー」の一人に選出。ジョージタウン大学外交学部にて学士号、修士号取得。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)にて博士号を取得。『ニューヨーク・タイムズ』『フィナンシャル・タイムズ』紙他多数の新聞に寄稿するほか、CNN、BBCなど世界中のテレビにもしばしば出演。
http://www.paragkhanna.com/

==========================

 本日は、私が翻訳をしました、パラグ・カンナ著『ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方』(古村治彦訳、講談社、2011年)を読者の皆様にご紹介いたします。

 原題は、How to Run the World: Charting a Course to the Next renaissanceです。著者のパラグ・カンナは、1977年生まれの34歳。本作はカンナ氏の第二作となります。彼のデビュー作『「三つの帝国」の時代 アメリカ・EU・中国のどこが世界を制覇するか』(玉置悟訳、講談社、2009年)は、副島隆彦先生が帯に推薦文を書かれている本で、皆さまの中にもお読みなった方が多くいらっしゃると思います。

 原著は2011年1月に発売になり、その少し前から翻訳作業はスタートしました。途中、東日本大震災が発生し、予定が少し狂ってしまいました。このように本が刊行できたことは訳者として大変な喜びです。また、カンナは大震災発生後、日本の読者の皆様のために丁寧な前書きを書いて送ってくれました。「日本は必ず復活できる」「日本は世界で最初にその一日を迎える国だ。日本は常に世界が経験したことのない不幸な出来事に直面してきたがそれらを乗り越えてきた」という前書きの内容は、読者の皆様に対する激励になっています。

 カンナの第二作の『ネクスト・ルネサンス』について簡単にご紹介したいと思います。

 本書の中で、カンナ氏は、21世紀に入った現在が1000年前の中世時代によく似ていると主張しています。特に、アメリカの力(パワー)が衰退し、世界を支配する超大国がない状況、並びに国民国家の力が落ちてきている状況に置いて、様々なアクターが世界統治のために能力を発揮し、活躍していると主張しています。そのアクターは多岐にわたり、トヨタやGEのような多国籍企業、NGO(非政府組織)、大学、教会、各都市、ハリウッド俳優やロックシンガーのような有名人たちが挙げられます。簡単に言うと、これまでアメリカが支配してきた国家を中心にして動いてきた世界が崩壊し、個人や団体が世界規模で能力を発揮し、世界を動かしているということになります。

 カンナは、現代世界を動かすのは「外交(diplomacy)」だと主張します。そして、これからの外交は、これまでの外交官たちが独占してきた古い外交ではなく、新しい外交が行われるべきだと主張しています。それが「メガ・ディプロマシー(Mega Diplomacy、巨大化する外交)」という考え方です。これは、これまで外交の世界に関与できなかった多くのアクターたちが分業して外交に参加し、世界を動
かしていくというものです。有名人が世界規模の諸問題を世界中に提起する、あるいは、NGOや多国籍企業が問題解決のために動くというものです。

 現在、アイフォンやアイパッドを使えば世界中どこにいても人々とつながり、コミュニケーションがとれる時代となりました。こうした技術の進歩によって、外交は、多くのアクターたちに「開放され」ました。カンナは一般の私たちも外交官のような働きができると主張しています。中東での民主化の動きやウィキリークスなどはこうした時代の象徴と言えるでしょう。

 カンナは、「テロリズム」「人権」「貧困対策」「環境保護」といった多くの国際問題に対処するために公的機関と民間部門の協働の重要性も主張しています。これがメガ・ディプロマシーの考え方なのですが、外交に、これまで外交に参加できなかったアクターたちが参加することで、世界が直面する諸問題を解決しようということなのです。こうした公的機関と民間部門の協働は、外交だけではなく、様々な場面で必要となってきています。今回の東日本大震災では、公的機関、具体的には政府や地方自治体だけでは災害後の救援や復興に限界があること、民間の力、多くの団体や個人の参加が必要であることが明らかになりました。「政府が何でもやってくれる」「民間が出る幕ではない」という、これまで日本でよく聞かれた考えは時代遅れのものとなりました。これは世界的傾向でもあります。

 そのことをカンナは本書『ネクスト・ルネサンス』で書いています。

 本書『ネクスト・ルネサンス』の中で、重要なカンナの主張に「国境線を引き直す」というものがあります。世界の多くの国々は植民地から独立しました。その際、旧宗主国によって恣意的に引かれた境界線を国境線としました。この国境線が中東、アフリカ、中央・南アジアの各地域の紛争の原因となり、これらの地域に存在する国々を苦しめているのが現状です。

 これに対して、カンナは国境線を引き直す、もしくは国内の不安定要因になっている少数民族は独立させるべきだと主張しています。スーダン南部のキリスト教徒、トルコ、イラク、イランに住んでいるクルド人、アフガニスタンとパキスタンの国境地域に住んでいるパシュトン人といった人々は国家を持つべきだと主張しています。カンナは常々、世界は300の国々に分かれれば平和になると主張しています。また、「国境線などよりも、鉄道と石油や天然ガスのパイプラインで国々をつなぐことが重要だ」とも主張しています。

 副島隆彦先生が出された中国に関する本の中で、高速道路や鉄道、石油のパイプラインを中国から内陸の中央アジア諸国につないでいる様子、中国の西部(内陸部)開発の様子が写真付きで描かれています。国境線をめぐって不毛な争いをする時代は終わりつつあり、鉄道、高速道路、パイプラインでつながっていく時代になっているということが本書『ネクスト・ルネサンス』を読むと良く分かります。

 これまで私が書いてきました『ネクスト・ルネサンス』の内容の紹介を読んで、「リベラルで理想主義的な(空想の)話か」と思われた方々も多いと思います。しかし、カンナのポジションを考えるとあながち夢想家の本とは言えません。カンナは現在、ニューアメリカ財団の上級研究員をしています。またブルッキングス研究所の研究員も兼任しています。

 彼は、外交評議会(CFR)の会員でもあり、世界経済フォーラムが選ぶヤングリーダーでありダボス会議には毎年出席しています。若き世界エリートの一人であると言えます。本書の訳者あとがきでも書きましたが、カンナはオバマ大統領の選挙戦の時の外交政策立案チームに参加していたこと、またCFRの会員であることから、ズビグニュー・ブレジンスキーとの関係が深いと考えられます。この点から、彼が本に書いて発表することは、ただの理想論や空想の話ではなく、アメリカの外交政策や世界の将来のための実現可能な提案なのです。

 カンナはこれまで世界100カ国以上を実際に訪ね、様々な人々に会い、話を聞いて自分の知識を構築しています。そうした現実に即した知識に基づいて本書『ネクスト・ルネサンス』は書かれています。この本は、一言で言うならば、「リアリスティック(現実的)なリベラルである若き世界エリートの世界を動かすために提案した青写真・設計図」ということになります。世界がこれからどのように動いていくのか、その時に自分はどのように動けば良いのかということについて大変示唆に富んだ本です。是非、手にとってお読みください。よろしくお願い申し上げます。

(終わり)

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

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# by Hfurumura | 2011-11-21 14:14 | Trackback | Comments(0)
お知らせ

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房



ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」の「今日のぼやき・会員ページ」に拙文を掲載していただきました。→ http://www.snsi.jp/tops/boyaki/1547

タイトルは「「1262」 アメリカは「アジア・太平洋地域共栄圏(Asia-Pacific Region Co-Prosperity Sphere)」を構想し中国に対抗しようとしている。古村治彦(ふるむらはるひこ)筆 2011年11月15日」というものです。

この論稿は、ヒラリー・クリントン国務長官、ジョセフ・ナイハーバード大学教授、イアン・ブレマーユーラシアグループ代表の論文や著作を通じて、アメリカの外交政策の基本を読むという内容になっています。

「副島隆彦の学問道場」の「今日のぼやき・会員ページ」は会員限定のページとなります。会員お申し込みはこちらのアドレスです。→ http://www.snsi.jp/tops/entry

どうぞよろしくお願い申し上げます。

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第1回『日米地獄へ道連れ経済』発刊記念講演会

副島 隆彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-11-16 18:31 | Trackback | Comments(0)
学問道場福島復興活動本部滞在報告記④

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房



 都路滞在5日目(11月4日)はご近所にあいさつ回りをしました。ある会員の方々からミカンをたくさんいただいたのと、『放射能のタブー』が本部に届いたので、ミカンと本を持参して数軒のお宅を訪問しました。そのうちの2軒では家に上げていただいてお茶をご馳走になりながらお話を聞くことができました。

 一軒目は都路で造園業を営んでおられるおうちです。ご主人は東京でも生活をされていましたが、今から10年ほど前に帰郷され事業をされています。私は初めてお話を聞くので、まず地震当日のお話をお聞きしました。「「当日は南相馬市の原町にいた。自分の5メートル手前まで津波が来た。そのときは、津波だとは分からなかった。ただ、道沿いの田んぼに水を張っているんだろうと不思議に思った。そしたらそれが津波だったわけさ」とご主人は話してくれました。今回は大津波で多数の犠牲者が出ましたが、その中には津波だということを咄嗟に気付くことができずに巻き込まれた方々もいらしただろうことは推察できます。ご主人は海沿いの道ではなく、山の方の道を迂回してようやく都路まで帰ってきたということでした。

 次に原発で事故が起きた直後のことをお聞きしました。ご主人は「ここら辺の数値は、飯館村なんかに比べて低いでしょ。私は漁師をしていた経験もあるんだけど、この時期の風は南風だから、放射能物質は飛んでこないと思ったんだよ。それで避難する必要がないと判断した。私たちがここにいたら、まず大熊町の人たちが都路に逃げてきた。そして翌日にはもっと先まで避難していった。ここらへんでは、40人くらいは避難指示があっても避難しなかったと思うよ」とお話ししてくれました。

