翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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挙党態勢というまやかしを許さなかった小沢氏

本日、2010年8月31日午後5時15分から菅直人総理と小沢一郎前幹事長が民主党本部で会談を行いました。その後、両者はそれぞれに明日告示される民主党代表選挙に立候補することを表明しました。明日から約2週間にわたり選挙戦が戦われることになります。

今日の午後まで、鳩山由紀夫前首相が仲介し、菅総理と小沢氏の一騎打ちが起こらないような状況になるのではないか、という希望的観測がマスコミで流れていました。小沢氏の出馬に対して批判的なマスコミも、話し合いによる出馬取りやめになるのは密室政治だという批判をしていました。午後5時15分に菅・小沢会談がセットされたという話が出ると、そういう話が広がりました。しかし、実際は、小沢氏は出馬を貫き、菅氏も受けて立つということになりました。

それぞれが記者に語った発言を見ていくと、キーワードは「挙党態勢」です。小沢氏以外の民主党の政治家たち(鳩山氏、輿石東民主党参議院議員会長、菅直人総理)は挙党態勢をポストに絡めて話していました。具体的な職責の名前は出てきませんでしたが、小沢氏以外は、「小沢氏にポストを与えることが挙党態勢である」と考えて行動していました。しかし、小沢氏は「自分は何か取引をしてポストなり手厚い処遇をしてもらうつもりはない」と断っています。小沢氏は挙党態勢という美名の下で、ポストのやり取りや影響力の保持を求めて奔走する政治家たちを許さず、正々堂々と戦う道を選びました。小沢一郎という大政治家は、は挙党態勢と言うまやかしを自分にも周囲にも許しませんでした。これは日本人離れした行動であると私は思います。

興味深いのは、小沢氏は選挙への出馬について具体的な理由を何も述べていません。「こういう政策をしたいから」ということは明日述べるのでしょうが、まず小沢氏が述べたのは「皆さんのご推挙をいただいて出させて頂きたい」と述べています。これは、自分の一身は自分を担ごうとしている議員たちに預けた、という西南戦争時の西郷隆盛のような心境であることが分かります。あとは、小沢氏に西郷のような結末を迎えさせるかどうか、周囲の努力にかかっています。

菅総理は「小沢氏と会って話をして良かった。協力体制を再確認した」と述べています。しかし、もし自分が負けて、小沢氏が総理になった場合、自分も協力するかどうかについて語っていません。「小沢さんは協力してくれると言っている。良かった」ということを繰り返しています。そして、自分は政権運営を始めて数カ月で、これから霞が関改革をしていくということを明言しています。霞が関改革、いちばん難しいことをさらって言ってのけました。任期中に官僚制度改革ができたらそれだけで名宰相ですが、財務省の口車に乗って消費税増税を言うようになった菅総理に改革ができるとは思えません。

鳩山前総理が支持をするので小沢氏は今回代表選挙に出馬すると決めたのです。ですが、最後まで挙党態勢だ、トロイカ体制だということでブレていました。この点から、鳩山氏が今晩小沢氏を支持すると表明していますが、最後までそれが完遂されるのか、一抹の不安を覚えます。選挙期間が2週間ありますが、私が攻める側なら、敵の一番弱い部分をターゲットにします。小沢陣営の中で一番切り崩されやすそうなのは鳩山氏であり、鳩山グループです。

これから2週間、目が離せない日々が続きます。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「「熟慮の結果、出馬する決意」 小沢氏あいさつ全文」

2010年8月31日付 朝日新聞電子版

 民主党の小沢一郎前幹事長が31日夕、党本部で菅直人首相との会談後、党代表選への出馬を表明したあいさつの全文は、
以下の通り。


 「明日から始まります代表選挙につきましては、先般、申し上げたとおりのことでございまして、不肖の身でありますが、代表選挙に皆さんのご推挙をいただいて出させて頂きたいという決意をいたしましたということを申し上げたわけでございますが、ま、その後、皆さん、ご存じの通りの経過でありまして、特に鳩山前首相が、この時にやはり、挙党一致の態勢をとって力を合わせて今日の危機的な状況、特に経済の不透明な状況を乗り越えて、克服していかなくてはならないと。ま、そういうお考えの下に、再三にわたって菅総理とお話をなさったわけでございます」

 「明日、告示を控えまして、今日も、鳩山前総理と輿石会長と私と、昨夜の菅総理との会談の経過をお聞き致しました。昨晩は、(菅首相は)鳩山総理の提案に対して、大変、自分もそのように思うということで、話し合いを持つことに積極的であったということでございましたが、本日、一晩明けてから、ちょっと、話し合いを持つことは密室批判を受けかねないので、そういうことには、やめたいと。やりたくないという趣旨のお話があったという趣旨のことでございましたが、いずれにしろ、やはり、挙党一致の全員野球をするためには、民由合併以来、私にとりましては、特に、鳩山、菅両先生、輿石先生と力を合わせて今日まで頑張ってきて、そして、政権も国民皆さんから付託されたと。こういう状況の中での、今日でございますので、やはり、その原点に立ち返って、話し合いをしましょうというのが、鳩山先生、そして、また、輿石先生のご趣旨だったと思います」

 「ま、今日も、3人の会合の場で、菅総理に、こもごも、鳩山先生と輿石先生からお話し下さいましたけれども、やはり、話し合いをして、挙党一致の態勢をつくるというような形は、とるべきではない、というお考えであったようでございます。私は直接、そばにいましたけれども、お話ししたわけではありませんが、そういう経過の中で、菅総理の方から、いずれにしても、小沢と2人で話をしたいと。ま、こういうことが鳩山前総理を通じて、お話がありました」

 「そのお話に従いまして、先程来、今まで話をして参りました。まあ、合併以来のことやら、総理としての激務についての、色んなお話やら、ま、私も、サミットなど若い時にかいま見て参りましたので、大変でしょうということのお話をいたしましたが、その中で、まず、菅総理の方から、合併以来のお互い力を合わせて、ここまで来た、というお話し頂いて、今後も協力して欲しいと。こういうことでございました」

 「もちろん私は、協力しない等ということは、菅内閣成立して以来も、一度も言ったことないし、どんなことでも、協力をして参りたいし、今後も、お互いが力を合わせて、せっかく政権交代を成し遂げたんだから、協力をしていかなくてはならない。その気持ちは変わりありませんということを、申し上げました」

 「ま、今回の代表選は、党規約に定められた任期満了による民主的ルールにのっとった代表選でございますので、それは、正々と、お互いに頑張って、そして、また、今後とも、いかなる場合でも、力を合わせて頑張りましょうということで、いま、終えてきたところでございます」

 「いずれ、明日、記者会見がまた、あるということでございますので、そのときに自分の主張やら、政策やら、申し上げるつもりでございますし、十分な時間を取ってあるようでございますので、今日は、今までの経過と、そして、先般申し上げましたように自分自身、随分、決断をするまでに自分に問いかけながら、熟慮した結果でありますけれども、大勢の仲間の皆さんにご推挙頂いて、代表選挙に出馬する、という決意をしたところでございます」

 「本当に微力の不肖の身でありますけれども、仲間の皆さんのお力添えを頂きながら、そして、報道の皆さんにも、ご指導頂きながら、きちんと正々と選挙戦に臨んで参りたいと。そのように考えておるところでございます」

 「以上、若干、長くなりましたが、経過の報告と私の出馬の決意を改めてお伝え申し上げまして、ご報告、ごあいさつに代えます。どうぞ、よろしくお願い致します。ありがとうございました」

●「「人事・条件とか一切ない」首相、小沢氏会談で」

2010年8月31日付 読売新聞電子版

 菅首相が31日に党本部で記者団に語った発言は次の通り。


 今、小沢前幹事長と2人で話をいたしました。お互いにこの間協力してこの党を政権にこぎ着けた中で、私も(発足後)3か月の政権をしっかりこれからもやっていきたいということを申し上げました。「これからも協力し合ってやっていこう」と申し上げたら、小沢前幹事長も「それはもちろんだ。どういう立場にあろうとも、お互いに協力してやっていこう」(と言った)。選挙は選挙としてお互いにしっかり戦って、しかし、終わった後にはかつてと同じように協力していこうということで、お話を終えることができました。

 本当に多くの人に心配をおかけしましたけれども、いよいよ明日から代表選が始まる前に小沢さんと直接お話ができて、今後この選挙の結果いかんにかかわらず、協力をし合ってやっていくという基本において一致ができたことは大変よかったかなと思っております。

 私としてはこれから今の政権を日本の本当の改革に向けて本格稼働させる、そのために代表選もありますが、その間も首相という仕事については優先して、同時に代表選にも臨んでいきたいと考えております。

