翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
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2016年問題と言ったほうがよいかもしれない

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



4月になってもまだまだ寒い日々が続きます。私は現在、福島県の山間部におりますが、春というよりも晩秋といった風情です。まだまだ雪をも降ります。

季節が進み、夏になりますと、参議院議員選挙が行われます。この参議院議員選挙の争点は、「憲法改正」という点で、各政党は一致しているようです。

その中でも、特に日本国憲法第96条の「改正」を主張している政党(米政翼賛会と私は呼んでいます)と、それに反対している政党があります。

日本国憲法第96条は以下のような条文です。

(引用はじめ)

第9章 改 正
 
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

(引用終わり)

この条文は、憲法改正の手続きに関する条文です。この条文によると、憲法を改正する手続きとして、衆参両議院それぞれが所属議員3分の2以上の賛成で国民に憲法改正を提案し、国民投票で過半数の賛成があった場合に、憲法を改正することができるということになっています。複数の段階を経る、議員の3分の2というハードルの高さのために、これまで憲法改正は行われてきませんでした。また、55年体制下、野党第一党日本社会党は、憲法改正を阻止するために、しかし、与党になることは望まないという姿勢で、自民党とある種の妥協を行っていました。

今回、この日本国憲法第96条の改正を自民党と維新は目指しています。現在、衆議院は憲法改正に前向きな勢力が3分の2以上(自民と維新で348、民主党の一部も含めるともっと増える)を占めている状況です。参議院は3分の2以上となると162となりますが、憲法改正勢力はまだそれを占められないでいます。また、この夏の参議院選挙で3分の2以上を占めるためには、113議席の獲得が必要ですが、これはなかなか困難です。しかし、これは今回の参議院議員選挙だけを考えれば、です。次回2016年7月までを考慮に入れると、決して不可能な数字ではありません。また、現在の衆議院議員の任期は2016年12月15日までですから、それまでに解散がなければ、もう一度チャンスが巡ってきます。

「2016年」が大変重要であると考えます。今回の参議院議員選挙はそのための足掛かりになるということができます。

アメリカのオバマ政権も2016年まで(正式には2017年1月まで)ですから、それまでにTPPや日本の憲法改正手続きの「緩和(easing)」を進めておきたいということもあるでしょう。そして、2017年からの新しい大統領(おそらく共和党←外れたら申し訳ありません)で、「日米新時代」ということになるのではないかと考えます。自衛隊の領土領海外活動の拡大、米軍の下請け軍隊としての性格がよりはっきりとなっていくでしょう。経済、政治、そして軍事で属国化が進んでいくものと考えられます。

このシナリオが荒唐無稽で、まったく箸にも棒にもかからない笑い話で終われば良いなとは思いますが、そうならないかもしれない雰囲気も感じられるのです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「首相と橋下氏が一致…改憲発議要件「過半数」に」

読売新聞電子版 2013年4月12日

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130411-OYT1T01202.htm

 安倍首相と日本維新の会の橋下共同代表が9日の会談で、憲法96条が規定する改憲手続きを巡り、衆参各院の「3分の2以上」の賛成が必要とする改憲発議要件を「過半数」に緩和
すべきだとの認識で一致していたことが11日、分かった。

 会談に同席した維新の会の松井幹事長が、大阪府庁で記者団に明らかにした。

 松井氏によると、首相は「国民が憲法改正を議論するためにも、改正の発議ができる96条を緩和する必要がある」と述べ、橋下氏らも同様の認識を示した。さらに、過半数の賛成が必要とされている国民投票の要件の厳格化を検討する必要性でも一致したという。

 これに関連し、橋下氏は11日、大阪市役所で記者団に、「改正する条項に応じて(国民投票の)要件を変えてもいいのではないか」と述べ、要件の厳格化は重要条項の改正の場合に限定すべきだとの考えを示した。

(2013年4月12日10時15分 読売新聞)

●「維新連携視野に?菅長官「改憲を参院選争点に」」

読売新聞電子版 2013年4月9日

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130408-OYT1T01183.htm

 菅官房長官が憲法改正を夏の参院選の争点とすることを目指し、活発に発信している。

 8日の記者会見では、具体的な憲法改正の論点について「必要だと思うのは、環境権などだ。環境問題は憲法ができた当時、なかった。国民生活に大きな影響を与えるものだから、『加憲』で、憲法改正に入れていくのは当然のことだ」と環境権の明記に踏み込んだ。

 環境権は、「加憲」を掲げる公明党が新しい人権として主張しているテーマで、改正争点化に慎重な意見が多い同党に配慮したものとみられる。

 7日の福岡市での講演では、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正に最優先に取り組む考えを示し、8日の記者会見でも「96条の改正がなければ、物事が進まない」と強調した。

 憲法改正に関する積極的な発信には、改正に意欲的な日本維新の会などと連携し、憲法改正に必要な衆参両院で3分の2以上の議席を確保する狙いがある。菅氏は9日、日本維新の会の橋下共同代表、松井幹事長と首相官邸で会談する予定。憲法改正を通じて公明、維新などとの連携を強化し、民主党を孤立化させる狙いも指摘されている。

(2013年4月9日10時50分 読売新聞)

●「<憲法改正>「ポイントは環境権」菅官房長官、公明に配慮か」

毎日新聞 4月8日(月)19時38分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130408-00000054-mai-pol

 菅義偉官房長官は8日の記者会見で、憲法改正の発議要件を定めた96条の見直しに関連し、改憲のポイントとして「環境問題は憲法ができたときにはなかったから、環境権を入れるのは自然ではないか」と述べた。

 記者団が、戦争の放棄を定めた9条の改正との優先順位をただしたのに対しては「自民党としても、現在の憲法の基本路線を守りながら、まず96条を改正しないと前に進まない」とかわした。環境権などを追加する「加憲」を掲げる公明党に配慮したとみられる。【鈴木美穂】

(新聞記事転載貼り付け終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2013-04-12 11:36 | 日本政治

アメリカ政府債務上限引き上げと米国債購入のための基金(fund)の話

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社



 5日程前に、ブルームバーグで、「日本が外国債を買い入れる見通し:安倍がバーナンキに助け舟を出す」という記事が出されました。これは、昨年、元日本銀行副総裁の岩田一政氏が、円高介入のために50兆円規模の基金を創設し、外国債(米国債)を買い入れるようにすべきだと主張したことに、安倍晋三首相も同調したという内容です。

 そして、本日、米連邦下院の共和党が政府債務上限を暫定で気に引き上げる案を提出したという記事が出ました。これは、アメリカ政府の借金の上限を引き上げて、支払い不能(デフォルト)になることを防ぐことが目的ということです。しかし、共和党は、元々、国の借金が増えることには反対で、政府の予算をどんどん削ることを求めていたはずです。

 これら2つのニュースは結びつけて考えてみるべきです。アメリカは国債の発行額を増やそうとしている。日本はアメリカ国債をもっと買おうとしている。アメリカは、日本にもっとアメリカ国債を買ってもらおうとしています。ブルームバーグの記事によると、安倍政権は、そのために、日銀や事務省が運営する基金(fund)を創設しようとしています。

 日本の財務省は、円を売ってドルを買う(円の価値が下がってドルの価値が上がる)ことで、円安ドル高になります。日本の財務省は手元にあるドルでアメリカ国債を買うということになります。現在は、円安ドル高になっているので、介入は行われませんが、アメリカの製造業などからは円安に対して文句が出ています。恐らく、アメリカはある程度の円安を容認しているかもしれませんが、ここら辺が限界ということなのかもしれません。