 いろいろなお話の中で、やはり生活のことに話題が及びます。「補償はこれからだ。今は東電から一時金100万が払われて、とりあえず住民も抑えているが、この後に除染や補償の問題が本格化する。自分もそろそろ東電の船引の賠償相談窓口に怒鳴り込もうかと思っている。従業員の給料を払わないといけないから。行政局にも怒鳴り込んだ。とりあえず従業員の休業補償はとった。だが、事業が継続できなくなった事とか東電はどうするんだ」ということをご主人は言っていました。冬に向けて寒さも厳しさを増す中で、生活の不安も大きくなっていくということでした。

 最後のご主人は「5キロ圏内はこのまま最終処分場にするしかない。他にもっていくところがない。それでね、原発から19キロのところに畜産をずっとやってきた、ここらでは有名な頑固親父が避難もせずに残って生活しているよ。俺も畑があるから見に行きたいんだがね」という話もしてくれました。

 それから、近所の方で何かとお世話になっているYさんのお宅に伺いました。裏山の樹木の剪定を終えゆっくりなさっているところにお邪魔したにもかかわらず、コーヒーやお菓子をご馳走になりました。Yさんと奥さんは、吉見さんに本部の様子を尋ね、これから冬に向けて対策をするようにということを話してくれました。都路でも雪が30センチも積もることがあり、車の運転は大変危険だから、慣れていない人間は運転しないように、ということでした。冬の寒さは鹿児島育ちで、冬の時期には東京までしか行ったことのない私には想像もできないことです。

 吉見さんが「都路の小中学校は10キロ先の春山小学校に仮校舎を建てていますよね。子供たちは、非難は大変だけど、コンビニにいけるような場所に避難できて良かった、と内心思っているんじゃないですかね」と言ったところ、Yさんの奥さんは、「そんなことないよ。よそから来た子だから、ケンカに弱い子らは苛められてるんだ。しかも、よそから来て間借りしている身だから言い返せないんだ。自分の家がいちばん良いさ」と仰っていました。

 Yさんに「東京の皆さんは福島に行ってみたいなんて仰るかね」と聞かれたときにはちょっと答えに詰まりました。私の周りではそんな話をしないからです。それでも九州に住む母はご縁がなかった福島にも行ってみたいものだと言っていますから、そのことはお伝えしました。「春になると桜がきれいだからいらっしゃると良いよ」とYさんは仰いました。



都路の様子

 11月4日の夜は滞在最終夜ということで、吉見さんとお酒を飲みました。首都圏で育った吉見さんが自然は豊かだが人は多くない場所で、元スーパーの建物で独り生活するというのはどういう気持ちなのかということなどについて教えてもらいました。「出家をし、修行をしているようなものと言えるかもしれませんね」と吉見さんは笑いながら話してくれました。私には名利も求めず、ぜいたくな生活もしない吉見さんの方が、そこらの生臭坊主に比べてずっと立派なように感じました。

 深夜お酒を飲んでいると、防災無線が作動し、消防団員に集合がかかりました。緊急車両も近くを走るようになり、「何事だろうか」と心配になりました。緊急無線では都路古道山口地区で火事が発生したということでした。1時間ほどで鎮火したという無線放送があり安心しました。これは私の勝手な想像ですが、原発が事故を起こした時、恐らくこのような防災無線ですぐに避難するようにという指示があったのでしょう。そして、不安におびえながら皆さんが避難されたのでしょう。私は一瞬、「原発で何かあったのではないか」という思いに駆られました。そして恐怖を覚えました。火事であることを知ってもどこか怖さを感じていました。自分の小心さには今驚くばかりです。しかし、暗い中で自分がどうしようもない状態にあると思うと恐怖を感じた、ということはここに記録しておかねばなりません。

 私はこの時期に都路を再訪し、とても良い経験ができたと思っています。首都圏にいると地震や原発事故について忘れがちになります。一日中地震や原発事故のことを考えることは不可能です。それでもたまには考えること、そして実際に行って、自分の目で見て体験してみることはとても重要なことだと改めて思いました。頭の中でいくら想像してもそれは現実に限りなく近づくことができても現実ではありません。「そんなことは当たり前だ」と仰る方もいると思いますが、今回の原発事故に関してはそれが当たり前ではなくなっています。「できるだけ自分の目で見、耳で聞き、手で触る」ということはヴァーチャルな便利さが進んでいく時代に重要なことであると思います。

 放射能についてですが、ご心配の方も多いと思います。都路では、防災無線で放射線の測定値を毎日発表しています。その数値はインターネットでも見ることができます。どうぞご覧ください。これだけの数値なのです。どう判断するかは読む人によりますが、私は1週間弱滞在しましたが健康には影響がないと考えます。都路からまた更に離れた場所であれば尚更心配なく、日常生活を送ることができると考えます。
※田村市による環境放射線モニタリング測定値が発表されているウェブサイトのアドレス→ http://www.city.tamura.lg.jp/tamura_saigai/kankyo_ph_2.jsp#ooaza-moni

 私が住んでいるところからほんの2、3時間の場所に原発事故において日常生活を送れる場所とそうではない場所を区切る境界線があります。この境界線は事故直後に半径30キロ圏に引かれ、その後20キロ圏に引きなおされました。その根拠は何なのか、いまだによく分かりません。放射能測定モニタリングの数値でもないようです。そして人間が年間に浴びても問題ない数値を巡って大きな議論となっています。

 「数値が年間1ミリシーベルトを超えると危ないんだ、人がたくさん病気になってしまうんだ」と思っている人たちからすれば、今回の私の都路滞在は「わざわざ危ないところに行って狂気の沙汰だ、馬鹿な奴だ。師匠の副島隆彦に騙されたか、狂信的な弟子なのだろう」ということになるでしょう。それでも福島には、都路には現実の生活があります。頭の中で想像と恐怖を膨らませるだけでは済まないのです。ちなみに人間が1年間に浴びる放射線量は世界平均2.4ミリシーベルトであると言われています(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E3%83%88)。

 放射能を怖がることは当然のことだと思います。また、放射能について恐怖心を増大させるような情報だけを頭に取り入れることも自由です。しかし、福島で現実の生活をしている人々にも現実の生活を送る権利と自由があります。それに対して非難をするだけでなく、その人たちが普通の生活を送れるように見守り、協力していけるようにすることが、「ほんの少し離れた場所にいる」私たちのやるべきことではないかと私は思います。

 最後に都路にある旅館「みや古旅館」のご主人(元高校球児で甲子園出場経験有)が旅館の一室から掲げているメッセージを掲載します。



(終わり)

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ

# by Hfurumura | 2011-11-13 22:04 | Trackback | Comments(0)
学問道場福島復興活動本部滞在報告記③
都路滞在4日目(11月3日)は文化の日ということで都路から10数キロ離れた常葉(ときわ)町で「新蕎麦祭り」が開催されるということで吉見さんと出かけました。正式な名称は「あぶくま高原 新そばまつり」で、田村市・いわき市・小野町・川内村・平田村・葛尾村の団体が新蕎麦を販売するというものです。


蕎麦の出店の様子


新蕎麦(すっきりした味わいでした。大変美味しくいただきました)と蕎麦打ちの様子

蕎麦以外にも山の幸を中心に出店が出ていて、またステージも設置され、様々な出し物がありました。


民謡大会の様子(子供たちが大変上手に歌っていました)


猪の肉の串焼き


イワナの串焼き

 駅伝大会も同時に開催され、小中高、大学社会人まで各世代の選手たちが参加していました。都路では小中学生を見かけませんので、子供たちが楽しそうにしている姿を見るのは感動的でした。月並みな表現ですが、当たり前のことができることのありがたさを改めて実感しました。また、この地方の食べ物の豊かさも再確認できました。
# by Hfurumura | 2011-11-12 17:37 | Trackback | Comments(0)
学問道場福島復興活動本部滞在報告記②

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ



 滞在2日目(2011年11月1日)、本部にある自動車を運転して、川内村に向かいました。都路の隣にあるのですが、都路は「平成の大合併」で田村市となりました。元々はお隣同士の村でした。ここには村役場の側に町営の温泉施設である「かわうちの湯」(http://www.kawauchimura.com/onsen.html)があります。

 この施設は露天風呂やレストランも完備されていた施設なのですが、2011年3月11日の大地震のために露天風呂が故障してしまいました。現在は、大浴場(サウナやバブル風呂がある)だけを午後1時から8時まで営業しています。料金は100円という格安の値段です。来月には全面改修に入ってしまうので営業をしなくなるのですが、それまでは100円で温泉を楽しむことができます。泉質はぬるぬるした感じです。100円で入湯するのは申し訳ないほどです。皆さま、是非遊びに行ってみてください。タオルなどは持って行ってください。来月には本格的な補修作業が開始されますので、閉鎖される予定です。行かれる際にはご注意ください(かわうちの湯の電話番号は0240-39-0103です)。


かわうちの湯の外観

 滞在3日目(11月2日)には、都路から20キロほど離れた船引(ふねひき)に行きました。本部では基本的に自炊をしていますので食料の買い出しと船引にある仮設住宅を見学しました。船引は郡山からも20キロほど離れた場所にあり、郡山のベッドタウンとして新興住宅地のようになっている場所もあります。