 ――代表選の回避に向けた話も出ていたが、一転して2人とも出馬されるのは小沢氏からポストを求めるような働きかけがあったか。

 小沢さんの方から今日の場で、何か人事とか条件とか、そういうことは一切ありません。この選挙の結果いかんにかかわらず、協力をしっかりしていこうというお話でありまして、小沢さんとお話をするのはあの代表選の時以来でありますので、この間、鳩山さんにも色々ご苦労いただきましたが、私としては非常にすっきりした気持ちです。

 ――今の会談の中ではなかったが、以前にポストに関しての話はあったのか。

 色んな、ほかの方から色んな表現で、お話があったことはありますが、それはあくまでそれぞれの方の考え方を伝えただけですので、小沢さんからの話ということでは、直接の話では今日を含めて一切いたしておりません。

 ――党内は分裂すると思うか。

 いえいえ、選挙が終わればその結果いかんにかかわらず、協力してやっていこうということで2人とも握手をして別れましたんで、どういう結果になろうとも、民主党がまとまって政権を応援していくことができると考えています。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-31 22:43 | 日本政治

ここ数日の「騒動」について

本日、菅・鳩山会談が午後8時から行われました。その後、2人が一緒に記者からの質問を受けました。その中で、ある記者が、「軽井沢以来の“騒動”をどのように総括するか」と、鳩山由紀夫前首相に質問しました。「騒動ではありません。代表選です」と鳩山氏は答えました。しかし、今回、小沢氏が代表選への出馬を取りやめたら、まさに「騒動」でしかありません。今回の代表選を巡る動きは鳩山氏が中心であり、鳩山氏の揺れ動く姿がその本質でした。

鳩山氏はずっと菅直人総理を支持していました。「総理を短期間で交代させるべきではない」とか「民主党員は菅総理を支えるべきだ」などと鳩山氏は発言してきました。しかし、軽井沢の鳩山氏の別荘での懇親会に小沢一郎氏が出席して以降、菅総理支持から一変、小沢氏への支持を表明しました。そのときに使ったのが「挙党態勢」という言葉です。

簡単に言うと、挙党態勢というのは、「今の菅政権は反小沢一色である。しかし、それではいけない。小沢氏を重要ポストで処遇すべきだ」ということです。それができないのなら、小沢氏を支持して代表選に出馬させる、というのが鳩山氏の行動です。そして、今夜話し合いの結果、トロイカ体制の重視ということになり、挙党態勢が築かれる可能性が出てきました。それで小沢氏の代表選出馬もなくなる可能性が出てきました。

鳩山氏と菅氏がそろって記者からの質問に答える姿を見て、「民主党はこの二人によって作られ、政権を奪取した。小沢氏は道具として使われただけだったのか」という思いに駆られました。二人は政権を奪取できたのは小沢氏のおかげ、と殊勝なことは言っていますが、その入れ物を作ったのは私たちであるという強烈な思いを持っていることが分かります。また、輿石東氏をトロイカ+1に招聘する、というようなことを菅総理は言っています。民主党歴で言えば、輿石氏はほぼ結党以来のメンバーです。小沢氏は輿石氏と一緒になって初めて自分たちと同等だ、というのが菅氏の姿勢です。菅総理は、小沢氏はあくまで「外様」なのだということを強調したいようです。

小沢氏は鳩山氏が支持をするので出馬すると述べました。その鳩山氏が「党内融和・挙党態勢を菅氏が約束してくれたので代表選に出馬しないでくれ」と言ったら、原理原則を大事にする小沢氏は出馬を取りやめるでしょう。そして、もうそうなったら、鳩山氏に責任があるにもかかわらず、小沢氏に対しての非難が強まることでしょう。出馬取りやめは代表選での敗北と同じく小沢氏にはダメージとなり、政治生命を失うことでしょう。小沢氏は政界から引退することになるでしょう。それでも構わないのです。小沢氏は言ってみれば、「外様」であり、「使い捨て」でしかありません。小沢氏を総理にする義理もありません。

ここ数日の動きを単純に考えてみると、鳩山氏は次のように考えていると思います。「小沢は使い捨ての外様だ。民主党は自分たちが作った船である。小沢を使って政権を奪取して、自分たち(鳩山、菅)は総理になれた。民主党は与党になれた。人数も増えた。それも小沢の働きだ。この頃、私の存在を菅が軽視しているように見える。ここで私の存在感を示しておかねば。それには小沢を使うのが一番だ。小沢を使って菅に脅しをかけておこう。しかし、民主党が割れるようなことあると困るから、小沢はいい加減なところで引っ込めさせないと。小沢などより、民主党が与党の地位にあり、自分が影響力を持つことが大切だ」

もし上記のようななことではないのなら、小沢氏は代表選に出るだろうし、鳩山氏は、自分が引っ張りだしたのだから小沢氏の勝利のために努力するでしょう。明日の動きでどういうことかはっきりするでしょう。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「首相と鳩山氏、挙党重視で一致 31日に菅・小沢会談へ」

2010年8月30日付 朝日新聞電子版

 9月1日に告示される民主党代表選をめぐり、菅直人首相は30日夜、首相公邸で鳩山由紀夫前首相と約1時間会談した。両氏は小沢一郎前幹事長も加えたトロイカ体制を重視して政権運営を進めることで一致した。鳩山氏は首相と小沢氏の会談を31日に設定する考えを示しており、小沢氏の対応が焦点だ。

 代表選をめぐっては、首相が「脱小沢」路線の徹底を目指し、挙党態勢を掲げた小沢氏との一騎打ちの構図が強まっていた。ただ、首相が鳩山氏とともに「トロイカ体制の重視」を打ち出したことで、直接対決が回避される可能性が出てきた。

 会談終了後、首相と鳩山氏は公邸前で記者団とのやり取りに応じた。鳩山氏は「経済的にも円高などで大変対策が急がれている。こういう時こそ挙党態勢を築くことが重要だ」と強調。さらに「挙党態勢とは、小沢先生が(民主党に)加わってからいわゆるトロイカ体制で今日までやってきた、その原点に立ち戻ること」と語った。

 菅首相は3氏のほかに輿石東参院議員会長の名前を挙げた上で、「基本的な考え方はまったく異存がない。その体制を大事に考えて活動を進めていくという鳩山さんからの提案に同意した」と述べた。

 鳩山氏は「私が責任を持って明日(31日)、菅氏と小沢氏による会談の仲介の労を取りたい」と表明。小沢氏が2人の提案を受けて代表選の立候補を取りやめるかどうかを問われると、「出る、出ないの話は(首相と小沢氏の)会談が行われる時に決められる話であり、私がうんぬんする話ではない」と語った。

 一方、挙党態勢確立に向けて、「脱小沢」路線の仙谷由人官房長官や枝野幸男幹事長の更迭論が取りざたされていることについて、首相は「そういう具体的なことは話していない。少なくとも鳩山氏から伝えられたことはまったくない」と否定。小沢氏の処遇については「ポストとか一切話はしていない」と述べた。

 会談終了後、鳩山氏は小沢氏に対して、首相とのやり取りを伝えた。31日に首相と鳩山氏、小沢氏、輿石氏の4人で会談が行われる方向だ。

 首相と鳩山氏の会談は、鳩山氏がロシアから帰国した29日に続き2日連続となった。鳩山氏は30日昼、国会内で小沢氏、輿石氏と会談。その意見交換を受けて首相との会談に臨んだ。

 首相と鳩山氏の会談について、党内では「鳩山さんの努力の結果、いい方向へ向かっている」(奥村展三党総務委員長)との好意的な受け止めがある一方、「今さらトロイカ体制というのは理解に苦しむ」(村越祐民衆院議員)との声もある。首相の代表再選を支持している前原誠司国土交通相グループでは「明日の会談を見てグループとしての対応を決める」(幹部)との声が上がっている。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-31 00:33

ロン・ポールのティーパーティー論

アメリカの外交専門誌である「フォーリン・ポリシー」誌にロン・ポールのティーパーティー運動論が掲載されています。それを訳出してみました。短い文章なのですが、少し分かりづらい印象です。

私なりに解釈してみます。「ティーパーティー運動の指導層は既存政党である米共和党に組み込まれつつあり、既存政党に対する批判を行っていない。財政赤字を垂れ流す政府の在り方を批判せず、また、海外に展開していることも批判していない。それではいけない。ティーパーティー運動はアメリカの伝統的なスタイルに立ち返ることだ。それによって支持も増える」以上の様なことだと思います。

ティーパーティー運動はリバータリアン的な運動でありますが、色々なグループが参加しています。ですから一枚岩ではありません。また、サラ・ペイリン女史も参加しており、共和党の一部のような捉えられ方をしています。私の考えでは、このティーパーティー運動もやがて偏狭な人種差別団体というレッテル貼りをされて、ペイリンの弱点となるのではないかと思います。しかし、ロン・ポールが主張するような路線を維持できればまだまだ勢力は保てると思いますが、ロン・ポール自身が党派的な動きが苦手なのでどっかでひっかけられるのではないかと思います。

それでは拙訳をお読みください。

==========

ティーパーティー運動の外交政策(A Tea Party Foreign Policy)

勢力を増しつつある草の根運動であるティーパーティーは国内で大きな政府と戦おうとしない。それどころか海外に米軍を展開し、アメリカ帝国を維持させる政策を支持している理由(Why the growing grassroots movement can't fight big government at home while supporting it abroad.)