 円安になると、日本は資源や農産物の輸入に頼っているので、電気やガスの料金は上がりますし、食料品の値段も上がります。人々の所得が増えないままに物価が上がれば、これはスタグフレーションという現象で、不景気の原因となります。安倍政権は、物価を押し上げ、GDPも2%増加させるために、金融緩和策と財政出動を組み合わせた緊急経済対策を実施することを先日発表しました。これで景気が回復すればよいのですが、どこまで効果があるかは疑問です。また、数字上は景気回復ということになっても、豊かさを実感できなかった小泉政権下のようなことになることも大いに考えられます。

「米国債は絶対安全」という考えを建前でも信じて、米国債を買い続けています。日本が買い支え続けることで、米国債の「安全性」は保ち続けられているという面があります。しかし、ここで逆回転が起こり、米国債の価値が減少を始めた時、日本は営々と築き上げてきた富を失うということになります。

 また、ここで指摘しておかねばならないのは、日銀や財務省が運営する基金を作って、外国債を買い入れるという点です。このような政府が運営する基金は、ソブリン・ウエルス・ファンド(sovereign wealth fund、SWF)と呼ばれるものです。SWFは一時期、持て囃されました。このSWF、政府による市場参加を、アメリカのコンサルタント会社ユーラシア・グループ(Eurasia Group)のイアン・ブレマー(Ian Bremmer)は、国家資本主義(State Capitalism)と呼んでいます。

 イアン・ブレマーは安倍氏と特別親しい関係にあるということを喧伝しています。安倍政権の緊急経済対策やSWFの創設といった話は、政府が経済において、主要な役割を果たすということです。これは安倍氏や現在の安倍政権に参加、協力している人々が参加した小泉政権の路線とは全く異なるものです。彼らは静かに路線を転換しています。そこに、イアン・ブレマーの影響があるのではないかと私は考えています。

 どちらにしても、日本は金融緩和でお金をじゃぶじゃぶ刷る訳で、それが日本国内ではなく、海外の、アメリカ国債の買い付けに回るということも考えられます。どちらにしても、属国の悲しさ、下駄の雪のような悲しさがそこにはあります。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「米共和党、政府債務上限を暫定的に引き上げる案」
読売新聞電子版 2013年1月19日
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130119-OYT1T00415.htm?from=ylist

 【ワシントン=岡田章裕】米下院で多数派を占める野党共和党は18日、早ければ2月半ばに米国債がデフォルト(債務不履行)に陥る事態を回避するため、米政府がどこまで借金できるかを定めた政府債務の法定上限を、暫定的に引き上げる案を発表した。

 引き上げる額は、政府の資金繰りに必要な3か月分で、国債を発行して借金できる額が増える。政府が資金繰りに行き詰まるデフォルトの危機は当面先送りされる可能性が高くなった。

 連邦債務は昨年12月末に上限の16兆3940億ドル(1477兆円)に達し、現在は非常措置でしのいでいる。共和党は大幅な歳出削減なしでは債務上限の引き上げは認めないと主張し、2月半ばから3月上旬に資金繰りが行き詰まってデフォルトの危機に直面する見通しだった。

 同法案は、4月15日までに予算の大枠をまとめることを条件にする方針だ。来週、採決する方向だ。共和党にとっては、予算審議の時間を稼ぎながら、社会保障分野の大幅な歳出削減を含めた抜本的な財政再建策につなげる狙いがある。

(2013年1月19日12時16分 読売新聞)

●Abe Aids Bernanke as Japan Seen Buying Foreign Debt

Bloomberg January 13th 2013
By Wes Goodman & Daniel Kruger - Jan 15, 2013 3:37 AM GMT+0900.
http://www.bloomberg.com/news/2013-01-13/abe-aids-bernanke-as-japan-seen-buying-558-billion-foreign-debt.html

Shinzo Abe is set to become the best friend of investors in Treasuries as Japan’s prime minister buys U.S. government bonds to weaken the yen and boost his nation’s slowing economy.

Abe’s Liberal Democratic Party pledged to consider a fund to buy foreign securities that may amount to 50 trillion yen ($558 billion) according to Nomura Securities Co. and Kazumasa Iwata, a former Bank of Japan deputy governor. JPMorgan Securities Japan Co. says the total may be double that. The purchases would further weaken a currency that has depreciated 12 percent in four months as the nation suffers through its third recession since 2008.

Shinzo Abe, Japan's prime minister, speaks during a news conference in Tokyo on Jan. 11, 2013. Abe’s Liberal Democratic Party has proposed establishing a fund run by the Bank of Japan, the Ministry of Finance and private investors to buy foreign bonds.

The support would help Federal Reserve Chairman Ben S. Bernanke damp yields after the worst start to a year since 2009, according to the Bank of America Merrill Lynch U.S. Treasury Index. Government bonds lost 0.5 percent as improving economic growth in the U.S., Europe and China curbed demand for the relative safety of government debt even with the Fed buying $45 billion in bonds a month.

“I can’t imagine the U.S. would be disappointed in Japan buying Treasuries,” Jack McIntyre, a fund manager who oversees $34 billion in global debt at Brandywine Global Investment Management in Philadelphia, said in a Jan. 8 telephone interview. “The Fed’s been doing all the heavy lifting.”

Bond Yields

Ten-year note yields fell one basis point, or 0.01 percentage point, to 1.86 percent at 1:34 p.m. New York time. The yield touched 1.97 percent on Jan. 4, the highest level since April. This year, U.S. debt maturing in 10 years or longer ranked 125 out of 144 indexes tracked by Bloomberg and the European Federation of Financial Analysts Societies.

The average Treasury 10-year note yield in 2012 was the lowest since at least World War II at 1.79 percent, compared with the 20-year mean of 4.73 percent. The average 10-year yield for Japan’s debt in 2012 was 0.85 percent, and was 1.85 percent during the past 20 years.

Strategists are already paring back bearish forecasts for U.S. debt. The 10-year Treasury yield will rise to 2.27 percent by year end, according to the median prediction of economists in a Bloomberg survey. In July, the estimate was 2.7 percent.

Hiromasa Nakamura, a senior investor for Tokyo-based Mizuho Asset Management Co., which oversees the equivalent of $38 billion, is more bullish. Ten-year Treasury yields will fall to a record low of 1 percent by year-end as Japan ramps up purchases, while the yen falls to 90 per dollar, he said in an interview on Jan. 11. Japan’s buying “will be one of the positive factors in the market.”

Fund Details

Abe said yesterday he wants someone “who can push through bold monetary policy” as the next governor of the Bank of Japan when Masaaki Shirakawa steps down in April. He has demanded the central bank double its inflation target to 2 percent and engage in unlimited easing till the goal is met.

Abe’s LDP, which swept to power in elections last month, has proposed establishing a fund run by the Bank of Japan, the Ministry of Finance and private investors to buy foreign bonds. He announced Jan. 11 a 10.3 trillion yen stimulus plan including about 3.8 trillion yen for disaster prevention and reconstruction, aimed at boosting gross domestic product by about 2 percentage points and creating about 600,000 jobs.

‘Bazooka Strategy’

The election handed the LDP a political mandate to follow through on its bond-purchase plan, George Goncalves, the head of interest-rate strategy at Nomura Securities International, one of 21 primary dealers that trade with the Fed, said in a Jan. 8 telephone interview from New York. “It’s a quantum leap from doing central bank easing in local markets to foreign markets.”