船引の住宅街。この側に仮設住宅が建設されている

 新興住宅地の側にある市営グラウンドに仮設住宅が建設されています。全体で100戸ほどの仮設住宅があり、バリアフリーになっているものや少し広めのものがあります。駐車スペースも整備されています。集会所は2か所あります。高台のグラウンドにあり、近くのショッピングセンターまで1キロ以上はあるので車の運転ができないお年寄りなどは大変だろうと思いました。車が運転できれば買い物などには苦労は少ないのではないかと思います。


仮設住宅の案内図(世帯で大きさが違うユニットもあります)


仮設住宅の様子


集会所の建物(全体としてバリアフリーになっています)

 船引には駅前に商店街があり、そこから1キロほどのところには巨大なショッピングセンターがあります。ダイソー、スーパー・リオンドール、ドラッグストア、ツタヤ、ドトールコーヒー、ケンタッキー・フライド・チキン、ホームセンター(生鮮食料品有)のダイユーエイトが1か所に集まっています。土日は広い駐車場が満車になるのだそうです。


ショッピングセンターの様子


ツタヤの書籍コーナーにて(『放射能のタブー』はありませんでした)

 ショッピングセンターの近くの空き店舗(以前は本屋さんだったそうですが閉店して空いていたそうです)に東京電力の「郡山補償相談センター 賠償相談窓口」が開設されていました。常に誰かが外に立つなど不必要な人数が無駄な場所に割かれている印象でした。駐車場から通る人や車を監視しているかのようで、大変な威圧感を覚えました。ここに相談に行くというのは普通の人には勇気がいることだろうと思いました。船引にある地震や原発事故の被害を直接外部の人間にも分かるものは、仮設住宅と東電の相談窓口だけでした。


東電の相談窓口

(つづく)

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房


(つづく)
# by Hfurumura | 2011-11-12 10:11 | Trackback | Comments(0)
学問道場福島復興活動本部滞在報告記①

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ



2011年10月31日から11月5日にかけて、「副島隆彦の学問道場」福島復興活動本部に滞在してきました。本部には、吉見理(よしみ・おさむ)さんが2011年6月から継続して滞在し活動しています。吉見さんは、『放射能のタブー 悪魔の用語辞典<3>』に「福島復興活動本部 活動日誌(2)」を寄稿し、現在もウェブサイト「副島隆彦の学問道場」の掲示板「重たい掲示板」(http://www.snsi.jp/bbs/page/1/)に定期的に活動日誌を掲載しています。今回の滞在中には、吉見さんには大変お世話になりました。この場を借りてお礼を申し上げます。


 
田村市の地図(都路が20キロ圏のすぐ外にあることがお分かりになると思います)

2011年10月31日(月)午後3時、私は福島県田村市都路町にある活動本部に到着しました。東北新幹線で郡山に向かい、磐越東線(ばんえつとうせん)で郡山から船引(ふねひき)、福島交通の路線バスで船引駅前から終点(古道車庫)までを乗り継いで、私が住む埼玉県から約3時間の行程でした。
※都路までについては福島交通のウェブサイトを参考になさってください。アドレス:
http://www.fukushima-koutu.co.jp/bus/map/02index_ono.html

活動本部は、以前はスーパーとして使われていた建物です。1階は事務所と台所、2階は居住スペースとして使用しています。


学問道場福島復興活動本部の建物

到着してしばらく話をし、まずは都路の町を吉見さんの案内で歩き回りました。まずは田村市が設置している都路行政局です。都路は元々都路村でしたが、市町村合併で田村市となりました。行政局は昔の村役場です。行政局はサービスを復活させ、夜には宿直をしている職員もいます。


都路行政局

その後、高台にある都路中学校に向かいました。都路には小中学校があるのですが、現在子どもたちは避難していて、両方とも閉鎖されている状態です。両校とも地震によって土砂崩れや地面の亀裂といった被害があるのですが、生徒たちがいない為に補修も後回しになっています。小学校では地震の被害がだいたい片付いた後に、台風による豪雨でがけが崩れ、校庭の真ん中に崩れた土砂と木が集められている状態です。


高台にある都路中学校。地割れに応急処置。


都路中学校。建物の側の砂の山は除染で取り除かれた表土


都路小学校の校庭の様子。

町を歩いているうちに午後5時になり、辺りはすっかり暗くなりました。昼間は暖かかったのですが、太陽が沈むと気温が急速に下がっていきます。やはり東北の山間部は秋の訪れが早いです。夜になると外の気温は摂氏3度にもなり、息を吐くと白くなるほどです。

(つづく)

バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容

アダム・レボー / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-11-11 20:57 | Trackback | Comments(0)
米国の首席交渉官は対アジア・対日本のエキスパート

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ



本日の新聞各紙はペルーの首都リマで開催されていたTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉会合が閉幕したことを伝えています。各紙の記事は、米国の首席交渉官であるバーバラ・ワイゼル氏の「TPPの交渉過程での離脱は認められない。真剣な参加意思を持たない国には来てもらいたくない」という発言を取り上げています。これは日本の一部で主張されている「TPPの参加交渉をしてダメだとわかれば交渉を取りやめる」という日本側にとって都合の良い選択肢を封じこめる発言です。



このバーバラ・ワイゼルという人物について簡単に調べてみました。ここからは米国通商代表部のウェブサイトにあったワイゼルの紹介ページを参考にして書きます。

ワイゼル(英語の発音ではウィーゼルではないかと思います)米国通商代表部副代表の下のアシスタントのポジション(東南アジア・太平洋担当)にあります。東南アジア・太平洋担当部がTPPの交渉を担当しています。ワイゼルはコネチカット大学で学士号、ハーバード大学で経済発展とイスラム文明研究で修士号した後、1984年から1994年まで米国務省に勤務しています。国務省時代には日本、ペルシア湾岸諸国、北アフリカ諸国の経済分析などの仕事をしています。そして1994年に米国通商代表部に入りました。彼女は米国通商代表部ではアジア地域を専門に活動しています。日本担当部局の責任者、東南アジア・太平洋部局のアシスタント補米豪FTA、米・シンガポールFTA、対韓交渉にあたりました。ワイゼルはまた医薬品に関わる問題にも携わりました。そして2004年に東南アジア・太平洋担当部のアシスタントとなりました。そして対タイ、対マレーシアとのFTA交渉の責任者となっています。

ワイゼルという人物のこれまでの経歴を見ますと対アジアの交渉のエキスパートとして育てられてきたことが分かります。そして、国務省時代から日本に関わる仕事をしてきたということも明らかです。こうしたことから米国の意図が「TPPに日本を参加させる」ということであることは明白です。日本の経済分析や通商代表部で日本セクションの責任者をしていた人物をTPPの首席交渉官にしているということは米国の重大な決意に表れであると考えられます。

(転載貼り付けはじめ)

●「米首席交渉官、日本のTPP「離脱論」けん制」

2011年10月29日付 YOMIURI ONLINE
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20111029-OYT1T00287.htm

 【リマ=浜砂雅一】ペルーの首都リマで開かれていた米豪など9か国による環太平洋経済連携協定(TPP)の第9回交渉会合が28
日、閉幕した。

 米国のバーバラ・ワイゼル首席交渉官は閉幕後、一部記者団に対し「参加の決断は前もってなされるべきだ。真剣な意志を持たない国には来てもらいたくない」と述べた。

 これは交渉参加を検討中の日本政府・与党内にある、国益に合わなければ交渉途中で撤退すればいいとの「離脱論」をけん制し、政府の意思統一を図った上で参加を表明するよう促した発言だ。

 一方、ペルーのエドガー・バスケス首席交渉官は閉幕後の記者会見で、「すべての分野で進展があったが、交渉終了に至らなかった」と述べ、11月にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議での大枠合意に向け、詰めの協議が必要との認識を示した。バスケス氏は、知的財産権などの分野で交渉が遅れ気味だと説明した。

(2011年10月29日10時47分 読売新聞)

==========

2011年10月29日アクセス 米国通商代表部ウェブサイト
http://www.ustr.gov/about-us/biographies-key-officials/barbara-weisel-austr

Barbara Weisel

Assistant U. S. Trade Representative for Southeast Asia and the Pacific

Barbara Weisel was appointed to the position of Assistant U.S. Trade Representative for Southeast Asia and the Pacific at the Office of the United States Trade Representative in July 2004. In this position, she is responsible for developing and
implementing U.S. trade policy toward countries in Southeast Asia and the Pacific, and ASEAN. She is the lead negotiator for the U.S. Free Trade Agreement negotiations with Thailand and Malaysia.

Prior to this, Ms. Weisel served as Deputy Assistant U.S. Trade Representative in the same office, where she was the deputy lead negotiator on the U.S.-Australia FTA and worked on the Singapore FTA as well as Korea bilateral issues. Her office previously also handled global pharmaceutical issues.

Ms. Weisel joined the Office of the U.S. Trade Representative in 1994. She previously served as Deputy Assistant U.S. Trade Representative for Bilateral Asian Affairs and Director for Japan Affairs in the Office of Japan.

Prior to joining USTR, Ms. Weisel worked at the State Department from 1984-1994. During this time, she served in a variety of positions, including as international economist on Japan, the Persian Gulf, and North Africa.

Ms. Weisel received Masters Degrees in economic development and in Islamic civilization from Harvard University and her Bachelor's Degree from Connecticut College.