フォーリン・ポリシー誌(Foreign Policy)
2010年8月27日
ロン・ポール(Ron Paul)

私はアメリカにおける中央集権化に反対している。そして、私は大きな政府に反対するティーパーティー運動のような草の根運動が共和党の一部になってしまうことを憂慮している。私は最近の共和党がティーパーティー運動の指導層に影響を与えて、共和党の政策を支持させようとしていること、そしてティーパーティーの指導者たちが共和党に勇んで参加しようとしていることに失望し、心配をしている。共和党はティーパーティー運動に参加している人々の目を閉じたままにし、自分たちの政策を変更しないで済むように努力しているのだ!

ティーパーティー運動に参加している多くのアメリカ人が憤りを感じている。彼らはティーパーティー運動が大きな政府に反対していないどころか、海外におけるアメリカの動きを支持していることに気づいている。ティーパーティー運動では、現在のアメリカ政府が財政上の責任を果たさない一方で、世界中を占領し、苛めて回っていることについて話すことはない。ティーパーティー運動では、政府が抱える財政赤字と国内消費の減少について語ることはない。また、アメリカ政府がアメリカ帝国を維持するために世界120カ国以上に700以上の基地を展開していることから目を背けている。私たちは自然保護や貧しい地域のプールにかかる予算である僅か数千ドルを削減したことは賞賛するが、アメリカ国防予算については全く目を向けない。アメリカの国防予算は、アメリカ以外のすべての国の国防予算を総計した額よりも大きい。

アメリカの外交政策は幻想を基礎にしている。そして私たちは幻想を基礎にした外交政策に対して莫大なお金を支払っている。アメリカ政府は外国からのお金を借り、また紙幣を大量に刷っている。それによって海外に米軍を展開させている。アメリカは海外で帝国を維持するために莫大なコストを支払っている。しかし、国内の地域社会は疲弊し、不況は続いている。

私はティーパーティー運動のような草の根運動を盛り上げることができる機会が数多くあったと考えている。ジョージ・W・ブッシュ大統領政権下に始まった市民の自由の侵害とイラクとアフガニスタンの戦争を民主党が止めると約束しながら果たせなかったことを強調すればティーパーティー運動は盛り上がると私は考えている。財政と道徳を健全化するには、アメリカの伝統な外交のスタイルである民間による外交と政府の不介入主義に回帰するしかない。私はティーパーティー運動の将来を楽観視している。何よりティーパーティー運動に参加する人の数は増え続けているのだ!

(終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-29 21:07 | アメリカ政治

民主党代表選に向けての動きが始まる

小沢一郎氏の民主党代表選(2010年9月1日告示、9月14日投票)への出馬表明以来、マスコミは菅直人総理と小沢氏の動向を詳しく伝えています。菅陣営では、ベテランの江田五月氏が菅総理の選対本部長に、石井一氏が本部長代理に就任しました。江田氏は参議院議長を勤め上げ、本来、菅氏の下風に立つような人物ではありません。そんな人物を選対本部長などという汚れ仕事をやるべきではありません。実際には石井一氏が活動をするのでしょう。石井氏は一歩間違えば転落してしまう、危険な政界を生き抜いてきた知恵と度胸のある政治家です。石井氏はこれまで小沢氏に近い立場で活動してきました。しかし、今回、菅総理の選対本部長代理に就任しました。これは何か裏があります。先月の参議院議員選挙前、石井氏の自宅に泥棒が入り、現金1,000万円が入った金庫が盗まれました。このことも含めて考えると、石井氏は菅総理を支持するように脅しを受けてそれで菅総理支持に回ったものと思われます。小沢氏からすると、自分の近くで活動していた、老練な石井氏が菅総理陣営に加わったことは痛手だと考えていると思います。

今回の小沢氏の出馬は多くの人々に驚きを与えました。私は今回の出馬を小沢・鳩山による従米路線の現執行部に対するクーデターであると考えています。そして、今回のクーデターの成功は鳩山氏の働きにかかっています。今回、小沢氏は出馬表明の際、「鳩山氏から支持を受けたので」という趣旨の発言を行いました。鳩山氏が支持しなければ、小沢氏は出馬しない可能性もあったような内容の発言です。ですから、小沢氏が出馬表明した以上、鳩山氏は小沢氏勝利に向け渾身の努力をしなければならない立場になりました。それではつい先日まで菅総理支持を表明していた鳩山氏が小沢氏支持に回ったのでしょうか。その理由になるかもしれない記事を以下に貼り付けました。菅氏は鳩山氏に対して、「最高顧問会議をつくるので、そこで小沢氏と一緒に活動してくれ」という提案をしました。鳩山氏はこれに対して激怒したのではないかと思います。以下の記事では、小沢氏が名誉職の提示に激怒したと書いてありますが、小沢氏は菅氏の提案など黙殺したはずです。

鳩山氏は世俗を超越したような飄々とした態度を取ることもありますが、おそらく、相当なプライドを持っている人物です。民主党を結党した時、資金を用意したのは自分だし、小沢氏をうまく利用して政権交代を成し遂げたのも自分だという相当な自負を鳩山氏は持っていると思われます。それなのに、今や菅氏(と仙谷氏)に伝書鳩並みに扱われ、何も実権のない立場に追いやられるというのは鳩山氏には耐えられない扱いだったのではないかと思います。それで小沢氏を担いで現政権に攻撃を仕掛けることになったのではないかと思われます。

早速、菅総理と小沢一郎氏の動向がマスコミによって詳しく報道されています。小沢氏は民主党の支持組織に挨拶回りをし、菅総理は大田区の工場を視察して回りました。マスコミは、小沢氏は「組織頼み」であり、菅氏は「民意頼み」であると分析しています。菅総理の従米、庶民いじめの政策をもってどうして「民意頼み」ができるのか分かりませんが、マスコミは完全に菅総理支持ですから、世論は菅総理支持ということになるのでしょう。はっきり言って、マスコミが行う世論調査は信用できませんし、それを使った研究や分析も信用できません。そして、こうしたレッテル貼り(レイべリングと英語では言います)の報道がこれから2週間もなされたら、大変なことだとも思われます。

これから9月14日まで目が離せない日々が続いていきます。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「菅陣営、選対本部長に江田前参院議長」

2010年8月28日付 読売新聞電子版

 民主党代表選への出馬を表明した菅首相と小沢一郎前幹事長の陣営はともに、来月1日の告示に向けて準備を進めている。

 菅陣営では、石井一副代表が首相官邸で首相に会い、31日に設置する選挙対策本部の陣容を協議した。本部長には菅グループの江田五月前参院議長が就き、石井氏が本部長代理を務める。

 江田氏の本部長就任については「三権の長を経験した議員が政争の前面に立つのは望ましくない」(ベテラン議員)という指摘もあったが、前原国土交通相、野田財務相らの各グループも合わせて束ねられる重鎮として就任が決まった。

 菅陣営は、首相が挙党態勢構築を拒んだとけん伝されていることに警戒感を募らせている。首相に近い寺田学首相補佐官は27日のTBSの番組で、「官房長官を代えろ、幹事長を代えろ、という話が裏で来る中で、人事で手を握ってまとめていいのか疑問だ」と語った。

 一方、小沢氏はこの日、新人議員らとの会合を重ねている山岡賢次副代表と国会内で会い、「(小沢陣営は)連合軍だから、まとまってやらないといけない」と結束を求めた。鳩山グループの会合では、ロシアを訪問中の鳩山前首相の帰国後に改めて対応を協議することを決めた。鳩山氏は会合中にグループ幹部に電話し、「首相から2、3回電話があった」と語ったという。

●「小沢氏「幻の最高顧問」 首相の戦略誤算 民主党代表選」

2010年8月28日付 朝日新聞電子版

 民主党代表選をめぐる駆け引きの中で、「脱小沢」路線の転換の証しとして重要ポストを求めた小沢一郎前幹事長側に、菅直人首相はギリギリの局面で「最高顧問会議」の新設を提示していた。鳩山由紀夫前首相とともに小沢氏に最高顧問として加わってもらうという構想だが、小沢氏側はこれを拒絶。全面対決へと突き進んでいった。