Details of the bond fund weren’t announced. It might be targeted at a variety of assets including Treasuries, though the whole amount may not even be deployed, according to Yunosuke Ikeda, the head of foreign-exchange strategy at Nomura in Tokyo.

“It’s the bazooka strategy,” Tokyo-based Ikeda said in a telephone interview on Jan. 10. “In order to have an impact on the dollar-yen market, the size needs to be very big.”

The yen may weaken to about 95 per dollar, Iwata, the president of the Japan Center for Economic Research, said at a forum in Tokyo on Jan. 11. The currency traded at 89.23 against its U.S. counterpart, having earlier fallen to 89.67, a level not seen since June 2010.

Buying Treasuries

In an October report, Iwata said that a 50 trillion yen fund would enable the BOJ to purchase foreign bonds to rein in the yen.

The fund could be twice that size or more as “there’s no upper limit,” said Masaaki Kanno, the chief Japan economist for JPMorgan and a former BOJ official. Abe can hold off on unveiling a large plan now until the next time the currency starts to appreciate, Kanno said by telephone Jan. 11.

Whatever the foreign bond fund’s amount, more than half will probably be funneled into Treasuries because they are the most easily-traded securities, Yoshiyuki Suzuki, the head of fixed-income in Tokyo at Fukoku Mutual Life Insurance Co., which has about $64.8 billion in assets, said on Jan. 8.

Tradable Treasury debt amounted to $11 trillion at the end of 2012, with weekly trading volume in the securities among 21 primary dealers averaging $521.4 billion, Fed data show.

Japanese Finance Minister Taro Aso said last week that his nation will buy bonds issued by the European Stability Mechanism to weaken the yen. The nation hasn’t decided on the amount, he said.

Yen ‘Myth’

Support for a new foreign-bond fund isn’t universal.

“I personally think it won’t happen,” said Naruki Nakamura, head of fixed income at BNP Paribas Investment Partners Japan in Tokyo, which has the equivalent of $8.7 billion in assets. “There’s no need to boost yen weakness. It’s a myth. I’m not sure the new administration wants unlimited inflation,” he said in a telephone interview Jan. 4.

Working against Abe’s plan is the decade-long pattern of the yen strengthening alongside U.S. debt. Moves in the 10-year Treasury note and the yen were correlated 60 percent of the time in 2012 on a weekly basis, reflecting their roles as havens from risk. Since the start of the financial crisis in August 2007, the yen appreciated 33 percent against the dollar, while yields on 10-year U.S. government debt fell to 1.87 percent from 4.74 percent.

Good Investments

Japan bought $76.9 billion of Treasuries in September 2011 and $59.9 billion in November 2011, its two largest monthly purchases. The 10-year U.S. note yield plunged 0.31 percentage point to 1.92 percent in September 2011 as Europe’s sovereign debt crisis worsened, and in November 2011 dropped 0.05 percentage point to 2.07 percent.

These turned out to be good investments. Treasuries returned 2.1 percent in 2012, or 15 percent after accounting for the dollar’s gain against yen, according to EFFAS index data compiled by Bloomberg. Japanese government bonds gained 1.8 percent, with only Swedish government securities returning less among 26 sovereign debt markets tracked by the gauges.

Treasury yields and the value of the yen last fell in tandem between January 2000 and October 2001, as U.S. stock prices declined 21 percent from then-record highs and as the Fed lowered borrowing costs to address a recession. The currency depreciated to 122 per dollar from 103 as 10-year yields slid to 4.23 percent from 6.44 percent.

Timing Right

For Bernanke, the timing couldn’t be better. Yields have risen 49 basis points from the record low of 1.379 percent July 25 with a pickup in economic growth curtailing demand. U.S. GDP grew at a 3.1 percent annual rate in the third quarter, up from 2.7 percent in the previous three months, the Commerce Department reported Dec. 20.

With the economy improving “Treasuries are susceptible to higher yields” over the next 6 to 12 months, Gary Pollack, who oversees $12 billion as head of fixed-income trading at Deutsche Bank AG’s Private Wealth Management unit in New York, said in a Jan. 10 telephone interview. “The market will start pricing in that the Fed stops buying Treasuries as part of quantitative easing. Without the Fed you’d see higher yields.”

European Central Bank President Mario Draghi said last week the euro-area economy will slowly return to health in 2013 as the region’s bond markets stabilize after three years of turmoil. Chinese government data showed exports increased 14.1 percent in December from a year earlier, the most since May.

Europe, China

Japan raised its holdings of U.S. debt in 2012 by 7.2 percent to $1.13 trillion as of October and is on pace to again become the largest U.S. creditor since slipping to second place in September 2008. China owns $1.16 trillion. The Treasury Department’s next report on foreign ownership of U.S. securities, covering November, is due Jan. 16.

Overseas investors help reduce U.S. borrowing costs by absorbing about half of the $11 trillion of publicly traded debt. Foreign buyers benefit as the purchases help to weaken their currencies, making their exports cheaper than American goods.

The yen slid 11 percent in 2012, the most in seven years. It is still about 13 percent stronger than its 10-year average of 101.15. Domestic manufacturers want the currency to trade between 90 and 100, Hiroshi Tomono, president of Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp. said Jan. 7 in Tokyo.

Japan has been battling deflation for more than a decade, with consumer prices falling 0.1 percent each month on average over the past 10 years, causing shoppers to delay purchases. The nation’s economy contracted in the second and third quarters of 2012.

Purchasing Treasuries would “have the double benefit of allowing them to drive down the value of the yen and also better control any possible increase in yields of Japanese government bonds,” Brian Jacobsen, the chief portfolio strategist at Wells Fargo Funds Management in Menomonee Falls, Wisconsin, said Jan. 9 at Bloomberg’s headquarters in New York.

(新聞記事天左飛貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所


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by Hfurumura | 2013-01-19 23:31 | 日本政治

本人(プリンシパル)の意向に反した時、代理人(エージェント)は首を切られる

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 『日本政治の経済学―政権政党の合理的選択』(マーク・ラムザイヤー+フランシス・ローゼンブルース著、加藤寛監訳、川野辺裕幸+細野助博訳、弘文堂、1995年)という本があります。この本は、日本政治研究において、大変に重要な本です。政治学に、合理的選択(ラショナル・チョイス、Rational Choice)というアプローチがあります。これは、ある政治的な行動について、「個人は利益の最大化(プロフィット・マキシマイゼーションprofit maximization)のために行動する、合理的に(rational、ラショナル)行動する」と説明するアプローチであり、現在の政治学の世界では大きな勢力になっています。

日本政治は、こうした合理的な説明ではなく、文化とか伝統、慣習、もしくは、構造から説明するものというのが通念でしたが(日本政治研究が本格化したのは第二次世界大戦後、しばらく経ってからです)、欧米の合理的選択で説明できるとしたのが、『日本政治の経済学』です。

この本で使われている理論は、プリンシパル・エージェント理論(Principal-Agent Theory)と呼ばれるものです。プリンシパルを「本人」、エージェントを「代理人」と訳すこともあります。プリンシパルと呼ばれる個人や団体は、自分の利益を最大化するために、エージェント呼ばれる人を雇います。エージェントは、プリンシパルの利益を最大化するために行動し、報酬を得ます。

