翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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副島先生金融セミナー開催のお知らせ

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容

アダム・レボー / 成甲書房



メルトダウン 金融溶解

トーマス・ウッズ / 成甲書房



◆『大災害から復活する日本』発刊記念講演会:第2回副島隆彦の“予言者”金融セミナー

・開催日: 2011年7月31日(日曜日)

・会場:よみうりホール(読売会館7階)
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-11-1
JR有楽町駅・・・国際フォーラム口よりすぐ
有楽町線・有楽町駅・・・D4/D6出口
日比谷線・千代田線日比谷駅・・・A2出口より徒歩3分
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・開演:11時(開場・受付:10時)

・終了:16時30分(予定)

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by Hfurumura | 2011-07-30 15:53 | 宣伝

宣伝『メルトダウン 金融溶解』(2009年)をご紹介します

メルトダウン 金融溶解

トーマス・ウッズ / 成甲書房



バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容

アダム・レボー / 成甲書房



日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



本日は、私が約2年前に訳しました、『メルトダウン 金融溶解』(トーマス・ウッズ著、副島隆彦監訳・解説、古村治彦訳、ロン・ポール序文、成甲書房、2009年)の宣伝文と書評の翻訳をこちらに掲載します。

このブログでも取り上げていますが、現在、アメリカの、そして世界の関心事は、米国の債務上限引き上げ問題です。現在、アメリカ政府は、自国で決めた債務上限14.2兆ドル(約1192兆円)まで借金が膨らんでいます。この借金(米国債)の上限を2011年8月2日までに引き上げないと、債務支払い停止(デフォルト)になってしまいます。それで、オバマ大統領(ホワイトハウス)、上院、下院、民主党、共和党の間で政治的な思惑でデフォルトになるかどうか、債務上限が引き上げられるかどうか、が焦点になっています。

こうしたアメリカの財政危機ですが、オーストリア学派の立場から予言し、批判していた本が『メルトダウン 金融溶解』です。この時はサブプライムローン問題、リーマンショックが主なテーマとなりましたが、著者のウッズは「ドルを刷り散らかすこと、そのために米国債を垂れ流すことを止めろ」という主張を行っています。また序文を書いているロン・ポールは、アメリカの借金体質を改めよ、と序文の中で主張しています。

アメリカで起きてきたこれまでの金融危機、そして今回の財政危機を念頭に本書を読むと、その問題点がよく理解できます。

どうぞお読みくださるようにお願い申し上げます。

==========

「宣伝0001」 宣伝文 『メルトダウン 金融溶解』(トーマス・ウッズ著、副島隆彦監訳、解説、古村治彦訳、ロン・ポール序文、成甲書房)発売決定! 古村治彦(ふるむらはるひこ)筆 2009年7月25日 ※2009年7月29日に加筆しました

 ウェブサイト「副島隆彦の論文教室」管理人の古村治彦(ふるむらはるひこ)です。今回は論文ではなく、宣伝を掲載いたします。読者の皆様には、ご寛恕くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 今回、宣伝をいたしますのは、副島隆彦(そえじまたかひこ)先生が監訳と解説をなさいました、最新刊『メルトダウン 金融溶解』です。私、古村が翻訳をいたしました。今回の本は、アメリカにおいてベストセラーとなりました、Thomas E. Woods Jr. Meltdown: A
Free-Market Look at Why the Stock Market Collapsed, the Economy Tanked, and Government Bailouts Will Make Things Worse(Washington D.C., Regency Publishing, Inc. 2009)を翻訳したものです。著者であるトーマス・ウッズの本の初めての邦語訳です。

 書店での店頭販売は2009年7月31日からとなります。インターネット上の書籍販売サイト(「アマゾン」http://www.amazon.co.jpなど)では、既に予約販売を開始しております。また、本サイトの兄弟ウェブサイトである「「副島隆彦の学問道場」書籍頒布サービ
スでも、来週から取り扱いが開始されます。お買い上げのほど、よろしくお願い申し上げます。※アマゾンでの予約販売で、カテゴリー別で1位を獲得しました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

 今回の翻訳プロジェクトは、4月初旬にスタートしました。まず、古村が約1カ月の期間をかけて、原文180ページ(脚注を含む)を翻訳しました。その後、副島隆彦先生が、内容と翻訳を精査されました。また、副島先生が、前書き(「はじめに」)と後書き(「訳者解説」)を書かれました。後書きには私も文案を提出し、その中からいくつかの部分を認めて採用していただきました。この作業が6月末ごろまで続きました。そして、このたび、完成し、出版の運びとなりました。

 先月、本サイトに掲載している論文「0035」 で、『メルトダウン 金融溶解』について、アメリカのマスコミでなされた書評記事を訳出しております。こちらもぜひお読みください。

 『メルトダウン』の大事な部分は、「昨年から世界中を苦しめている金融危機を引き起こしたのは、連邦準備制度(Federal Reserve System)である。中央銀行制度がある限り、これからもバブルが発生し、人々を苦しめる」という主張です。連邦準備制度の行った、低金利政策と通貨供給量の増大政策によって、ドル紙幣がじゃぶじゃぶと刷り散らかされました。その結果、市場にお金が溢れかえり、バブル経済となり、投機が促進されました。

 サブプライムローンなど、冷静に考えれば破たんすることは目に見えていました。そのサブプライムローンを組み込んだ金融商品(MBS)や、企業の貸倒引当金を担保とした金融商品(CDS)など、リスクを無視した投機的な商品が世界中に販売されました。それらは大きな利益を上げていました。しかし、バブルが崩壊し、それらが大きな負債となってしまいました。現在、多くの人々が経済不況に苦しみ、金融危機の出口は見えない状況です。

 『メルトダウン 金融溶解』で、著者のトーマス・ウッズは、今回の国際金融危機について、オーストリア学派の景気循環理論を使いながら、分かりやすく説明しています。バブル発生のメカニズム、オーストリア学派の理論など、幅広い知識を得ることができます。

 また、アメリカで若者の圧倒的支持を受けている、リバータリアン政治家、ロン・ポールが序文を寄せています。日本でロン・ポールの文章が活字となったのは初めてのことだと思います。この点も、『メルトダウン 金融溶解』の持つ素晴らしい点だと思います。

 『メルトダウン 金融溶解』をぜひ、手にとってお読みくださるように、よろしくお願い申し上げます。

==========

「0035」 翻訳 トーマス・ウッズ著『メルトダウン』の書評のご紹介 古村治彦(ふるむらはるひこ)訳 2009年6月2日

 ウェブサイト「副島隆彦の論文教室」管理人の古村治彦です。最近、論文の更新が滞りがちとなり、反省しております。今後はできるだけ定期的に、きちんと論文を掲載していけるように努力してまいります。一層のご支援をよろしくお願いいたします。

 さて、今回は、私が翻訳に関わりました書籍の、アメリカでの書評を2つご紹介したいと思います。私が翻訳に関わりましたのは、Meltidown: A Free-Market Look at Why the Stock Market Collapsed, the Economy Tanked, and Government Bailouts Will Make Things Worse by Thomas E. Woods Jr. (Washington, D.C.: Regnery Publishing, Inc. 2009) です。本の内容は、一言で言うと、「2008年からの経済危機は、アメリカの連邦政府、特に連邦準備制度の政策によって引き起こされた」というものです。

 発売日は未定ですが、近日中です。発売日などが決定されましたら、本ウェブサイトの兄弟サイトである「副島隆彦の学問道場」でも宣伝、販売をしていただけると思います。両サイトをよろしくお願いいたします。※2009年7月31日に、『メルトダウン 金融溶解』(トーマス・ウッズ著、副島隆彦監修・監訳、古村治彦訳、ロン・ポール序文、成甲書房)として発売されました。(2009年8月24日加筆)

 それでは、書評をお読みください。

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Politicker NJ

2009年2月23日

『金融溶解』:問題は連邦準備制度だよ、アホ(Meltdown: It’s the Federal Reserve System, stupid)

マーレー・サブリン

 株式市場は記録的な下落を記録している。大銀行は合従連衡を繰り返している。住宅市場は縮小を続けている。差し押さえ数、個人破産、倒産は急増している。実質失業率は二桁を推移している。本年度の連邦政府予算の赤字は2兆ドル(約200兆円)となり、連邦準備制度(Federal Reserve System、フェデラル・リザーブ・システム)は通貨供給量をこれまでにないペースで増やしている。経済を「刺激」するために、連邦政府の支出は急上昇している。簡単に言おう。経済は大変な状況となっている。

 左翼や大きな政府を支持する人々は、口を揃えて「強欲(greed、グリード)」、「規制緩和(deregulation、ディレギュレーション)」、「資本主義(capitalism、キャピタリズム)」が金融溶解(financial meltdown、ファイナンシャル・メルトダウン)と現在の経済不況の原因だと主張している。それは違う。ここでトーマス・E・ウッズ・ジュニア著『金融溶解(メルトダウン)』を紹介したい。

 著者のウッズ博士は、歴史学で博士号を取得している。また、数多くの著作を出版している。ウッズは、次のように主張する「有識者」たちのひとりである。「現在の経済、そして政治のメルトダウン(meltdown on both Wall Street and Main Street)は市場に対する政府の介入が原因だ。連邦準備制度の決定によって通貨供給量は増大し、ファニーメイとフレディマックによって住宅バブルは進行した。両公社は政府が創設したものだ」

 1990年代の通貨供給量増加政策が実行された後、ITバブルは崩壊した。それは10年前の出来事だった。連邦準備制度理事会議長のアラン・グリーンスパンは、経済を「刺激する」ために、2001年に通貨供給量を増やした。これはジョージ・W・ブッシュ大統領の称賛を受けた。2001年9月11日の同時多発テロ以降、連邦準備制度は、経済不況に陥らないようにするため積極的に活動した。2004年まで金利を人為的に低く保ち、FF政策金利を2003年6月から2004年6月まで、1パーセントに据え置いた。このFF政策金利は、連邦準備制度が直接コントロールできる分野である。こうした政策によって、銀行システムには、過度の流動化が発生し、通貨が溢れた。

 連邦準備制度が通貨供給量を増加させたことで、住宅市場でバブルが発生した。ファニーメイとフレディマックは、今まで蚊帳の外に置かれた低所得の家族も住宅が持てるようにした。また、中・高所得者たちも、住宅バブルに巻き込まれた。彼らもまた住宅を購入し、「抜き差しならない」状況に追い込まれた。