 「最高顧問会議をつくります。そこに小沢さんと鳩山さんに入ってほしい」

 小沢氏が出馬表明する前日の25日夕、鳩山氏を首相官邸に迎え入れた菅首相はこう提案していた。首相は「最高顧問会議」の具体的な権限は示さず「ある程度重要な役割を持たせる」とだけ説明した。鳩山氏は「『脱小沢シフト』を小沢さんは快く思っていない。真剣に協力を求めることが必要かもしれない」と述べ、官邸を後にした。

 翌26日朝、鳩山氏は小沢氏と会談して首相の構想を説明したが、小沢氏は拒否。もはや仲裁は不可能と悟った鳩山氏も、小沢氏に「全面的に協力する」と答えた。

 首相側近の寺田学首相補佐官は27日のテレビ番組で「(小沢氏側から)『官房長官を代えろ、幹事長を代えろ』という話が裏で来ていた」と明かした。水面下で小沢氏側が権力に直結する重要ポストを求めていたという証言だ。

 小沢氏自身を重要ポストで処遇すれば、「脱小沢」路線で走ってきた政権が崩壊しかねない。「最高顧問」という名誉職を与えることで小沢氏の顔を立てる、という苦心の案だった。

 だが、小沢氏に近い党関係者は「小沢氏を棚上げしようとしているだけだ」と反発。首相は鳩山氏との会談後「小沢さんは最高権力者でないと納得しない。個別のポストを与えてすむ話ではないんだ」と、周囲に漏らした。

 小沢氏との全面対決は、首相を支える側近らには誤算だった。再選戦略の裏方役を務める仙谷由人官房長官は最近まで、「政治とカネの問題を抱える小沢さんは代表選に出られない」と周囲に繰り返していた。小沢氏の「傀儡(かいらい)」候補なら首相は勝つ。無投票再選すらある。代表選後も引き続き菅―仙谷ラインで実権を握れる、と踏んでいた。

 それだけに、小沢氏本人の立候補は驚きだった。中でも「想定外」(仙谷氏周辺)だったのが、鳩山氏が早々に小沢氏支持を表明したことだ。26日夜に開かれた仙谷氏が所属する「非小沢」系議員グループの会合では、鳩山氏への不満が噴出した。

 首相自身はそれでもまだ、鳩山氏に働きかけて党内混乱をやわらげる望みを失っていないようだ。26日にロシアに向かった鳩山氏に、首相は2度も電話を入れた。29日の帰国後に再び会談する方向で、正式な立候補表明は、それ以降の31日にする考えだ。

 だが、見通しは明るくない。小沢氏の周辺は、すでに全面対決で走り出している。その一人はこう語る。「首相は爆弾のスイッチを押した。変な妥協はできない」

●「民主代表選:世論重視 VS 組織固め」

2010年8月28日付 毎日新聞電子版

 事実上選挙戦に突入した民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)は27日、出馬を表明している菅直人首相(63)と、小沢一郎前幹事長(68)の選挙戦略の違いが早くも鮮明になった。連合や日本医師会など団体へのあいさつ回りに費やし、足元を固めようとする小沢氏。街頭に飛び出し、中小企業を視察して円高対策の声明を発表した菅首相。集票力のある「組織」に軸足を置く小沢氏に対し、菅首相は政策重視で「世論」に訴える--という構図だ。小沢氏は国会議員票で先行し、菅首相が「クリーン政治」への同調の和を広げて巻き返しを狙う。

 ◇菅首相、露出増で巻き返し 小沢氏、あいさつ回りに汗

 菅首相は27日、中小企業の多い東京都大田区を訪れ、円高対策を発表。記者団から代表選の取り組みを問われても「首相の仕事を最優先していきたい」と強調した。28、29日も地方視察を予定。現職首相の強みを生かし、メディアへの露出で世論に働きかける。

 30日に合同選挙対策本部(江田五月本部長)を発足させる菅陣営だが、「圧倒的に出遅れている」(若手議員)。「政治とカネ」問題を抱える小沢氏への厳しい世論が頼みの綱だ。報道各社の世論調査で首相支持の声が高まり、地元に戻った議員が小沢氏批判の強さを感じ取れば、情勢は変わると期待する。

 「小沢的政治手法」からの脱却を訴え世論を味方につける戦略だが、「やり過ぎると党分裂につながる」(菅グループ幹部)とのジレンマも抱える。蓮舫行政刷新担当相は27日夜、BS朝日の番組で、野党が求める小沢氏の証人喚問について「ねじれ(国会)だから野党の数で通る。(政治とカネに厳しい)国民の反応からすれば逃げ切れない」と語った。小沢氏側には、菅首相側が野党と連携して小沢氏を証人喚問に追い込むのではないかとの疑念も募る。

 その小沢氏は27日、東京都内の全国郵便局長会(全特)、日本医師会、日本歯科医師会を駆け回った。全特の柘植芳文会長から郵政改革法案の早期成立を求められ「そういう立場(首相)になったらしっかりやります」と応じた。

 陣頭指揮を執った07年参院選や09年衆院選と同様、まずは組織・団体から固める手法だ。従来、自民党支持だったこれらの団体が党員・サポーター票への影響力を持つわけではないが、次の選挙に不安を募らせる国会議員に対し、集票力のある団体との緊密な関係を印象づける効果はありそうだ。

 小沢氏は27日、都内の連合本部を訪ね、古賀伸明会長とも会談した。「2人がガチンコで戦うと組織が割れる」と激突回避を訴える古賀氏に対し、小沢氏は「鳩山さん(由紀夫前首相)に仲介をとっていただいたが、首相はそういう意思がないということだった」と説明。古賀氏が政治資金問題で明確な説明をするよう注文すると、小沢氏は「代表選となれば当然、テレビ(討論)や会見もあるので、いい機会だ。きちっと自分の言葉で説明したい」と自信を示した。

 ◇連合「また裂き」懸念

 ただ、連合など支持団体側は有力者2人の激突に戸惑う。組織がまた裂きになるだけでなく、民主党分裂も懸念される激しい選挙戦が見込まれるからだ。

 支持労組に党員・サポーター集めを頼る国会議員も多く、労組の意向は議員票と党員・サポーター票の両方に影響する。それだけに、労組系の旧社会、旧民社党系も旗印を鮮明にできない状態が続く。鳩山グループも27日、約20人が集まり、告示ギリギリまで激突回避の仲介努力を鳩山氏に求めることを確認。羽田孜元首相のグループも約15人が集まったが結論は出ず、自主投票の方向となった。【野口武則、念佛明奈】

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-28 14:12 | 日本政治

小沢一郎氏の民主党代表選挙出馬表明について

2010年8月26日午前、小沢一郎元民主党幹事長が、鳩山由紀夫前総理大臣との会談の後、来月14日に投票が行われる民主党代表選挙に出馬する意思を明らかにしました。小沢氏は「鳩山氏が支持をしてくれるということなので、出馬をしたい」と発言しました。鳩山氏は「小沢氏には私の一存で民主党に入っていただいた。その経緯から、支持をするのが大義である」という発言をしました。党内は一気に政局へと進むことになりました。

小沢氏の出馬表明に対し、新聞、テレビの小沢氏バッシングは酷いものです。昨日の正午過ぎのワイドショー番組から、「小沢氏は政治とカネの問題についてきちんと説明せよ」、「小沢氏は、首相になって、検察からの起訴を免れるために出馬表明をしたのだ」などという小沢氏をこきおろす報道や解説が行われました。そうした小沢氏のイメージを悪化させることを目的とした報道は現在も続いています。土日にはまとまった時間を使った報道番組がいくつもありますが、そろって小沢叩きを長い時間を使って行うでしょう。

私は自分の拙い思考能力と経験から、「今年9月の民主党代表選挙には出馬すべきではない」と考えてきました。その理由として、①民主党の党内がまとまっていない、②小沢氏に近づいている議員たちの中には裏切り行為を働く人間たちがいる、③国民の多くが小沢氏に拒否感を持っていると私は考えていました。しかし、今回、小沢氏は出馬表明を行いました。

今回、ポイントとなるのは、小沢氏が、「鳩山氏の支持があるので出馬する」という趣旨の発言です。小沢氏はこれまで、自分のグループの議員たち、特に松木謙公議員、山岡賢次議員から再三の出馬要請を受けながら態度を明らかにしてきませんでした。しかし、今回、鳩山氏との会談で決心が固まったかのように出馬を表明しました。鳩山氏と小沢氏は昨日午前8時からの会談で、「現在の従米路線で、国民の生活について顧みることのない現執行部に対してクーデターをしかけよう」ということで一致した
のではないかと思います。

鳩山氏は小沢氏を道連れにして総理大臣を辞任しました。鳩山氏の辞任にはアメリカの意向が大きく絡んでいることは明らかで、アメリカによって辞めさせられたと言えます。そして、後任の菅総理は、仙谷、枝野、玄葉各氏とともに、クーデターで、政権を奪取しました。そして、従米的な政策を実行しようとしています。