このように書くと、大変難しく感じますが、日本政治を使って説明すると次のようになります。有権者(私たち)は、利益を最大化するために、政治家(例えば国会議員)を使います。この場合、有権者はプリンシパルとなり、政治家はエージェントとなります。そして、政治家、特に与党の政治家の場合は、官僚を使って、利益が最大になるようにします。この場合、政治家がプリンシパルになり、官僚がエージェントになります。プリンシパルが使う人、エージェントが使われる人ということになります。

・有権者(プリンシパル)―政治家(エージェント)
・政治家(プリンシパル)―官僚(エージェント)

 『日本政治の経済学』のなかで、ラムザイヤーとローゼンブルースは、この理論を使って、日本政治を説明しています。そして、自民党の政治家たちが官僚たちを使っているというモデルを作りました。それまでの日本政治のモデルは、官僚主導モデルというもので、日本政治を本当に動かしている、力を持っているのは官僚たちなのだというものでした。

 このプリンシパル・エージェント理論で重要なのは、エージェンシー・スラック(Agency Slack)と呼ばれる問題です。これは、プリンシパルとエージェントの間で、情報の非対称性、具体的にはエージェントは情報を持っているのに、プリンシパルが情報を持っていない場合、エージェントが自分勝手に行動し、プリンシパルが求めたものと違う結果をもたらすことです。そのために、プリンシパルは、エージェントが自分の要求通りに動くように、アメと鞭、自分の期待通りに動いたら報酬、期待通りに動かなかったら罰を与える、ということになります。ラムザイヤーとローゼンブルースは、『日本政治の経済学』のなかで、自民党官僚たちの昇進をコントロールすることで、エージェンシー・スラックを避けようとしてきたと述べています。

 これを現在の日米関係に当てはめてみます。日本はアメリカの属国(トリビュータリ―・ステイト、tributary state)ですから、プリンシパルはアメリカ、エージェントは日本の安倍晋三首相ということになります。アメリカの国益を最大化するために、安倍首相は行動します。日本の国益のために行動する訳ではありません。そして、安倍首相はプリンシパルになって、側近や官僚たちがエージェントとなります。

・アメリカ―(ジャパン・ハンドラーズ)―安倍首相―側近・官僚

 ここで、アメリカと安倍首相との間にも、エージェンシー・スラック問題があります。アメリカの意向通りに安倍首相が動かない場合、エージェンシー・スラック問題が起こります。

 以下のウェブサイト「プロジェクト・シンディケート(Project-Syndicate)」に、2012年12月27日付で、安倍首相の論文「アジアの民主国家による安全保障のダイアモンドを作る(Asia’s Democratic Security Diamond)」というタイトルの論文が掲載されています。この論文の存在は、新進気鋭の政治評論家である中田安彦氏に教えていただきました。(アドレスはこちら→
http://www.project-syndicate.org/commentary/a-strategic-alliance-for-japan-and-india-by-shinzo-abe)

 この論文のなかで、安倍首相は、日本が主導して、韓国、インド、オーストラリア、遠くはイギリスやフランスを巻き込んで対中国包囲網を形成すること、東シナ海と南シナ海の海上航行の自由を確保するために、日本が中国と対峙することを主張しています。

 この安倍氏の、対中国強硬姿勢、ジンゴイズム(Jingoism)をアメリカはどれだけ望んでいるのか疑問です。アメリカは中国から国債も買ってもらっているし、経済関係も緊密です。世界覇権国の地位を脅かされるという不安はありながら、ソ連のように、ただ敵対すればよいというものでもありません。安倍氏については、太平洋戦争中の日本軍の行動に関して、歴史を書き変えようとする歴史修正主義(リヴィジョニズム、revisionism)があり、アメリカとしては、決して、「優秀な」エージェントという訳でありません。

 安倍氏個人が「優秀な」エージェントであっても、今度は彼がプリンシパルになって使う側近や官僚たちが「優秀な」エージェントでなく、安倍氏に彼らを抑える力がなければ、安倍氏の期待通りに動かないどころか、暴走することもあります。そうすると、アメリカから見れば、安倍氏が失敗した、エージェンシー・スラックが起きたと見なされるのです。そうなると、安倍氏には罰が与えられます。それは恐らく「辞任」ということでしょう。

 このように見ていくと、安倍氏が「低姿勢(ロー・ポスチュア、low posture)」でスタートしたのは彼にとって良かったと言えますが、いつアメリカから、「暴走した、期待外れだった」ということで首を切られるか分かりません。そう考えると、日本の首相の座というのも安泰ではないし、苦しい仕事なのだろうということが分かります。

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2013-01-15 20:04 | 日本政治

いよいよ本性を現してきた米政翼賛会③

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 安倍晋三首相は、今月(2013年1月)中の訪米を模索してきました。しかし、アメリカ側も、オバマ大統領の就任式が21日にあり、また、主要な国務、国防、財務格長官の交代もあり、日本の首相の訪問を受け入れるだけの余裕がないようです。そこで、来月2月の訪米を安倍首相は考えているようです。今月末に通常国会が始まり、来年度予算を審議する中で、なんとか時間を作ってもらってアメリカに(参勤交代で)行きたいようです。

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 以下に転載貼り付けした新聞記事にもありますが、安倍首相は、訪米の際に、日本の集団的自衛権(ライト・オブ・コレクティブ・ディフェンス、right of collective defense)の容認に向けての議論を加速させる意向をアメリカに伝えたいとしています。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「首相、集団自衛権の議論加速 訪米で伝達へ」
47ニュース 2013年1月13日
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011301001168.html

 安倍晋三首相は13日午前、NHK番組に出演し、2月で調整中のオバマ米大統領との首脳会談で、集団的自衛権行使を容認する憲法解釈見直し議論の加速方針を伝える意向を明らかにした。環太平洋連携協定(TPP)交渉参加の表明には慎重な姿勢を示し「まだ状況分析が十分ではない。精査、分析し判断したい」と述べた。

 集団的自衛権行使容認に関し「安倍政権の大きな方針」とした上で「このことで日米同盟がどう変わるか、地域がどう安定するか議論したい」と強調した。

2013/01/13 11:18 【共同通信】

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 集団的自衛権とは、国連憲章(Charter of the United Nations)で認められた、自衛権の一種です。以下にインターネットで見られる解説と合わせて引用します。

(引用はじめ)

国連憲章第51条
「この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。(Nothing in the present Charter shall impair the inherent right of individual or collective self-defence if an armed attack occurs against a Member of the United Nations, until the Security Council has taken measures necessary to maintain international peace and security. Measures taken by Members in the exercise of this right of self-defence shall be immediately reported to the Security Council and shall not in any way affect the authority and responsibility of the Security Council under the present Charter to take at any time such action as it deems necessary in order to maintain or restore international peace and security.)」

==========

集団的自衛権とは:

 国連憲章第51条で加盟国に認められている自衛権の一。ある国が武力攻撃を受けた場合、これと密接な関係にある他国が共同して防衛にあたる権利。

◆日本は主権国として国連憲章の上では「個別的または集団的自衛の固有の権利」(第51条)を有しているが、日本国憲法は、戦争の放棄と戦力・交戦権の否認を定めている(第9条)。政府は憲法第9条について、「自衛のための必要最小限度の武力の行使は認められている」と解釈し、日本の自衛権については、「個別的自衛権は行使できるが、集団的自衛権は憲法の容認する自衛権の限界を超える」との見解を示している。

※デジタル大辞泉のアドレスはこちら→
(http://kotobank.jp/word/%E9%9B%86%E5%9B%A3%E7%9A%84%E8%87%AA%E8%A1%9B%E6%A8%A9)