(転載終わり)

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-10-29 11:36 | Trackback | Comments(0)
オバマ政権は簡単に言うと「バイデン対ヒラリー」で争っているようだ

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ



バイデン副大統領は1942年生まれですから、もうすぐ70歳になります。2016年の大統領選挙では74歳。体力や資金力に自信がある人物でも1年以上にわたる民主党予備選・大統領選挙を勝ち抜くのは至難の業です。高齢で集金力がそんなに高くないであろうバイデン氏が高齢になって大統領選挙を勝ち抜くのは困難です。重要なことはここでバイデン副大統領が「オバマ大統領を2期目も支え、その後も自分が政権に担う用意がある」と間接的にでも示したことです。これは有権者に対するアピールよりもワシントンのインナーサークル、ベルトウェイ(日本で言う「永田町」のような言葉)の住人たちに対するメッセージであると思われます。

「タイム」誌は、ヘンリー・ルースという人物が創刊した週刊誌で、タイム=ワーナー系としてCNNを所有しています。このタイム誌が10月9日から10日にかけて世論調査を行いました。その世論調査は、来年秋の大統領選挙で民主党の大統領候補がヒラリー・クリントン国務長官になる場合、現在の共和党の大統領選挙最有力候補ミット・ロムニーとの争いになったらどちらに投票するかという
ことを調査したものです。そして結果はクリントン国務長官55パーセント、ロムニー氏38パーセントというものでした。以下の産経新聞の記事では「ヒラリー氏が圧勝」ということになっています。「ヒラリーが出たらよいのに」と考えている有権者が多くいるという結果になりました。

この世論調査は大変奇妙なものです。まずヒラリー・クリントン国務長官は来年秋の大統領選挙に出馬しないと述べています。民主党内にはオバマ大統領を脅かすような存在も今のところいません。強いてあげればクリントン国務長官ですが、彼女は明確に出馬を否定しています。バイデン副大統領もオバマ大統領の再選に向けて努力すると述べています。「オバマ氏とロムニー氏のどちらに投票しますか?」という質問の方が今の段階では自然です。マスコミはいろいろなことを考えるから面白そうなネタであれば何でもやるし、飛びつくということは言えます。ビル・クリントン大統領時代、副大統領のアル・ゴア氏の人気も高いものがありました。しかし、このような設問があったのかどうかは寡聞にして聞いたことがありません。これは「タイム」誌によるオバマ潰しの一環ではないかと思います。

バイデン氏の「意欲の表明」はどのような意味を持つかを考えました。これは「ヒラリー・クリントン潰し」の発言ではないかと私は考えます。クリントン潰しの先にあるのは「オバマ潰し封じ」ということではないかと思います。クリントン国務長官は2008年の大統領選挙の最有力候補と言われ、オバマ氏にとっての最大のライバルでしたが予備選挙で敗退し、オバマ政権の国務長官となりました。彼女自身に出馬する意思がなくても周囲(グローバリスト系やネオコン系)が外堀を埋めてしまえば出馬せざるを得なくなります。またヒラリー・クリントン氏の存在感を高めておくということも重要なことであり、今回の世論調査はそれに成功していると言えます。

バイデン氏はCNNの番組で「意欲の表明」をしたということは、恐らく、「タイム」誌の世論調査の結果を知っていてのお発言であると捉えるべきです。バイデン氏の発言は「グローバリストたちがいろいろと画策しているがそうはさせない」という宣言だったと捉えることができます。

(新聞記事・ニュース記事転載貼り付けはじめ)

●「2016年大統領選への出馬を示唆、バイデン米副大統領」

2011年10月23日付 CNN.co.jp

 (CNN) バイデン米副大統領は23日までに、2016年の大統領選に立候補することも有り得るとの考えを示した。CNNとの会見で述べた。

 デラウェア州選出の前上院議員のバイデン氏は08年の大統領選に出馬したものの、予備選で敗北し、撤退していた。

 バイデン氏はCNNとの会見で、来年の大統領選ではオバマ氏再選に注力すると述べながらも、16年の大統領選については出馬の是非について後で決断を下すと表明した。また、副大統領としての活動などに触れ、「うまくやっている」「今やっていることを楽しんでいる。出来うる限り、この気持ちを今後も維持したい」などと述べた。

 CNNとの会見の模様は23日の番組「ステート・オブ・ザ・ユニオン」で放映される。

●「クリントン長官が候補なら民主党圧勝 世論調査」

2011年10月28日付 MSN産経ニュース

 米誌タイムは27日、来年秋の米大統領選でヒラリー・クリントン国務長官(64)が民主党候補になれば、共和党候補指名争いで優位に立っているロムニー前マサチューセッツ州知事に圧勝するとの世論調査結果を伝えた。

 クリントン氏とロムニー氏のどちらを選ぶかとの問いに、55%がクリントン氏と答え、38%のロムニー氏に17ポイントの大差をつけた。現職で再選を目指すオバマ大統領は、ロムニー氏に3ポイントの差しかつけられなかった。

 前回大統領選の民主党候補指名争いでオバマ氏と激戦を繰り広げたクリントン氏は、再出馬の可能性を否定しているが、同誌は「クリントン氏の方がオバマ氏よりはるかに有力」と指摘した。

 調査は今月9~10日に実施された。(共同)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-10-28 14:56 | Trackback | Comments(0)
ここで使っている公約は絶対に破らない約束の意味ですか

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ



「言葉の揺らぎは混乱の元」と申します。言葉の定義が揺らいでしまうと、その言葉を使うたびに混乱が生じます。それはコミュニケーションにおいて話し手と受け手が同じ言葉を知っていてそれを使っても定義が違えば全く伝わっていないことよりも悪い事態を引き起こすことに
なります。それが些細なことならまだしも国民生活に影響するような政治の世界で行われては大変なことになります。

以下の新聞記事の見出しには「公約」という言葉が使われています。この公約という言葉は大辞泉という辞書では次のような定義がなされています。(http://dic.yahoo.co.jp/dsearch/0/0na/06239900/)

(引用はじめ)

こう‐やく【公約】

[名](スル)公開の場で、また公衆に対して約束すること。特に、選挙のときに政党や立候補者などが、公衆に対して政策などの実行を
約束すること。また、その約束。「減税を―する」

(引用終わり)

選挙での演説や国政報告会で政治家たちはこの公約を有権者に向かって発表します。この頃定着してきたマニフェストとは、公約を実現するための期間や予算などをあらかじめ設定してより具体性と検証性を持たせようというものです。有権者は様々な動機や理由で投票をしますが、公約やマニフェストは大きな理由になります。2009年の総選挙で民主党はマニフェストを掲げ選挙戦を戦い、政権交代を実現しました。それから2年経って、マニフェストで約束したことを実行しないというケースが目立ってきています。また、小泉政権下、自民党も小泉首相の「この程度の公約違反は仕方がない」という発言が示すように居直ってきたこともあります。日本の与党はどうも公約を軽視しており、国民の中には「あんなものは信用できない。実行への努力をすぐに放棄する」として政治を軽蔑する人たちも出てきています。「公約」は国民に向けられると中身の軽い、破っても良いという意味まで含んだ言葉になりつつあります。

しかし、以下の産経新聞の記事における「公約」の使い方には、「アメリカに対してこの5つを必ずやりますという絶対に破らない、破れない約束」という意味が入っています。また、大辞泉にある定義を考えれば、「公約」という言葉はここではふさわしくありません。亜米利加は有権者でも公衆でもないからです。それなのに、日本の大新聞の一角を占める産経新聞が辞書に掲載されていない意味でこの「公約」という言葉を使っています。それは、「絶対に破ってはいけない約束」という意味を込めたかったからだということは推論できます。

国民に対しての約束を示すはずの公約という言葉が、アメリカに対する約束に使われているということに奇妙な感覚を覚えます。アメリカは日本の政治の有権者ではありません。アメリカがどこかの小学校や公民館に行って投票することはありません。ちょっと馬鹿なことを書きましたが、厳密に言うならば日本政府がアメリカ政府に「公約」などすることはできないはずです。「必ず実行する約束」を国民にしないで外国にするというのはおかしな話です。国民には「必ずやります」と言ってそれを弊履のように捨て去る。一方、アメリカとの約束は何が何でも守る。これが日本の姿です。そして「公約」という言葉の揺らぎが起き、それが政治の世界の揺らぎを示しながら、同時に政治の世界に混乱を与えるのです。

産経新聞が書く「対米公約5か条」の内容はどれも極めて重い、重要な内容のものばかりです。国民生活全般に関わるものと言ってよいでしょう。内容は以下の通りです。

「(1)TPP交渉への参加(2)武器輸出三原則の緩和(3)南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊派遣(4)牛海綿状脳症(BSE)問題を機に実施された米国産牛肉輸入規制の緩和(5)国際結婚の子の親権に関するハーグ条約加盟」

以下の新聞記事によると、オバマ大統領は普天間基地移設問題の進展を要求し、また「TPP交渉への参加、牛肉輸入規制の緩和、ハーグ条約加盟」を要求してきたとしています。アメリカ側は大変苛立っており、普天間基地移設問題が進展しない中で、こうした公約を果たさねばならないところにまで追い込まれた、となっています。

武器輸出三原則の緩和と南スーダンへの自衛隊派遣についてはアメリカ政府は何も言っていないようですが、言われていないことでも気をまわして先に言っておくということなのでしょう。5つの対米公約で掲げられていることは、日本の国内問題であって、アメリカ側に「実現します」と約束するようなものでもありません。約束するならば国民にすべきであり、国会で議論をし、最後には選挙という形で国民に信を問うべきものです。民主党は対米公約5か条を掲げて選挙を戦ってみたらよいのです。それもできないで、つまり国民に対して約束をしていないことを勝手に持ち出して、アメリカには「必ず実現します」と約束してしまう。

民主党政権は誰に向かって政治をしているのでしょう。これでは国辱的な外交政策を繰り返してきた自民党と何ら変わりません。特に自分の虚栄心と権力欲だけでアメリカに従属して政治を行ってきた中曽根内閣や小泉内閣と何ら変わらない。

