翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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現民主党執行部はアメリカ迎合ではないか

小沢一郎・前民主党幹事長が全国行脚をして、行く先々で、現執行部に対して苦言を呈しています。それに対して、現執行部が過剰なまでの反応をしています。皮肉、軽口に見えますが、腹の底から怒っていることがよく分かります。彼らとしては、小沢氏に全国行脚などして欲しくないのです。それは自分たちがやったことが国民に対する裏切り行為であり、アメリカにすり寄って良い思いをしたいという、愚劣な気持ちでいることが分かってしまうからです。

枝野氏は、子供手当の減額、高速道路無償化見直しは、民主党のマニフェスト違反です。ガソリン税の暫定税率廃止を撤回したことはそうですが、これは実施を遅らせるというものです。しかし、子供手当は子供1人に月額2万6000円支払うと書いてあります。そして1年目は半額ですが、予算の無駄を暴いて、2年目からは満額支給と書いてあり、そうすると民主党の実力者たちは繰り返し発言していました。それをやらないのは約束違反です。

こうした国民のための政策を、「バラマキ政策だ」と言いだして、反故にしようとしています。民主党は友愛政治、「国民の生活が第一」という理念で選挙を戦ってきたはずです。しかし、枝野、玄葉、野田などの松下政経塾上がりや20代からの職業政治家たちは、結局、自民党の政治家たちが彼らのロールモデルであることがよく分かりました。

国民に対してうまいことを言って、騙して、自分たちは権力を行使して満足感を得る。大臣になって、やがて総理大臣になって権力を思う存分行使したい、お金を集めて贅沢な生活をしたい。民主党の七奉行たちはアメリカに魂を売って、国民をアメリカに売ろうとしています。

小沢氏が地元に候補の応援に来た皆さん、是非その人を応援してあげて欲しいと思います。

私たちが奴隷として売られないために(もう売られてかけていますが)、行動しましょう。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

枝野氏「小沢氏は大衆迎合」公約修正批判に反論

2010年6月29日付 読売新聞電子版

 民主党の小沢一郎前幹事長が昨年の衆院選政権公約(マニフェスト)を参院選公約で修正した現執行部を批判していることに対し、枝野幹事長が強く反論、玄葉政調会長(公務員改革相)、野田財務相らも一斉に“逆批判”し、党内の亀裂が浮き彫りになった。

 枝野氏は29日夜、香川県綾川町で記者団に、小沢氏が子ども手当満額支給や高速道路無料化などの修正を問題視していることについて、「法人税収の大幅な落ち込みなどにもかかわらず硬直的な考えをするのは、結果的に国民に迷惑をかける大衆迎合だ」と語った。また、昨年末、小沢氏主導でガソリン税の暫定税率廃止を撤回したことを引き合いに、「小沢幹事長時代に(政権公約を)手直ししたことをもうお忘れになっている」と皮肉を込めた。

 玄葉氏は29日の閣議後の記者会見で「(小沢氏を含む)前執行部の下で(マニフェストの)見直し作業は進んだ。今はチームが一丸となって戦うべき時ではないか」と不快感を示した。野田財務相も記者会見で、「参院選公約は鳩山首相、小沢幹事長の下の(党マニフェスト)企画委員会を中心にまとまった。ご自身も当然、企画委員会の話を聞いていたと思う」と、小沢氏の対応に疑問を呈した。

 一方、小沢氏も収まらない。29日、参院選候補の応援のために訪れた山形県鶴岡市での演説では「選挙を通じて約束したことは、どんなにしんどいことでもやり遂げなければ、皆さんの信頼を勝ち取ることはできない」と訴え、マニフェストを守るべきだとの考えを改めて強調した。

 小沢氏の一連の発言については、菅首相の消費税率に関する主張に党内でも根強い反発があることから、「政権公約を順守した歳出拡大路線に力点を置くことで、復権の手がかりにするつもりだ」(党幹部)との受け止め方も出ている。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-06-30 00:58 | 日本政治

アメリカの衰退の始まり

アフガニスタン駐留米軍兼NATO軍司令官のスタンレー・マクリスタル氏が更迭され、その後任にペトレイアス中央軍司令官(元イラク駐留米軍司令官)が選ばれました。マクリスタル司令官とその側近たちは、雑誌「ローリングストーン」誌のマイケル・ヘイスティング記者の同行取材の中で、多くの米国政府高官たちをこきおろしました。

その中でもジョー・バイデン副大統領は、マクリスタル司令官が求めたアフガニスタンへの4万人の増派に強硬に反対したために「バイデンって誰だ?」、「むかつく野郎だ」という口汚い罵り方をされました。オバマ大統領は3万人の増派を決定したのですが、やはり罵られ、「決定が遅くて大変だった」というふうに言われています。ヒラリー・クリントン国務長官については、唯一、「彼女は“スタンレーが望むものを全て与えるべき”と言ってくれた」と賞賛しています。しかし、アイケンベリー駐アフガニスタン米国大使、リチャード・ホルブルック・アフガニスタン担当特使たちもめった切りです。

まず驚いたのは、一介の記者が司令官と共に行動し、司令部のような部屋にも平気で滞在を許され、かつそこで見聞きしたことを記事にしても良かったという事実です。司令官のパリ訪問から記事は始まりますが、ホテルの部屋は10人のスタッフ(参謀など)とコンピュータなどの機材にあふれ、臨時指揮所となる場所です。そこに記者を入れるのは軍規に違反するのではないか、司令官と言えどもそこまでの権限はないのではないかと思います。

ですから、マクリスタル司令官は今回の騒動を起こそうと思って、取材をさせていた可能性が高いと思われます。これは一種の軍の反乱であると私は考えます。軍部としては「アフガニスタンでの戦争を継続させたい」というのが最大の目的です。そのために、増派をして欲しいと訴え、オバマ大統領は3万人の増派を認めました。軍部からすれば、オバマはまだしも、バイデンは目の上のたんこぶで、できれば「いなくなって欲しい」人物です。そして、軍部に優しいヒラリーが副大統領になり、外交もそのまま継続して担当して欲しいと願っているはずです。

もっと言うと、ヒラリーが副大統領になれば、オバマに何かあった時には大統領になるのですから、なおさら好都合ということになります。ヒラリーはネオコン派ともつながっているので、軍部としては高位の政策決定に関わることができるようになればなおさら好都合です。また、イスラエルにしても、イスラエル・ロビーと関係の深いヒラリーが高位の職につくのは
好都合です。オバマ大統領はイスラエルに対して厳しい態度で接してきましたが、ヒラリーが大統領になれば、それが大きく転換することになります。

アメリカはどうしてもアフガニスタンでの戦争を継続させようとしています。2010年6月15日付の朝日新聞でも報じている通り、アメリカ政府はアフガニスタンにレアメタルの鉱脈がある、と唐突に発表しました(この話題については、こちらからどうぞ)。これはアメリカの世論を「アフガニスタンをアメリカの支配下に置いておくべき」と誘導するためです。そして、日本は、アメリカが自分の思い通りの政府をアフガニスタンに作るための資金を提供させられるのです。カルザイ大統領の最近の訪日にはその意味がありました。

今回の記事を読みながら、軍部が不満をためて、政府に対して歯向かってくるというのは、これは帝国の終焉が始まったことを示しているのではないかと思います。ローマにしろ、ソ連にしろ、膨れに膨れた軍事費と軍人たちの不満によって帝国が潰れていったことは歴史が示しています。

アメリカもこの法則から逃れられないのではないかと私は考えます。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「カルザイ大統領には痛手の見方も 駐留米軍司令官の辞任」