今回、鳩山氏が勝負に出ました。小沢氏は鳩山氏に引きずられた感じはあります。しかし、国民生活の危機、日本経済の危機という状況で、今回、従米勢力にクーデターを仕掛けることで、流れを止めようとしたのだということだと思います。

心配なのは、投票日まで2週間以上も時間があることです。この間に仙谷氏や玄派氏がどのような巻き返しや、切り崩しを行ってくるのか注視しなければならないと思います。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「菅氏と小沢氏、全面対決 民主代表選、多数派工作活発化」

2010年8月27日付 朝日新聞電子版
  
 民主党代表選(9月1日告示、14日投開票)は菅直人首相(党代表)と小沢一郎前幹事長による一騎打ちの構図となることが26日、事実上固まった。小沢氏は党内の議員グループ幹部に支援を要請、首相も新人議員と懇談するなど両陣営ともに多数派工作が活発化。両氏は財政再建や外交・安全保障面で姿勢に違いもあり、代表選は告示前から党内を二分する様相だ。

 首相は31日に記者会見を開き、正式に立候補表明する予定。小沢氏も週明けに記者会見する方向で調整している。

 党内では小沢グループが最大勢力の約150人。これに対し、首相側は菅グループ約50人に加え、前原誠司国土交通相グループ約40人、野田佳彦財務相グループ約30人の計約120人が核になる。両陣営がその他の鳩山グループ(約60人)、旧社会党系グループ(約30人)、旧民社党系グループ(約30人)、羽田グループ(約20人)の支持を奪い合う構図だ。

 小沢氏は26日、鳩山由紀夫前首相との会談後、都内の個人事務所に移動。集まった小沢グループの議員に「鳩山グループ、旧社会、旧民社の各グループのほか、自民党を一緒に飛び出した羽田(孜)さんのグループとの話し合いを今日は優先させてほしい」と語った。

 その言葉通り、横路孝弘衆院議長、西岡武夫参院議長ら党内の実力者に電話で相次ぎ協力を要請。その後、羽田孜元首相のほか旧社会党系グループの赤松広隆前農水相、旧民社党系グループの中野寛成元幹事長らを直接訪ね、それぞれ支持を訴えた。

 一方、首相は同日、首相官邸で新人議員14人と懇談。首相は「再選したら、命をかける覚悟ですべての時間を費やす覚悟で臨んでいく」と強調。首相は新人議員の一人ひとりと握手し、別れ際に右拳を上げながら「頑張ります!」と笑顔を振りまいた。

 首相は同日夜、鳩山氏が小沢氏支持を表明したことについて記者団に「直接話をする機会が今日はなかったので、あまり憶測でものを言わないでおきたい」と強調。「今は円高をはじめ経済的に厳しい状況にある。経済対策の基本方針の道筋を作り上げ、正式な出馬会見を開きたい」と語るにとどめた。

 その後、首相は同日夜、寺田学、阿久津幸彦両首相補佐官ら側近と会食。その席で「国民は菅直人を選ぶのか、小沢一郎を選ぶのか。日本国の総理大臣を選ぶわけだから、最終的にはそれが問われる」と語り、世論の支持を前面に掲げる姿勢を示した。

 両陣営の多数派工作に対して、党内では情勢を見極める空気もある。大畠章宏衆院議員ら鳩山グループの幹部ら16人は同日、都内で会合を開いたが、首相と小沢氏のどちらを支持するかは絞り込めなかった。旧民社党系グループも結論を先送りした。

 代表選では「脱小沢」路線の是非や「政治とカネ」の問題とともに、政治主導のあり方や税制、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題が争点になりそうだ。小沢氏は、7月の参院選で消費増税を打ち出し、昨年の衆院選マニフェストを修正した首相を批判。普天間問題でも沖縄県内への移設を決めた日米合意を批判しており、大きな論点とする構えだ。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-27 12:23 | 日本政治

小沢氏は代表選に出るべきではない

2010年9月14日に行われる民主党代表選挙について、今のところ、菅直人総理だけが明確な出馬表明をしています。これまで、小沢鋭仁環境相や海江田万里代議士が出馬を検討してきましたが、明確な出馬表明はなされていません。また、旧民社党系グループが独自候補擁立を模索していましたが、この動きもなくなりました。マスコミがいろいろと騒いでいますが、実際には、大した動きがありませんでした。

今日、2つの新聞が小沢一郎前民主党幹事長が9月の代表選に出馬することを検討と報じています。その他の新聞はこうした直接的な報道をしていません。せいぜい、小沢氏が鳩山由紀夫前首相が率いるグループの研修会に参加したということくらいです。小沢氏が代表選に出馬を検討と直接報じたのは、読売新聞と産経新聞の2紙です。この2紙はとりわけ民主党や小沢氏に対して批判的であり、アメリカとの関係が深い新聞です。この2紙が、小沢氏に対して直接取材をした訳でもなく、小沢氏も何か直接発言した訳でもないのに、代表選に出馬するのでは、という話になってしまっています。

「いや、周辺の議員たちから取材したのだ」というかもしれませんが、伝聞で大変重要な話を報道するべきではありません。民主党代表選挙は首相を選ぶ選挙でもあります。ですから、その取り扱いは慎重でなければなりません。

問題は、両方の記事に出てくる「小沢氏の周辺」という表現です。これは側近議員を示していることは間違いないところです。小沢氏の側近議員と言えば、山岡賢次氏、高嶋良充氏、奥村展三氏、樋高剛氏、松木謙公氏、三井辨雄氏などが挙げられます。この人々は小沢氏が幹事長時代には仕事ができましたが、今は逼塞を命じられているような状況です。彼らとしては現状を打破するために仙谷・枝野・菅体制を打破したい、少なくとも揺さぶりをかけたいと思っているはずです。それで、「小沢氏が代表選に出馬を検討している」と受け取られかねない話を記者たちにしたのではないかと思います。

小沢氏は今のところ、代表選に出るべきではないと考えます。それは日本にとっても小沢氏にとっても良いタイミングではないからです。小沢氏は検察から常につけ狙われ、検察審査会の結果を待たねばならない状況です。出馬を明確にした後、事情聴取でもされたら、選挙には勝てない、イメージはますます悪くなるという最悪の結果になってしまいます。そのような状況を反小沢系は狙っていると思われます。ですから、今は動くべきではありません。また、菅総理は体調が悪いようですが、内閣が発足して2ヶ月ちょっとでの交代は意味がないように思われます。

小沢氏の側近たちは自分たちの利益のために小沢氏を使ってブラフをかけようとしているようですが、どうかそれだけはしないようにお願いしたいと思います。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「民主代表選、小沢氏が出馬を検討」

2010年8月19日付 読売新聞

 民主党の小沢一郎前幹事長は18日、9月の党代表選について、小沢グループ以外からの幅広い支持が得られることを条件に出馬を検討する考えを周辺に伝えた。

 菅首相はすでに出馬の意向を明らかにしており、小沢氏は党内の動向を慎重に見極め、来週にも最終判断する見通しだ。

 出馬の条件として、小沢氏は具体的に、党内最大の約150人を擁する小沢グループを固めたうえで、「(鳩山前首相グループや)旧民社党系や旧社会党系の支持が得られるなら考えてもいい」と周辺に説明した。

 また、小沢氏は同日、長野県軽井沢町で19日に開かれる鳩山グループの研修会に出席する意向を鳩山氏側に伝えた。小沢氏はこの場で、自らの出馬を支持する声がどの程度広がるかを見極めたい考えとみられる。

 周辺は、小沢、鳩山両グループ、旧民社党系、旧社会党系などとの連携により、国会議員の過半数の支持を固められると判断。政策としては、自ら策定に携わった昨年の衆院選政権公約の実現を訴えるほか、参院選で大敗した菅執行部では次期衆院選で勝利できないと主張するとみられる。

 ただ、鳩山氏や旧社会党系の輿石東参院議員会長は、挙党態勢構築を条件に首相続投支持を明言している。また、小沢グループ内にも、小沢氏の政治とカネの問題に対する世論の批判が厳しいことなどから、出馬に向けた環境整備は容易でないとの見方がある。

●「小沢氏、代表選出馬検討へ」

2010年8月19日付 MSN産経ニュース

 民主党の小沢一郎前幹事長が、9月の党代表選(9月1日告示、同14日投開票)への出馬を検討していることが19日分かった。複数の小沢氏周辺が明らかにした。小沢グループを中心に、小沢待望論が高まっている。周辺によると、小沢氏は菅直人首相が政権交代時の公約見直しを進めていることに危機感を募らせているという。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-19 13:43 | 日本政治

甲子園を巡る悲しい話

現在、兵庫県西宮市にある阪神甲子園球場では全国高等学校野球選手権大会が開催されています。ベスト8が出そろい、これから佳境に入っていきます。甲子園大会は夏の風物詩となっています。高野連に対して言いたいことがありますが、今回は、本当に悲しい話がありましたのでこれについて書きたいと思います。