 ウッズは、ファニーメイとフレディマックが住宅バブルで果たした役割を要約している。それによると、両公社は、アメリカ経済において最も政治的な機関として創設され、活動し、住宅市場の崩壊を招いた一番の原因である(『金融溶解』13-17ページ)。また、地域再投資法(Community Reinvestment Act)と人種差別是正措置(affirmative action)によって、購入できるはずのない住宅を人々に買わせてしまった。これも現在の経済危機につながった。(『金融溶解』17-21ページ)

 本書『金融溶解(メルトダウン)』は7章から構成され、それぞれの章には脚注が多くつけられている。ウッズ博士は読者とともにアメリカ経済の歴史を巡る旅をしている、『金融溶解(メルトダウン)』はそんな本である。ウッズ博士は、19世紀に起きた通貨と銀行に関する議論や論争から大恐慌についての神話まで、多岐にわたるテーマを扱っている。ウッズ博士は特にハーバード・フーバー大統領に関する神話を取り上げている。

 その神話とは次のようなものだ。「フーバー大統領の自由放任主義的(laissez-faire)な政策によって大恐慌は長期化し、フランクリン・デラノ・ルーズベルト大統領が大恐慌からアメリカを救った。ルーズベルトは公共事業、赤字財政、通貨供給量の増加を行った」

 ウッズ博士は、「宮廷歴史家たち」(court historians)によっていかに歴史が歪曲されていることを明らかにしている。「宮廷歴史家たち」は、人気テレビ討論番組の「ミート・ザ・プレス」や「ハードボール」などに出演し、自分たちの知識をひけらかしている。多くの研究で明らかにされているように、フランクリン・D・ルーズベルト大統領が大恐慌からアメリカを救ったというのは事実ではない。しかし、歴史家と政治家の多くは、この主張を繰り返しており、ルーズベルトの「強いリーダーシップ」を称賛し、フーバー大統領を「何もしなかった、無策の政権」と非難している。実際には、ハーバート・フーバー大統領が「公共事業を始め、税率を引き上げ、潰れかけの企業に緊急融資を行い、国際貿易を縮小させ、各州にお金を貸し出し、救済プログラムを実行させた」のだ(『金融溶解』99ページ
)。

 言い換えるなら、フーバー大統領は、政府介入主義者だったのである。彼は、自由放任主義政策は、過去の遺物だと切り捨てた。フーバー大統領は、アメリカの歴代の大統領の中で、最悪の部類に入れられる存在だ。しかし、それは、彼が、自由な企業活動を強く主張し、大恐慌からの脱出に向けて「何もしなかった」からではない。彼が最悪な大統領のひとりなのは、国家主義者で、大きな政府の推進者であったからだ。1932年のアメリカ大統領選挙で、ルーズベルト大統領の副大統領候補であったジョン・ナンス・ガイマーは、「フーバーはアメリカを社会主義国にしようとしている」と断定し、非難した(『金融溶解』99ページ)。現在の政治状況なら、ガイマーの断定は、「ネガティヴ・キャンペーン」と呼ばれているところだ。

 ウッズ博士は、1930年代の大恐慌が発生する以前の、経済不況のほとんどは政府の援助策なしに終息した、と述べている。大恐慌以前の経済不況は、持続不可能なバブル景気の流動化が進み、「自然な」成長が行われるようになることで、終息した。1914年に連邦準備制度が創設される以前、人為的なバブル景気は、連邦政府の援助を受けながら銀行が通貨と貸し出しを増加させることで発生した(『金融溶解』88-94ページ)。

 ウッズは1920年から1921年にかけて発生した恐慌を取り上げている。この恐慌は1914年に連邦準備制度が創設されて数年経って発生した。連邦準備制度は、恐慌が起きないように、もしくは起きてもその程度が軽くなるようにするために創設された。1920年から1921年にかけて起きた恐慌は、すぐに終わった。それは、政府によって経済が「刺激」されたためでも、また連邦準備制度が金利を操作し、支出と投資を促進したためでもない。

 ウィルソン大統領が連邦準備制度創設の法案に署名をして約100年経った。ある仮説が提示され、その正しさを証明するために実験が行われ、その実験の結果が生み出される。銀行が預金の大部分を貸し出しに回す、不完全な準備銀行制度と紙幣システムがバブル発生とその崩壊のサイクルを創り出した。更には、政府の介入策である、支出、課税、借り受け、そして不必要な規制によって、人々は自分たちが最も価値があると考える目標を達成できないようになってしまっている。簡単に言うと、現在の経済危機は、国家中心主義(statism)によって発生したのだ。この国家中心主義と、自由放任主義経済とは全く真逆である。この国家中心主義による、連邦政府による過度の介入策によって、経済が狂ってしまったのだ。

 アメリカの政治や経済のエリートたち、そして馬鹿学者たちの大部分は、国家中心主義を熱烈に支持している。国家中心主義と言う考え方とそれを基にした試みは、失敗に終わった。ソビエト連邦、ナチスドイツ、共産中国、カストロの支配するキューバ、そして北朝鮮を見れば分かる。世界中に多く存在している、民主的で「資本主義的」な国家の経済もまた失敗している。それは、これらの国々の経済体制が国家中心主義の「やわらかい」ものであるからだ。そして、それらの経済体制が、中央銀行、紙幣、準備銀行制度を内包しているからでもある。

 アメリカでは、グリーンスパンによる低金利による資金の貸し出し緩和策が終わり、ブッシュ大統領による赤字財政も終わった。それらに代わり、ベン・バーナンキによる更なる低金利による貸し出し緩和と、オバマ大統領による、更なる赤字財政と政府支出による経済刺激策が実行されている。21世紀のニューディール政策は、1930年代のフーバーとルーズベルト時代の元祖ニューディール政策と同じように失敗に終わるだろう。

 アメリカは国家中心主義から脱却しなければならない。そして、自由市場経済体制、制限された政府、完全な準備銀行制度、政府による救済策の不実施、物品貨幣(金貨と銀貨)など、昔のアメリカで行われていた諸政策に戻らねばならない。これらの政策を実行することで、アメリカは持続可能な繁栄を達成することができる。政治や経済に携わるエリートたちが、政府の介入が最高の政策だと考え、現在のような貸し出し緩和策と巨額の政府を支出を続ける限り、経済不況はまた再び起きる。

 ウッズ博士は、連邦政府が持続不可能なバブル景気とその崩壊をいかにして導いたかについて、大変重要な本を書いたと言える。さらに、ウッズは、ブッシュ前大統領とオバマ大統領が行った金融危機に対処するための政策についても書いている。彼らは、政府による金融機関の救済を行い、政府支出と借金を増やし、貸し出しを緩和しようとしている。『金融溶解(メルトダウン)』を読んだあと、読者であるあなたは、自由を守り、真の変革を達成するために活動する兵士となるための「基礎訓練」が終わった、と言える。読者であるあなたは、約一世紀の間、国家中心主義にからめ取られたアメリカを自由にし、真の変革をもたらすことができるのだ。



Economic Policy Journal.com

2009年2月14日

書評:トーマス・E・ウッズ・ジュニア『メルトダウン』

ロバート・ウェンゼル

 景気循環(business cycle)について、人々は何も知らない。たとえ大学を卒業していても何も知らない。これは悲しいことだ。もっと悲しいのは、オーストリア学派の景気循環理論について、多くの経済学者が理解していないことだ。ノーベル経済学賞を受賞した、偉大な経済学者フリードリッヒ・ハイエク(Friedrich Hayek)が、この理論を打ち立てたというのに、誰も関心を払ってこなかった。

 今回の経済危機の原因はどこにあるのか、という点について、多くのレポートが出され、主流派メディアで報道されているが、その内容は矛盾し、混乱している。それは、オーストリア学派の景気循環理論をメディアに携わる人々は誰も理解していないからだ。もし主流派メディアの情報だけで今回の経済危機を理解しようとしても、それは無理な話である。そんなことをしたら、経済危機の全体像の半分も理解できないことになる。大げさな言い方だが、本当にそうなのだ。信じて欲しい。

 トーマス・E・ウッズ・ジュニア(Thomas E. Woods Jr.)著『金融溶解(メルトダウン)』は、オーストリア学派の景気循環理論への無理解に警告を発する書である。ウッズは、現在の経済危機に関する誤った主張や考えを取り上げている。ウッズは、本書『金融溶解』
の中で、今回の経済危機を時系列的に分析している。彼は、住宅バブルをまず取り上げ、その後、ウォール街の大手金融機関の救済策、そして、政府による景気対策を取り上げている。それぞれの段階で、ウッズは、現在広く受け入れられている神話を一刀両断にし、それぞれが起きた本当の原因は何なのかを明らかにしている。

 ウッズは、景気循環について説明している。また、彼は、中央銀行による通貨供給量の操作によって、景気循環が起きることを明確にしている。オーストリア学派の景気循環理論について書かれている第四章があるだけでも、この本は称賛に値する。

 また、ウッズは、歴史を振り返り、大恐慌を含む過去のバブルとその崩壊を分析し、それらがどうして起きたのかを明らかにしている。

 ウッズは、経済における通貨の役割についての説明から結論を導き出している。そして、現在の経済危機から脱出し、経済を健全な基盤の上に再構築するための、解決法を提示する。

 この本から学ぶことは多くあり、多くの人々が読むべきだ。

 もし読者の皆さんが世界について好奇心があるなら、そして、現在のアメリカを心配しているなら、この本は経済学的な視点から、世界がどのように動いているかを説明していて、皆さんを満足させるだろう。読者の皆さんが、ビジネスマン、投資家、住宅の購入を考えている人なら、この本を読むことで、景気循環を理解し、人生における重要な決断を下す際の助けとなるであろう。皆さんは、経済がいかに人生に影響を与えるかを理解することができるようになるのだ。

 今この記事を読んでいるあなたが新聞記者なら、この本を読むことで、同僚に比べ、経済に対する理解が進み、自分の記事の読者に重要な示唆を与えられるようになる。

 もし読者であるあなたがバラク・オバマ大統領なら、この本を読まなければならない。そして、政策立案のヒントを得なければならない。それは、今、現在あなたの周りにいる顧問たちは、経済をもっと悪化させる助言しかしないからだ。