2010年6月24日付 朝日新聞電子版

 【イスラマバード=五十嵐誠】アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官の辞任について、アフガン大統領府は24日、「米国の判断を尊重する」と受け入れる声明を出した。だが、カルザイ大統領と良好な関係にあった司令官の退場は、同政権にとって痛手となる可能性がある。

 声明によると、カルザイ大統領は23日、オバマ米大統領から電話で司令官交代を伝えられ、了承したという。

 イラクでの治安改善に貢献したペトレイアス中央軍司令官が後任に指名されたことについて、大統領府広報担当者は朝日新聞に「同様の成果がアフガンでも実現されるよう期待したい」と語った。ペトレイアス司令官はイラク、アフガンを統括する地位の、いわば上官にあたり、米国の路線維持の意思表明として好意的に受け止められている。

 だが、実はカルザイ氏は当初、マクリスタル司令官の雑誌での発言が明るみに出た際には擁護した。大統領報道官も「我々は司令官交代がないことを望む」と発言していた。軍事作戦での市民の犠牲者を極力抑える姿勢を打ち出し、アフガン政府との連携を重視する同司令官を、カルザイ氏は高く評価していた。

 一方で、アフガン駐留の米政府の文官として最高位のアイケンベリー大使とカルザイ氏は、ぎくしゃくした関係が続いている。同大使はカルザイ政権の汚職体質に批判的だからだ。カルザイ氏にとって「盟友」といえたマクリスタル司令官がアフガンを去ることが、両国関係全体に影響を与える可能性もある。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-24 21:23

これまでの動きを見て考えたシナリオ

以下に玄葉光一郎・民主党政策調査会長兼公務員制度改革担当大臣のインタビューを掲載します。参議院議員選挙が近づき、それぞれの党が公約・マニフェストを発表しています。民主党の政策の責任者の一人である玄葉氏の発言を簡単にまとめた以下の記事は大変参考になります。

この記事で私が注目しているのは、「消費税は、次期総選挙までは上げない。実施時期は総選挙後だ」という発言です。この論法でいくと、総選挙(衆議院議員選挙)をして、その結果、民主党が与党であるならその後から消費税を上げるということになります。

ここでいつもの穿った見方をしてみます。次の総選挙ということになると、衆議院議員の任期は4年間ですからあと3年余り任期が残っています。しかし、衆議院は解散があり、解散されると総選挙が行われます。ですから、理論的には明日臨時国会を招集し、解散をして選挙を行うこともできます。ですから、今でも衆参ダブル選挙があるのではないかという説が根強く主張されています。

このことから考えると、衆参ダブル選挙の可能性は否定しきれません。そして、もう一つのシナリオは、参議院議員選挙の結果次第では、参院選後に解散して総選挙を行うということが考えられます。参院選で民主党が過半数を得ると、民主党は自信を深め、一気に衆議院議員選挙を行うのではないかと思います。現在の300名を超える代議士の数は魅力ですが、逆に言うと、そこまで多くなくても良いのです。政権運営に支障をきたさない範囲であれば、20名から30名減ってもまだまだ大丈夫なのです。参院選の結果いかんですが、総選挙が今年中に行われる可能性は高いのです。

また、万が一民主党が比較第一党になりながらも過半数が取れなかった場合は、消費税増税に関しては自民党と政策協定を結び、民主、自民で法案を通す可能性があります。菅直人首相が「自民党の提案を参考にして」と発言しているように、消費税率10パーセントは自民党が提案している税率ですから、自民党も乗りやすいのです。昔、1994年に細川護煕総理(当時)と河野洋平自民党総裁(当時)がトップ会談をし、選挙制度改革に関し、小選挙区制比例代表並立制を実現することで合意したことがありました。今回もこのようなことがあるのではないかと思います。

消費税増税はすでに決定事項のように報道され、政治家たちも発言しています。これは本当に怖いことです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「玄葉・民主政調会長:税制改革掲げ戦う--毎日新聞インタビュー」

2010年6月22日付 毎日新聞電子版

 民主党の玄葉光一郎政調会長は21日、毎日新聞のインタビューに応じた。要旨は以下の通り。【聞き手・小山由宇】

 --消費増税。どう理解を求めますか。

 ◆消費税を言わない方が参院選は戦いやすい。あえて言葉にしたのは、選挙よりも日本の現状と未来への責任感や危機感から
だ。消費税を含めた税制抜本改革を堂々と訴えていくべきだ。

 --参院選で掲げることに小沢一郎前幹事長は反対でした。

 ◆国民に正直に伝える方が正しい。誤解してほしくないが、次期総選挙までは上げない。実施時期は総選挙後だ。今から
2~3年はデフレ脱却と無駄遣いを削減し、その間に消費税の制度設計をしようということだ。

 --引き上げる前に衆院選で消費増税を掲げて戦うと。

 ◆そうあるべきだ。

 --低所得者対策は。

 ◆必ず低所得者対策を行う。軽減税率と給付付き税額控除の二つの方法がある。軽減税率となると(複数税率となるため)
インボイス(税額明記伝票)の導入が必要で、(実施まで)3年以上かかる。給付付き税額控除だと共通番号制度の導入問題が
出る。どういう方法を取るか、参院選後に党内で検討チームを作り、年度末までに決めたい。

 --税率は10%か。

 ◆文字通り参考であり、目安だ。引っ込めるつもりもないが、絶対に10%と固執する必要もない。

 --政策調査会が復活したが、どう族議員化を防ぎますか。

 ◆事前承認機関にしないことが大事だ。族議員ではなく専門議員化して党から前向きな提案が出る政調にしたい。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-22 14:20

リバータリアニズムの立場からの米軍撤退論②

「私の指揮する沖縄に駐留する全海兵隊員たちは日本の安全を守るためなら喜んで命を捧げる。日本はアメリカを守るという互恵的な関係にはない」と米海兵隊太平洋司令官のキース・スタルダー中将は今年2月に発言した。こんな発言が現在のアメリカでどのように通用し、理解されるだろうか?

アメリカ政府の関係者たちは、アメリカ政府の役割はとても重要だと思いたいのだ。アメリカに依存することを望む国々は喜んで、「アメリカの役割は重要だ」ということを言い続けてくれる。しかし、日本をはじめ、他の人口が多く、経済的に繁栄していて、工業も発達している国々をアメリカが守るというのはアメリカ国民の利益にはならない。

アメリカが半帝国の地位を保てる時代はとうに終わったのである。国の債務残高はすでに13兆ドル(約1170兆円)を超えている。アメリカ政府は今年だけで1兆6千億ドル(約144兆円)の赤字を計上している。これから10年、アメリカ政府の計上する赤字は10兆ドル(約900兆円)に達するだろう。しかもこの数字はその間に銀行や年金基金などの破綻がなければという条件付きである。社会保障と医療保険の赤字は100兆ドル(約9000兆円)を超えている。簡単に言うと、今の状況はアメリカ政府は自国で防衛可能な国を守るために債務を積み重ねている、ということだ。

日本国民の中には、日本の周辺には危険がないとし、過剰な防衛力は必要ではないと考える人たちがいる。他の人たちは、そこまで言い切れるのか不安だと主張している。どちらにしても、防衛は、日本国民が決定することだ。

北朝鮮の持つ軍事能力はどのようなものかはっきりしていない。また彼らの攻撃的な意図は予想がつかない。鳩山前首相は次の様に述べている。「現在の朝鮮半島情勢を考え、その不透明さが沖縄に米軍基地を置いておく理由となる」と。

更に、中国は国力を伸ばしている。中国政府は攻撃的ではなく、受身的だ。しかし、日中両国が所有権を主張する島々をめぐり、争う意思を鮮明にしてきている。その争いが武力衝突までエスカレートしない最良の方法は日本政府がその島々を自力で防衛することだ。