(引用終わり)

 集団的自衛権は、ある国が攻撃を受けた時、同盟を結んでいる、もしくは密接な関係を結んでいる別の国が共同して防衛行動を取る権利のことです。具体的には、日本はアメリカと安全保障条約を結んでいるので、「密接な関係」にありますので、アメリカへの攻撃は自国への攻撃と考え、アメリカと共同して防衛行動を取るということになります。

 しかし、日本政府は、日本国憲法第9条に基づいて、「個別的な」自衛権は行使できるが、集団的な自衛権は行使できないという見解を出しています。安倍首相は、ここの部分を変えたいと考えています。アメリカへの攻撃を日本への攻撃とみなし、アメリカと共同して行動ができるようにしたい、自衛隊を日本国領外でも、アメリカの下請けで行動できるようにしたいと考えているようです。

 更に言えば、日本政府が禁止という見解を出している集団的自衛権の改正(容認)をアメリカは求めています。アメリカのジャパン・ハンドラーであるマイケル・グリーン(Michael Green)が昨年に発表した論稿をこのブログ(「マイケル・グリーンのご神託:野田も安倍も同じだ②」2012年11月29日 http://suinikki.exblog.jp/18935190/)でご紹介しました。この論稿の中で、マイケル・グリーンは日本の集団的自衛権について次のように書いています。

(引用はじめ)

日本には戦略があるのか?(Does Japan Have a Strategy?)

マイケル・J・グリーン(Michael J. Green)筆
ナショナル・インタレスト誌(National Interest)
2012年11月28日

 昨年(2011年)、野田総理は日本の武器輸出三原則を緩和することを発表した。そして、野田総理の防衛に関する諮問委員会は、集団的自衛行動の禁止を撤廃することを提言した。集団的自衛行動を認めることで、自衛隊はアメリカ軍との共同行動に参加できるようになる。アメリカと同盟を結んでいるNATOやオーストラリアと同じことができるのだ。日本の首相は集団的自衛権があることを認め、それを発動する力を持っている。それは、日本国憲法第9条(「平和条項」)の再解釈が必要なだけだ。日本国憲法の改正は困難であるが、それをする必要はない。日本の海上自衛隊は、アラビア海で交戦規定に沿って活動している。彼らは、海賊から攻撃を受けた友軍を助けるために武力を使うことを許されている。法律的に言えば、海賊は犯罪者であり、国家ではないということになる。政治的な可能性の世界での話となるが、次のステップは、日本の自衛隊がアメリカやその他の同盟諸国の軍隊と共同作戦が行える能力を促進するということになる。

(引用終わり)

 安倍首相は、今のところ、TPPについては慎重な姿勢を崩していませんが、TPPと同様に重要な集団的自衛権の容認については、積極的に進めようとしています。この集団的自衛権容認は、自衛隊の日本国外での防衛行動(武力行使)への道を拡大することであり、アメリカ軍の下請け化を進めるものです。アメリカとしても、アジア・太平洋地域での秩序維持の負担を日本に押し付けようとしています。このように日本の国益にもならないこと(アメリカの国益にはかなう)を熱心に進めるのが安倍政権であり、米政翼賛会です。またしても彼らの本性が良く現れたニュースを見ましたので、皆さんにご紹介いたします。

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2013-01-14 17:27 | 日本政治

ここまで対立的な姿勢を示して「友好関係を築く」などと言えるのか:貧乏くじをひかされている日本

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 安倍晋三首相の外交姿勢を示す新聞記事が昨日から今日にかけて読売新聞(安倍政権応援・CIA機関紙のような役割を果たす新聞)に掲載されましたのでご紹介します。これらを読むと、日本が積極的に世界に呼びかけて、主導的な立場で、中国封じ込めを行おうとしていることが分かります。日本が世界の外交の場で何か主導的な役割を果たすことはこれまでほとんどありませんでした。しかし、安倍政権は、「お勇ましい」外交姿勢を示しています。フィリピンやNATOを巻き込んで対中国包囲網を形成するというのは、攻撃的な姿勢としか言いようがありません。

 日本が何か主体的に外交の場で動くということは、残念ながらあり得ません。日本にそこまでの外交力はないですし、何より、「外交とはアメリカの望む方向に進めるものだ」というのが官民に染み込んでしまっています。安倍政権の攻撃的な外交姿勢も、アメリカの「望む」範囲で行われていることです。

 日本がいちばんの貧乏くじをひかされています。日本が日中関係の改善を犠牲にさせられて、中国と対峙させられているのです。中国の台頭を一番恐れているのは、世界覇権国(ヘジェモニック・ステイト、hegemonic state)の地位を脅かされるアメリカです。アメリカは中国の台頭を抑えたいと考えています。しかし、同時に中国は重要な貿易相手国であり、アメリカ国債を買ってくれるお得意さまです。米中関係を悪化させることをアメリカは望んでいません。

 しかし、中国を何とか牽制したいというのもアメリカの願いです。アメリカの願いにとって都合の良い国があります。それが日本です。地理的に中国をふさぐ位置にあり、歴史的に関係がしっくりいかないのが日本です。そこで、中国をけん制する「猟犬」のような役割(アメリカは直接やりたくない嫌な仕事)を日本にさせようというのです。アメリカは傍観者、中立のふりをして、事態がエスカレートしたところで間に入るなどして、日中両国に恩を売る、貸しを作ることで、アジア・太平洋地域での主導権(イニシアチブ)を握るという戦略のようです。これは、英語で言うと、オフショア・バランシング戦略(Offshore Balancing Strategy)と言います。私たち日本人にもっとわかりやすく言うと、「漁夫の利を得る」ということになります。

 もっとうがった見方をすれば、中国も致命傷を与える銃や武器を持っている「猟師」であるアメリカと直接事を構えるよりも、「猟犬」である日本と争っている方がまだましと考えているかもしれません。「猟犬」はしっかりしつけられていて、何より、猟師の言うことに絶対服従ですし、獲物に致命傷を与えるという能力を持っていません。

 「アメリカを相手にするよりは目障りではあるが、日本を相手にしていた方がまだましだ。私たち中国はまだアメリカと直接事を構える段階ではない。だから、絶対にアメリカとはやらない。しかし、アメリカが日本という“猟犬”を仕掛けてくるのは、仕方がないから適当に相手をしておこう」というのが中国の姿勢ではないかと思います。

 安倍晋三首相は、価値観外交を唱えています。価値観外交とは、自由、基本的人権、民主政治(デモクラシー)といった価値観を共有する国々で連携して、中国を封じ込めるというものです。これは麻生財務相の「繁栄の弧」と言う考え方も入っているでしょう。いい気になって、「みんな、集まれー。中国をみんなでやっつけようよ」と一生懸命呼びかけているうちはいいですが、そのうち、「あの猟犬も邪魔になったな」ということになれば、一晩のうちに手のひら返しをされて、まるでオセロで多くの駒の色がひっくり返るように、地滑り的な総選挙の結果のように、孤立するという結果に陥ることになるでしょう。

 日本が何か主導的な立場で外交をやらされると、それが日本の犠牲(国益の無視)を伴うということがこれでよく分かります。日本がアメリカの属国である以上、それは仕方がないことです。ですから、できるだけ「猟犬」としては無能な、「何もしない」駄犬でいることが、実は国益を損なわないということになるのではないかと私は考えます。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「中国の進出懸念…首相、NATO事務総長に親書」
読売新聞電子版 2013年1月12日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130112-OYT1T00549.htm?from=top