 簡単に言うと、この本を読み、その内容をちゃんと理解した人は誰でも、アメリカ人の中のトップ1パーセントに入るということだ。なぜなら、その人々は、現在の経済危機の原因を正しく理解しているからだ。そして、彼らは景気循環がどのように動いているかを正しく理解しているという点からも、アメリカ人のトップ1パーセントに入っていると言ってよい。

(おわり)

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by Hfurumura | 2011-07-30 15:20 | 宣伝

重要なお知らせ

他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ ―リバータリアン政治宣言―

ロン・ポール / 成甲書房



日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



2011年7月28日に小沢一郎×カレル・ヴァン・ウォルフレン公開討論会&小沢一郎記者会見を開催されました。録画は以下のアドレスにあります。

http://iwakamiyasumi.com/archives/11365#more-11365

重要な部分を以下に文字起こしします。

公開討論会の1時間13分44秒から

ウォルフレン:もう一つの危機、大災害がやってきます。金融に関する国際的なニュースを見ていれば、そして、現在アメリカ国内で起きていることを見ていれば、何かが終わりに近づいていることがわかります。第二次世界大戦後の国際金融システムの中で私たちは生きてきました。そのシステムが終わりを迎えようとしています。日本にも大きな影響があるでしょう。日本人は純粋な政治的リーダーシップがないままで漂流するようなことになってはなりません。これは何も口先だけのことではないのです。本当に深刻なことが起きるのです。日本人には今の状況よりもより良い未来があるはずです。私が申し上げたかったことはこのことで、この本の中にも書いてあるので、買って読んでいただければと思います。

公開討論会の1時間15分56秒から

小沢:今のウォルフレンさんの指摘されたこと、大変重要なことだと思います。まだ日本人はそれをあまり深刻に受け止めていませんけども、報道でお分かりのように、アメリカでもヨーロッパでも財政金融の危機的な状況が今出て、みんな深刻になっておるところですけれども、これはちょっと話が違うけれども、「ミスター円」と呼ばれていた榊原氏が「すでに世界大不況は始まっている」という
本を書かれておりまして、それをちょっと僕も読んだんですけれども、今日の日本社会のこのような無責任体制の社会の中で、それは政治家だけの問題ではないですよ、あらゆる政治経済、あらゆる分野での総無責任体制の中でですね、経済が本当に大恐慌でも起きた日にはね、全く混乱し、無秩序な体制、社会に陥ってしまうのではないかという風な心配を一方においてしております。ですから、
内では放射能、原発の放射能汚染の問題、そして世界全体を覆っている、この財政金融を中心とした経済の問題、これをやっぱり日本人はもっともっと深刻に捉えて、それの対処の仕方を、あらゆる社会の分野で整えていかなくちゃならないと思います。

●重要なお知らせ

◆『大災害から復活する日本』発刊記念講演会:第2回副島隆彦の“予言者”金融セミナー
・開催日: 2011年7月31日(日曜日)
・会場:よみうりホール(読売会館7階)
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-11-1
JR有楽町駅・・・国際フォーラム口よりすぐ
有楽町線・有楽町駅・・・D4/D6出口
日比谷線・千代田線日比谷駅・・・A2出口より徒歩3分
丸ノ内線・銀座線銀座駅・・・C9出口より徒歩5分
・開演:11時(開場・受付:10時)
・終了:16時30分(予定)
・受講料:15,000円
・お問い合わせ:ブレイントラスト企画
:03-3292-8401(平日10:00-18:00)
・Eメールアドレス:seminar@seikoshobo.co.jp

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by Hfurumura | 2011-07-28 23:56 | 宣伝

ロサンゼルス・タイムズの記事から

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



≪お知らせ≫←ご注目ください!
◆『大災害から復活する日本』発刊記念講演会:第2回副島隆彦の“予言者”金融セミナー
・開催日: 2011年7月31日(日曜日)
・会場:よみうりホール(読売会館7階)
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●とりあえず箇条書きで今の状況を書く。

・オバマ大統領:早く決着してほしい。ハリー・リード上院院内総務(民主党)の案である2兆7000億ドルの歳出削減(10年かけて行う)でもよいかもしれない。それで2012年末までこの問題を再燃させない。大統領選でこの話ばかりされたらたまらん。しかしこれでは富裕層への増税は諦めるしかない

・ジョン・ベイナー:2段階でやったらいいんじゃないかな。まず1兆ドルの歳出削減(10年で)を約束してもらって、今年いっぱいの米国債の上限引き上げを行う。その次に来年はまず議会に特別委員会を設置して1.8兆ドルの追加の歳出削減を勧告してもらう。その代り、債務上限を同額程度に引き上げ。大統領選挙で足がらみにして身動きができないようにしてやる。

・ハリー・リード:2.7兆ドルの歳出削減(10年)。それで2012年末までの上限引き上げを行う。増税なんてできないよ。大統領選挙に関しては協力してやる。

●これらを受けての感想を書く。

・今回の問題に関してはティーパーティー系の若手議員たちが悪いという新聞記事が目立つ。
・デフォルトになったらアメリカ経済に対して大きな影響が出る。
・ティーパーティ系の議員たちは騒ぎすぎて、アメリカを危うくしている、という論調に持っていきたいようだ。
・アメリカ政府が本当に金を保有しているのか調査しろ!というロン・ポールやランド・ポールたちの動きを目立たなくしている。
・2012年末までの引き上げができたらオバマ大統領は一息つく。しかし、ベイナーの2段階論も支持が大きい。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

●Two proposals, but no clear path toward debt ceiling deal

2011年7月25日付 Los Angeles Times

http://www.latimes.com/news/politics/la-pn-debt-ceiling-20110725,0,2998603.story

The Republican leader in the House and Democratic leader of the Senate issued dueling proposals Monday to allow the federal debt ceiling to be raised – both with steep spending cuts, but neither with a clear route to ending the standoff over the government's ability to pay its bills.

This post has been corrected. See note at bottom for details.

Both plans will face key tests on Wednesday, when Speaker John A. Boehner (R-Ohio) and Majority Leader Harry Reid (D-Nev.) each plan to bring their proposals to the floors of their respective chambers.

In the House, the issue will be whether conservative Republicans will remain united behind Boehner even though his plan received mixed reviews from conservatives, with some influential "tea party"-affiliated lawmakers and groups denouncing it as too weak. In the Senate, the question will be whether Reid can attract the seven Republican votes he would need to cut off a threatened filibuster and claim bipartisan backing for his plan.

President Obama was scheduled to address the nation at 6 p.m. Pacific about the importance of quickly resolving the impasse as the threat to the economy was imminent. Boehner will deliver the Republican response shortly after.

Earlier in the day, Obama embraced Reid's plan even though it includes none of the new tax revenue the president repeatedly has pushed for in a larger deficit-reduction deal. The White House said Reid's plan was a "responsible compromise" which would end the debt-ceiling standoff.

By contrast, Obama rejected Boehner's proposal, which would cut more deeply into federal programs and also would require a second congressional debt-ceiling vote early next year -- which Obama has said is a deal-breaker.

Obama has said he does not want to revisit the debt ceiling debate in coming months, when political infighting in the run-up to the 2012 election is expected to be even more intense than now. Democrats say another debt ceiling impasse could jeopardize the economy.

"We should not let these extremists dictate the outcome of this debate," Reid said, declaring Boehner's plan a nonstarter in the Senate. "The time for ideological extremism should end."

Investors in the United States and abroad have been nervously watching the debate in Washington. The U.S. Treasury faces a potentially devastating default if Congress does not raise the $14.3-trillion debt ceiling by early next week, which could send shock waves through the economy. Top rating agencies have warned that a downgrading of the nation's credit rating would result in an interest rate spike for the federal government and ordinary Americans, even if a default is averted. The Dow Jones industrial average closed down slightly Monday, reflecting what analysts said was continued nervousness about
the debt debate.

Many Republicans have said they would vote to increase the debt ceiling only if the increase were matched more than dollar-for-dollar with long-term cuts in federal spending. The Boehner plan would achieve that goal. But it falls short on the deeper budget reforms many conservatives who power the House majority have said would be needed for their vote, such as a balanced budget amendment to the Constitution.

Boehner acknowledged Monday that his plan was "less than perfect."

But in a direct appeal to the right flank, GOP leaders impressed on lawmakers the need to support a proposal that could win support in both chambers. Without much Democratic support in the House, Boehner would be forced to hold all but about 20 Republican votes to pass the measure in the House.

"No side gets all that they want," said Rep. Eric Cantor (R-Va.), the majority leader.

The Boehner plan would work in two stages. The first would cut more than $1 trillion from appropriations over the next decade by capping future spending in exchange for a short-term increase of the debt limit until early next year.

In the second stage, a special congressional committee would be set up and told to make recommendations for as much as $1.8 trillion in additional cuts. If those cuts were approved by December, the president could request additional debt of a similar amount, which would cover the nation's debts through the end of 2012. The plan also calls for a vote this year on a balanced budget amendment to be passed by Congress and sent to the states for ratification.

"Tea party" affiliated lawmakers, including Sen. Rand Paul (R-Ky.), quickly dismissed the Boehner plan. But influential conservative activist Grover Norquist, the president of Americans for Tax Reform, called it a "good plan" – a notable nod of support.

The proposal Reid has assembled hews largely to GOP priorities, an appeal to end the standoff. The Reid plan would cut $2.7 trillion over the next decade, largely from domestic accounts and savings from ending the wars in Iraq and Afghanistan. Republicans are wary of counting on the war savings, and Boehner said Reid's plan was "full of gimmicks."

For the record, 5:40 p.m.: An earlier version of this post said President Obama would address the nation at 6:30 Pacific time. He is scheduled to speak at 6 p.m. Pacific.

Staff writer Kathleen Hennessey in Washington contributed to this report.

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●Prodding Congress to act, Obama warns of 'collateral damage' to nation in debt fight

2011年7月25日付 Los Angeles Times

By Christi Parsons and Lisa Mascaro

http://www.latimes.com/la-pn-obama-address-20110725,0,5388625.story

President Obama on Monday issued a grave warning against prolonging the current political stalemate and specifically called on the freshmen in the House Republican caucus to bring it to an end.

In an evening address to the nation, Obama asked Americans to call their members of Congress and pressure them to raise the legal limit on the federal government's borrowing power so the country can pay its bills a week from now.