現在、沖縄県代表の興南高校は好投手島袋君を擁し、勝ち進んでいます。沖縄県代表のチームの試合となると、沖縄民謡や歌謡曲が数多く演奏され、大変にぎやかです。今年は、沖縄民謡の中でも多くの人々に知られている「安里屋ユンタ」も演奏され、沖縄らしさを存分に楽しむことができます。

しかし、以下の記事にあるように、沖縄を代表する名曲中の名曲「ハイサイおじさん」が2回戦から演奏されていません。これまで「ハイサイおじさん」の軽快なリズムと指笛の高音はまさに沖縄県代表チームの象徴とも呼べるほど全国に定着しています。

この「ハイサイおじさん」が「教育的指導」によって演奏されないようになったというのです。以下の記事によると、今年7月に沖縄の地元紙に「ハイサイおじさん」の歌詞が酒ばかり飲んでいる近所のおじさんをちゃかす内容で高校野球にふさわしくない、という内容の投書が寄せられ、興南高校野球部OB会が使用自粛を決めたというのです。

これは何と底意地の悪い、投書でしょう。この投書を行った人はおそらく「ハイサイおじさん」のできた経緯も知らず、そこに込められている意図を理解できなかったのでしょう。ちょっと深読みをすると、投書された内容と時期を考えると、この「ハイサイおじさん」を作った喜納昌吉氏(当時、改選を迎えた民主党参議院議員)に対するネガティブ・キャンペーンとも言えます。

「ハイサイおじさん」は1976年、喜納昌吉&チャンプルーズが発売した名曲です。その内容はある少年と近所に住むどうしようもないおじさんの掛け合いです。それを沖縄方言で表現しており、沖縄方言を知らないとその内容は理解できません。しかし、アップテンポなリズムを聞いていると、体が動いてしまうという曲です。

この「ハイサイおじさん」は表面上は、朗らかで、だらしない感じがしますが、その裏には悲しい話があります。この曲は、喜納氏の実体験を基にしています。彼の近所にどうしようもないおじさんが住んでいました。その人は遊郭や盛り場をほっつき歩いてばかりいる、ダメ人間になりました。それは、そのおじさんが全てを失ったことのショックのためでした。そのおじさんの奥さんが沖縄戦の凄惨な経験を経て、精神に異常をきたし、戦後、自分の娘の首を切断して殺害するという悲しい事件を起こしてしまいました。それ以降、そのおじさんは酒浸りになってしまいました。

こうした背景を知れば、単純な馬鹿馬鹿しい内容の歌ではないことが分かります。そして、歌詞にはそこはかとない悲しみが漂っていることも分かります。そして、そうした悲惨な背景を持ちながら、アップテンポな曲調であることの重みが分かるはずです。

だいたい、「教育的指導」などということは抑圧でしかありません。これは戦時中と何が違いますか。そしてそれを利用して「自粛」などをする。本当に情けない話です。

違う見方をしたら、「ハイサイおじさん」だけを教育的指導で取り締まるのは不公平です。恋の歌も教育的に良くないでしょうから(不純異性交遊を助長するでしょうから)、高校野球の応援には使ってはいけないということになります。それなら国語の古典の時間に万葉集や古今和歌集を勉強することも不可です。国語の教科書に村上春樹の作品の抜粋が掲載されていますが、あれはどうなのでしょう。「教科書に載るほど立派な作家さんなら他の作品も読んでみよう」ってなったら、どうするんですか。夏目漱石はどうですか。『それから』とか『こころ』は教えて良いんですか。森鴎外の『高瀬舟』は?漢詩に酒を飲む内容の物はいっぱいありますが?アホらしい。

今回の話は本当に恐ろしく感じました。「教育的指導」の名の下で、沖縄歌謡曲の名曲が否定されました。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「【甲子園・夏】あの名曲…応援歌「ハイサイおじさん」が教育的指導で消された」

2010年8月18日付 MSN産経ニュース
2010.8.18 12:27
 
 甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれている第92回全国高校野球選手権大会で、準々決勝進出を果たした興南高校(沖縄)のアルプススタンド応援席から、沖縄代表の定番応援歌「ハイサイおじさん」が、ピタリと消えた。理由は、酔っぱらいおじさんを扱った歌詞が高校野球にふさわしくないという“教育的指導”。興南高校は18日の準々決勝第2試合に登場するが、おなじみのメロディー復活を求める声は根強い。

 1通の投書きっかけ…全国のファン復活望む声

 「ハイサイおじさん」は、約30年前に沖縄で生まれた歌謡曲。25年ほど前、沖縄出身で兵庫県尼崎市内の中学校で音楽教諭をしていた羽地靖隆さん(62)が、甲子園に出場した沖縄勢を応援するため、生徒たちと演奏したのが始まり。独特のリズムが人気となり、沖縄県勢共通の応援曲となった。

 ところが今年7月、地元紙に、「遊郭を遊び歩く酒飲みおじさんをからかう原曲の歌詞が、高校野球にそぐわない」という内容の投書が掲載されたことから、興南高校野球部OB会が使用自粛を決めた。

 代わりに用意されたのが「ヒヤミカチ節」。戦後の沖縄を元気づけようと作曲され、祝い事で流れる地元ではおなじみの民謡だ。「アップテンポな曲調や前向きな歌詞が応援歌にふさわしい」と、野球部OBの仲村智(ち)成(せい)さん(51)が提案。アレンジや練習が間に合わず、甲子園が“初登板”となり、羽地さんも演奏の指導に力をこめる。

 1回戦ではこの新曲の準備が間に合わず、「ハイサイおじさん」が一度だけ流されたが、2回戦からは演奏されず、大会期間中は使わない方針。

 ただし、全国のファンや興南高校応援団から「新曲もいいが、ハイサイおじさんをやらないのは寂しい。リズムだけでも残してほしい」との要望は強く、興南高校の教諭も「生徒から演奏したいという声はある」という。

 仲村さんは「『ハイサイおじさん』をやるかやらないかは出場校次第だが、『ヒヤミカチ節』も慣れてくると思う。こちらも沖縄代表の応援歌になってほしい」と期待をこめる。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-18 14:17 | 日本政治

パラグ・カンナの現代シルクロード論

●「中央アジアにおける新しいシルクロード(Central Asia's New Silk Roads)」

2010年8月12日
ニューヨーク・タイムズ紙論説欄(インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙論説欄から転載)
パラグ・カンナ(PARAG KHANNA)筆

モンゴルのウランバートルから。アフガニスタンで新たに発見されたリチウム鉱脈は、海に面していない中央アジア地域で見つかる他の天然資源と同じ運命をたどるだろう。欧米諸国が見つけて開発するが、それらをコントロールするのはアジアである。

シベリアの木材、モンゴルの鉄鉱石、カザフスタンの石油、トルクメニスタンの天然ガス、アフガニスタンの銅鉱石は新しく建設された中国向けの輸送ネットワークを通じて中国国内に運ばれている。こうした資源が世界最大の人口を抱える中国の急速な経済発展を支えている。

中国は現在、急ピッチで中央アジア地域に道路、鉄道、パイプラインを建設している。こうした社会資本は欧米諸国にもチャンスを与えるし、中央アジア諸国にも経済発展の機会を与える。19世紀に繰り広げられたグレート・ゲーム(Great Game)を、天然資源を巡ってこの21世紀でやることなどない。欧米諸国は中国の国内発展を支援するようにすべきだ。欧米諸国は、中国の地方政府を指導することで、繊維製品や農産物の輸出を増やすことに貢献できる。また欧米の先進諸国は、多くの天然資源輸出国が陥った「資源の呪い(resource curse)」に中国がかからないように輸出品の多様化を進めることにも協力できる。

中国は海に面していない中央アジアを海につなげるために社会資本の整備を進めている。欧米諸国は新しい建設される、東西を結ぶシルクロード(East-West Silk Road)を成功させるように動く必要がある。この新しいシルクロードは石油を運ぶためのものとなる。

カスピ海沿岸の油田からカザフスタンを通る石油パイプライン、トルクメニスタンからウズベキスタンとカザフスタンを通る、最近完成した天然ガスのパイプライン、ロシア国内を通る道路や鉄道の建設計画などこの地域の社会資本の整備は着々と進んでいる。これらの道路やパイプラインは、パキスタンのグワダルの天然の良港にまでつながっている。中国は中央アジアを大国間の緩衝地帯から東西を結ぶ回廊にしようと努力している。その証拠が中央アジア地域の社会資本整備に中国が深く参画していることである。中国政府の指導者たちは、ユーラシアを中国の経済発展に必要な天然資源を大量に埋蔵している地域だと見ている。