「公約」という言葉は自分たちに投票してくれて、政権の座につけてくれた有権者に対してするものです。現在の野田佳彦総理はアメリカの力で総理にしてもらったのならアメリカに公約するのも当然でしょう。そして総理を続けるためにはその公約を何が何でも実現していかねばなりません。国民に対する公約は「政権についてみたら思惑と違っていました」と言ってぼろ雑巾のように簡単に捨ててしまい、アメリカとの公約は何が何でも実現する。公約という言葉の乱れから日本が属国であり、日本の支配層が従米、媚米であることが分かります。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「5つの対米公約表明へ TPP、武器輸出三原則… 来月の日米首脳会談」

2011年10月21日付 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111021/plc11102101370002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111021/plc11102101370002-n2.htm
 

 野田佳彦首相は、11月のオバマ米大統領との首脳会談で、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加や武器輸出三原則緩和など5つを「対米公約」として早急に実現に移す考えを表明する方針を固めた。複数の政府高官が明らかにした。日米最大の懸案となっている米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に進展の兆しがない中、米側がかねて要求してきた案件をすべてのまざるを得ない状況に追い込まれた。

 首相が表明する「対米公約」は、(1)TPP交渉への参加(2)武器輸出三原則の緩和(3)南スーダンの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊派遣(4)牛海綿状脳症(BSE)問題を機に実施された米国産牛肉輸入規制の緩和(5)国際結婚の子の親権に関するハーグ条約加盟-の5つ。

 首相は、11月12、13両日にハワイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に際し行われるオバマ大統領との会談で、5つの案件を早急に実現する考えを表明した上で、安全保障・経済の両面で米国との関係強化を打ち出す。

 オバマ大統領は9月21日に米ニューヨークでの初の首脳会談で、普天間移設について「結果を求める時期が近づいている」と不快感を表明した上で、TPP、牛肉輸入規制、ハーグ条約加盟の3案件を挙げ「進展を期待する」と迫った。

 普天間問題では、名護市辺野古に関する環境影響評価(アセスメント)の評価書提出以上の進展が望めないだけに、首相は、TPPなど3案件に、かねて米側が求めてきた武器輸出三原則緩和と南スーダンPKOを「おまけ」に加えることで、オバマ大統領に理解を求める考えだという。

 加えて、オバマ大統領は来年11月の大統領選を控え、高失業率や反格差社会デモにあえいでおり、協調姿勢を打ち出す好機だと判断した。米側が韓国を「太平洋安保の礎」と位置づけ、自由貿易協定(FTA)を推進するなど対韓関係強化に傾斜する動きに歯止めをかける狙いもある。

 対米公約に武器輸出三原則緩和を加えた意義は大きい。戦闘機開発などで日本の技術への米側の期待は高く、北大西洋条約機構(NATO)加盟国などとの共同開発も可能となる。

 一方、TPP交渉参加をめぐり民主党内は賛否が二分しており、首相が対米公約に掲げれば混乱に拍車をかける可能性がある。ハーグ条約加盟も、ドメスティック・バイオレンス(DV)からの母子保護などの観点から反対が根強い。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-10-21 13:39 | Trackback | Comments(0)
農家の悪者説をいつも持ち出す本当の悪者・前原誠司

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ



TPPがメインの政策課題になってきています。先週、安住淳財務大臣は、ジョン・ルース米駐日大使と会見し、「増税は山を越えた(実現の目途がついた)のでTPPをやる」という旨の発言を行いました。そして週末にG20の会議に出席し、席上、「日本は消費税を10パーセントに引き上げる」と国民にその是非を問う前に、明言してしまいました。国民に何かの相談があったのでしょうか。

そして問題のTPPです。TPPの推進派は、TPPの反対派の主張を農業問題だけに矮小化して印象付けようとしています。その象徴が、以下の新聞記事にある前原氏の発言です。前原氏は「TPPについて反対しているのは農業が心配だからだろう。今の脆弱な農業では生き残れない
のだが、金をやっておけば良いだろう」という内容の発言です。彼は「第一次産業に関わる労働力の割合1.5%のために、98.5%が犠牲になっている」という発言をしたことでも有名です。私に言わせれば1億2000万分の1(前原氏)の虚栄心と野心と頭の悪さのために残りの国民が犠牲になっているとしか思えません。

話は変なことになりましたが、前原氏は「カネをやるから黙ってろ」ということを述べたのです。しかし、問題は、TPPは決して農業だけが問題ではないのです。TPPの本質は、日米構造協議と同じで、日本のシステムをアメリカ化することであり、従属化を強化することです。しかし、それがばれてはTPP加盟がうまくいきません。そこで、「いつもおいしい汁をすすっている農家たちが邪魔をして、都会の人たちの生活を苦しめている」という図式を持ってきます。そして、「TPPに加盟すれば農産物(食料品)が安くなって家計が助かる。それを邪魔しているのが農家たちだ」と言って農家を悪者扱いにします。前原氏の論理はこういうことです。

そうして煙幕を張って、何が一番大事な問題点なのか、誰に一番責任があるのかを分からなくしてしまうのです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「前原氏「農業予算つける」 TPPにも改めて意欲」

2011年10月15日付 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111015/stt11101521180003-n1.htm

 民主党の前原誠司政調会長は15日、金沢市内のホテルで講演し、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)締結交渉への参加をめぐり、農業保護のための反対論が根強いことを念頭に「自由貿易に入ろうが入るまいが、日本の農業は今のままではダメではないか。自民党政権の農業政策を見直し、予算をつけて努力していく」と述べ、農業振興施策に予算を重点配分する考えを表明した。

 一方、日本の全貿易量に占める経済連携協定(EPA)締結国の比率が低いことに触れ「EPAが結ばれていないと産業空洞化が加速する恐れがある」と述べ、改めてTPP参加や韓国とのEPA締結に強い意欲を示した。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-10-17 16:59 | Trackback | Comments(0)
「アメリカの利益が第一」な民主党内従米派の嫌になるほどの露骨な動き

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房



現在の民主党・野田佳彦政権にとって重要な政策にTPPへの参加を決めることと成長戦略を推進することの2つがあります。どちらも菅直人政権からの引き継ぎ事項です。増税はなんとなく国民の理解を得られそうだということで、上記2つに力を注いでいくようです。

TPPとはトランス・パシフィック・パートナーシップ(Trans-Pacific Partnership)の略です。日本語で訳すと環太平洋戦略的経済連携協定となります。これは加盟国同士の企業の取引には関税をかけないというもので、取引には農産物取引、工業製品取引、金融サービスが含まれます。一見すると「国際化だなぁ」「良いことじゃないの」と思われそうですが、これは早い話がアメリカによる経済の普遍化、平準化、アメリカのサービスの基準に加盟国を全て統一するということまで視野に入れている試みなのです。

そしてそれを傍証するかのような発言が、日本の政治家から出されました。下に転載した新聞記事を見てください。民主党でTPPを推進している岡田克也・前民主党幹事長(野田総理誕生に大きく貢献)がTPP参加に関して、次のように発言しています。「日本が入るか入らないかは米国にとって非常に大きな話だ。日本が入らなければ、いろいろな議論が起こり得る」。

岡田氏の発言を聞いて驚くのは、「日本の利益になるから」ではなく、「日本がTPPに入らないとアメリカが困るから」という理由です。日本国民の代表である、日本の衆議院議員である岡田氏が「アメリカが困るから」TPPに入らないとダメだと平気で発言して、恬として恥じる様子もなく、また批判がなされるということがない。これは異常なことです。日本の国会議員がアメリカのお先棒を担いでどうしようと言うのでしょう。日本は属国であり、日本のエリート層はアメリカの手先、エージェントであるということがここからわかります。

続いて、「武器輸出三原則の緩和」について書きます。武器輸出三原則とは、「①共産圏諸国向け、②国連決議により武器等の輸出が禁止されている国向け、③国際紛争の当事国又はそのおそれのある国向け」の武器輸出を行わないという政府の決定で、佐藤栄作政権の時に作られました。その後、三木武夫政権の時、「武器の輸出を慎む」という取り決めもなされましたが、その後、アメリカへの武器技術供与は例外的に認められています。

今回の民主党の防衛部門会議で決定されたことで重要なのは、「武器の共同開発国」という言葉です。これはアメリカ以外にも武器技術供与を行うことです。技術供与ということで日本から直接輸出するということではないですが、自動車や電化製品と同様、武器を外国で現地生産ということになります。日本の技術力の高さは折り紙つきですが、日本の技術や製品が実際の戦争で試されたわけではないので、そこから始めてビジネスチャンスを拡げようという動きもあるようです。

この武器輸出三原則の緩和と結び付けて考えて欲しいのが菅内閣の時に発表された新成長戦略です。新成長戦略の重要な柱の一つが、「インフラのパッケージ輸出」というものです。これは、日本の原発、水道システム、高速鉄道の設計、建設、運営、管理まで一つのパッケージにして輸出するというものです。日本のインフラ技術は世界でもトップにあるようですが、このインフラ輸出はただ技術の優劣では決まらないようです。そこには国と国との関係もそうですが、「おまけ」が必要な場合があります。ベトナムはロシアからの原発輸出を受け入れましたが、それにはおまけしてロシアからの武器輸出もセットになっていたそうです。日本も国際競争に勝つためには「おまけ」をつけなければなりません。それが武器技術です。