Americans are fed up with a system in which compromise has become a "dirty word," Obama said, in a portion of his remarks aimed directly at conservative first-term members in the House. The economy will take a dangerous turn in the next few days
if Republicans and Democrats don't end the conflict now, he said.

"It is a dangerous game we've never played before, and we can't afford to play it now," Obama said. "Not when the jobs and livelihoods of so many families are at stake. We can't allow the American people to become collateral damage to Washington's political warfare."

Republican House Speaker John A. Boehner (R-Ohio) immediately challenged Obama's account of the debt standoff, saying in his own nationally televised speech that there is no stalemate in Congress.

The real problem, he said, is that Obama "wants a blank check." That, he said "is not going to happen." Government has become "so big and so expensive it's sapping the drive of our people," he added. "There is no symptom of big government more menacing than our debt. Break its grip, and we begin to liberate our economy and our future."

But the dueling speeches illustrate the depth of the conflict, just seven days from the Aug. 2 deadline when Treasury officials estimate the government will run out of cash to pay its bills. If the Congress hasn't voted by then to raise the debt limit, currently $14.3 trillion, the government will no longer be able to borrow funds to cover its deficit and will have to choose which bills to pay. That could mean that millions of government beneficiaries expecting Social Security checks, disability payments or salaries will go without or get much less than expected.

Predictions of economic calamity grow more dire by the day as markets begin to react to the uncertainty and the apparent intransigence in Washington.

Over the past two weeks, Obama and Boehner have appeared at times on the verge of reaching a compromise. Republicans want to see large spending cuts to reduce the national debt and deficit before they vote to allow more borrowing.

Democrats want what they call a "balanced approach" that cuts spending but also raises taxes on the wealthy and prosperous corporations.

In his speech, Obama made the case once again for his balanced approach, emphasizing the deep cuts he and fellow Democrats have been willing to consider – including those that would hit seniors on Medicare.

Yet while calling for Americans to push for that balanced approach if they agree with it, he also acknowledged that another route is probably necessary. He embraced a plan offered by Senate Majority Leader Harry Reid, even though it includes none of the new tax revenue he wants to see.

He argued against the House plan to push off the debt crisis for a few months, at which point Obama predicted Republicans will refuse to prevent default "unless the rest of us accept their cuts-only approach."

"Once again, the economy will be held captive unless they get their way," Obama said. "That is no way to run the greatest country on Earth."

(新聞記事転載貼り付け終わり)

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

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by Hfurumura | 2011-07-26 17:57 | アメリカ政治

米国債務上限引き上げ:今週がヤマだ

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

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アメリカ政府の債務上限引き上げ問題が山場を迎えつつあります。2011年8月2日までに債務上限引き上げが行われないと、債務不履行(デフォルト)になってしまうという問題です。現在、アメリカ政府が抱える債務(借金)は14.3兆ドル(1ドル=80円で換算すると、約1144兆円)で、これが現在の上限となっています。外国政府や金融機関がそのうちの47パーセントを保有しています。最大の債権者は中国で、1兆1600億ドル(約93兆円)、日本は約9100億ドル(約73兆円)を保有しています。

国債は借金の証書です。借金ですから、返す期日と金利が存在します。今までは「アメリカはきちんと借金を返す」「他の国に貸すよりも安心だ」ということで、お金が集まってきました。アメリカ政府は借りたお金を政府支出、支払いに回してきました。その支払いには、借金の返済も含まれています。アメリカ政府は自分で「借金をする限度額はここまで」と決めています。それ以上借金をしないと決めているのは結構なことですが、借金に頼って支払いをしていたのですから、あまり褒められたことでもありません。そして、現在、困っているのは、これから借金ができないと、前の借金を返済することができなくなるということです。

友達同士、親族同士の貸し借りであれば「少し待って」と言えますし、お笑いの大川興業みたいに「カネなら返せん」と開き直ることもできますが、国同士のこととなると複雑な問題になります。お金が返せません、ということになると、「もうお金を貸してやらない」「アメリカは信用できない国だ」ということになります。お金を貸してやろうという人もいなくなります。そうなると、借金するためには「将来これだけの高い金利をつけますからお金を貸してください」ということになります。米国債の金利上昇はアメリカ国内の金利上昇も誘発します。そうなると人々は借金をしてまで何か事業を起こすということも控えるようになりますし、変動金利でお金を借りている人たちにとっては金利上昇分の負担が大きくなります。

また米国の信用が落ち、米国債の価値が下がると、外国の貸し手たち(債権者たち)はどう思うでしょうか。「アメリカにお金を貸していても、返してもらえないのじゃないか」「貸した分が全額返ってこないのではないか」と思います。自分の大事なお金ですから、それを減らしたり、損を出したりはしたくありません。そうなると「今のうちに米国債の持っている分を少し減らしておこうか」ということになり、米国債を売却して、ほかに投資するということは可能性として考えられます。そうなると米国債の魅力がないから売り始めている、ということになり、ほかの債務者たちも売り始めます。そうなると、米国債の価値は落ちてしまうことになります。

このようなことが考えられますから、借金を何とか返済できるように、ということで、債務の上限を引き上げたいというのがオバマ大統領の考えです。しかし、問題は予算のことでもあり、行政府のお金の使い方の問題ですから、アメリカ議会(上院と下院)がチェックをします。司法府と行政府によるチェック・アンド・バランスです。恐らく、共和党内部のていーパーティー運動の支持を受けて当選した議員たち以外で、デフォルトになってしまえと考えている議員たちはいないでしょう。しかし、問題は長引いており、妥協の糸口が今のところは見えません。欧米の特徴として、話し合いのうちは激しく対立し激しい言葉づかいもありますが、実際には妥協に向かっているものと私は考えています。

それにしてもオバマ大統領(ホワイトハウス)と議会側、議会内部の民主党と共和党の対立は一体どういうことになっているのでしょうか。野党共和党は2段階の債務上限引き上げを提案しています。まず1兆ドル(約8000億円)の引き上げを行い、それで今年いっぱいはもたせて、それで2012年1月に次の段階の引き上げについて話し合うとしています。民主党は2012年いっぱいまでとりあえず安心な2.4兆ドル(約1兆9200億円)の引き上げを主張しています。これは、2012年に行われる米大統領選挙が絡んでいます。共和党としては大統領選挙期間中に行財政改革を問題にしてオバマ大統領を追い詰めたいのです。一方、民主党側は、大統領選挙にこの問題が影響を与えないようにしたいのです。

この債務上限引き上げと併せて行われようとしているのが歳出削減です。これは政府の支出を減少させようということです。これは民主党にとってはあまりやりたくないことです。民主党を支持しているのはリベラルな人々と、福祉に頼る低所得者層や社会的弱者がほとんどです。一方の共和党はお金持ちが支持層であり、福祉なんか削ってしまえという保守的な人々が支えています。ですから、共和党としては、政府の歳出削減を民主党側に迫りたいのです。一方、民主党はある程度の歳出削減は受け入れるのですが、同時に、お金持ちにも負担を分担してもらいたいと考え、増税を考えています。これは共和党にはのめないことです。

しかしそれでもある時点で妥協は成立するでしょう。歳出削減と債務上限引き上げそれぞれに落としどころがあるでしょう。問題は、米大統領選挙にどう絡むかということです。オバマ大統領としては再選を果たしたいでしょうから、債務上限引き上げ額が焦点になります。大統領選挙期間中にこの問題に足を取られたくないでしょうし、予算削減=福祉削減で支持者を減らしたくないのです。このように考えると、今回の問題はオバマ大統領を引き摺り下ろす動きということも言えるでしょう。

今回は何とか妥協しても、これからもまた債務引上げ問題が定期的に起こることになると、アメリカの信用はそれに合わせて落ちていく
でしょう。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「米債務上限上げ、合意できず アジア市場への影響必至」

2011年7月25日付 朝日新聞電子版

http://www.asahi.com/business/update/0725/TKY201107250094.html

 米債務上限引き上げをめぐるオバマ政権、与党民主党と野党共和党との協議は、目標にしてきた米東部時間の24日夕(日本時間25日朝)までの合意はできなかった。世界の金融市場の混乱を避けるため、政権や共和党は、日本などアジア市場が開く前に一定の合意に達することをめざしていた。

 米政権と議会は24日も引き続き協議を続けたが、同日夕になってもホワイトハウス、議会の双方から発表はなく、交渉に大きな進展はなかったとみられる。米メディアによると、共和党側は債務上限について小幅の引き上げを主張しているのに対し、オバマ政権と民主党は、2012年末までの政府の資金繰りをまかなえるように、比較的幅の大きい上限の引き上げを求めているという。(ワシントン=
尾形聡彦)

●「米財政赤字削減、議会に働きかけ続ける オバマ政権」

2011年7月24日付 朝日新聞電子版

http://www.asahi.com/international/update/0723/TKY201107230694.html?ref=reca

 米国で10年で3兆ドル規模の財政赤字を削減するオバマ政権と野党・共和党の協議が決裂した問題にからみ、米オバマ大統領側は23日の米議会側との緊急協議で、債務上限引き上げと同時に大幅な赤字削減についても引き続き働きかける方針であることが22日わかった。複数の米ホワイトハウス高官が朝日新聞の取材に明らかにした。

 高官は22日夜、協議の進め方について「我々は、米国のデフォルト(債務不履行)を回避すると同時に、まだ大幅な赤字削減を達成する機会が残っていることに焦点をあてる必要がある」と語った。別の高官は、財政赤字削減に向けた抜本対策を打ち出せなければ、米国債が格下げされる「非常に現実的な可能性がある」と指摘しており、米国債の格下げを避ける狙いがありそうだ。

 政権と共和党側は4千億ドルの追加増収策を巡って、意見が折り合わずに、22日夕に協議が決裂している。政権側は、「4千億ドル」が得られなくても他の要素の調整で対応できる、との見方を明かしており、双方が折り合えば2兆ドル規模の削減は可能な情勢だ。
(ワシントン=尾形聡彦)

●「【NewsBrief】米政府債務上限引き上げ、2段階で行う案検討」

2011年7月24日付 WSJ日本版

http://jp.wsj.com/Economy/node_278460

【ワシントン】米連邦政府の債務上限引き上げをめぐる交渉で、野党共和党は上限引き上げを2段階に分けて行う案を提示しているが、民主党は2回目に引き上げができるかどうか不透明だとして反対している。