中国が中央アジアとアフリカに進出していることを新しい植民地主義ではないかと疑いを持って見る必要はない。欧米諸国の各企業は、中国が建設した道路、鉄道をいかに利用してそうした地域で成功を収めるか、戦略を練るようにすべきだ。中国と競争するのではなく協調していくことが重要だ。中央アジアで中国と協調するためには、社会資本建設に多額の投資を行うこと、地図上の役に立たない、恣意的な国境を超える新しい線(道路やパイプラインなど)を引くことである。道路やパイプラインは経済的利益を中央アジア、中国、欧米各国にもたらす。

中央アジアの社会資本プロジェクトで最も重要なものはまだ建設されていない、トルクメニスタン―アフガニスタン―パキスタン―インド(TAPI)天然ガスパイプラインと、イラン―パキスタン―インド(IPI)天然ガスパイプラインである。TAPI天然ガスパイプラインについて言えば、アフガニスタンの治安情勢が確保されないために建設が進まない。TAPI天然ガスパイプラインに投資しようという投資家は数多くいるし、アジア開発銀行も融資をしようとしているだけに残念だ。TAPI天然ガスパイプラインが建設されることでアフガニスタンの人々には職を与えることができるし、エネルギー不足が続いているアフガニスタンとパキスタンに安いエネルギーを供給することができる。米軍はアフガニスタンで軍事戦略を進めているが、その戦略の中にパイプライン建設など経済開発プロジェクトも含めるようにすべきだ。

イラン―パキスタン―インドIPI天然ガスパイプラインについて言うと、アメリカは建設に反対しているが、イランとパキスタンは建設を始めることで合意に達した。

アメリカ政府が気づくべき、最も重要なことは、イランを孤立化させると近東と中央アジアをつなぐ架橋がなくなってしまうということだ。ヨーロッパ各国も中国もこのことにきちんと気づいている。ヨーロッパはナブコ・パイプラインを建設し、中国が融資を行って建設が進められている北部アフガニスタンからイランへと続く道路を建設している。ヨーロッパや中国派こうしてイランを孤立化させるのではなく参加させることで地域を安定させようとしているのだ。

中央アジア諸国の地方政府では天然資源を発見しても精製も輸出もできない。欧米諸国が開発に参加することで関係する国々全てに利益が出るようになる。アフガニスタンは、鉱山技術をほとんど持っていないが、中国、オーストラリア、ロシアの企業群がアフガニスタン国内の鉱山開発を進めることができる。モンゴルでは外国企業による鉱山開発がここ20年ほどにわたり続いており、その結果、モンゴルはミネラルの輸出を急増させ、経済発展が加速している。モンゴルは鉱山技術以外にも欧米諸国の知識を利用している。モンゴルはノルウェイの真似をして、開発危機を設立し、ミネラル輸出で得られる利益を国民に還元している。またペルー人の高名な経済学者であるヘルナンド・デ・ソトをモンゴル政府が招聘している。デ・ソトは所有権と小規模開発の専門家であるが、彼の指導のもと、国内の整備を行おうとしている。モンゴルは新しいシルクロードの重要な部分を構成している。


中国もロシアも今や中央アジアを自国の裏庭だと見なしてはいない。その反対で、中国とロシア両国は欧米諸国が現在中央アジアで十分な役割を果たしていないと不満を持っている。欧米諸国は19世紀から中央アジアで様々な活動を行ってきたのに、現在、その動きが低調だというのだ。しかし、そんなことはない。シェブロンと中央アジア諸国に派遣されていたアメリカの大使たちはリーダーシップを発揮して、バクー―ティビリシ―ジェイハン・パイプラインを建設した。その当時、ソビエト連邦は崩壊し、コーカサス地方は不安定な状況にあった。

中央アジア地域に展開している欧米諸国の軍隊は、中国が融資をしたいと望んでいる天然資源開発プロジェクトや社会資本整備計画を防衛することに集中すべきだ。特にアフガニスタンに駐留しているNATO軍や中央アジア諸国と協定を結んでいるアメリカ軍はそのようにすべきだ。アフガニスタンにあるアイナク銅鉱山はすでに欧米の軍隊が守備している。アフガニスタンでは前述したとおり、リチウム鉱脈が発見された。中国は携帯電話と電気自動車の電池を製造するためにリチウムを求めている。それならば、NATO軍はこの鉱脈の守備も行うべきだ。

中国は中央アジア地域を貫く道路やパイプラインなどの社会資本の建設を積極的に進めている。ペルシア湾岸地域の自由貿易港であるドバイは、繊維製品など中央アジアの製品をヨーロッパやアメリカに輸出する港として生き残ることができる。欧米諸国が中央アジアからの製品にかける関税を引き下げたら、中央アジアの経済は多様化し、天然資源の輸出だけに頼るようなことはなくなり、資源の呪いを避けることができる。そうなると、中央アジア各国で非エネルギー部門における雇用も増加する。その結果、海に面していない中央アジアで最も必要な2つのことが実現する。それは安定と相互のつながりの深化である。

グレートゲームの遺産とも言うべきものに、この地域での「戦略的三角形」をどのように形作るかという考えがある。アメリカ―中国―インド、アメリカ―インド―アフガニスタン、アメリカ―中国―イランなどの可能性が考えられる。しかし、こうした対立を前提にした考えは中央アジアにとって何の利益ももたらさないどころか、害悪となる。中央アジアが栄えた時代、この地域は全ての方向に開かれていたのだ。長年にわたり、カイバル峠は侵略者と犯罪者にとって中央アジアへの玄関口となってきた。現在、カイバル峠はアフガニスタンに駐留するアメリカ軍の補給路となっている。カイバル峠を通っているのはアメリカ軍に雇われたマフィアたちである。しかし、できるならば、カイバル峠は色とりどりの民間トラックがホーンを鳴らしながら通って欲しいものである。

中央アジアの経済発展と安定は、中国の投資と中東地域の富によってもたらされる。シルクロードは歴史上常に、相互利益のための双方向の通路として機能してきた。デュランドラインと呼ばれるパキスタン・アフガニスタン間の国境線は半世紀にわたり何の利益ももたらさなかった。石油を運ぶ新しいシルクロードは中央アジアに将来、多大な利益をもたらすだろう。


パラグ・カンナ:ニューアメリカ財団上級研究員。著書に『三つの帝国の時代』(講談社刊)がある。
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by Hfurumura | 2010-08-13 13:42

南米各国の中道志向

南米は中道へと移行している:世界でも最もイデオロギーが重要であった地域が現実主義に移行している(Latin America's Shift to the Center:One of the most ideologically charged regions of the globe is turning to pragmatism. )

マイケル・シフター(MICHAEL SHIFTER)筆
2010年8月6日
フォーリン・ポリシー(Foreign Policy)誌

南米の各国では最近、過激な主張をする大統領選挙候補者たちが多く立候補してきたが、それは南米各国の政治的システムが崩壊し、それまで活動していた政治形が国民の信頼を失ってきたからだ。なにも南米の人々が突然、右翼や左翼になったからではない。ヴェネズエラのチャベス、ボリビアのモラレス、エクアドルのコレラといった人々は過激な主張を展開して
大統領選挙に勝利した。彼らは政権を奪取すると、再選を果たすこともできた。それは、国民の間に長年にわたって積み重なって来たそれまでの政治システムや政治家たちに対する不満が大きかったこと、彼らに対抗できる魅力的な候補者が立候補しなかったこと、チャベスたちが行った社会改革プログラムが一定の成功を収めたからである。大統領をはじめとする行政府の力を強める憲法改正は、政治的なコントロールを強化し、反対派が活動しにくくすることで実施された。

チャベスたちに選挙で敗れた大統領たちと同様、過激な主張で当選してきた大統領たちを中心とする左翼的な連立政権も先行きが決して安泰という訳ではない。彼らも政策の実施を失敗したら国民からの支持を失ってしまうのだ。チャベス大統領への国民の支持率はこの7年間で下がり続けている。それはチャベスが経済政策を間違ったからだ。最近、チリとコロンビアで選挙が実施されたが、チリでは社会党のマクロ・エンリケス=オミナミが支持を伸ばし、コロンビアではモカスが原書に迫った。二人の候補者たちが支持を伸ばしたことは、開かれた政治と、若者たちに共通の問題に対する新しい解決法を求める有権者たちが存在することを示している。

先見の明がある政治家であるサントスは、コロンビアの大統領選挙で勝利した。彼はモカスの主張を注意深く吟味し、取り入れた。2010年6月に選挙で当選して以来、サントスはウリベ前大統領とも距離を置き、対立的なやり方ではなく、「国民の団結」を訴え続けている。そして自分の政権は独立心を持った政権にすると語っている。サントスは、ビル・クリントン元米大統領やトニー・ブレア元英首相が唱えた「第三の道」の信奉者である。第三の道とは自由市場経済と理想的な社会政策を融合することである。第三の道を掲げるサントスは中道左派になるのか、それとも中道右派になるのか?コロンビア国民はただ、サントスが素晴らしい大統領になることを望んでいるだけだ。