日本の近隣職の中には、第二次世界大戦中の日本の侵略行為を思い出し、日本が軍事能力を持つことを懸念する国が存在する。アメリカ人の中にもそのような心配をする人たちもいる。しかし、日本国民は原罪(original sin)とも言うべき第二次世界大戦での過ちを繰り返さないあろう。侵略戦争を計画し、侵略を実際に実行した人間たちは全員亡くなっている。非武装の
平和維持活動部隊を海外に派遣する時でさえ政治的な混乱が起きるような国が何処か他国を侵略するようなことはない。

とにかく、東アジア各国の日本に対する懸念を和らげる最良の方法は日本と近隣諸国の間に協調を推進する合意と構造を構築することだ。韓国、オーストラリア、インドなど民主政体の国々はアジア太平洋地域が平和で経済的に繁栄を保つために日本と協働していきたいと思っている。それは日本にとっても利益となるし、地域の平和と繁栄のために日本は多大な貢献ができる。日本政府は自国の防衛のためにほとんど何もしないと決めているようだ。しかし、アメリカに防衛を負担してもらおうとすべきではない。

米軍が沖縄に駐留していることは日本を超えて東アジア地域全体の安定に寄与しているという主張がよくなされている。しかし、この主張には根拠が薄弱だ。ヘリテージ財団のブルース・クリングナーは次のように主張している。「沖縄に駐留している米海兵隊はアジアで危機が起きた時のアメリカの対応にとっての欠かすべからざる重要な要素となる」と。しかし、第三海兵遠征軍(the 3rd Marine Expeditionary Force,MEF)は軍事的能力は高いが、東アジア地域で危機が起きた場合、何もすることがないと言える。

第三海兵遠征軍は軍人の数が多い韓国を支援する必要はない。韓国軍は北朝鮮からの攻撃を防ぐ能力を持っている。米海兵隊はもしアメリカが中国と戦争状態に入った場合も有効な使い道がない。彼らが役立つとすれば、国防総省が北京の天安門広場に急襲上陸をして毛沢東の霊廟を確保するという作戦を立てた時だがそんな馬鹿げたことはない。米中間で、台湾、もしくは
所有権を争っている島々を巡る紛争が起きる場合、アメリカは空軍と海軍を主に投入する。インドネシアでの反乱、ソロモン諸島やフィジーでの内戦、タイ、ビルマ、カンボジアとの間の国境紛争などアジア・太平洋地域では不安定要因が存在するが、それらにいちいち米軍を派遣するのは愚かで、馬鹿げたことだ。

アメリカ空軍前参謀長だったロナルド・フォグルマン大将は次のように語っている。「沖縄にいる米海兵隊は米軍全体の軍事計画に対して何の貢献もしていない。海兵隊は沖縄に駐留する必要はない。戦争計画の中で彼らが派遣される時間などが決められるが、作戦遂行において、彼らが沖縄に駐留している必要はない。私は彼らがカリフォルニアに帰れば良いと思っている。彼らがカリフォルニアに帰りたがらないのは、彼らがカリフォルニアに帰ってしまうと、“海兵隊に2万人も必要な理由は何か”という疑問をアメリカ国民が持ってしまう恐れがあるからだ」

沖縄に米軍基地があることで東アジアの各国の軍事費を抑える効果があるのだろうか?これは検証されたことがなく、ただの思い込みと言ってよいだろう。たとえ東アジア各国の軍事費が抑制されているとしても、それがアメリカの利益とは言えない。中国の近隣諸国にとって、中国に責任のある外交・軍事政策をとらせる最良の方法は、充分に軍事力を高め、近隣諸国間で協力関係をしっかりと結ぶことだ。二国間もしくは地域の争いをアメリカの介入で収めるようなやり方はすべきではない。

アメリカが東アジア地域の平和に関与しないというのは何も日本人とアメリカ人が経済的、文化的つながりを断つとか、日米両政府が安全保障問題で協力をしないなどということではない。それは、アメリカが日本の安全を保証したり、日本の国土に米軍を長期にわたり駐屯させる理由はもはや存在しないということなのだ。

オバマ政権の外交政策は前任のブッシュ政権の外交政策のように恐るべきものとなっている。アメリカ政府は世界を支配しようとしているし、同盟諸国に対し自分の希望を押し付けている。

このような外交方法を採っていると、長期で見ればアメリカは自壊してしまうことになるだろう。経済的に豊かになり、影響力を持つようになった同盟諸国が防衛政策を自国の思い通りにやりたいと主張してきた時にのみ、アメリカの傲慢さはある意味で、功を奏したと言える。しかし、そうでなければ、アメリカ政府が経済的に繁栄し人口も多い国々を防衛することは、アメリカを国家破産の危険にさらしているのと同じなのだ。

アメリカ政府は外国への関与と海外での米軍の展開を縮小しなければならない。日本はまずその手始めとしては良い場所である。


ダグ・バンドウ(Doug Bandow):ケイトー研究所上級研究員。レーガン大統領時代には大統領特別補佐を務めた。著書に『罠:
変化し続ける時代の韓国とアメリカの外交政策』(ケイトー研究所刊)、共著に『朝鮮半島問題:南北朝鮮とアメリカの困った
関係』(パルグレイブ・マクミラン社刊)がある。

(終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-21 19:23

リバータリアニズムの立場からの米軍撤退論①

今回は、リバータリアニズムの立場をとるアメリカのシンクタンクの研究員によるアメリカ軍撤退論をご紹介します。ダグ・バンドウが書いた論文は、これまでもこのブログと私が管理人をしているウェブサイト「副島隆彦の論文教室」(ウェブサイトへは、こちらからどうぞ。)でご紹介してきました。

バンドウをはじめとするリバータリアニズムの唱導者たちは、まずアメリカが自国を防衛する能力がある国々の防衛を担っている状況に反対しています。それは、アメリカ国民の利益にならないと主張しています。この前提から、アメリカが日本の防衛を担う必要はないと主張しています。日本の防衛をどうするかは日本国民が決定することであるとバンドウは述べていす。

そして、バンドウは、アメリカは日本に駐留させている米軍をアメリカ本国に引き揚げさせるべきだと主張しています。何度も書いていますが、リバータリアニズムは現実政治では決して主流派ではありません。しかし、アメリカでは大変根強い支持を集めています。ここで私たちはアメリカには多様な考え方があり、決して一面的に判断してはいけないと思います。

それでは拙訳をお読みください。

==========

日本から出て行こう(Get Out of Japan)

ダグ・バンドウ(Doug Bandow)
2010年6月18日
ナショナル・インタレスト誌(The National Interest)

米国大統領選挙の時のバラク・オバマ候補は外国の人々を魅了したが、大統領になってからのオバマ氏は、自分の気に入らない外国の指導者たちに対して冷たい処遇をした。冷たい処遇をされた外国の指導者の一人が、日本の鳩山由紀夫前首相だ。鳩山氏は沖縄本島にある米軍基地の数を減らそうと努力した。オバマ政権は鳩山氏の努力に不満を募らせた。そして結果として、鳩山氏は僅か8ヶ月で辞任に追い込まれることになった。生の政治権力の動きが垣間見られたことに私は強い衝撃を受けた。そして、私は今回の米国の外交的勝利を「ピュロスの勝利(Pyrrhic victory)」(訳者註:割に合わない勝利)だと考える。

第二次世界大戦が終結した際、アメリカは日本を占領し、沖縄を事実上の植民地とした。アメリカ軍は、日本が降伏する前にすでにアメリカが占領していた。アメリカは沖縄に多くの基地を建設した。そして、アメリカは1972年に沖縄の施政権を日本に返還した。沖縄の施政権が日本に返還されて40年経ったが、沖縄の約20パーセントの土地に米軍の施設が建設されている。