 2段階引き上げ案は、今年いっぱいの政府支出を賄うために、上限をまず1兆ドル(約7850億円)引き上げ、その後、両党の合同委員会で策定する社会保障や税制の改革案の実行を条件に、2012年の1月に上限をさらに引き上げるというもの。

 一方民主党は、2012年末まで債務上限問題が再燃しない2.4兆ドルの引き上げを提案している。2012年には大統領選挙が予定されている。

 23日にホワイトハウスで行われた前半の協議では、ガイトナー財務長官が、24日午後までに協議に進展がない場合にはアジア市場の反応が懸念されることを指摘した。

 しかし、議会に場所を移して継続された交渉でも、合意に至らず、上院のリード民主党院内総務が、共和党幹部の強硬姿勢を非難する声明文を出した。

 リード氏は声明文で「彼らが歩み寄りを拒否していることで、米国の信用は破綻の瀬戸際に立たされている」と述べた。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2011-07-25 14:38 | アメリカ政治

アメリカの大学院時代に書いた書評論文を掲載します

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /



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本日は少し趣向を変えまして、私が留学していた南カリフォルニア大学大学院の中国政治の授業で書いた書評論文を掲載します。この授業では、参加する学生全員が指定された論文や本を読むのですが、数人の学生たちが議論の叩き台となる書評論文を書いて、全員の前で10分程度発表するという形式がとられました。私は文化大革命(Cultural Revolution)がテーマの授業で書評論文と発表が割り当てられました。以下が提出した書評論文です。分量はだいたい5ページ程度です。今から読めば稚拙な表現も多く、恥ずかしい限りなのですが、「この程度でも良いんだ」「難しく書く必要なんてないのだ」ということをお知らせできたら幸いです。

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POSC 637 02/03/2003
Professor Stanley Rosen Haruhiko Furumura

Background to the Cultural Revolution

What was the Cultural Revolution? What had happened to China as a result of the Cultural Revolution? Many scholars have challenged these questions. In the studies of the Cultural Revolution, there are two approaches. Nina P. Halpen (1993) points out that there are the “two-line struggle” model and the “Mao-in-Command” model to analyze the Cultural Revolution. Harry Harding (1984) indicates that there are the ‘Mao-in-command models in the literature on the Cultural Revolution’ (pp.15). In the following sections, I will summarize the assigned articles on the Cultural Revolution and try to evaluate and elaborate them.

In Mao Tsetung’s Last Great Battle, Raymond Lotta writes on the events in the Cultural Revolution. Although he titles ‘Mao Tsetung’s Last Great Battle,’ Lotta emphasizes on the struggles between two lines, the Rightists and the Leftists rather than the role of Mao. Hence, this article can be classified as the two-line struggle model approach. Lotta depicts the Rightists as stability-, and modernization-orientation group on the one hand. On the other hand, the Leftist was described as a class struggle-, and anti-modernization-orientated group. Lotta points out that ‘Mao, after all, had been the protector of the Four’ (pp.43) and Chou Enlai was the central figure in the Right. These two groups held the balance. In most of all cases in the Cultural Revolution, both camps had the severe conflicts. The settlements were determined by Mao. Although Lotta depicts Mao as ‘the protector of the Four,’ Mao, in some cases, supported the Rightists. In my view, Mao tried to keep the balance between the two lines carefully. He seemed to manipulate the both camps to maintain his authority and power. In other words, it can be said that two groups were forced to fight each other.

In Introduction: The Cultural Revolution in Historical Perspective, Stuart R. Schram looks at the Cultural Revolution and the history of the Chinese Revolution broadly based on Mao’s saying and doing. This article is classified as the Mao-in-Command model approach. He claims that ‘Mao Tse-tung chose to emphasize rather the unity and continuity of the Chinese Revolution as a whole’ (pp.2). In addition, the Cultural Revolution was located in these unity and continuity. Since the Western Impact, China had faced the dilemma of modernization (Westernization) and nationalism (tradition). Schram defines the Cultural Revolution as ‘a struggle for power’ and ‘a confrontation as to which road the Chinese revolution should follow’ (pp.85). And, in his view, ‘China today (1973) is groping toward a synthesis between certain elements of Leninism and the demands of a national reality which will have its center of gravity in the countryside for a long time to come’ (pp.99). To Schram, the Cultural Revolution is the trial to overcome the dichotomy of modernization and nationalism as same as the other revolutions led by Mao.

Resolution on Certain Questions in the History of Our Party Since the Founding of the People’s Republic of China is the official record of the Chinese Communist Party adopted by the Central Committee of the Communist Party of China in 1981. In this resolution, the Chinese Communist Party defends the accomplishment of Mao and claims that Mao alone was not responsible for the Cultural Revolution and his accomplishments could overtook his mistakes. The Party insists that, mainly, the Leftists, such as Lin Biao and the Gang of Four were responsible for the disaster of the Cultural Revolution. Moreover, the CCP points out that ‘there are complex social and historical causes underlying’ the Cultural Revolution (pp.44). There were the lack of experience on socialist construction on a national scale within the Party and overemphasis of class struggle, and the growing Mao Zedong’s prestige. In general, this resolution emphasizes the accomplishments of Mao and tries to avoid the criticism for Mao. Hence, this resolution is categorized as Mao-in-Command model approach.

In Mao Zedong and the Cultural Revolution, Wang Xizhe deals with the Cultural Revolution. Wang sets the questions on the role of Mao in the Cultural Revolution. Therefore, this article is classified as the Mao-in-Command model approach. He strongly criticizes Mao as the dictator like Stalin who sought individual worship, and the utopian, agrarian socialism. Wang points out that the Cultural Revolution was rooted from the Great Leap Forward. After the failure of the Great Leap Forward campaign, Liu Shaoqi and Deng Xiaoping tried to lead China to the economic construction (Modernization) and to the collective leadership (denial of the individual cult). To Mao, their policies were the threats to his power and his vision of utopian agrarian socialism. Wang also criticizes that Mao destroyed the democratic reforms within the Party. At the same time, he is skeptical of the reformers within the Party who returned to their positions after the Cultural Revolution. Because, Wang thinks, they are the bureaucrats who seek self-interests; therefore they could not meet the people’s demand. Wang refers to his young friends’ thought, ‘Deng Xiaoping, Mao Zedong, and the “Gang of Four” are not much different and are all formal representatives of the bureaucratic system’ (pp.253).

In the Private Life of Chairman Mao, Li Zhisui depicts the life in Mao’s court vividly. He not only describes the private life of Mao, but what other comrades and cadres in CCP did and said. Though he describes the broad events and actors in the history of People’s Republic of China, this book is written with the Mao-in-Command model approach. In Li’s view, the Cultural Revolution was ‘naked high-level power struggle that had little to do with them’ (pp.578) and Mao began the movement. Li was forced to be involved in this power struggle by Mao, but he could escape from it and survive. His standpoint of view is on the ‘rightist’-oriented, or stability-favored. But, at the same time, he indirectly criticizes Chou Enlai, the guardian for the rightists, because of his extreme loyalty toward Mao. In this book, Li writes Mao as the great strategist and the poorest politicians. Mao told Li, ‘I love great upheavals (Wo xihuan tianxia daluan)’ (pp.463). After the establishment of the People’s Republic, Mao had made the People’s Republic be in the series of struggles and the chaos. Mao also had pursued the individual worship and succeeded in acquiring it during the Cultural Revolution. But, ironically, his absolute power accelerated Mao’s solitude and suspicion about his loyal comrades.

In the five assigned articles, one article is the two-struggle approach model and four are the Mao-in-Command approach model. In the four articles, two articles criticize Mao and two do not criticize Mao strongly. In two models, which is more effective to analyze the Cultural Revolution? I support the Mao-in-Command approach model. There are four reasons. First, all authors of assigned articles write on that Mao began the Cultural Revolution and Mao played the significant role in the Cultural Revolution. Second, the two lines seemed to be at the Mao’s mercy. Mao manipulated the two camps, and remained the tension and balance between two. In the Cultural Revolution, no one except Mao could win the struggles. Third, during the Cultural Revolution, as the Resolution of CPC history shows, his prestige culminated, and no one could criticize and purge him. Fourth, in the two-line struggle model approach, the role of the comrades tend to be overestimated, on the other hand, the role of Mao tend to be underestimated. For these reasons, I would like to say that two models of elite politics are effective to analyze the Cultural Revolution, and the Mao-in-Command model approach is more effective than the two-line struggle model approach.

What was the origin of the Cultural Revolution? Why did the Cultural Revolution occur? Some authors claim that Mao wanted to eliminate his ‘enemies’ to maintain his power. Others indicate that the Cultural Revolution was based on the history of the Chinese Communist Party and modern history of China. The Chinese people had to overcome the dilemma of modernization and nationalism. Mao inevitably faced this kind of dilemma and tried to synthesize the western knowledge and China’s reality and tradition. This kind of dichotomy affected Mao’s behavior. In the early stage of economic construction, Mao intended to use western knowledge, but he realized that rational aspects of western knowledge would destroy his ideal. Rationalization would lead the rational bureaucratic administration, the proletariat orientation, and urban industrialization. These were opposed to Mao’ view of the utopian, agrarian socialism based on the countryside peasants. In my opinion, the Cultural Revolution was the objection from the China’s reality and tradition to Modernization-orientation and Mao was the incarnation of this objection, because Mao was not only the leader of the Communist Party of China, but also ‘an emperor’ was ‘due to his class nature as a peasant leader’ (Xizhe, pp.236).