コロンビアでは2010年8月8日(日)に新しい大統領が誕生する。南米の政治を長年見続けてきた専門家たちはこの日、南米の政治は新しい時代を迎えるだろうと語っている。アルヴァロ・ウリベ大統領から大統領職を受け継ぐホワン・マニュエル・サントス新コロンビア大統領は右派の支援を受けている。サントスは、南米政治において、ここ最近では最も保守的な大統領となる。チリでも保守派のセバスティアン・ピネラが大統領選挙で勝利を収めたし、2010年10月に行われるブラジルの大統領選挙でも保守派のホセ・セラが勝利を収めると予想されている。ヒューゴー・チャベスとイヴォ・モラレスの登場以降、南米は極左が支配する時代となったが、南米は右派が再び台頭する時代を迎えつつある。

しかし、実態はそんなに簡単に色分けができない。南米各国の世論調査の結果をまとめたデータベースである「南米バロメーター」は、1995年以降の南米各国の人々の政治的な態度の動向を示している。この南米バロメーターによると、南米の人々の政治的志向は中道へと移っていることを示している。2002年、調査に答えた人のうち、29パーセントの人々が自分を中道主義者であると答えている。2008年、その割合は42パーセントにまで増加した。

南米の歩んできた歴史を考えると、経済発展が進む時代、人々が中道を志向するのは驚くべきことではない。 20世紀の冷戦下、南米各国は残虐な軍事独裁政権が支配した。この時代、南米各国ではイデオロギーは重要なテーマであった。最近の南米では、イデオロギーよりも現実主義が支配的になっている。左派もしくは右派の候補者たちは経済政策と社会政策をどのように実施するかで合意に達することが多い。イデオロギーは完全になくなっているわけではない。しかし、政府の能力をより重視する傾向になってきているのは確かだ。

南米各国では、左派と右派がそれまでの政治の継続性を訴え、また重要な経済、安全保障、社会的な問題の解決方法を共有している。政策の違いは選挙のたびに強調される。しかし、南米各国は世界とのつながりを深め、自信を深め、増加傾向にある中流階級はイデオロギーによる政治の迷走に苛立ちを深めている。南米各国の有権者たちは政府の能力と実績に対して投票しているのだ。政府が犯罪や失業といった深刻な問題を解決できる能力を有しているのか、指導者にはカリスマと政治的能力があるか、有権者に対してアピール力があるか、これらのポイントが選挙では重要になっている。政府のイデオロギー的な立場は考慮されない。

コロンビアの選挙では、経済と安全保障に関して言うと、サントスと前ボゴタ市長であるアンタナス・モカスとの間に違いは存在しない。二人の違いというのはスタイルの違いでしかない。チリの選挙も似たようなものである。チリの場合、ピネラと、中道左派連合の候補者であるエドゥアルド・フライ元大統領の間には政策的には違いはない。ピネラは右派の政治家ということになっている。しかし、彼が行った福祉政策と教育政策の中身は、ミシェル・バチェレット元大統領とリカルド・ラゴス元大統領が行った政策全く同じだった。バチェレットとラゴスは共に社会主義者だった。

ブラジルでも、現職のルイス・イナシオ・ルラ大統領の後継者と目される左派のディルマ・ロウセフとセラの間には政策的な差はほとんどない。セラはルラ政権下で行われた、貧困対策のための現金支給プログラムである「ボルサ・ファミリア」の内容の拡大を公約に掲げている。外交政策については候補者たちの間の違いが顕著に表れている。セラはブラジルがこれまで行ってきたヴェネズエラとイランに対して手を差し伸べるような外交姿勢の転換を訴えている。しかし、どの候補者もブラジルが持つ国際的な影響力を行使しないようにしようなどとは主張していない。

(終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-08 14:14

限界集落化しているムラ=自民党派閥

日本政治の授業で必ず習うのが「派閥」です。55年体制下(自民党が常に与党であり、社会党が野党第一党という形を維持する。そして、改憲に必要な3分の2の議席を自民党に渡さないために社会党が一定の割合、100以上の議席を取る)では、自民党もそして社会党も派閥が重要な役割を果たしていました。社会党は、右派、中間派、左派とイデオロギーで派閥ができていました。その中でも、最左派「社会主義協会(社協)」が大きな力を持っていました。自民党は「八個旅団(8つの派閥が存在する)」の時代から「三角大福中」に変化し、ニューリーダーたちの時代を経て、現在に至っています。現在、自民党内での派閥はその影響力を落としています。自民党の派閥の機能は、新人のリクルート・教育、ポストの獲得、資金の分配です。派閥の代表・オーナーはメンバーの面倒をみる代わりに、メンバーはオーナーに忠誠を誓うという親分・子分構造です。また、自民党の政治家たちは、派閥のことを「ムラ」と称していました。派閥の事務所も設置されていました。

現在の民主党では、派閥とは呼ばずにグループと呼んでいます。自民党の派閥と民主党の派閥の違いはメンバーの流動性です。自民党では、政治家は一つの派閥に入会したらよほどのことがない限り移籍はできませんでした。世襲議員の場合、子供が初当選し、親が所属していた派閥とは異なる派閥に所属することがありましたが、そのまま同じ派閥に所属することがほとんどでした。民主党の場合、グループのメンバーは固定されず、一人の議員が複数のグループに属している場合が多いようです。ですから、派閥単位での行動の結果は予想しづらいものがあります。

下の二つの新聞記事は、自民党内の「派閥」という存在がその役割を終えようとしていることを示しています。渡辺派(旧中曽根派)の流れをくむ山崎派は、山崎拓氏がオーナーを務め、山崎氏の政権奪取を目的に行動する、典型的な派閥でした。他の派閥は会長を置いていますが、その人たちは決して総理を目指すタイプの人たちではありませんでした。その中で、山崎派は突っ張って来た感じです。しかし、山崎氏が国政に復帰できず、政権奪取の望みもない、また影響力がなくなるのと比例して、資金力もなくなるという絶望的な状況に陥ってしまいました。派閥は代替わりということもあります。しかし、これからはもう派閥を維持していくことは困難なのでしょう。自民党が野党転落してしまった現在、お金を集めてきて子分たちに配ることができる政治家たちはなかなか出てこないでしょう。

そうなると、新人のリクルート、教育が自民党にとっての大きな問題となります。これまで派閥に頼って来たそうした機能を党がやって行かなくてはいけません。余計やお金や手間がかかります。それでも自民党が存続していくためにはそうした機能を党が果たさねばなりません。もしそうした機能を果たせなくなる、もしくは果たさなくなるなら自民党は終わりです。

この点でも小沢一郎という政治家は偉大でした。彼は小沢一郎政治塾をはじめとして、新人のリクルート、教育に力を注いできました。そうしたことを一切やってこなかった現在の執行部、菅直人首相、仙谷官房長官、枝野幸男幹事長などは、結局、小沢に大きくしてもらった民主党を使って遊んでいるようなものです。この時点で彼らはすでに劣っているのです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「自民「山崎派」が解散を検討」

2010年8月5日付 MSN産経ニュース

 自民党山崎派が解散を検討していることが4日、分かった。昨年の衆院選に落選した山崎拓会長(73)=元自民党副総裁=の派内での求心力が低下しているうえ、派閥維持が資金面で難しい状況にあるためだ。9月から解散の是非を本格議論すると
いう。

 山崎氏は7月の参院選に比例代表での出馬を目指したが、自民党は「70歳定年制」の内規を理由に執行部が公認せず、その後検討した国民新党からの出馬も断念した。次期衆院選への出馬環境は厳しい。

 山崎氏の政権獲得戦略が不透明になったとして、派の解散を検討すべきだとの声が出始めた。山崎氏自身も派閥事務所を個人事務所に統合するなど派閥維持に苦心しており、複数の所属議員に今後の対応を相談しているという。ただ、落選議員や若手には情報交換の場として派の維持を求める声があり、山崎氏は自身の進路も含めて決める。

 山崎派は町村、額賀、古賀に次ぐ第4派閥。平成10年11月、山崎氏が旧渡辺派を離脱して結成した。オーナー派閥の色彩が強く、山崎氏が一貫して会長。現在の所属議員は、党の申し合わせで離脱中の田野瀬良太郎総務会長を含め15人。

●「新人養成のあり方検討へ 自民政権構想会議」

2010年8月4日付 MSN産経ニュース

 自民党の再生策を議論する「政権構想会議」(座長・伊吹文明元幹事長)は3日、幹部会を開き、第3次勧告に向けた議論を再開することを決めた。次期衆院選に勝利するための態勢づくりが目的で、今回の参院選で初当選した議員や公募で選んだ衆院選候補者となる選挙区支部長の育成方針を策定する。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-08-05 22:12 | 日本政治