アメリカ軍は沖縄に駐留したくてしょうがないのだ。それは沖縄が絶妙の場所に位置しているからだ。日本人の多くも沖縄に米軍基地を集中させておきたくて仕方がないのだ。それは沖縄が本土から遠く離れた県だからである。日本に駐留する米軍の人員の半数と米軍施設の75パーセントが日本の僅か0.6パーセントの広さしか占めていない沖縄に集中していることは、
沖縄県民を除く全ての日本人にとって都合のよいことなのだ。

沖縄県民はこれまで長年にわたり米軍基地に反対してきた。1995年には十代の少女が暴行された事件が起こり、それがきっかけとなり、多くのデモが行われ、沖縄の負担の軽減のための提案がいくつもなされた。2006年、日本政府は、在沖の海兵隊の一部がグアムに移転する費用を出し、その代償として普天間基地の機能をより人口が少ない辺野古に移すという内容の合意をアメリカ政府と結んだ。

しかし、沖縄の人々は基地を県外に移すことを望んだ。また、日本政府は合意の実行を遅らせた。昨年の衆議院議員選挙で、当時の野党民主党は基地を県外に移すことを約束した。鳩山氏は次のように述べた。「私たちが現行案を受け入れるなどと言うことはあり得ない」

しかし、オバマ政権は現行案の見直しを拒否し、米日関係が悪化するだけだと脅しをかけた。自民党政権下での経済低迷を理由にして民主党を応援し投票した日本の有権者たちはこうしたアメリカの動きに動揺した。鳩山首相は日本が従属する形の同盟からより対等な同盟へと変化させたいと望んでいた。しかし、日本国民にはその準備がなかった。鳩山氏は辞任会見で次の
ように述べている。「いつの日か、日本国民自身が日本の平和を保たねばならない時が来る」と。

ワシントンは外交的に完勝したように見える。日本政府はアメリカの要求に屈した。従順な菅直人が新しい首相に就任した。日本国民は「日本はアメリカに屈辱的に依存している属国である」ということを再認識した。

しかし、今回の外交的勝利は無意味なものになってしまう可能性がある。鳩山首相が辞任し、菅直人氏が新総理となり、リップサービスとして、普天間基地は沖縄県内に移設すると言っているが、それが実行されない可能性がある。日本政府は1996年以来、問題をずっと先送りしてきた。沖縄の人口のおよそ10分の1に当たる約9万人が今年の4月に基地移設反対の集会に参加した。沖縄の人々とアメリカ政府、両者を満足させる方法は存在しない。そこで、菅直人政権は自民党政権を見習い、問題をまた数年間先延ばしすることは十分に考えられる。

更に、基地に反対する活動家たちによる非暴力・不服従運動が盛り上がっているという話もある。人々の不満は日に日に高まっている。2010年5月中旬、普天間基地には1万7千人の人々が集まり、人間の鎖で封鎖した。地方自治体の長たちは移転計画に反対しているし、反対している人々を排除して土地を強制収容できないとしている。菅直人総理は自分がこの事態に
強引に入り込んだら、前任者の鳩山氏のように辞任しなければならなくなることを知っているだろう。たとえデモに参加する人の数が少なくても日米両政府の関係者たちに恥をかかせることができる。

更に言うと、アメリカ政府が日本に対して高圧的な態度をとり続けると、日本国民が「もうアメリカの保護国の立場にいるのを止めよう」と考えるようになる可能性が高い。世界の超大国たるアメリカに防衛を任せるのは便利なことではあるが、自尊心もまた問題となる。日本政府は自国内でのアメリカ政府の独善的な動きをコントロールする権利を事実上放棄している。アメリカから保護を受けるには余りに高い代償となっている。ワシントン大学のケネス・パイル教授は次のように書いている。「米日関係は、アメリカの支配の度合いが余りにも強いので、米日同盟の見直しをしようという動きは起きるだろう。そして、自律性と自己決定は明治期以降の日本の根本的な目標となって来たものなのでそうした動きは起こると考えられる」

しかし、この問題で最も興味深い点は、アメリカ政府関係者たちが執拗に日本を保護国のままにしておきたいと首尾一貫して主張し、行動していたことだ。日米安保条約が結ばれた時と世界の状況は大きく変化している。SAISのケント・カルダーは次のように書いている。「同盟が置かれている国際的な政治状況、経済状況と両国の国内状況は根本的に変化してきた」と。ある状況下である目的のために結ばれた関係が、全く別の状況下の別の目的に合致するということはあり得ない。

「アメリカが日本を守ることに同意し、日本がアメリカに防衛してもらうことに同意する」という一方的な内容の同盟は、第二次世界大戦の直後なら理解され、通用しただろう。しかし、戦争が終わり60年が経過し、日本は世界第二位の経済大国になった。日本は自国を守る能力を持ち、東アジア地域の平和と安定に寄与する力を持っている。

(つづく)

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by Hfurumura | 2010-06-21 15:21

参議院議員選挙の重点区:山梨



この夏の参議院議員選挙で全国的に重要な選挙区となりそうなのが山梨選挙区です。ここでは現職の民主党の輿石東参議院議員会長に自民党の新人で、元高校教師の宮川典子氏、みんなの党の小野次郎前衆議院議員が挑戦するという構図になっています。また、元読売巨人軍監督、200勝投手の堀内恒夫氏(甲府市立甲府商業高校出身)が自民党の比例で出馬ということになっています。自民党としては、「選挙区で宮川、比例では堀内と書いてください」という選挙での呼びかけをすることになるのでしょう。

宮川氏は元高校教師、輿石氏は元小学校教諭ということで、「元先生」同士の戦いとなっています。宮川氏は母校の山梨学院大学付属中・高校の先生をしておられた方で、その後、松下政経塾に所属し研鑽を積まれたということだそうです。宮川氏は、日教組や山梨教組に対して大変批判的であり、大変保守的なお考えの持ち主のようです。民主党政権を「左翼政権だ」と呼んだ安倍晋三元首相と共に教育再生会議に出ておられるようです。

日教組が教育を駄目にした、という主張は良く聞かれますが、教育行政全体を管理していたのは文部省であり、自民党文教族の政治家たちでした。「日教組がゆとり教育の元凶だ」などと言う人たちもいますが、ゆとり教育を始めたのは、文部省の官僚だった寺脇研氏でした。そして彼が立案したものを法制化し、施策を実行したのは自民党政権でした。日教組は協力をしたかもしれませんが、「元凶」ではないと思います。彼らに政策を立案することも実行することもできないからです。

現在、日教組の組織率は以前に比べ低下しており、先生方の大部分は日教組に加入していないのが現状です。それなのに、日教組を目の敵にして悪罵を投げつけることしかしていない人たちには何か別の意図を感じてしまいます。

以下の記事は、公明党の山梨県本部が自民党の宮川典子氏の推薦を見送ったという記事です。推薦見送りの理由を公明党側は、「山梨で知名度の高い候補者が他党から出るので、選挙区で他党を応援する余裕はない」としていますが、これは大変分かりにくい説明です。公明党が選挙区に候補者を出さないのだから、これまで10年以上の選挙協力の実績があるのだから、「比例は公明党、選挙区は宮川氏」でいけば良いのです。堀内氏は何も山梨県だけの票を頼みに立候補したのではないのでしょうから(何と言っても、第巨人軍の監督だった方です←嫌味だと分かってください)。