(終わり)
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by Hfurumura | 2011-07-22 00:02 | 学問

副島隆彦先生の金融セミナー開催のお知らせです

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



◆『大災害から復活する日本』発刊記念講演会:第2回副島隆彦の“予言者”金融セミナー

・開催日: 2011年7月31日(日曜日)

・会場:よみうりホール(読売会館7階)
〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-11-1
JR有楽町駅・・・国際フォーラム口よりすぐ
有楽町線・有楽町駅・・・D4/D6出口
日比谷線・千代田線日比谷駅・・・A2出口より徒歩3分
丸ノ内線・銀座線銀座駅・・・C9出口より徒歩5分

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・開演:11時(開場・受付:10時)

・終了:16時30分(予定)

・受講料:15,000円

・お問い合わせ:ブレイントラスト企画
:03-3292-8401(平日10:00-18:00)
:Eメールアドレス:seminar@seikoshobo.co.jp

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /



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by Hfurumura | 2011-07-20 22:52 | 宣伝

金の取引禁止という話がネット上で広まっている

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /



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「2011年7月15日をもって、金の取引ができなくなる」という話がネット上で広まっています。ある条件をクリアしている人たちは今までどおりに取引できるという話もあります。しかし、こんな大事な話が日本のメディアでも報道されず、アメリカでも報道されていない状態です。

この話の真偽に興味を持った人たちは自分たちで本当かどうか調べるしかありません。日本語で調べてみても、大手メディアには出ていませんし、個人のブログのレベルです。何とか見つけ出してきたのが、以下のロイター通信の記事です。ロイター通信といえば、世界的な通信社ですから、信憑性のない話は掲載しないでしょう。また、この話のもとになったであろう出来事をうまくまとめた記事も見つけました。それらを翻訳して以下に掲載します。

まず、個人の投資家の金と銀の取引が完全に禁止されるという話は今のところないようです。これからは分かりません。あくまで、今のところ、です。今回の出来事について私なりにまとめたいと思います。

まず、アメリカでドッド=フランク法という二人の議員の名前を冠した法律が成立したところから話が始まります。この法律は、ウォール街の金融業界の改革と消費者・投資家の保護を目的とした法律です。あまり大きなレバレッジをかけたり、利率は高いけど危険な金融商品を作ることを禁止するといった内容なのですが、政府の機関である米証券取引委員会(SEC)や米商品先物取引委員会(CFTC)から承認を受けた業者以外の、実物商品の店頭・相対取引を禁止するという内容も入っています。

この条項に対して、Forex.comというインターネット上で展開している業者が反応し、顧客に対して「米国市民は7月15日になったら、貴金属の先物の小口取引ができなくなる」というメールを出しました。これでネット上で、「アメリカで金や銀の取引ができなくなる」という話が一気に広がりました。

ドッド=フランク法では、承認を得ない業者による先物取引が禁止されるのであって、普通の投資家が先物ではない、普通の金の売買を行うのは問題ないというのが一般的な反応のようです。

しかし、「そうか、それなら安心だな」というのは早計です。法律は政府、官僚にとっては武器であり、それを如何に使いこなし、条文をたとえ捻じ曲げてもわからないようにするのが彼らの仕事です。Forex.comが早とちりだなと単純に笑えません。

アメリカで現在最大の問題と言えば債務上限引き上げ問題です。これがホワイトハウスと議会側が妥協して解決できたら大きなことにはなりませんが、もしデフォルトということになれば世界経済に及ぼす影響、アメリカ経済に及ぼす影響は計り知れません。デフォルトとなれば米国債の価値の下落、金利の上昇でアメリカ経済は大きな打撃を受けます。そして、米国債を買っている個人(家計)やファンドは損切をして、ほかの安定した投資商品を探すことになります。世界で最も安定しているのは金です。米国債が下落すると金が上昇します。金に資金が流れます。しかし、その金に資金が流れないようにせき止められたらどうでしょう。そして、金も価値を下げてしまったらどうでしょう。金利は上がっているのですから、米国債にお金が流れることも考えられます。金利が上がれば米国内でインフレになり、ドル安傾向が進みます。そうすれば、現在オバマ政権が行っているドル安による輸出振興ということも自然な流れとなって出てきます。

ネット上のおとぎ話のような、金の取引禁止も決して笑っておしまいということにはならないかもしれません。人それぞれ考えがありますし、そんな馬鹿なと笑ってしまえればそれでよいのですが。考えることは自由ですが、現実は考えを超えてしまうことがたびたびあります。早とちりに陰謀論、あとで笑えるような状況になることを願っています。しかし、消費者保護の最も手っ取り早い方法は、売らせない、買わせないことであるということは書いておきます。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「金融業者たちの中に貴金属の小口取引が禁止されると予想している人々がいる(Some dealers to suspend retail precious metals
trading)」

2011年6月21日 ロイター通信
フランク・タン記、デイヴィッド・グレゴリオ編集

ニューヨーク発、2011年6月21日(ロイター通信)

米商品先物取引委員会のドッド=フランク・ウォールストリート改革法を基にした新しいルール作りが遅れている事を受けて、金融業者たちは、貴金属の小口、店頭・相対取引が禁止されるのではないかと考えている。

オンライン(インターネット上)の業者であるForex.com社は、顧客に対して2011年7月15日以降、米国市民は金属取引が継続できなくなり、全ての公開の金属取引(open metal positions)は同日に閉鎖されることになると伝えた。Forex.com社の親会社はゲイン・キャピタル・ホールディングス社である。

Forex.com社の広報担当者はドッド=フランク法のある条文を引用し、「米商品先物取引委員会は、小口の個人投資家たちとの店頭・相対での実物商品の取引を監視することになる」としている。

ドッド=フランク法の当該条文は、適格ではない契約参加者である業者が小口の投資家と取引を行った際に適用されるものである。

銀行やブローカーなどの金融機関と商品ファンドは、米商品先物取引委員会から認可を受けている適格契約参加者であるので、ドッド=フランク法の影響を受けないと考えられる。

先週、米商品先物取引委員会は、スワップ取引に関するルールのうちのいくつかの実施を遅らせることを決めた。実施は2011年7月16日の予定だった。この遅延は、数十億ドル規模のデリバティブ取引の妥当性が危ぶまれ、取引が行われないなど、市場に悪影響を及ぼすことを防ぐ目的で行われた。

最終的に確定したルールがない状況であるため、店頭・相対でのデリバティブ取引の法的規制がないという危険な状況を生み出すことになった。店頭・相対取引は、企業やトレーダーが金利変化や商品価格変動に伴って生まれるリスクを相殺するために行っている。確定したルールが存在しないということは、店頭・相対取引を行うことが困難になり、また取引を行っても無効になってしまうのではないかという恐怖心を業者たちの間に広めることとなった。

米商品先物取引委員会は、店頭・相対取引に対する新しい規制の枠組みを作ろうと急いでいる。その中には、2007年から2009年にかけて金融危機を悪化させたになったクレジット・デフォルト・スワップも入っており、規制の対象になる。

http://www.reuters.com/article/2011/06/21/precious-metals-regulation-idUSN2160031820110621

マーケットウォッチブログ(MarketWatch Blogs):市場関連ニュースと分析のブログ 

The Tell

2011年6月20日
トム・ビーミス(Tom Bemis)筆

●「ドッド=フランク法によって小口の金・銀取引は違法となるのか?(Dodd-Frank rules outlaw retail gold, silver trading?)」

一部報道によれば、Forex.comが顧客に対して、来月のドッド=フランク法の施行によって、金と銀をはじめとする貴金属の店頭、相対取引(over-the-counter)ができなくなるという警告を発したということだ。

Forex.comが顧客に送ったEメールを週末にゼロヘッジ社が公表し、LeapRate.comによって拡散された。

「アメリカ議会を通過したドッド=フランク法の施行により、アメリカ市民による金や銀をはじめとする貴金属の店頭、相対取引が禁止となる新しい規制が行われることになります。この規制は2011年7月15日に発効する予定です」というメッセージをForex.comは顧客に送った。

LeapRate.comは次のように書いている。

「Forex.comが顧客に貴金属の取引が禁止になるというメッセージを送ったのは、Forex.comがドッド=フランク法の以下の条文を自分たちなりに解釈したことが基になっている。その条文は以下のとおりである。『適格契約参加者(eligible contract participant)、商業活動の実態がある適格者(eligible commercial entity)以外による、実物商品のレバレッジをかけた取引とマージンを前提とする取引を全て禁止とする』( prohibit “…a transaction in any commodity with a person that is not an eligible contract participant or an eligible commercial entity, on a leveraged or margined basis.”)」

市場関係者の中には、ドッド=フランク法や米商品先物取引委員会が施行を検討している新しいルールが実施されても、小口の投資家たちが金や銀を購入することが禁止されることはないと主張している人たちがいる。

テキサス州ダラスに本社を置くディリオン・ゲージ・メタルズ社の会長テリー・ハンロンは、「Forex.comが少し大げさに反応してしまったようだ」と語った。ディリオン・ゲージ・メタルズは金属専門のブローカー企業である。

マイダス・ファンズ社(MIDSX)の会長兼ポートフォリオ・マネージャーのトム・ウィンミルは、「ドッド=フランク法では、金と銀の小口取引が28日以内に行われるものは違法ではない、法律の適用外とすることになる」と指摘している。

「ドッド=フランク法では、米商品先物取引委員会に先物取引に対するより厳しい規制をかけるための権威を与えようとしている。先物取引に見えない取引、つまり、28日以内に完了する取引であれば、米商品先物取引委員会はそうした取引をやめさせることはない」とウィンミルは述べている。

ディリオン社のハンロン会長は、「ドッド=フランク法は、レバレッジをかけた金と銀の取引とファンドマネージャーがよく行っているデリバティブ取引に新しく規制をかけようというのが狙いだ」と語っている。

「金を購入したいと考えている投資家たちには何の影響もない」とハンロンは述べている。

米商品先物取引委員会からは何の返答も得られなかった。

(編集記:この記事はForex.comの動きを受けて修正がくわえられている。ロン・オロールが修正を加えた)


http://blogs.marketwatch.com/thetell/2011/06/20/dodd-frank-rules-outlaw-retail-gold-silver-trading/

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2011-07-20 00:26 | 国際政治

アメリカの債務上限問題

日本再占領 ―「消えた統治能力」と「第三の敗戦」―

中田 安彦 / 成甲書房



ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /



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2011年8月2日までに、アメリカ政府が債務上限を14.3兆ドルから引き上げないと、米国債というアメリカの国の借金を返すことができなくなり、債務不履行(デフォルト)になるという問題が起きています。

「借金漬けの体質を改善するために上限を上げずにデフォルトを起こしてしまえ」というのが、ミッシェル・バックマンやロン・ポールといったティーパーティー運動の支援を受けている議員たちの主張です。しかし、米国債がデフォルトになると、米国債の投資商品としての価値が下がります。そうなると、買い手がつかなくなることから、利子を上げて買い手を募るということになります。そうなると、アメリカ国内の金利にも影響を与え、住宅ローン、自動車ローン、学資ローンなどの金利が上昇し、アメリカ国内で多くの人々がローン(借金)を返せなくなります。そうなると、こうしたローンの債権を組み込んでいる金融商品の価値が下がり、サブプライムローン危機の時と同じ構図で、アメリカ国内経済に悪影響を及ぼします。