インフラのパッケージ輸出を推進しているのは、国際協力銀行の前田匡史という人物です。仙谷由人の片腕と言われている前田氏は、アメリカのエージェントとして、アメリカの国益にかなうように日本のインフラ輸出を推進している人物です。このことについては、2011年10月26日に発売される『放射能のタブー 悪魔の用語辞典<3>』に収録されている私の論稿を読んでいただければと思います。

放射能のタブー

副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所 / ベストセラーズ



民主党防衛部門会議の座長である榛葉賀津也(しんば・かづや)参議院議員についても簡単に書きます。この人物もずぶずぶの従米派のようです。経歴を見ても、地元の名門である掛川西高(掛西)を卒業後、アメリカの大学に入学、その間にイスラエル留学も経験しています。当選2回ということですが、これまでに防衛副大臣も経験しており、これから重要なポストにも就いていくことでしょう。どうもアメリカの覚えもめでたい人物のようです。

「国民の生活が第一」で当選した民主党がたった2年で「アメリカの利益が第一」に変質する。属国とは悲しい運命を背負っているようです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「TPP反対派、PT構成に不満 幹事長に申し入れ 岡田氏は参加必要と強調」

2011年10月13日付 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111013/stt11101318030004-n1.htm

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉参加に関し、民主党議員らによる「TPPを慎重に考える会」会長の山田正彦元農水相は13日、輿石東幹事長と国会内で会談した。山田氏はTPPを議論する党プロジェクトチーム(PT)幹部の大多数が推進派で占められているとして「偏った構成では公平な議論ができない」と申し入れた。輿石氏は「確かに公平に考えてもらわなければいけない」と応じた。山田氏はPTの鉢呂吉雄座長にも申し入れを行った。

 反対派はこの後、役員会を開き、14日から始まるPT総会に向け、反対を主張し続ける方針を確認した。

 一方、PT顧問の一人である岡田克也前幹事長は13日、都内で講演し、TPPについて「日本が入るか入らないかは米国にとって非常に大きな話だ。日本が入らなければ、いろいろな議論が起こり得る」と述べ、日米関係を重視する上でも日本の参加が必要との考えを強調した。

●「武器輸出三原則見直し要請へ 政府に民主防衛部門会議」

2011年10月13日付
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111013/stt11101311560001-n1.htm

 民主党防衛部門会議は13日午前の会合で、武器禁輸を事実上定める武器輸出三原則の見直しに向け、早期に検討を開始するよう政府側に求める方針を決めた。榛葉賀津也座長が前原誠司政調会長に対し、政府側に要請するよう申し入れる。

 見直しの方向は党安全保障調査会が昨年取りまとめた提言に従い、共産圏諸国や紛争当事国などへの輸出を禁じた三原則は堅持。それ以外の国・地域に関しては(1)平和構築や人道目的に限定(2)国際共同開発の対象国は抑制的に選定(3)第三国移転を制限する体制を整備-との内容を「たたき台」とするよう求める。

 会合では榛葉氏が「調査会の提言は、既に常任幹事会など党内プロセスを経て了承された」として部門会議では議論せず政府側に申し入れる方針を示し、了承された。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第1回『日米地獄へ道連れ経済』発刊記念講演会

副島 隆彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-10-14 20:03 | Trackback | Comments(0)
関西の大学については疎いのですが

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房



新聞記事を見ていると、自民党の世耕弘成(せこう・ひろしげ)参議院議員が近畿大学の理事長に就任したという記事がありました。ご尊父の世耕弘昭(せこう・ひろあき)氏が近畿大学理事長在職中の2011年9月30日に亡くなり、その跡を継いで弘成氏が新しく理事長になりました。

大学の創始者、経営者で政治家と言えば、古くは大隈重信候(早稲田大学)や桂太郎(拓殖大学)、昭和期は東海大学の松前重義、城西大学の水田三喜男であり、現在で言えば、谷岡郁子氏(至学館大学学長、弟の谷岡一郎氏は大阪商業大学学長)がいます。世耕氏もその中に数えられます。慶應義塾の創始者は福沢諭吉、早稲田大学(東京専門学校)の創始者は大隈重信候というのは歴史の教科書にも掲載されているほどですが、現在両校とも創始者の家族である福沢家、大隈家が経営に参画していません。世襲という形で一つの学校法人を所有し、運営しているのは地方でもありますが、世耕氏の近畿大学ほどの規模では稀有なことだと思います。

私は鹿児島の生まれで大学進学で東京に出てきましたので、関西の事情には疎く、関西にある大学も名前を知っている程度で、詳しくは知りません。以前に『他策ナカリシヲ信ゼムと欲ス』を読み、著者である若泉敬教授が京都産業大学に在職していたことを知り興味を持ちましたがそこまででした。

今回、世耕参議院議員が理事長に就任した近畿大学については、私が野球好きということもあり、近大付属高校と合わせて、野球が強いというイメージがあります。元ロッテの監督で2000本安打を達成した有藤道世氏、現在阪神の捕手として活躍している藤井彰人選手は近畿大学の出身です。また和歌山でマグロの養殖に取り組み、「近大マグロ」という形で成果を上げているということも仄聞しています。関西出身の人に言わせると、東京で言うと日本大学に似ていて、学部がたくさんあるということでした。確かに近畿大学は10以上の学部とこれまた10以上の大学院を擁する巨大な総合大学です。

今回は近畿大学と設立以来、経営を掌握している世耕家と政治について書いていきたいと思います。

近畿大学の前身は大阪専門学校と大阪理工科大学です。それぞれの校長と学長を務めていたのが世耕弘一(せこう・ひろかず)という人物です。両校が1943年に合併して近畿大学が設立されました。世耕弘一は近畿大学初代総長及び理事長に就任しました。

世耕弘一は1893年に和歌山県に生まれ、苦学して日本大学法学部に進学しました。卒業後、朝日新聞の記者をしていましたが、日大の研究員としてベルリン大学に5年間留学し、帰国後の1931年に日大教授となりました。また1932年に立憲政友会所属の衆議院議員となり、戦後は自由党に参加しました。世耕弘一は共に日大とは深い関係にある大阪専門学校と大阪理工科大学の校長、学長となりました。
世耕弘一を有名にしたのは、1947年3月の衆議院決算委員会で「日銀の地下倉庫に隠退蔵物資のダイヤモンドがあり、密かに売買されている」と発言したことです。隠退蔵物の摘発のために東京地検特捜部が創設されたということを考えると、彼の発言の持つ意味は大きく、現在の日本政治にも大きな影響を与えています。世耕弘一は1959年に第二次岸内閣の経済企画庁長官となりました。お墓は多磨霊園に
あり、近大の初代総長及び理事長でありますが軸足は東京及び日大にあったと思われます。

世耕弘一の長男である世耕政隆は、1923年に東京に生まれました。日本大学第二高校から日本大学医学部を卒業しました。そして日大医学部の教授となりました。そして、1965年に第二代目の近畿大学の総長及び理事長となりました。こうして見ると、世耕弘一と政隆は日大を卒業し、日大の教授となって後に近畿大学の総長及び理事長となり、同じ道を歩んでいます。そして、1967年に政隆は父の跡を
受けて自民党から出馬し、衆議院議員となります。しかし1969年の総選挙で落選し、1971年の参議院議員選挙に出馬し当選します。これ以降世耕家は参議院議員の議席を守っています。世耕政隆は田中派に属し、1981年に鈴木内閣で自治大臣兼国家公安委員長となりました。田中派分裂の際には竹下系にもつかず二階堂系にもつかず中立を守りました。

世耕政隆が1998年に亡くなった後、弟(弘一の二男)である世耕弘昭が近畿大学の三代目の理事長となりました。世耕政隆には世耕弘武氏という長男がいます。しかし、彼は近畿大学の総長にもなっていませんし、参議院議員にもなっていません。弘昭は1932年に生まれ、1959年から近畿大学に勤務し、1998年から近大の三代目の理事長となりました。総長にはなっていません。この時、弘昭は政治家にはならず、参議院議員には、弘昭の長男で、政隆からすれば甥にあたる弘成が立候補し当選しました。

世耕弘成は、1962年に大阪で生まれ、早稲田大学卒業後、NTTに入社し、社内留学制度でボストン大学コミュニケーション学部大学院に留学し、修士号を取得しています。弘成は父の下で近代の副理事長を務めていました。世耕弘成を一躍有名したのは郵政選挙でのメディア対策でしょう。2005年の総選挙、いわゆる郵政選挙で、自民党の広報本部長代理兼幹事長補佐としてインターネットを使った世論・メディア対策を行いました。民間企業も巻き込んでのメディア対策もあって、自民党は大勝しました。またインターネットによる後援会員による組織「チーム世耕」が自民党のインターネット対策の中核となりました。世耕弘成はボストン大学でコミュニケーション、特に企業広報の方法を学んだとされています。
これを選挙に応用したと推察されます。こうした世論やメディアへの対策(操作と言ってよいと思いますが)はアメリカでは昔から行われてきました。『プロパガンダ[新版]』(エドワード・バーネイズ著、中田安彦訳、成甲書房、2010年)に詳しいので是非お読みください。

近畿大学が巨大な総合大学に成長していくうえで、理事長が与党・自民党の政治家であったということは重要です。学部を新設するということは、予想以上に煩雑な手続きが必要であり、文部省(現在の文部科学省)の官僚も虐待のような煩雑な手続きを強い、天下りを強要します。そこに政治家の出番があるわけですが、理事長が政治家であるというのは大変に強いことです。ですから、私立大学によっては理事長を引退した大物政治家に頼むことも往々にしてあります。また引退した政治家がロビイストのような活動をする場合も教育界では見られます。また近大の新理事長である世耕弘成氏はアメリカで教育を受け、郵政選挙で活躍した若手のホープ(ジャパンハンドラーズにとって)です。