それでは公明党側が宮川氏の推薦を断った理由はおそらく、宮川氏のあまりに保守的な言動や政策のせいではないかと思われます。公明党は、創価学会の信者の圧倒的な支持を受けて成長してきました。公明党は反戦平和、福祉、弱い者の味方の中道政党の立場でした。しかし、自民党との連立によって、その間に自衛隊の海外派遣、郵政改革など、本来の支持者の意にそぐわない方向に進んでしまいました。しかし、野党になって迎える参議院議員選挙では「連立野党」として自民党と行動を共にする必要はなくなったのですから、本来の公明党らしさを追求することができるようになりました。

あまりに保守的な言動を繰り返す宮川氏を推薦したのでは公明党の支持者が本格的に離反しかねないと公明党山梨県本部では判断したのだと思います。

さらに言うと、今回の宮川氏に対する推薦見送りは公明党側が民主党に対して、と言うよりも、小沢氏に対して配慮したということだと思います。輿石氏は小沢氏に近い議員で、民主党内の実力者として知られています。だから、自民党は輿石氏を落選させようとして躍起になっています。だから、自民党としては輿石氏落選に向けて公明党と協力をしたいところでした。

しかし、公明党側は自民党側の希望を拒否しました。これは公明党が実は民主党との協力に含みを持たせていて、特に小沢氏との関係を悪化させたくないと思っていることの現れです。細川連立政権時代に小沢氏と協力関係に会った市川雄一氏を顧問として復活させたことと併せて考えると、公明党は民主党、と言うよりも小沢氏との協力関係を視野に入れて行動しているということになります。

選挙は水ものであり、先行きを予想するのは大変難しいところですが、今回の動きは何かしらの影響はあるものと思われます。そして、選挙後にも今回の動きは影響を与えそうです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「山梨選挙区公明は自主投票 自民候補の推薦見送り」

2010年6月18日付 山梨日日新聞

 公明党山梨県本部(秋山雅司代表)は17日、候補者を擁立しない参院選山梨選挙区について、自主投票とすることを明らかにした。自民党県連から宮川典子氏の推薦要請を受けていたが、同党が比例代表にプロ野球前巨人監督の堀内恒夫氏=甲府市出身=を擁立したことで、十分な選挙協力が見込めなくなったとして推薦を見送った。

 この日は秋山代表らが、甲府・自民党県連会館を訪ね、皆川巌幹事長に宮川氏の推薦を見送り、自主投票とする決定を伝えた。秋山代表は会談後、推薦を見送った理由について、比例代表に堀内氏や、みんなの党の小野次郎氏が立候補することを念頭に、「県内で知名度の高い候補が多く、選挙区で他党を支援する余裕はない」と説明した。

 公明党の決定を受け、皆川幹事長は「推薦が得られず組織票を計算できなくなるのは痛いが、民主党に参院で過半数を取らせないという目標は一致している」と述べ、公明党支持層から引き続き支援を得られるとの見解を示した。

 自公政権下で行われた国政選挙で、公明党県本部は連立のパートナーである自民候補を選挙区で推薦。代わりに自民党県連は比例代表で公明党の支持を訴える「バーター戦術」を展開してきた。

 秋山代表は参院選選対本部を設置した4月の段階では「民主党に参院の過半数を与えてはいけない」として宮川氏を支持する可能性を示していたが、堀内氏の立候補表明後「比例代表に専念することも考えなくてはならない」と述べ、選挙区は自主投票とする可能性を示唆していた。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-21 01:16 | 日本政治

「独立」友呼べば 「自尊」と我応え

今日のタイトルは、少しマニアックにしてみました。これは慶応義塾が誇る名応援歌「我ぞ覇者」の一節です。慶応義塾の応援歌と言えば、「若き血」が有名ですが、この「我ぞ覇者」には私が好きな一節があり、それが今日のタイトルです。

この「独立自尊」は慶応義塾の創設者である福沢諭吉先生が、塾生たちをはじめ明治期の日本人に説いていた思想です。一国の独立はまず一身の独立にありという思想で、個人が独立していなければ国の独立は保てないということです。そして、個人の独立を保つためには経済的な自立をしていなければならないという考えです。

下の記事は、現在ワシントンで開かれている、日米安保50周年のシンポジウムの記事です。このシンポジウムについては、このブログでも、スティーヴ・クレモンス氏のブログ(ワシントン・ノート)の記事を通じてご紹介しています。このシンポジウムの出席者たちは、先月、早稲田大学大隈講堂で開催されたシンポジウムのメンバーと似ています。

その中で、日本の現役の国会議員として民主党の長島昭久代議士(防衛大臣政務官)と自民党の林芳正参議院議員(前防衛大臣)が出席しています。長島氏は鳩山由紀夫内閣、菅直人内閣の閣員の一人ですから、その発言には注目が集まっています。

彼はまた暴言ともとれる発言をしています。まず、自分が仕えていた総理大臣を「夢想家」と批判したということです。閣員は自分の考えが内閣の方針と合わない場合は、内閣不一致を問われてしまいますので、辞任をするのが筋です。それが、ずっと閣内に居座りながら、まだ鳩山首相が辞任を表明する前の段階でも長島氏は、内閣を批判していましたので、大問題です。

だいたい、企業や団体のことを考えてみると、自分の上司を公の場で多くの人々の前で批判するということがあるでしょうか。自分が辞任をするつもりならまだしも、そのままの地位に居座りながら上司を批判するなんてことは許されるはずがありません。

菅直人総理大臣はこのような人物を自分の閣内に留めておくという不見識を改めなければなりません。

次に彼の発言内容で気になったのは、インド洋における自衛隊の米軍への給油活動の復活を明言していることと自衛隊が米軍の基地で訓練する機会を増やすことです。これは日米協力の名を借りた、自衛隊の米軍下請けの深化に他なりません。日本国民の税金を使って、自衛隊を米軍の使い勝手の良い下請け部隊とする、このような酷い隷従の方法があるでしょうか。

日本がアメリカの属国の地位に甘んじている、これは認めなければなりません。そのうえで、そこから少しでも脱しようとして努力するのか、「日本国民のことなんか知らないけど、エリートである俺には居心地が良いからこのままで良い」と何もしないで、アメリカ側から覚えがめでたいことばかりを述べるのか。そこには大きな違いがあります。「独立」のためなら、「自尊」が必要だと福沢先生は教えられました。これは経済的な自立もさることながら、精神的な自立の重要性も教えているように私は思います。

帝国側に堕した人間に「自尊」はあるのでしょうか。

長島昭久氏は慶応義塾幼稚舎から慶応義塾大学大学院までずっと日吉と三田で育った生粋の塾生です。そして、大学時代には、慶応義塾大学応援指導部の幹部として慶早戦(早慶戦)の大観衆の指揮をした人物です。応援歌「我ぞ覇者」の歌詞は今でも覚えておられることでしょう。「独立自尊」という福沢先生の教えをどのようにお考えなのでしょう。

今はまだ属国から完全に脱することはできないでしょう。しかし、属国であることに疑問を持ち、そこから脱するにはどうしたら良いかを考えることが、「日本の」政治家の責務ではないでしょうか。

得意の英語を喋りまくり、アメリカ側から覚えめでたい人物になることが目的なら、政治家を辞めて、コメンテーターにでもなったらよろしかろうと思います。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「アーミテージ氏、日米合意を評価 鳩山前首相を「夢想家」と批判」

2010年6月18日付 MSN産経ニュース

 【ワシントン=佐々木類】リチャード・アーミテージ元米国務副長官は17日、ワシントン市内で開かれた日米関係のシンポジウムに出席し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)について、移設先を名護市辺野古周辺とした先の日米合意を評価、引き続き慎重かつ速やかに合意を履行していくべきだとの考えを示した。