アメリカ国債を保有しているのは、海外の国々や海外金融機関、アメリカの中央銀行である連邦準備制度銀行(Federal Reserve System)、そして個人ということだそうです。中国は1兆1600億ドル(約93兆円)、日本は約9100億円(約73兆円)を保有しています。海外の米国債保有比率は47パーセントですから、半分は海外が買っている(投資している)ということになります。米国債がデフォルトになり、米国債の価値が下がると、こうした海外の国々や金融機関は資産が減ることになります。そこで、米国債への投資を控え、保有量を減らすか、損失を少なくするために売却するという動きになります。そうなると、米国債はますます価値が下がるという悪循環になります。米国債の価値の下落は世界経済にも影響を与えます。

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このようにアメリカの債務上限問題は、アメリカ一国だけの問題ではありません。ニューヨーク・タイムズ紙は、中国の反応についての記事を掲載しています。中国としては保有している米国債などのドル建ての資産の目減りを防ぎたい、米国内経済の悪化による対米貿易の鈍化を防ぎたいという意向を持っていますので、「早く米国内で妥協を成立させて、デフォルトにならないようにしてほしい」という主張になっています。お得意さまの意向をアメリカが完全に無視できることはありませんので、この中国の意向はアメリカの政治家たちに影響を与えるでしょう。それで妥協が成立して、上限を引き上げる代わりに、歳出削減が行われることになるでしょう。

歳出削減には誰も反対していないので、問題はその規模をどうするかということになります。また、歳出削減は、社会的弱者と呼ばれる人々に影響が大きいので、この際、富裕層に対する増税を行うかどうかが焦点になります。共和党は富裕層に対する増税には反対ですから、下院で通りそうな案には増税が盛り込まれませんが、増税の部分を上院とホワイトハウスでどのように決着させるか、ということになると思います。

恐らく、妥協は成立するでしょう。しかし、アメリカは今回のことでかなり痛手を負うことになるでしょう。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「オバマ氏「時間がない」強調 野党との債務上限問題交渉」

2011年7月19日付 朝日新聞電子版

 米国の債務上限引き上げ問題で、オバマ大統領と米与野党が、ぎりぎりの交渉を続けている。政権側は、10年で2兆ドル程度の財政赤字を削減する策での合意を目指しつつ、合意できなければ上限だけを引き上げる緊急対策も視野に入れる。週末の間には、方向性を見いだしたい考えだ。

 米国の財政は、債務の残高が議会が定める上限(14.3兆ドル)に達している。8月2日までに上限が引き上げられないと、米国債(借金)の返済が滞る債務不履行(デフォルト)になりかねない状態だ。オバマ大統領は15日、この週2度目となる記者会見を開き、「時間がなくなりつつある」と強調。「米国民が求めるのは問題解決であり、財政規律の回復だ」として、野党・共和党側に妥協を呼び
かけた。

 大統領は14日の与野党の指導部との交渉で、(1)10年で3兆~4兆ドルの財政赤字削減を念頭に置いた大規模対策、(2)10年で2兆ドル程度の赤字を削減する中規模対策、(3)赤字削減は明示せず債務上限だけを引き上げる――という3案を与野党に提示した。

 15日の会見では「(共和党側の反対で)大規模対策は難しくなっている」と認め、(2)案を目指すことを強く示唆。「犠牲を(社会の各層で)共有する必要がある」とも語り、高齢者や弱者にしわ寄せが大きい歳出削減だけでなく、税制上の措置で富裕層にも負担を求めたい意向を示した。

※関連
2011年3月3日発行 日興コーディアル証券 Market Memo 金融市場調査部長 チーフストラテジスト 末澤 豪謙記
http://www.smbcnikko.co.jp/products/special/china/pdf/110303_1.pdf
・中国の米国債保有1.1兆ドル突破、日本(8,836億ドル)に約3,000億ドル差で首位
・米国債の主要投資家は海外(47.4%)、中央銀行、個人である

●「China’s Treasury Holdings Make U.S. Woes Its Own」

2011年7月18日付 The New York Times
By DAVID BARBOZA

SHANGHAI — However grim Washington’s debt and deficit negotiations may seem to Americans, the impasse is nearly as disturbing for China.

As the United States’ biggest foreign creditor — holding an estimated $1.5 trillion in American government debt — China has been a vocal critic of what it considers Washington’s politicized profligacy.

“We hope that the U.S. government adopts responsible policies and measures to guarantee the interests of investors,” Hong Lei, a foreign ministry spokesman, said at a news conference late last week.

Beijing might prefer to respond by starting to dump some of its American debt. But in this financial version of the cold war, analysts say, both sides fear mutually assured destruction.

One reason the United States would want to avoid defaulting on its debt is that such a move could alienate China, which is a steady purchaser of Treasury bonds. Beijing, meanwhile, already has too much invested in American debt to do much more but continue to buy, hold and grumble.

It is the ultimate “too big to fail” global relationship, said Andy Rothman, an analyst in Shanghai for the investment bank CLSA.

If Beijing even hinted that it might try to sell part of its American debt, “other countries might sell their dollar assets,” Mr. Rothman said, noting that this would drive down the value of China’s holdings. “It would be financial suicide for China.”

China got into this situation, experts say, by indulging its own economic interests. To bolster what has become the world’s largest export economy, China has focused on policies that encourage domestic savings and hold down the value of its currency. The result: huge trade and current-account surpluses. China has accumulated more than $3 trillion in foreign currency reserves, far more than any other nation.

Most of those reserves are held in dollars, and recycled back to the United States through investments in Treasury bonds and other dollar-denominated securities — even stocks. And while some of China’s foreign exchange reserves are plowed into
European and Japanese debt, those bond markets are not big or liquid enough to absorb the bulk of China’s ever-larger foreign holdings.

Beijing has tried to diversify its foreign exchange portfolio by creating a sovereign wealth fund that can invest some of the reserves overseas. The government has also encouraged Chinese companies to expand overseas and to acquire mines and
natural resources to fuel China’s hungry economy. But because China has too much foreign money for any other outlet to absorb, the vast majority of its fast-growing reserves continue to be destined for the United States bond market.

“China has no choice but to keep buying,” said Zhang Ming, an expert at the Chinese Academy of Social Sciences, a Beijing research group. “After all, U.S. Treasury bonds are still the largest and most liquid investment product in the world.”

All of which has helped enable America’s own fiscally dubious habits.

The United States’ huge deficits — not only in government spending, but in trade and savings as well — have weakened its economy and strangled consumption. Many economists say that would poison the long-term prospects for the dollar, if it were
not still the world’s reserve currency and most reliable safe haven.

Helping maintain that role for the dollar are the staggering debt problems that Europe and Japan are struggling with. With global investors like China having few good options besides United States Treasuries, Washington, despite its current
debt-ceiling debacle, can continue to hold down interest rates and wallow in cheap borrowing.

Beijing in recent years has frequently fretted aloud about Washington’s monetary policies. In 2009, shortly after the global financial crisis broke out, China’s prime minister, Wen Jiabao, said his country was “worried” about the safety of its huge cache of United States Treasury holdings. Last year Chinese policy advisers criticized the Federal Reserve for undermining the value of holdings by “printing too much money” with its so-called quantitative easing policies.

But even now, despite Beijing’s scolding about the debt impasse in Washington, China’s options may be limited.

”There’s really nothing different they can do,” said Eswar S. Prasad, a Cornell economics professor and former head of the China division at the International Monetary Fund. “Even if China felt the United States was going off a cliff, there’s
no other place for them to put their money.”

Over the long run, many economists say the structural imbalances on both sides of the Chinese-American debt symbiosis could be disastrous. Already, for example, many say that those dynamics helped create the global financial crisis by artificially
creating the low interest rates that let housing prices reach bubble-bursting levels.

Now, the United States and China are trying in their different ways to adjust. American policy makers are urging more savings and less consumption. Chinese officials take the opposite tack, promising to encourage more consumption and less
saving.

But neither country has made significant headway on these strategies during the last two years. Both sides see these fixes as too costly and detrimental to nearer-term economic goals. America is focused on reviving its economy, while China is
intent on cooling its down. And in both countries, achieving the goals involves changing public behavior, which is never easy.

Many economists say China could curb its dependence on dollar-pegged assets by letting the value of its currency rise faster against other world currencies. That would also make its imports less expensive for domestic consumers. But it would
also make China’s exports more expensive for global customers, which could hurt Chinese factories and lead to widespread layoffs.

For all that, if China worries about holding too many dollar-denominated assets, which could depreciate over time as the value of its own currency rises, why does it not quietly sell some of them — or at least stop buying more?

Recent United States government surveys have suggested that China began doing just that, beginning to slow its purchases of American debt earlier this year. But analysts warn that those official figures may not be accounting for purchases made
through third-party countries on China’s behalf. An intermediary buying American bonds in London at the behest of the Bank of China would not show up in Washington’s tallies.

Many economists, in fact, say they believe China may have actually stepped up its buying of American debt. The evidence is that its trade and current-account surpluses almost certainly mean that it has continued to accumulate huge holdings of
dollars.

How might the Beijing-Washington debt standoff be resolved? Mainly, the Americans hope China will ramp up its domestic consumption and perhaps make even more direct investments in the United States. The Chinese, meantime, hope the United
States will deal with its huge debt problems and maintain the value of the dollar — and with it the value of China’s dollar-based holdings.

For all the stresses in both directions, the fiscal cold war means “China is increasingly integrated with the future of the U.S.,” said Mr. Rothman, the Shanghai analyst. “But that could be a good thing, for both sides.”

●「Both Sides Confident on Debt Talks Despite Impasse」

2011年7月17日付 The New York Times

By ERIC LIPTON

WASHINGTON — Top Republican lawmakers and the Obama administration’s budget director predicted Sunday that an agreement would be reached before the federal government defaults on its debt in early August, but both sides continued to squabble over the details of competing proposals, offering little evidence that a deal was at hand.

“I do not believe that responsible leaders in Washington will force this to default,” Jacob J. Lew, the White House budget office chief said on the ABC News program “This Week.” “All of the leaders of Congress and the president have
acknowledged that we must raise the debt limit. And the question is how.”