近畿大学という日本有数の巨大な総合大学がある一家の世襲で運営されてきており、新理事長はジャパンハンドラーズの期待のホープです。これはこれからも注目をしていきたくなるというものです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「近畿大理事長の世耕弘昭氏死去」

2011年9月29日付 MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110929/edc11092922420004-n1.htm

 学校法人近畿大学理事長の世耕弘昭(せこう・ひろあき)さんが29日午前5時55分、肺炎のため死去した。79歳。自宅は非公表。通夜は30日午後7時、葬儀・告別式は10月1日午前10時、大阪市中央区本町4の1の3、本願寺津村別院で。後日、学園葬が行われる予定。葬儀委員長は長男で自民党幹事長代理の世耕弘成参院議員。喪主は妻、基子(もとこ)さん。

 昭和34年から近畿大に勤務し、平成10年に理事長に。他に私立大学通信教育協会会長、関西経済連合会役員などを務めた。

●「近大理事長に世耕弘成氏」

2011年10月3日付 MSN産経ニュース 
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111003/stt11100316280006-n1.htm

 近畿大は3日、世耕弘昭理事長の死去に伴い、理事会を開き、長男で参院議員の弘成氏(48)を新理事長に選任したと発表した。就任は1日付。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第1回『日米地獄へ道連れ経済』発刊記念講演会

副島 隆彦 / 成甲書房

# by Hfurumura | 2011-10-04 18:16 | Trackback | Comments(0)
政治家の発する言葉

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房



 このブログを久しぶりに更新します。先月末から個人的なことでバタバタしており、落ち着いて何かをするということができませんでした。

 時事通信のサイトで、下に貼り付けた2つの記事を見つけました。それぞれ民主党の実力者と言われる2人の発言を取り上げています。

 一つ目は前原誠司民主党政調会長のこれまでの発言を取り上げたものです。時事通信の記事では、前原氏の政調会長就任後の発言について「突出」という表現を使っています。そして、前原氏の発言は「歯切れが良く、明快さを持っている」としながら、同時にその発言によってマイナスになったこともあると時事通信の記事の中で評されています。


 
もう一つの記事は、小沢一郎元民主党代表がインターネット番組に出演した際の発言を取り上げています。小沢氏は自身の政治資金管理団体「陸山会」をめぐる政治資金規正法違反に関して元秘書3人に執行猶予つきの有罪判決が出たことについて発言しています。また、今回の事件に関して「自分がターゲットであり、政権交代に対する攻撃のスケープゴートにされた」と語り、「憶測を基にした判決など民主主義国家では考えられない」という発言をしています。



 政治家の発言が「突出」「行き過ぎ」「実力が伴わない(口だけ)」と捉えられるかどうかの分かれ目は「その政治家がどれだけぶれないか」ということにあると思います。発言の内容は、変わることがあります。状況の変化や考え方の変化があるからです。しかし、そのもっと根幹にある部分がぶれるかどうかで、政治家の語る内容に対する評価が変わってきます。

 前原氏の発言は「親米・従米」という側面では全く変化のないものです。しかしそれ以外の点では何を自分の根幹にしているのか、分かりにくいために発言が「突出」し、「過去の反省がない」ということまで言われてしまいます。

 小沢氏の発言内容も変化はあります。自民党幹事長時代と現在の発言を比べたら変化している部分も少なくないでしょう。しかし、小沢氏の根幹にあるのは「日本のデモクラシーを成長させよう」「政権交代が現実的に実現する制度にする」「官僚ではなく、国民から負託を受けた政治家が政治を行う」という考えがあり、そこがぶれないために、発言自体もぶれていないように感じられます。

 政治家の発言の変化をたどることと同時に政治家のぶれない部分がどこにあるのかということを見ていくことが大切だと考えます。

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第1回『日米地獄へ道連れ経済』発刊記念講演会

副島 隆彦 / 成甲書房



(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「突出発言目立つ前原氏=「実行力伴わぬ」と批判も-民主」

2011年10月2日付 時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011100200080

 民主党の前原誠司政調会長の発言が突出気味だ。党政策調査会の発言力を高める狙いがあるとみられるが、政府側との調整が不十分なまま踏み込んだ結果、「軽率」と受け止められることも珍しくない。党内では「もう少し落ち着いてほしい」(中堅)との声が広がり
つつある。

 前原氏は就任早々、ワシントンで行った講演で、国連平和維持活動(PKO)での自衛隊の武器使用基準緩和に言及。政府・与党内に波紋を広げた。鉢呂吉雄前経済産業相の原発事故をめぐる発言では、「事実とすると大変由々しき問題だ」と記者団に語り、政権幹部の中では真っ先に辞任への「引き金」を引いた形となった。

 前原氏の歯切れの良さには定評がある。同氏の人気の高さにもつながっているが、その「明快さ」が自らの首を絞めたことも。代表時代には「信ぴょう性は高い」としたメールが偽物と判明し、辞任に追い込まれた。

 また、華々しい発言の割に「実行力が伴わない」との指摘も少なくない。政権交代直後、国土交通相として八ツ場ダムの建設中止を打ち上げたものの、結局、地元住民との関係をこじらせたにすぎなかった。

 臨時増税に関する政府・民主党の迷走も、前原氏の発言が一因と言えそうだ。前原氏は党内の増税反対派を抑えるため、税外収入を5兆円から増やす考えを表明。確たる見通しのない情報発信に財務省が硬化し、双方の増税額の説明はなお食い違ったままだ。

 野田佳彦首相は政策決定への党の関与を強めた。今回の増税をめぐる政府・民主党の調整はそのテストケースの意味合いもあったが、前原氏の発言が尾を引き、及第点に達したとは言い難い。

 2日に政権発足1カ月を迎えた野田政権。民主党関係者は当面の対応について「余計なことは言わない、派手なことはしない。そうするしかないのだろう」と語った上で、こう付け加えた。「問題は前原氏だ。過去の失敗の反省がない」(2011/10/02-14:11)

●「「民主主義国では考えられぬ」=小沢氏、元秘書有罪判決を批判」

2011年10月2日付
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011100200160

 民主党の小沢一郎元代表は2日午後、インターネットの対談番組に出演し、自身の資金管理団体をめぐる政治資金規正法違反事件で、元秘書3人に有罪判決が出されたことについて「大変びっくりした。何の証拠もないのに推測に基づいて決めてしまうのは民主主義国家では考えられない」と述べ、痛烈に批判した。

 小沢氏は先月26日の判決後、自身に近い議員に「あり得ない」などと強い不満を示していたが、公の場で発言するのは初めて。小沢氏は「既得権益を持ち続けてきた人にとっては、(自分が)最大の狙いだった。政権交代のスケープゴートにされた」とも語った。

 また、小沢氏は番組の司会者から首相就任を目指すよう求められたのに対し、「自分がそういう立場に立ったら、責任回避やポジションにすがりつくということだけは絶対にしたくない」と否定しなかった。(2011/10/02-19:13)

(新聞記事転載貼り付け終わり)
# by Hfurumura | 2011-10-03 11:10 | Trackback | Comments(0)
『ネクスト・ルネサンス』のご紹介

副島隆彦の“予言者”金融セミナー第2回『大災害から復活する日本』発刊記念講演DVD

副島 隆彦 / 成甲書房



ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /





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2011年9月11日付 毎日新聞

http://mainichi.jp/enta/book/hondana/news/20110911ddm015070009000c.html

●「今週の本棚:本村凌二・評 『最強国の条件』/『ネクスト・ルネサンス』」

 ◇『最強国の条件』=エイミー・チュア著、徳川家広訳(講談社・2940円)
 ◇『ネクスト・ルネサンス』=パラグ・カンナ著、古村治彦訳(講談社・2310円)

 ◇ゆらぐ国民国家の権威に代わるもの

 ノンポリの楽天家にも、この世に住むかぎり、行く末の彼方を見据えておきたくなるもの。ときには、地球規模の近未来を憂える気分にもなる。しかも、うってつけの若い論者が二人もいるからには、耳を傾けたくなる。

 中国系アメリカ人チュアは、有史以来の最強国(ハイパーパワー)がいかにして興隆し、やがて衰退していったかを執拗(しつよう)に探求する。だが、彼女の議論はいたって単純明快である。

 ペルシャ帝国、ローマ帝国、唐帝国、大モンゴル帝国、オランダの世界覇権、オスマン帝国、明帝国、ムガール帝国、そして大英帝国のいずれをとりあげても、その興隆期には寛容さがある点に注目する。それぞれの言語、宗教、法慣習、通商などで征服者の流儀を強要することはなかった。そのために出身地を問わず出世できたし、人材が集まるのである。

 最強国の典型ともいえるローマ帝国では、征服した民もローマ文化に吸収同化されてしまう。ガリア人もいつのまにかズボンをはかなくなり、長寛衣(トーガ)を着用してラテン語を口にする。さらに、自由民のすべてをローマ市民として受け入れる。これらの絆のおかげで、ローマ帝国は驚くべき持続力をもったのである。

 逆に、遊牧民をはじめ蛮夷(ばんい)の民を寛容に迎え入れた唐朝の中華帝国だが、市民権の観念はなく、持続する絆を生み出すにはいたらなかったという。著者の出自もあって、観察の眼は的確である。

 大英帝国は、統治の要をローマ人から学んでいる。ユダヤ教徒もカルヴァン派のユグノーもスコットランド人も迎え入れ、そのおかげもあって連合王国は七つの海の覇権をにぎった。だが、非白人に立ち向かうとき、人種の壁に突きあたる。英領インドの興亡は寛容さが失われていく歴史でもあった。