 アーミテージ氏は一方で、鳩山由紀夫前首相について「夢想家で(できないことでも)ノーと言えない人だった。だが、(東アジア情勢をみると)夢見がちなことを言っている暇などなく、不誠実な対応をとるべきではなかった」と批判した。別の会合に出席した防衛省の長島昭久防衛政務官も任命権者の鳩山前首相を「夢想家」と断じた。

 シンポジウムには、アーミテージ氏とともに、2000年に対日政策提言「アーミテージ・リポート」をまとめたジョセフ・ナイ・ハーバード大特別功労教授も参加した。

 ナイ氏は、中国の軍拡に言及し「中国の若い世代が愛国主義を強めるなど危険な兆候がある」と指摘。その上で、日米中の3カ国の関係に触れ、「決して正三角形ではない。日米両国はより深いきずなで結ばれているからだ」と述べた。

シンポジウムは、日米修好150周年と安全保障条約改定50周年を記念して、日本財団などが開催した。

 主催者の笹川陽平日本財団会長は「日米は重層的な関係にある。自由な意見交換を通じて、共に目指すゴールが何なのかを確認していく作業が大切だ」などと語った。


●「長島防衛政務官、インド洋での給油再開に意欲」

2010年6月18日付 読売新聞

 【ワシントン=小川聡】長島昭久防衛政務官は17日、ワシントンで開かれた日米安保条約改定50周年を記念するシンポジウムで講演し、「日本はインド洋での海上活動の再活性化を検討すべきだ」と述べ、鳩山前政権が中止した海上自衛隊のインド洋での給油活動再開に意欲を示した。

 長島氏は「日米同盟の戦略的な意義を減じないためにも、日本は国際平和活動への貢献を縮小すべきではない」と強調したうえで、具体例としてインド洋での活動を挙げた。

 菅政権の外交・安全保障政策については、「鳩山さんは夢見る人、理想主義者だという指摘があったが、菅さんは極めて現実主義者だ」と述べ、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題などをめぐって日米関係を混迷させた前政権との違いをさりげなく強調した。

(2010年6月18日11時29分 読売新聞)


●「安保50年:「日米同盟の重要性確認」米でシンポ始まる」

 【ワシントン古本陽荘】改定された日米安全保障条約が自然承認され19日で50年を迎えることから、日米同盟に関するシンポジウムが17日、ワシントン市内のホテルで始まった。日米両国の政府高官や安全保障の専門家ら有識者が集まり、日米同盟の意義や両国の歩むべき方向性について意見を交わした。

 基調講演した米国防総省のシファー次官補代理は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題に関し、「両国は過去数カ月、乱気流を経験したが、希望の光が見えた。日米同盟の基本的な前提について改めて議論し、両国は今日でも日米同盟が重要だと再確認するに至った」と強調。普天間代替施設については「正確な場所や工法について作業が多く残るが、合意通り8月末までに終了すると確信する」と語った。

 また、長島昭久・防衛政務官も「アジア太平洋地域における米軍の前方展開は必要な要素であり、その意味から普天間移設は重要だ。菅政権は合意を履行すると公約している」と明言。さらに、海外の米軍基地で自衛隊と米軍の共同訓練を拡大すべきだとの考えを示した。

 他に、米側からアーミテージ元国務副長官、ナイ・ハーバード大教授、日本側から高見沢将林・防衛省防衛政策局長、北岡伸一・東大教授らが出席。2日間の日程。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-18 14:04 | 日本政治

黙っていろと言われて黙っている小沢氏

小沢一郎氏(民主党前幹事長・元代表)についての記事が二日続けて、「反権力」の産経新聞に掲載されていました。小沢氏をここまで追いかけまわすのは大した執念だと思います。サッカーの日本代表の長友選手のようです。敬服に値します。

小沢氏の影響力を排除した、「脱小沢」の菅直人内閣、枝野幸男民主党執行部がスタートしました。しかし、ここまで小沢氏の動向が微に入り細に入り伝えられるというのは、①小沢氏を何としても追い落とすために密着マークをして失策を見つける、②小沢氏は力があると読者に洗脳するためにマークする、③小沢氏には本当に力があり、彼が復活するのが怖いからマークする、という理由が考えられますが、それぞれが正しい理由なのではないかと思います。

小沢氏は本当に静かにしていて、政治向きのことは一切公的な場で発言していません。党の代表から静かにしているように、と言われて、役職にもついていないので本当に静かにしているようです。地方行脚を続ける気持ちはあるようですが、政局に関わっている暇はない、という大きな態度を示しています。参議院議員選挙の候補者たちのもとに秘書を派遣しているのも継続しているようです。

産経新聞は、かなり赤字を抱えて苦しいと言われています。だから、読者を獲得するために読者が読みたい記事を書こうとしてそれで小沢氏を追いかけているということも考えられます。そうなると、人々は小沢氏が嫌いだけれども、その動向は気になる政治家と言うことになります。ここで思い出すのが、田中角栄元首相です。田中氏ほど毀誉褒貶(きよほうへん)の激しい政治家はいませんでした。しかし、彼ほど人々からその動向を気にされる政治家もまたいませんでした。

ここで面白いと思ったのは、産経新聞が岩手日報の記事を紹介していることです。ある新聞社が別の新聞社の記事を紹介する、というのは良く考えたらおかしなことです。全国紙と地方紙と言えども、ライバル関係にあるのですから、他の新聞の宣伝になるようなことはしたくないはずです。しかし、ここでは、「ほら、見てごらんよ。僕と同じことを言っているお友達がいるよ」と訴えかけているようで哀れです。

小沢氏は一兵卒として黙々とできることをやっているのに、周りが騒げば騒ぐほど、小沢氏の実像は分からなくなっていく。日本の政治が国民に理解されないのはマスコミに責任があるのだろうと改めて思う次第です。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「小沢氏が自虐ネタ連発 「静かにしていろと言うから静かにしてる」

2010年6月17日付 MSN産経ニュース

 民主党の小沢一郎前幹事長は17日、都内のホテルで政治資金パーティーを開き、「(菅直人首相から)静かにしていろと言われたから静かにしている。一兵卒でがんばりたい」「マスコミも叩く人間がいなくなって、民主党の支持率も上がった」などと、自身の幹事長辞を“ネタ”にあいさつし、会場を大いに沸かせた。

 出席者によると、登壇した小沢氏は上機嫌で、参院選については「田舎の山やさびれた港町で静かに応援する」と、冗談交じりに語る場面もあったという。

 菅新内閣や政局への直接の言及はなかったが、「政権を任された以上、民主党はその責任から逃れることはできない。野党時代のような『党内政局』はしてはいけない」とも述べ、党の一致結束を説いた。

 小沢氏は平均年4回のペースで政治資金パーティーを開催している。この日も約300人の支持者が集まり、小沢氏は握手や記念撮影に応じていた。


●「岩手日報が「論説」で小沢氏引退勧告 「使命果たしたのでは」」

2010年6月16日付 MSN産経ニュース

 民主党の小沢一郎前幹事長のおひざ元、岩手県で最大の約22万部を発行する「岩手日報」が16日、小沢氏に政界からの引退を促す「論説」を掲載し、注目を集めている。同紙は「読者からの反応は今のところない」としている。地元でも小沢氏の求心力に微妙な変化が起きているあらわれといえそうだ。

 タイトルは「『使命』果たしたのでは」。

 記事では、昨年の政権交代について「原動力を果たしたのは小沢氏」と評価した上で、「政治とカネ」問題への世論の「嫌悪感」や菅政権への期待を理由に、「どうだろう。この辺りで鳩山前首相と共に政界から身を引いてみては」と、小沢氏に引退を求めた。