Republicans made clear that they intended to vote this week on their “cap, cut and balance” plan, which would cut the deficit, cap federal spending as a share of the economy and amend the Constitution to require a balanced budget. The changes would be made along with a provision that would lift the debt limit.

The proposal is expected to pass the House, but its fate is much less certain in the Senate, as Mr. Obama and Democratic lawmakers have made clear that they oppose the measure. That has not discouraged Republicans, who see the “cap, cut and
balance” proposal as a popular rallying point.

“That to me is the only plan that will work,” Senator Lindsey Graham, Republican of South Carolina, said on the CNN program “State of the Union.”

No formal negotiations are taking place this weekend. But Congressional leaders, appearing on the Sunday morning news shows, floated a variety of plans, a sign of just how far Congress is from any final deal.

Senator Richard J. Durbin, Democrat of Illinois, backed Mr. Obama’s proposal to cut $4 trillion in federal spending in the coming decade, while Senator Tom Coburn, Republican of Oklahoma, sketched out a proposal, which is to be formally released
on Monday, that will include as much as $9 trillion in reductions.

“We have a terrible track record, Republicans and Democrats alike, of promising to get our spending under control and never doing it,” Senator Coburn said on “Face the Nation” on CBS.

Neither Senator Coburn nor Senator Durbin showed any sign of willingness to compromise, even as they agreed a deal must be reached — and soon.

“We know what we need to do,” Senator Durbin said on “Face the Nation.” “The president does not need to spell it out. We need the political will to do it.”

The debate in the coming days is likely to be dominated by the Republicans’ “cap, cut and balance” proposal, even though Mr. Durbin said it had no chance of getting through the Senate.

Asked why Congress, with the nation at the verge of default, would waste its time on a measure that both sides know is unlikely become law, Mr. Durbin said the Democrats had no choice.

“The Republicans are insisting this debate take place before anything happens,” Mr. Durbin said. “We have to check the boxes.”

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2011-07-19 13:49 | アメリカ政治

ブルーステイト(Blue State)からの分離運動

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /



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いきなり私事で恐縮ですが、私は2001年からカリフォルニア州ロサンゼルスにある南カリフォルニア大学(University of Southern California, USC)に留学していました。カリフォルニア州にはなじみがあります。とは言っても、カリフォルニア州は全米最大の人口約3700万人を抱え、面積も全米42万平方キロを誇っています。日本の面積が38万平方キロですから、面積は日本の約1.1倍です。州都はサクラメントですが、大きな都市としては北部カリフォルニアならサンフランシスコ、南部カリフォルニアならロサンゼル
スです。

政治的に言って、カリフォルニア州はリベラルな州として知られ、州選出の連邦上院議員、下院議員、州知事もほとんど民主党が占めています。アーノルド・シュワルツェネッガー前州知事は共和党でしたが、最近離婚を発表した前の奥さんのマリア・シュライバーは、民主党の名門、ケネディ家の出身です。大統領選挙でもカリフォルニア州は民主党がとる場合が多いです。2000年の大統領選挙から、ブルーステイト(民主党が強い州)とレッドステイト(共和党が強い州)という表現を使いますが、カリフォルニアは鮮やかなほどにブルーステイトです。

しかし、カリフォルニアにも共和党支持者はいます。ハリウッドのセレブたちは大金持ちですが伝統的にリベラルです。しかし、それ以外の大金持ちや中流階級の中には、「不法移民の子供たちが学校に行くがそれへの補助金を出すのはおかしい」「福祉に頼って、麻薬や酒におぼれるよな人間のためにどうして税金を負担しなくてはいけないのか」と不満を持ち、民主党ではなく共和党を支持する人たちが多いのです。

カリフォルニア州はリベラルで、民主党が支配的な州で、結果、財政がひっ迫しています。先日もカリフォルニアの州立大学で非常勤講師をしている方とお話をしたのですが、大学の予算が削られ、とても高等教育を行うような場所ではなくなっているそうです。その他にも公立学校の先生が解雇されたり、公立病院が閉鎖されたりというニュースはよく報道されています。シュワルツェネッガー知事は、歳出削減に取り組んでいましたが、今のカリフォルニア州の予算状況は抜本的な処理がなければ破たんに近い状況にあります。

そこで、カリフォルニア州の南部のカウンティ(郡と訳す場合があります)のある政治家が「カリフォルニアから分離して南カリフォルニア州(State of South California)になりたい」と言いだし、動き出しました。歴史上、1850年代からカリフォルニア州では220回も分離独立に関する運動や動きが
あったそうです。今回の場合は、ジェフ・ストーンというリバーサイド郡の政治家が言いだしましたが、彼は共和党所属で、リバーサイド郡の運営に関する監督を行う任務についています。

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ここでロサンゼルス・タイムズ紙に挙げられている郡の多くは豊かな人々が住み、共和党の支持が高いところです。代表的なところでは、オレンジカウンティ(O・C)がそうです。オレンジカウンティには日本でも有名なアナハイム(大リーグ球団カリフォルニア・エンジェルス・オブ・アナハイムとディズニーランドがある)があり、大変綺麗で住みやすい場所です。日系企業も拠点をロサンゼルスやその近郊からオレンジカウンティに移しつつあり、ニューポートビーチという海沿いの街には日本人居住者も増えてきました。また、最南端にはサンディエゴがあり、ここは米海軍の軍港や米海兵隊の基地キャンプ・ペンドルトンがあり、伝統的に共和党支持者が多い場所です。

南部13郡はアリゾナ州にも接しており、共和党の勢力が強い同州からの影響も受けていると思われますが、「自分たちはカリフォルニア州にはいたくない」「共和党支持者の自分たちは今のカリフォルニア州のやり方には反対だ」と、ジェフ・ストーンをはじめとする地元の共和党政治家たちは主張しているのです。

もちろん、これで簡単に分離が認められることはないでしょうが、連邦議会の債務上限と合わせて、アメリカの衰退ぶりが垣間見えるニュースです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「米で新州設立の動き カリフォルニア、財政再建策に反発」

2011年7月13日付 朝日新聞電子版

 米カリフォルニア州の南部13郡を分離して米51番目の「南カリフォルニア州」設立を目指す提案が12日、同州南部のリバーサイド郡議会で承認された。同州では最近、一部の市の財政を犠牲にして州の財政を立て直す施策が成立、これに反発しての動きだ。

 共和党のストーン議員が同日、同郡やサンディエゴ郡、オレンジ郡など13郡が分離して新州をつくるための方策を探る会議を9~10月に開く提案をし、承認された。

 きっかけは、財政赤字が深刻な同州のブラウン知事が最近署名した財政再建策だ。米メディアによると、州の徴収を経て各市の財源となってきた自動車登録料を、2004年以降にできた市には交付しないことに。リバーサイド郡には該当する市が四つあり、このままでは各市の財源の3~4分の1が失われるといい、同議員は声明で「泥棒」と反発。「カリフォルニアは大きすぎて統治できなくなってい
る」と述べた。

http://www.asahi.com/international/update/0713/TKY201107130509.html

●'South California' for 51st state?
Fed up with Sacramento, a Riverside County politician seeks to break 13 counties away to form a state called South
California

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Supervisor Jeff Stone, a Republican pharmacist from Temecula, called California an "ungovernable'' financial catastrophe
and proposed that 13 conservative counties break away to form a separate state of "South California.'' (Irfan Khan /
Los Angeles Times / July 8, 2005)

By Phil Willon, Los Angeles Times

July 11, 2011

Accusing Sacramento of pillaging local governments to feed its runaway spending and left-wing policies, a Riverside County politician is proposing a solution: He wants 13 mostly inland, conservative counties to break away to form a separate state of "South California.''

Supervisor Jeff Stone, a Republican pharmacist from Temecula, called California an "ungovernable'' financial catastrophe from which businesses are fleeing and where taxpayers are being crushed by the burden of caring for welfare recipients and illegal immigrants.

On Tuesday, the Riverside County Board of Supervisors will consider Stone's proposal to host a statewide summit for city and county leaders to sketch out a framework for secession.

The politician said he was undaunted by scores of failed similar attempts since the 1800s, saying Californians haven't face such dismal economic times since the Great Depression.

"This has struck a chord with a lot of people in the state who have suffered economically,'' said Stone, adding that he has received thousands of emails supporting his proposal. "We know it's going to be a challenge to form a second state, but it's not a impossible. We're sending a message.''

A spokesman for Gov. Jerry Brown, a Democrat, called Stone's proposal a laughable political stunt, saying the Riverside County supervisors should be more concerned about closing that county's expected $130-million revenue shortfall in the next budget year and possible cutbacks to public safety.

"It's a supremely ridiculous waste of everybody's time," said spokesman Gil Duran. "If you want to live in a Republican state with very conservative right-wing laws, then there's a place called Arizona.''

Along with Riverside, the counties in Stone's South California would be Fresno, Imperial, Inyo, Kern, Kings, Madera, Mariposa, Mono, Orange, San Bernardino, San Diego and Tulare.

Combined, those counties are home to about 13 million people. Republicans account for the majority of registered voters in all of those counties except San Bernardino and Imperial.

Noticeably absent from Stone's vision of an independent South California is Los Angeles County, the state's largest by population and a Democratic stronghold. Ventura and Santa Barbara counties also failed to make the cut.

"Los Angeles is purposely excluded because they have the same liberal policies that Sacramento does. The last thing I want to do is create a state that's a carbon copy of what we have now,'' Stone said. "Los Angeles just enacted a ban on plastic grocery bags. That put three or four manufacturers out of business.''

Still, Stone said he would be amenable to including other counties that might be interested, or even to shifting boundaries radically by cleaving the state between inland and coastal counties.

More than 220 campaigns to split California into halves, or thirds, have been bandied about since the 1850s, most echoing similar arguments that the state had grown too large and was paralyzed by politicians and bureaucrats who ignored the concerns of the people.

"Secession proposals are just ways of thinking about California, and are also ways for people who feel neglected get the attention that they deserve," said USC historian Kevin Starr, who has written extensively on California. "It's never passed, and it will never pass. It's been up to bat 220 times and struck out every time.''

http://www.latimes.com/news/local/la-me-south-california-20110711,0,2846870.story

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2011-07-13 22:37 | アメリカ政治