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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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どの口が言うか:あなたが辞めさせたようなものなのに

昨日、鳩山由紀夫総理大臣が辞任、更に、次回衆議院議員選挙への不出馬を発表しました。鳩山首相は、民主党の両院議員総会において、格調高い退任演説(farawell speech)を行いました。

その中で、退任の理由として次の2つを挙げています。その理由とは、①普天間基地移設問題で、自らが述べた「最低でも県外、国外移設を目指す」という言葉を守れずに、沖縄県民や徳之島の人々に迷惑をかけたこと、そして②政治とカネの問題で、自分に長年仕えた秘書が政治資金規正法に違反していたこととクリーンであるべき民主党政権がお金にまつわる政治スキャンダルにまみれてしまったこと、以上の2点です。

鳩山氏は普天間基地移設問題について、米軍に依存し続ける状態から脱したいという思いであったと、鳩山首相は述べています。そして、「ぜひきょうお集まりの皆さん、官僚の独占した社会ではなく、できるだけ民が、国民の皆さんができることはやりおおせるような社会に変えていく。その力を貸していただきたいと思います」(時事通信全文文字起こしから一部転載)が重要です。

鳩山首相は、官僚組織の改革を進めるための革命を断行していました。しかし、今回、官僚とアメリカの結託によって、敗れ去りました。私は今回の鳩山首相の退任演説を、アイゼンハワー米大統領の退任演説に比肩するものであると考え、「アメリカ・官僚複合体(US-Bureaucracy Complex)」批判演説なのだと主張しています。アイゼンハワーは、「軍産複合体(Military-Industry Complex)」を批判して退任していきました。

「官僚たちが自分の上司である首相に抵抗し、邪魔をするようなことはしないはずだ」と考える人もいるようです。しかし、下の記事に取り上げられている、藤崎一郎駐米大使はその典型例です。いくつかのポイントを挙げます。まず、自分が特命全権大使として代表している国の指導者を軽々に、公の場で批判するのは官僚としての分を超えた愚かな行為です。

官僚ごときが、国民の選んだ政治家、国家指導者に対して「苦言」を呈するなど、思い上がりも甚だしいものです。また、政治状況がどのように変化しようとも、粛々と自分の仕事を行うことが官僚であり、政治状況について何か公に意見を発することは許されないことです。辞任した後で、民間人としてなら、表現の自由がありますから、公序良俗に反しない限り、いくらでも発言できます。

また、この藤崎大使が、現行案の実施にこだわり、アメリカの威光を詐欺的に利用して、「自作自演」を行ったことも忘れてはいけません。藤崎大使は昨年12月21日、ヒラリー・クリントン国務長官に急に「呼び出し(called in on)」を受けたとして、米国務省に行き、その後、その建物の前で会見し、アメリカ側は普天間基地移設問題で現行案通りの実施を求めているということを演出しました。しかし、米国務省は、藤崎大使の「呼び出し」を否定し、彼が「立ち寄った(came by)」だけだという発表を行いました。

藤崎大使は、アメリカ側にも迷惑をかけ、「虎の威を借る狐」のような行動をして、鳩山首相の普天間基地の県外移設の動きの邪魔をしたのです。結局、普天間基地移設問題が、鳩山首相の辞任の理由となってしまいました。藤崎氏を筆頭に、官僚たちが邪魔をして、それで鳩山氏の退陣の引き金を引いたということになります。それなのに、「首相は長く続けてもらい」という「苦言」を呈する藤崎大使。その傲慢さには開いた口がふさがりません。

官僚たちが大変な抵抗勢力であり、政治家と国民をばかにして、傲岸不遜な振る舞いをしているか、今回のことで分かるようになったと思います。官僚という名の、アメリカの代理人、官匪を排除することを民主党には求めます。しかし、残念なことに既に、「暗黒面に堕ち」、「口蹄疫に罹患した」民主党の政治家たちが出てきているようです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「「総理は長く務めてほしい」 駐米大使、辞任に「苦言」」

2010年6月3日付 朝日新聞電子版

 【ワシントン=村山祐介】藤崎一郎駐米大使は2日の定例記者会見で、鳩山由紀夫首相の辞任発表について、「総理は一国の
顔。できれば長く務められ、世界各国首脳と長いつきあいをされていくことが望ましい」と述べた。日本の首相の短期交代が続
くことに、異例の「苦言」を呈したかたちだ。

「【首相辞任】駐米大使、短命政権に苦言「各国と長い付き合いを」」

2010年6月3日付 MSN産経ニュース

 藤崎一郎駐米大使は2日の記者会見で、鳩山由紀夫首相の退陣表明について「首相は一国の顔」だと指摘、「本当は長く務め、
世界各国の首脳と長い付き合いをすることが望ましい。今後の首相はそうあってほしい」と述べ、短命政権が続くことに苦言を
呈した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設をめぐり先月末に日米合意にこぎつけたことから「一生懸命合意に持ってきた
ところだったのでびっくりした」とした上で「米国との関係でも、首相も残念に思っていると思う」と述べた。

 また米国内の反応については「これほど早いタイミングで(退陣表明する)とは思っていなかったようだ」と分析した。
(共同)