 評論家の故江藤淳氏が生前、小沢氏に「帰りなん、いざ」と帰郷を勧めた産経新聞のコラムにも触れ、「すでに十分に『使命』を果たしたのではないか」と締めている。

今月4日、盛岡市の民主党会合で映されたビデオレターで、小沢氏が参院選後に「先頭に立つ」と意欲を訴えたことにも言及。選挙後も「連立維持なら菅首相の続投が前提」という見方を示し、小沢氏の発言に「不可解だ」と疑問を投げかけた。

 さらに、「不意の『ハト鉄砲』を食らって冷静な判断ができなかったか」「『しばらく静かにして』と注文した菅首相の言葉に心を乱したのか」と小沢氏の心境を分析している。

 岩手日報によると、「論説」は社の意見を訴える各紙の「社説」(産経新聞は『主張』)と性格がやや異なり、5人の委員が署名入りで執筆している。毎週末に論説委員会を開き、次週のテーマを話し合う。掲載前に委員が回し読みし、切り口などを手直しするケースはあるものの、基本的に筆者の見解が尊重されるという。

 今回の筆者は、編集局長などを経て、3月末まで論説委員長を務めた宮沢徳雄委員。論説・制作担当の常務も兼ねている。

 宮沢氏は、産経新聞の取材に、「各種の世論調査で『政治とカネ』など古い自民党的な体質に国民が嫌気を感じているのは明らか。地元に『小沢首相』待望論があるのは承知しているが、菅首相就任で民主党支持がV字回復しているのが現実。小沢氏は身を引くチャンスだと思う」と執筆の意図を説明した。

 宮沢氏によると、今回の記事で、他委員から反論はなかったという。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-17 23:32 | 日本政治

スティーヴ・クレモンス氏の日米安保シンポジウムについての論説

「ワシントンに沖縄の声は届けられるのか?(Will Okinawa's Voice Be Heard in Washington?)」

2010年6月14日付
ワシントン・ノート(クレモンスのブログ)
スティーヴ・クレモンス(Steve Clemons)記

重要な人たちが集まる日米関係についてのイベントが今週ワシントンでいくつか開かれる。その中で最も重要なイベントは「友好の150年と同盟の50年:米日パートナーシップを深めるためのアジェンダ」である。このイベントは、センター・フォ・ニューアメリカン・セキュリティ、笹川平和財団、海洋政策研究財団の共催である。

このシンポジウムでは、米日関係に携わってきた重要な人々が集まり、普天間にある米海兵隊航空基地について長時間話すことになるだろう。普天間基地問題を解決できずに日本版「オバマ大統領」であった鳩山由紀夫首相は退陣してしまった。シンポジウムに参加する人のほとんどは、「鳩山氏とNo.2だった小沢一郎氏は欠点があったために辞任に追い込まれたのであり、日米両国は菅直人という新しいリーダーを迎えて仕切り直しができる」と述べるだろう。

私はこのシンポジウムに参加する。しかし、このシンポジウムでは、米日安全保障関係をこのまま「維持する(status quo)」することを望む主張がおおくなされることは間違いのないところだ。

シンポジウムに参加する人々は、アメリカ政府が普天間基地問題について日本政府に過度なプレッシャーをかけていないし、普天間基地問題とアメリカ政府の姿勢のせいで鳩山首相は退陣に追い込まれた訳ではないと述べるだろう。普通の日本人にとっては普天間基地問題は重要な政治問題ではないとも言うだろう。シンポジウムでは、「これから日米関係ははうまくいくだろう。米日関係は好転するだろう」という話になるだろう。

私は東京と沖縄を訪問し、ジェームズ・ファロースをはじめとする有能な政治コラムニストや思想家たちと数日間を日本で過ごす経験をした。私は、この経験から、「現状維持」を訴える人々が持つ自信が正しいものとは考えられない。多くの日本人たちが同盟国であるアメリカから抑えつけられていると感じ、自分たちは日米安全保障関係においてほとんど選択肢を持たされていないと考えている。東アジア地域の現実を考えると確かにそうだが、それ以外にも、普天間基地周辺に住む住民たちの苦労がどれほど大変かをアメリカ側は全然理解していない。本土に住む日本人の多くはこれまで日米安全保障関係の負の部分を考えてこなかった。しかし、現在、多くの日本人が日米関係の隠された部分について認識するようになった。このことがいかに重要かをアメリカ側は全く理解していない。

左側にあるチャートは、沖縄の全市町村長の鳩山由紀夫首相の決定に対する反応をまとめたものだ(訳者註:結果は下のアドレスにあります)。鳩山首相は、2010年5月23日に普天間基地の主な機能を辺野古に移すという決定を行った。その後、琉球新報紙が全市町村長にアンケートを行った。その結果がチャートである。

いちばん左の欄は、鳩山首相の述べた計画を受け入れるか、拒絶するかという質問に対する答えである。真ん中の欄は、何か特別な条件がつけば鳩山首相の計画を支持するか、しないかという質問に対する答えである。一番右の欄は、鳩山首相は、アメリカが「北朝鮮が日本に攻めてきた時に普天間基地があるとそれが“抑止力(deterrence)”になる」という主張を受け入れて、日米合意に至ったが、それについての首長たちの考えが示されている。

沖縄の市長村長たちは圧倒的多数が沖縄にある基地に反対している。「N+」は感情的なノーを意味している。

日本の総人口は1億2800万人であり、沖縄の人口はわずか150万人である。本土に住む日本人と沖縄の住人との間にある基地に対する感情の違いは大きいものがある。

私は今週開かれるシンポジウムにおいて、沖縄の人々の見方や怒り、不満を誰かが述べることが重要だと考えている。沖縄の人々は問題に関わっているにもかかわらず、シンポジウムには誰も参加していないから、それはなおさら重要である。

↓アンケート結果についてはこちらのアドレスにあります↓
http://www.thewashingtonnote.com/twn_up_fls/Okinawa%20Mayors%27%20Responses.pdf

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by Hfurumura | 2010-06-17 15:06

政調がシャンシャン大会になってはいけない

本日、2010年6月16日を持って本年度の通常国会は閉会します。そして、参議院議員選挙が2010年7月11日に投開票されます。参院選の立候補予定者たちは、すでに何カ月も前から準備活動を行っており、いよいよ選挙戦はもっと激しさを増す終盤戦となります。

民主党は、脱小沢色を前面に打ち出して、支持率回復に躍起となっています。その一環として、政策調査会の設置が決定しました。政策調査会の設置がどうして小沢色からの脱却につながるのか、それはいまだに分かりません。おそらく、「民主党幹事長小沢一郎」に何でも決定が集中していたから、ということなのでしょう。しかし、再策調査会の廃止を訴えたのは、岡田克也氏であり、氏が代表の時です。民主党が野党時代から政策調査会がうまく機能していたなかったということなのでしょう。

政策調査会について、下にある産経新聞の記事が大変よくまとめて教えてくれるので助かります。まず、自民党時代の政務調査会との比較ですが、自民党の政調には事前審査県権が確立していて、ここの了承を得て、最後に総務会で了承を得ないと、法案が提出できないというものでした。事前審査権を盾にしてごねる、これが族議員の力の源泉でした。

民主党の政調の大きな特徴は、政調会長である玄葉光一郎氏が大臣として入閣している点です。これにより、政調の意見を吸い上げやすくし、党と政府の一元化が図られるとしています。玄葉氏は、「政策についての議論・討論は政調で行い、実施するか決定するのは政府」と語っています。これにより、事前審査権を政調に与えないとしています。