 実のところ、著者の眼目は歴史に学びつつ将来を見通すところにある。移民国家アメリカはまぎれもない最強国になった。だが、その覇権はゆらぎつつある。ソ連の崩壊以来、独断専行が目に障り、国外の反米感情に対処できないでいる。はたして中国、EU、そしてインドがのし上がっていくのか。アメリカは、信頼を回復し、優れた人材が集まる磁場であるべきだ、と著者は唱える。経済力・軍事力に勝るだけではなく、環境、災害、難民などの問題であっても、他国と連携しながら強力な指導力を発揮する以外に道はない。

 インド系アメリカ人のカンナは、そもそも二一世紀における国家の役割について懐疑的である。国境はもはや生存の防衛線というよりも障害となりつつある。エネルギー資源、水資源、食糧不足、気候変動、感染症流行災害などいずれをとっても国家という枠で処理できることではない。

 緊迫する事態のなかで、動きの鈍い国家にはそれほど期待すべきではないのかもしれない。それよりも、企業を率いるリーダーたち、大都市の首長たち、それらを支援するNGOなどが二一世紀を動かす、と予言する。現代は諸勢力が乱立する中世に似ており、新しい(ネクスト)ルネサンスが待たれるのだ。

 メディチ家の資金援助で、フィレンツェの大聖堂が建造され、偉大な芸術家や科学者が保護され、探検調査の遠洋航海に派遣されたことを思い出せばいい。B・ゲイツ、G・ソロス、R・ブランソンなど、CEO兼政治家のような人物が期待の星なのだという。彼らは官民分立を巧みにつないでくれるからだ。

 現実の世界を動かすには外交が必要だが、主権国家と国際機関だけが担い手ではない。世界規模の危機に対処するには、トップダウンではない新しい外交の形を創り出さなければならない。それこそが、地域からのボトムアップを重んじ、民間の活動を組み込む「巨大化する外交(メガ・ディプロマシー)」である、と著者は主張する。

 いやはや世界は混沌とした時代になってきた。だが、いつだって混沌としていたような気がしないでもない。というよりも、その時代なりの「権威のゆらぎ」があるのではないだろうか。

 二〇世紀初頭の大学者M・ウェーバーの書は大学生のころ学んだものだが、この巨人の予言するところでは、二〇世紀には官僚制が避けがたい宿命だという。ソ連の崩壊までそれは見事なほどに的中していた。それとともに、グローバル化する世界にあって官僚制国家の権威がゆらぐ御時勢になったことは確かだろう。世は覚悟を決め資力を備え実行力のある英雄が切り開く時代になっているのかもしれない。カリスマの率いる世界、ふたたび洞察力あふれるウェーバーの声が響いてきそうだ。

 ローマ人は「権威をもって統治する」を旨とした。国民国家の権威が剥(は)げ落ちつつあるなかで、両者の主張は相反するように見える。最強国の再編か、実力者の指導力か、いずれにしろ、混沌とした世界にかすかなあかりが燈(とも)るには燈る。

毎日新聞 2011年9月11日 東京朝刊

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 原題は、How to Run the World: Charting a Course to the Next renaissanceです。著者のパラグ・カンナは、1977年生まれの34歳。本作はカンナ氏の第二作となります。彼のデビュー作『「三つの帝国」の時代 アメリカ・EU・中国のどこが世界を制覇するか』(玉置悟訳、講談社、2009年)は、副島隆彦先生が帯に推薦文を書かれている本で、皆さまの中にもお読みなった方が多くいらっしゃると思います。

 原著は2011年1月に発売になり、その少し前から翻訳作業はスタートしました。途中、東日本大震災が発生し、予定が少し狂ってしまいました。このように本が刊行できたことは訳者として大変な喜びです。また、カンナは大震災発生後、日本の読者の皆様のために丁寧な前書きを書いて送ってくれました。「日本は必ず復活できる」「日本は世界で最初にその一日を迎える国だ。日本は常に世界が経験したことのない不幸な出来事に直面してきたがそれらを乗り越えてきた」という前書きの内容は、読者の皆様に対する激励になっています。

 カンナの第二作の『ネクスト・ルネサンス』について簡単にご紹介したいと思います。

 本書の中で、カンナ氏は、21世紀に入った現在が1000年前の中世時代によく似ていると主張しています。特に、アメリカの力(パワー)が衰退し、世界を支配する超大国がない状況、並びに国民国家の力が落ちてきている状況に置いて、様々なアクターが世界統治のために能力を発揮し、活躍していると主張しています。そのアクターは多岐にわたり、トヨタやGEのような多国籍企業、NGO(非政府組織)、大学、教会、各都市、ハリウッド俳優やロックシンガーのような有名人たちが挙げられます。簡単に言うと、これまでアメリカが支配してきた国家を中心にして動いてきた世界が崩壊し、個人や団体が世界規模で能力を発揮し、世界を動かしているということになります。

 カンナは、現代世界を動かすのは「外交(diplomacy)」だと主張します。そして、これからの外交は、これまでの外交官たちが独占してきた古い外交ではなく、新しい外交が行われるべきだと主張しています。それが「メガ・ディプロマシー(Mega Diplomacy、巨大化する外交)」という考え方です。これは、これまで外交の世界に関与できなかった多くのアクターたちが分業して外交に参加し、世界を動かしていくというものです。有名人が世界規模の諸問題を世界中に提起する、あるいは、NGOや多国籍企業が問題解決のために動くというものです。

 現在、アイフォンやアイパッドを使えば世界中どこにいても人々とつながり、コミュニケーションがとれる時代となりました。こうした技術の進歩によって、外交は、多くのアクターたちに「開放され」ました。カンナは一般の私たちも外交官のような働きができると主張しています。中東での民主化の動きやウィキリークスなどはこうした時代の象徴と言えるでしょう。

 カンナは、「テロリズム」「人権」「貧困対策」「環境保護」といった多くの国際問題に対処するために公的機関と民間部門の協働の重要性も主張しています。これがメガ・ディプロマシーの考え方なのですが、外交に、これまで外交に参加できなかったアクターたちが参加することで、世界が直面する諸問題を解決しようということなのです。こうした公的機関と民間部門の協働は、外交だけではなく、様々な場面で必要となってきています。今回の東日本大震災では、公的機関、具体的には政府や地方自治体だけでは災害後の救援や復興に限界があること、民間の力、多くの団体や個人の参加が必要であることが明らかになりました。「政府が何でもやってくれる」「民間が出る幕ではない」という、これまで日本でよく聞かれた考えは時代遅れのものとなりました。これは世界的傾向でもあります。

 そのことをカンナは本書『ネクスト・ルネサンス』で書いています。

 本書『ネクスト・ルネサンス』の中で、重要なカンナの主張に「国境線を引き直す」というものがあります。世界の多くの国々は植民地から独立しました。その際、旧宗主国によって恣意的に引かれた境界線を国境線としました。この国境線が中東、アフリカ、中央・南アジアの各地域の紛争の原因となり、これらの地域に存在する国々を苦しめているのが現状です。

 これに対して、カンナは国境線を引き直す、もしくは国内の不安定要因になっている少数民族は独立させるべきだと主張しています。スーダン南部のキリスト教徒、トルコ、イラク、イランに住んでいるクルド人、アフガニスタンとパキスタンの国境地域に住んでいるパシュトン人といった人々は国家を持つべきだと主張しています。カンナは常々、世界は300の国々に分かれれば平和になると主張しています。また、「国境線などよりも、鉄道と石油や天然ガスのパイプラインで国々をつなぐことが重要だ」とも主張しています。

 副島隆彦先生が出された中国に関する本の中で、高速道路や鉄道、石油のパイプラインを中国から内陸の中央アジア諸国につないでいる様子、中国の西部(内陸部)開発の様子が写真付きで描かれています。国境線をめぐって不毛な争いをする時代は終わりつつあり、鉄道、高速道路、パイプラインでつながっていく時代になっているということが本書『ネクスト・ルネサンス』を読むと良く分かります。

 これまで私が書いてきました『ネクスト・ルネサンス』の内容の紹介を読んで、「リベラルで理想主義的な(空想の)話か」と思われた方々も多いと思います。しかし、カンナのポジションを考えるとあながち夢想家の本とは言えません。カンナは現在、ニューアメリカ財団の上級研究員をしています。またブルッキングス研究所の研究員も兼任しています。

 彼は、外交評議会(CFR)の会員でもあり、世界経済フォーラムが選ぶヤングリーダーでありダボス会議には毎年出席しています。若き世界エリートの一人であると言えます。本書の訳者あとがきでも書きましたが、カンナはオバマ大統領の選挙戦の時の外交政策立案チームに参加していたこと、またCFRの会員であることから、ズビグニュー・ブレジンスキーとの関係が深いと考えられます。この点から、彼が本に書いて発表することは、ただの理想論や空想の話ではなく、アメリカの外交政策や世界の将来のための実現可能な提案なのです。

 カンナはこれまで世界100カ国以上を実際に訪ね、様々な人々に会い、話を聞いて自分の知識を構築しています。そうした現実に即した知識に基づいて本書『ネクスト・ルネサンス』は書かれています。この本は、一言で言うならば、「リアリスティック(現実的)なリベラルである若き世界エリートの世界を動かすために提案した青写真・設計図」ということになります。世界がこれからどのように動いていくのか、その時に自分はどのように動けば良いのかということについて大変示唆に富んだ本です。是非、手にとってお読みください。よろしくお願い申し上げます。
# by Hfurumura | 2011-09-11 14:37 | Trackback | Comments(0)
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