「クリントン長官、駐米大使を異例の呼び出し 普天間問題」2009年12月22日10時23分

2009年12月22日付 朝日新聞電子版

 【ワシントン=伊藤宏】クリントン米国務長官は21日午後、藤崎一郎駐米大使と米国務省内で会談し、米軍普天間飛行場の
移設問題などについて意見交換した。クリントン長官が同日朝急きょ、藤崎大使を呼んだもので、こうした形で国務長官と大使
が会談するのは極めて異例。クリントン長官は、新たな移設先を探す鳩山政権の動きに不快感を表明し、現行計画の早期履行を
改めて求めたと見られる。

 会談はクリントン長官の執務室で約15分間行われ、キャンベル国務次官補らが同席した。この日は、記録的豪雪の影響の
ために、連邦政府機関は原則休業となっており、休業状態にある同省に呼び出す異例ずくめの対応となった。

 藤崎大使は会談後、記者団に対し、「長官が大使を呼ぶということはめったにないが、日米関係を重視しているという考え方
を改めて伝えたい、ということで、先方から話があった。お話は日米関係全般についての長官の考え方だった」と述べた。

 藤崎氏は、普天間問題も議題になったことを認めたうえで、現行計画の履行を求める米側の立場に変わりはない、という認識
を示した。米側の危機感のあらわれか、との質問には「重く受け止めている」と語った。ただ、会談の詳細については「内容を
大臣、総理に報告する必要がある」として、明らかにしなかった。

 鳩山由紀夫首相は17日、コペンハーゲンで開かれたデンマーク女王主催晩餐(ばんさん)会で、クリントン氏と隣席に
なった際、普天間問題の決着を先送りした経緯を説明し、理解を得られたとしている。クリントン氏が藤崎大使を呼んだ背景
には、米国の姿勢に変化がないことを念押しする狙いがあったと見られる。


「藤崎駐米大使はクビにしろ」

2009年12月27日付 ゲンダイネット

 こんなウソつき野郎はクビが当然だ。クリントン米国務長官が、普天間基地移設問題で藤崎一郎駐米大使(62)を呼び付け
たという一件は、なんと、藤崎大使のヤラセだった。相手国の大臣をダシにして、ありもしない事実をでっち上げるなど、到底
許されることではない。

 21日に米国務省で行ったクリントン長官との会談について、藤崎大使は「朝、急きょ呼ばれた。普天間計画の即時履行を
求められた。大使が呼ばれるのはめったにない」と神妙な面持ちで解説した。これを受けて大マスコミは早速、「駐米大使、
異例の呼び出し」「米国が強い不快感」と大々的に報道。日本と米国が戦争でもおっぱじめるかのように大騒ぎした。

 ところが、これ、大ウソだった。翌日、クローリー国務次官補が会見で「呼んでない。(藤崎)大使が立ち寄ったのだ」と
明かしたのだ。これが本当ならとんでもないし、仮に呼び出しが事実だったとしても、真っ先にマスコミに話すことが国益に
なるのか。政府内で話し合うのが筋だろう。外務官僚が勝手にやっていいことではない。

「本省の指示でなく、勝手にやったのだとすれば、一種のクーデターですね」

 こう言うのは元レバノン大使の天木直人氏。

「本来なら、すぐに東京の本省に連絡を入れて対応を協議すべき内容です。それを真っ先にメディアに話したのだから怪しいと
思いました。そもそも大使は、当該国の要人を呼んだり、自分が呼ばれたりするのが仕事です。駐米大使に就いて2年近くに
なるのに、呼び出しを『異例』という感覚も信じられない。自ら『仕事をしていない』と白状していることになる」

 普段の藤崎大使は、ぶら下がり取材に応じないという。そんな人物が進んでペラペラと話したのだから、「何かある」と疑う
のが当然だろう。ところが、大マスコミはウソつき男の発言を真に受けて“世論操作”の片棒を担いだのだ。とんだ赤っ恥で
ある。

●過去にも事実をネジ曲げた前科

 実は、この大使、過去にも事実をねじ曲げた“前科”がある。

「93年に在オーストラリア大使館で公金流用疑惑が発覚しました。当時、藤崎さんは会計課長で査察の責任者でした。ところが
疑惑が広がらないよう、関わった職員の処分をせず、事実の隠蔽(いんぺい)を図ったのです」(外務省関係者)

 慶大を中退し、69年に入省。同期には普天間問題や北朝鮮の拉致問題で有名になった田中均元外務審議官(現東京大学公共
政策大学院客員教授)がいるが、「駐米公使時代、国防総省に日参するものの相手にされなかった話は省内で有名」(事情通)
という。もともと能力には疑問符が付く男なのだ。

 それでもアジア局参事官、北米局長などを経て08年4月に駐米大使に就いている。トントン拍子に出世しているから不思議
だ。

「次官経験もない藤崎が『外交官最高のポスト』と呼ばれる駐米大使に就任したのは、“大蔵一家”の妻のコネが大きかったと
ささやかれています。妻の父親は大蔵官僚出身で元東京銀行頭取・会長、母親も大蔵OBで元明治製糖相談役の娘です」
(外務省事情通)

 駐米大使の収入は在勤手当だけで月約70万円。これに本給や配偶者手当、住居手当などを合わせれば年収3000万円は
軽い。退職金も数千万円はもらえるだろう。まったくふざけた話である。

(日刊ゲンダイ2009年12月24日掲載)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-03 11:57 | 日本政治
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