 安倍首相が、北大西洋条約機構(NATO)のラスムセン事務総長に親書を送り、中国の海洋進出に対する懸念を伝えて連携強化を求めることが12日、明らかになった。

 首相は親書で、中国による尖閣諸島(沖縄県)周辺での領空・領海侵入を念頭に、「中国の海洋進出の活発化と北朝鮮の動向などにより、東アジアの安全保障環境は厳しさを増している」と指摘。日本が東アジア地域の安定と繁栄に積極的役割を果たす考えを表明する一方、東アジアの「戦略的環境の変化」について、NATO側に認識の共有を呼びかける考えだ。

 親書は、15~19日に英国、フランス、ベルギーを訪問する自民党の河井克行衆院外務委員長を通じてラスムセン氏に届けられる予定だ。(2013年1月12日15時25分 読売新聞)

●「海上安保の連携強化で一致…日比外相が会談」
読売新聞電子版 2013年1月11日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130110-OYT1T01161.htm

 【マニラ=伊藤徹也】岸田外相は10日、訪問先のフィリピンでデルロサリオ外相と会談し、海洋権益拡大の動きをみせる中国を念頭に、海上安全保障の連携を強化することで一致した。

 フィリピンは南シナ海のスカボロー礁問題で、日本は尖閣諸島(沖縄県石垣市)を巡る問題でそれぞれ中国と対立している。

 会談ではデルロサリオ氏が、中国に対する懸念を表明、岸田氏は尖閣諸島についての日本の立場を説明した。連携強化策として、フィリピン沿岸警備隊への巡視船供与などの協力を加速させることを確認した。(2013年1月11日10時57分 読売新聞)

●「首相、中国の尖閣対応「国として間違っている」」
読売新聞電子版 2013年1月11日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130111-OYT1T00653.htm?from=popin

 安倍首相は11日午前の記者会見で、沖縄の尖閣諸島を巡る中国側の対応について、「政治的目的を達成するために、日系企業に被害を与えたり、個人に危害を与えることは、国際社会で責任ある国家としては間違っているとはっきり申し上げたらいい」と述べ、批判した。

 首相は会見の中で、尖閣諸島を巡る問題について、「交渉する余地はない」と改めて強調したうえで、両国の立場の違いを踏まえ、「そういう関係を尊重するというのが戦略的互恵関係だ。戦略的互恵関係に立ち戻って、日中関係を改善していきたい」と述べた。(2013年1月11日14時09分 読売新聞)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2013-01-12 17:58 | 日本政治

いよいよ本性を現してきた米政翼賛会②

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 本日、午前中に緊急経済対策に関する記者会見を行った安倍晋三首相は、午後、大阪を訪れ、松井一郎大阪府知事・日本維新の会幹事長、橋下徹大阪市長・日本維新の会代表代行と会談を行いました。以下に、会談の様子を報じた新聞記事を3本掲載します。

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 安倍晋三首相と橋下徹市長は、以前から交友関係があり、教育改革に関しては、一致した考えを持っていました。今回の会談では教育に関する話題が出たのかどうか、以下の記事からは分かりませんが、自民党と維新の会が部分連合を形成して、今月末からの国会に望むという方向性が打ち出されたようです。

 以下の記事で特に重要なのは1つ目の記事で、橋下氏が竹中平蔵氏に期待する、という趣旨の発言をしたところです。ここに橋下氏、維新の会、自民、そして米政翼賛会(私の造語で、日本の国益ではなく、アメリカの国益のために動く自民、公明、維新、みんな、民主党の一部のこと)の裏に、竹中平蔵氏がいることが明らかになりました。

 竹中氏は、この前の総選挙での日本維新の会の候補者選定の責任者を務めていました。その人物が今度は、安倍政権下で新しく設置された産業競争力会議の委員となりました。第二次安倍内閣、そして米政翼賛会をリードしているのは竹中平蔵氏だと考えることが自然でしょう。そして、橋下氏が敢えて、出さなくても良い竹中氏の名前を安倍首相との会談の中で出した。このことは大変重要です。

 米政翼賛会は、まだその(そしてアメリカの)最終目標である憲法改正と集団的自衛権の容認を達成するまでには至っていませんが、財政出動と金融緩和で人気を上げて、今度の参議院議員選挙での大勝利を狙っています。自民、公明、維新、みんなで80議席から90議席ということなると、米政翼賛会が両院で3分の2以上を占めてしまうという結果になりかねません。

 今朝、安倍首相が発表した緊急経済対策ですが、これは、消費税増税のための方便にしかすぎません。大規模な財政出動と金融緩和でむりやり景気を引き上げて、「景気が回復したので、消費税や他の税金(法人税は除く)を引き上げて、プライマリーバランスを黒字にします」というシナリオになっています。人々にお金が回る前に増税になってしまえば、消費の落ち込みは避けられません。見せ掛けだけの景気回復のために、政府が出したお金は増税で回収され、その後、私たちには重い税負担だけが残されるということになります。

 増税で政府に入るお金、私たちがいじましいほどの努力で節約し貯めた、貯金や預金はどこにいくのでしょう。それはアメリカに貢がされることになります。そのために、米政翼賛会があり、竹中平蔵氏がいるのです。

 最後に、今回の会談が公党同士の話ということになると、日本維新の会の代表である石原慎太郎氏が姿を見せなかったのが気になります。石原氏が東京で国会議員団を取りまとめるが、決定権は大阪の橋下市長にあるということになるのなら、日本維新の会の分裂は避けられません。この動きも註していく必要があるようです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「規制緩和で橋下氏が「竹中平蔵氏に期待」」 
2013.1.11 13:53  MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130111/waf13011113540023-n1.htm

 安倍晋三首相との11日の会談で、日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長は冒頭、首相が規制緩和実施に向けて意欲を示したのを受け、「大胆な金融緩和というか、構造改革が必要ということで、会議に竹中平蔵先生も入られたので非常に期待している」と期待感を表明。

 また、「規制緩和は本当に交渉してもなかなか進まない」と、大阪の医療産業に関する現状を紹介。「東京と大阪のツインエンジンということで、特に大阪は創薬医療技術が集積しているが、承認機関が東京にしかない。大阪にもつくってほしいとずっと言っているが実現しない」などと訴えた。


●「「大阪のエンジンたる松井知事、橋下市長」 首相が両氏持ち上げ」
2013.1.11 13:17
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130111/waf13011113190018-n1.htm

11日午後、大阪市内のホテルで始まった安倍晋三首相と日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長、同幹事長の松井一郎大阪府知事の会談。首相を迎えた橋下市長と松井知事は「今日はわざわざありがとうございます」と述べ、会談は和やかな雰囲気で始まった。

 首相は冒頭、「朝、閣議で緊急経済対策をとりまとめて予算が10兆円、20兆円の事業規模」と説明。「今日も記者会見で言ったが、東京と大阪は成長のエンジンです。エンジンたる松井知事さんと橋下市長とお目にかかって現状を伺い、要望も伺いたい」と大阪と東京のツインエンジンで日本経済を牽引(けんいん)したいとの考えを示した。


●「首相、部分連合へ手応え 日本維新、補正に協力」
2013.1.11 47ニュース
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011101001979.html

