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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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アメリカだって構造的に汚職があるではないか

2010年8月3日付のロサンゼルス・タイムズ紙で面白い記事を見つけました。そのタイトルは、「数人の議員たちが、スタジアム建設の専門業者からレイカーズのプレイオフの試合のチケットを受け取った」というものです。数年前までロサンゼルスに住んでいた私としては大変興味をひかれるタイトルです。

レイカーズといえば、NBA・全米プロバスケットボールの強豪です。毎年、コービー・ブライアント選手を柱にして大変に良いチームを作ってきており、昨年度も優勝を飾りました。優勝後には、ロサンゼルスのダウンタウンで大規模なパレードが行われます。メジャー・リーグのロサンゼルス・ドジャース、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)のアメフトチーム・ブルーインズ、USC(南カリフォルニア大学)のアメフトチーム・トロージャンズと並んでロサンゼルスのスポーツチームの代表格と言えます。

レイカーズの本拠地は、ダウンタウンの南の端にある、ステイプルズ・センターです。ステイプルズは、アメリカの文房具販売の大手で、ネーミング・ライツを買って、ステイプルズ・センターとなっています。ここは1万数千の収容人数です。レイカーズの試合以外にも、NBAでロサンゼルスを本拠地としている別のチームであるロサンゼルス・クリッパーズの試合、テニスの試合、コンサートなども行われます。その中でも、レイカーズの試合は人気があり、チケットは取りづらい状況にあります。特にコート近くの席は入手が難しい状況です。また、レギュラーシーズンが終わって、ファイナル(決勝戦)に向けてのプレイオフの試合のチケットは大変に入手困難となります。

今回、ロサンゼルス・タイムズが報じているところでは、数人の州議会の3人の議員たちにレイカーズの試合のチケットや、接待等を受けていたということです。彼らにそうした接待をしたのは、マジェスティック・リアルティーという競技場建設を専門にしている建設会社です。

ロサンゼルスでは、今、プロアメフトのリーグNFLのチームを誘致しようとしています。アメリカの人気プロスポーツは、NFL、NBA、NHL(ホッケーリーグ)、メジャーリーグの4つです。ロサンゼルスには、
昔、レイダースというNFLのチームがあったのですが、移転してしまい、現在NFLのチームがありません。これはアメリカを代表する大都市であるロサンゼルスの体面にかかわる重大な問題なのです。

ロサンゼルス市議会とカリフォルニア州議会はともにNFLチームの誘致を決定しているのですが、問題は、7万5千人収容可能なスタジアムを確保することです。ロサンゼルス市内では、オリンピックスタジアムと、ローズボールという大規模なスタジアムがあるのですが、思い切って、新しく建設して景気浮揚につなげようとしているようです。そして、マジェスティック・リアルティーという建設業者が、シティー・オブ・インダストリーというLA近郊の町にスタジアムを建設したいと提案しているのです。

業者側は環境基準の適用除外を州政府に求めていて、そのために今回、レイカーズの試合のチケットを政治家たちに渡していたようです。レイカーズのチケットが接待のために使われたこと、アメリカは日本の政治文化が汚職にまみれていると避難しますが、アメリカも十分に汚れていること、など、今回の記事は様々な示唆を与えてくれています。

また、今回の記事では、マジェスティック・リアルティー以外にも、多くの企業がロビー活動を行っていると書いています。ウォルト・ディズニー社では、雇用規制についてロビー活動を行ない、政治家や役人たちに、「アイアンマン2」と「トイ・ストーリー3」のチケットを数十万円分、さらにディズニーランドのパスを政治家に供与しています。オラクルやプライスウォーターハウスクーパースはインターネット技術に関する委員会に所属している週議会議員に高級レストランでの接待を行っています。

アメリカで日本政治の授業中、「日本ではお中元、お歳暮という構造的な汚職がある」と言っていましたが、これでは他人のことをとやかく言えないのではないかと思います。
by Hfurumura | 2010-08-04 00:21 | アメリカ政治
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