ここで重要なのは、政策調査会が本当に開かれた議論の場となり、きちんと機能するのだろうかという問題です。まず、今回の政調会の幹部(副会長)の顔触れを見ると、議論に長けた、政策通と呼ばれる人々が多く就任しているようです。彼らが自由な議論を担保すればよいのですが、政府にとって都合の良い方向に議論を進ませることになる可能性もあります。たとえば、副会長に就任する松井孝治氏は、アエラ誌上でも官僚支配打破に貢献できなかったという批判を受けている人物です。その松井氏が、官邸にいる古川元久官房副長官や池田元久財務副大臣などと結託して、消費税増税を民主党の政策となるように誘導することは簡単なことです。

また、政策の議論から決定までに参加することになる玄葉氏への権力集中の問題はどうでしょうか。彼が細かい部会にまで口を出すことは少ないでしょうが、重要な問題などでは介入することは考えられます。政調という議論の場を作って自由に話す、これを民主党側は協調しますが、これは建前です。自由な議論を標榜しながら、実際には政策決定の統制化、政調会長への権力集中を進めているだけです。政調でいくら意見を述べてもそれが何も反映されないのであれば、政調はただのガス抜き機関であり、「民主党は開かれています」とアピールするだけの機関となってしまう危険性もあります。

政調がただの株主総会のシャンシャン大会になる危険性があるのではないかと私は危惧しています。

最後に、政調の副会長と副幹事長を兼任している人物がいることを発見しました。その人物は、菊田真紀子(きくたまきこ)代議士です。当選三回、若手から中堅へと進んだ人です。元々自由党からの立候補経験もあり、小沢氏に近い議員グループの一新会に所属しています。しかし、国家財政を考える会に出席するなど、小沢系の中では自由な動きをしている人でした。この人が唯一、副幹事長と政調副会長を兼任している。これは一体どういうことなのか。これ以上は申し述べません。

政治の世界も色々とあるようですね。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「【イチから分かる】政策調査会復活 政府と党の分離立て直しへ」

2010年6月16日付 MSN産経ニュース

 菅直人首相の意向を受け、民主党は政策調査会を復活させた。政調会は鳩山前政権が発足した際に、政策決定の「政府への
一元化」方針のもと廃止した経緯があり、その復活は「脱小沢」の象徴とされる。新執行部はなぜ政調会を復活させたのか。
経緯と今後の展望を探る。(坂井広志)

                   ◇

 「みんなが参加できる民主党にする。そのためには政調を復活したい!」

 4日に国会内で行われた民主党代表選。候補者として壇上に立った菅首相が政見演説でこう訴えると、会場は盛大な拍手で包まれた。それは「脱小沢」宣言でもあった。

 政調復活を求める動きは小沢執行部のもとですでに始まっていた。本格化したのは3月4日。生方幸夫副幹事長(当時)を中心に約50人が「政調会の設置を目指す会」を立ち上げた。だが、小沢一郎前幹事長は冷ややかだった。

 自民党は与党時代、事前審査制を敷き、政府が国会に法案を提出するには、党政務調査会の部会、政調審議会、総務会の決定という手続きを経る必要があった。党側が主導権を握ることになり、特定の業界と深く結びつく族議員を生む温床に部会がなっていった。

 政策決定の政府への一元化は、こうした弊害をなくすメリットが期待された。だが、大臣、副大臣、政務官にならずに党側に残った議員は政策に関与できず、不満が鬱積(うっせき)していく。

 小沢氏は政調廃止に伴い副大臣主催の各省政策会議や議員政策研究会を設置したが、組織は複雑になるばかり。政策会議は議員が政府案について意見を言うだけの場となっていった。政府と党は完全に分離され、党側にあるのは小沢氏の意思だけという事態を生んだ。政調復活の動きを主導したのが生方氏ら反小沢系勢力だったのは、こうしたことが背景にある。

民主党は今後、党側の関与を強める一方、政府一元化と矛盾しないような体制で参院選後から政調会を始動させる。具体的には政策会議と議員政策研究会を廃止し、野党時代にあった「部門会議」を復活させる。複数の省庁にまたがる課題に対応する「プロジェクトチーム」、中長期的課題に対応する「調査会」も設ける。

 党側と政府の調整は玄葉光一郎政調会長(公務員制度改革担当相)らでつくる政調役員会が当たる方針だ。玄葉氏が閣僚も兼ねることで政府一元化を担保する。玄葉氏は「部門会議に決定権はない。政策決定は基本的には政府だ。政調役員会は意見調整を行う」と強調、事前審査制はとらないとしている。

 政府方針と党側の意見が対立した場合、閣僚を兼ねる政調会長が板挟みになることは想像にかたくない。この仕組みが機能するかどうかは、ひとえに玄葉氏の調整力にかかっている。

                   ◇

 ■政策権限も握っていた小沢氏

 鳩山由紀夫前首相、小沢一郎前幹事長の体制下で政調会が不在だった当時、民主党内でその役割を担っていたのは小沢氏だった。

 平成22年度の予算編成にあたり、小沢氏は昨年末、首相官邸に乗り込み、党の重点要望を突きつけた。政府がガソリン税などの暫定税率を維持すべきかどうか頭を悩ませているときだった。重点要望には衆院選マニフェスト(政権公約)で廃止としていた暫定税率の維持が明記されていた。この要望に沿って政府は決断を下す。

 今年4月には前原誠司国土交通相が提示した高速道路の新上限料金制をめぐり、川内博史衆院国土交通委員長をはじめ党内から反発が噴出。この時も小沢氏が「無料どころか値上げになっている」と鶴の一声で政府案をひっくり返した。

 その一方、米軍普天間飛行場移設問題で小沢氏は沈黙を貫き、党の見解はないという事態が生じた。小沢氏のご都合主義に政府が振り回され、政府・民主党内の不満を募らせる結果となった。



●「政調会長代理に城島、桜井氏=民主、政調組織案を了承」

2010年6月15日付 時事通信

 民主党は15日、国会内で政策調査会(政調)役員会の初会合を開き、玄葉光一郎会長が提案した役員人事と組織案を了承した。政調会長代理には城島光力、桜井充両氏が就任した。各常任委員会ごとに「部門会議」を設置し、中長期的な課題を検討するための「調査会」を新設。政策提言を通じて党側が政策立案や法案作成に関与できるようにした。

 菅直人首相の指示に基づき、同党は政調を復活させ、体制を整えたが、部門会議などの実質的な活動は参院選後に開始する。

 役員会では「政策決定の一元化」の方針に基づき、あくまで政府が政策を最終決定することを確認。政調会長や会長代理、筆頭副会長による幹部会が、政府と党、党内の調整に当たることにした。各部門会議には、閣僚や副大臣、政務官、部門会議の座長、常任委員会の筆頭理事らによる「コアメンバー会議」を置き、部門会議の運営に当たる方針だ。他の政調役員は次の通り
(敬称略)。

 筆頭副会長 山口壮▽副会長 石毛◆(金ヘンに英)子、谷博之、平野達男、松井孝治、菊田真紀子、下条みつ、田嶋要、郡和子、和田隆志、藤田一枝

「副幹事長14人を内定=小沢氏側近抜ける-民主」

2010年6月14日付 時事通信

 民主党の枝野幸男幹事長は14日、副幹事長人事を内定し、発表した。新任10人、再任4人。小沢一郎前幹事長側近の樋高剛、佐藤公治、青木愛各氏らが外れ、菅直人首相に近い寺田学氏や、野田佳彦財務相と親密な手塚仁雄氏らが新たに就任する。近く党常任幹事会で正式決定する。寺田氏は首相補佐官との兼務。他の副幹事長は次の通り(敬称略)。

 山根隆治=筆頭、今野東、辻恵、吉田治(以上再任)、糸川正晃、岡本充功、奥田建、菊田真紀子、田名部匡代、本多平直、
松浦大悟、吉川沙織(以上新任)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-16 12:18 | 日本政治