 日本維新の会の橋下徹大阪市長は11日午後、安倍晋三首相との会談で、緊急経済対策を盛り込んだ2012年度補正予算案の次期通常国会での早期成立に協力する考えを伝えた。首相は会談後、日本維新と政策ごとに連携する「部分連合」構築に手応えを示した。

 今回は参院選に向けた具体的な協力や憲法改正は取り上げなかったとしているが、将来的な連携に向け一歩を踏み出した格好だ。

 首相は橋下氏との会談後、視察先の神戸市で記者団に「さまざまな規制や課題を突破する熱意を感じた。同意できるところもあったので協力していきたい」と強調した。
2013/01/11 18:57 【共同通信】

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2013-01-11 20:46 | 日本政治

属国メディアのいじましさを教えてくれる産経新聞の記事

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社



 今日の産経新聞の記事に興味深い記事がありましたので、ご紹介します。この記事の筆者である佐々木類氏は怒っています。佐々木氏は、ニューヨーク・タイムズ紙(NYT)が2012年1月3日に掲載した論説記事(editorial)で、安倍晋三首相を「右翼の民族主義者」(英語の原文ではa right-wing nationalist)と呼んだこと、安倍氏が「河野談話」(1993年)の見直しをしようとしている安倍氏を酷評していることに怒っています。また、日本軍による従軍慰安婦募集の際に強制があったことを示す証拠がないにもかかわらず、強制性を認めてしまった「河野談話」に怒り、談話を出せば事を荒立てないと言いながらそれを反故にした韓国政府に怒り、「河野談話」が日本叩きの材料になっていると言って怒っています。全体としては、NYTの日本叩きに怒っています。

 NYTの記事を読んでいなかったので(お恥ずかしい限りです)、早速読んでみました。NYTの記事では、産経新聞が安倍氏に行ったインタビューが引用されています。安倍氏応援団の産経新聞が自社の記事を安倍氏批判に使われたら、それは頭にくるであろうということは分かります。味方の足を引っ張る味方というのが、一番始末に負えないものですから。

 NYTはロイターの記事を引用しています。ロイターは産経新聞による安倍氏へのインタビューの内容を伝えています。安倍氏は、「①1995年の村山談話を見直したい、②第一次政権時に調査したところ、従軍慰安婦について強制性がなかった」と述べています。また、NYTの記事によると、菅義偉官房長官は、記者会見で、「安倍首相は1995年の村山談話は見直さないが、1993年の河野談話は見直すこともあると示唆した」とあります。

 1995年の村山談話は終戦から50年目の節目に、より広範な謝罪の意を表明しています。NYTの記事では、村山談話は、「『植民地支配と侵略を通じて』、日本は『多くの国々、特にアジア諸国の人々に対して、甚大な被害と苦しみ』を与えた(“through its colonial rule and invasion,” Japan had caused “tremendous damage and suffering to the people of many countries, particularly to those of Asian nations.”)」としています。1993年の河野談話についてNYTは、「日本政府は、最終的に、当時の日本軍が、軍が運営する売春宿で数多くのアジア諸国とヨーロッパ諸国の女性隊をレイプし、奴隷化したことを認めた。そして、このような残虐行為に対して、初めて全面的な謝罪を表明した(Japan finally acknowledged that the Japanese military had raped and enslaved thousands of Asian and European women in army brothels, and offered its first full apology for those atrocities.)」としています。

 産経新聞の佐々木氏は、1993年の河野談話について怒っており、今回の記事では、村山談話については全く言及していません。これは、「日本が先の大戦で世界の多くの国々に迷惑をかけた」という、世界と日本の戦後体制の基礎となる考え方は、受け入れるということです。その上で、「日本やアジア、ヨーロッパの女性たちに強制して、従軍慰安婦にはしなかった、給与を渡して女性たちを雇用したのだ。女性たちは自発的に従軍慰安婦になった」という主張をし、それを否定する見解の河野談話に対して、産経新聞の佐々木氏は怒っています。加えて、河野談話があるせいで、ことあるごとに日本叩きの材料に使われるとして怒っています。

 このNYTの記事は、安倍氏の歴史修正主義的(リヴィジョニスト、revisionist)傾向にくぎを刺すための記事であると言えます。集団的自衛権を認めるなど、自衛隊の米軍下請化は進めるべきだが、安倍氏が調子に乗って、歴史を見直すようなことは許さないということです。日本の戦争責任がぐらつくことは、アメリカの戦後体制の基礎がぐらつくことであるし、アメリカ側と歴史の整合性が取れなくなることは、アメリカの全ての勢力が反対するでしょう。

 産経新聞の佐々木氏は、このような身勝手なアメリカやそのお先棒のNYTに対して怒っているというよりは、日本のリベラル派に怒っているということになります。このような複雑な怒りの表明は、まさに属国的です。NYTやその裏にあるアメリカに対して怒りを表明できないので、同じ日本人のリベラル派に対して怒りを見せる。本当は、アメリカに「うるせぇな、そんな事実は本当はないんだよ」と啖呵を切りたいが、そうもいかない。安倍氏が親米である以上、自分たちも親米でなければならない。しかし、アメリカからごちゃごちゃ言われて頭に来たが、その材料を作ったリベラル派に怒りをぶつけるという構図がここにあります。

 産経新聞の佐々木氏は河野談話について怒っていますが、記事の中では「見直せ、撤回しろ」とまでは書いていません。そのように思っていることは、「言外の含み」で痛いほどわかりますが、それを文字として書いていません。ここにもまた属国のメディアとしての悲しみがあります。

 産経新聞も威勢が良いようで、実はいじましいほどに気を使っていることがよく分かる記事でありました。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

【外信コラム】
ポトマック通信 「談話」のツケ重く
2013.1.11 03:13 [外信コラム] MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130111/amr13011103140000-n1.htm

 米紙ニューヨーク・タイムズがひどい。一党独裁で言論の自由がない中国や北朝鮮ではあるまいし、民主国家日本の首相を「右翼の民族主義者」呼ばわりし恬(てん)として恥じないのだ。

 同紙は今月3日、「歴史を否定する新たな試み」と題し、旧日本軍による慰安婦募集の強制性を認めた河野談話に関し、有識者による再検討の必要性に言及した安倍晋三首相を口を極めて酷評した。

 当時、官房副長官として河野談話作成に深く関わった石原信雄氏は、証拠はないが謝罪した方が得だと判断したと私にかつて語った。韓国政府が非公式に「強制性を認めれば事を荒立てない」と伝えてきたからだ。だが韓国政府がその後も態度を変えなかったため、石原氏はだまされたと悔やんだが、後の祭りだった。

 証拠もなく、閣議決定も経ないまま、河野談話が発表された平成5年8月4日の翌日、宮沢内閣は総辞職している。前年の1月13日には、慰安婦問題への軍の関与に言及した加藤紘一官房長官談話が発表されている。3日後、首相の宮沢喜一氏が訪韓し、談話は手土産にされた。事実より政治決着を優先させたのだ。ニューヨーク・タイムズは経緯をどこまで調べて批判しているのか知らないが、談話は日本叩(たた)きに利用され続けている。(佐々木類)


Editorial

Another Attempt to Deny Japan’s History

Published: January 2, 2013
New York Times
http://www.nytimes.com/2013/01/03/opinion/another-attempt-to-deny-japans-history.html?_r=0

Few relationships are as important to stability in Asia as the one between Japan and South Korea. Yet Japan’s new prime minister, Shinzo Abe, seems inclined to start his tenure with a serious mistake that would inflame tensions with South Korea and make cooperation harder. He has signaled that he might seek to revise Japan’s apologies for its World War II aggression, including one for using Koreans and other women as sex slaves.

In 1993, Japan finally acknowledged that the Japanese military had raped and enslaved thousands of Asian and European women in army brothels, and offered its first full apology for those atrocities. A broader apology by Prime Minister Tomiichi Murayama in 1995 conceded that “through its colonial rule and invasion,” Japan had caused “tremendous damage and suffering to the people of many countries, particularly to those of Asian nations.”

In an interview with the Sankei Shimbun newspaper, Mr. Abe, a right-wing nationalist, was quoted by Reuters on Monday as saying he wants to replace the 1995 apology with an unspecified “forward looking statement.” He said that his previous administration, in 2006-7, had found no evidence that the women who served as sex slaves to Japan’s wartime military had, in fact, been coerced. However, at a news conference last week, the chief cabinet secretary, Yoshihide Suga, said that Mr. Abe would uphold the 1995 apology but hinted he may revise the 1993 statement.

It is not clear how Mr. Abe, the leader of the Liberal Democratic Party of Japan, might modify the apologies, but he has previously made no secret of his desire to rewrite his country’s wartime history. Any attempt to deny the crimes and dilute the apologies will outrage South Korea, as well as China and the Philippines, which suffered under Japan’s brutal wartime rule.

Mr. Abe’s shameful impulses could threaten critical cooperation in the region on issues like North Korea’s nuclear weapons program. Such revisionism is an embarrassment to a country that should be focused on improving its long-stagnant economy, not whitewashing the past.

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所


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by Hfurumura | 2013-01-11 16:02 | 日本政治

いよいよ本性を現してきた米政翼賛会:自民・維新の連携が本格化

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 昨年12月16日の総選挙の投開票前から、私はツイッター上で、「米政翼賛会」という言葉を使ってきました。この言葉は、自民、公明、維新、みんな、民主の一部が、アメリカの国益に沿った形で日本政治を動かすことを表現したものです。戦前の大政翼賛会をもじって作りました。私は選挙戦期間中、「自民党を中心とする米政翼賛会が議会で圧倒的な議席数を確保することを止めなければならない」と、なんの力もないタダの庶民ですが、考えていました。しかし、現実には自公だけで議席数の3分の2以上を占めるという状況になりました。

 維新やみんなに関しては、「第三極」という言葉が使われていました。これは、自民党でも民主党でもない、第三の勢力を意味する言葉でした。しかし、私は、自民党、特に安倍晋三総裁の主張と、日本維新の会の石原慎太郎代表、橋下徹代表代行の主張との間に似ている点が多いことから、維新は「第三極」ではなく、自民党の補完勢力、公明党に代わる補完勢力になると考えてきました。また、みんなの党に関しては、バックが日本維新の会と重なるところから、同様の、自民党の補完勢力であると考えています。

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 いよいよ通常国会の開会も近づき、自民党と維新が連携を開始しようとしています。安倍総理大臣と橋下大阪市長が11日に会談をすることになりました。ここで協力関係が決まれば、維新の議員たちは橋下市長の号令一下、自民党と共同歩調を取ることになります。協力して行われることは、憲法改正、集団自衛権の禁止の撤廃、教育改革が含まれることは確実です。これらは日本国民の利益ではなく、アメリカの利益のためになされることです。

 いよいよ米政翼賛会が本書を現してきました。維新は自民党に対してそっけないふりをし、野党共闘のようなフェイクをかましてきました。しかし、実際には、自民党の補完勢力であり、米政翼賛会の一部であることがはっきりしてきました。この動きは益々活発化し、公明党に取って代わり、与党の仲間入りをすることも可能性として出てきました。

 これからますます厳しい状況になっていくでしょう。それでも私たちは、失敗をしても何をしても続けていくべきこと、繰り返していくべきことはただただやり続けなければなりません。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「「維新と連携可能」菅官房長官、首相と橋下氏が11日に会談」
2013.1.9 11:54 [west政治] MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130109/waf13010911570014-n1.htm

 日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)と松井一郎幹事長(大阪府知事)が11日、大阪市で、安倍晋三首相と会談することになった。首相は近くまとめる緊急経済対策を踏まえた平成24年度補正予算案や日銀総裁の同意人事など国会審議で協力の可能性を探る意向とみられ、橋下氏も衆院選挙後の昨年末、安倍政権誕生について「同じ考えのところは力を合わせたい。何でも反対ではない」と述べ、政策ごとに協力する考えを示していた。

 これに関連し、菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で、維新との連携に関し「憲法改正や道州制について、政策ごとに理解を得て進めることができる」と述べた。

 首相と橋下、松井両氏は教育や憲法改正の要件緩和などで主張が近い。会談は維新との距離を縮め、夏の参院選に向け野党共闘にくさびを打つ狙いもありそうだ。

 また、来阪する首相は、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京都大教授と面会し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究施設を視察する予定という。

●「安倍再登板を促した2.26居酒屋会談」
2013.1.7 14:09 (1/2ページ) MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130107/edc13010714110000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130107/edc13010714110000-n2.htm

 「私は以前から安倍さんのファンなんですよ」。昨年2月26日夜、大阪市内の居酒屋。安倍晋三氏にそう話したのは、大阪維新の会の幹部だ。

 安倍氏と維新幹部を引き合わせたのは日本教育再生機構の八木秀次理事長。安倍氏を挟んで八木氏と安倍氏側近の衛藤晟一(えとう・せいいち)参院議員(現・首相補佐官)が座った。向かい側には松井一郎大阪府知事(現・日本(にっぽん)維新の会幹事長)、馬場伸幸堺市議会議長(現・維新衆院議員)、中田宏前横浜市長(現・維新衆院議員)。

 この日開かれた日本教育再生機構の「教育再生民間タウンミーティングin大阪」で安倍氏は、維新の教育基本条例制定の動きを評価し「教育再生は道半ばです。私も同志の皆さんと頑張ります」と発言。松井氏も安倍氏の教育政策を称賛し、意気投合していた。その打ち上げが居酒屋会談だ。

 維新側出席者は「私たちは安倍さんがやり残したことを大阪でやろうとしているんです。だからブレーンも同じです」と何人かの名前を挙げた。安倍氏は「確かにそうだね」と応じた。衛藤氏が首相への再登板を促すと、安倍氏は否定しつつも、まんざらでもない表情を見せた。この顔合わせがきっかけになって、安倍氏は間もなく橋下徹大阪市長(現・日本維新の会代表代行)とも初めて会談した。

「安倍再登板の原点は大阪での『2.26居酒屋会談』。あのころから安倍さんに元気が戻り、政界の中で『過去の人』ではなくなってきました」と、関係者は話す。

 日本教育再生機構は第1次安倍内閣の教育再生政策を民間でリードするため発足し、教育再生会議への提言などを行った。安倍氏の辞任後も再登板を信じ、改正教育基本法に則した中学校歴史・公民教科書や『13歳からの道徳教科書』(いずれも育鵬社)の発行など、安倍氏の理念を実現してきた。安倍氏はその活動を頼もしく感じ、さらに維新の面々に会って勇気づけられたのだ。

 別の関係者は「安倍さんは自民党内の一部勢力より、維新にいる政治家に親近感を抱いているはず」と語る。

 夏の参院選後に憲法改正問題などで自民党と維新の連携が行われれば、国家観に基づく真の政界再編につながるかもしれない。(渡辺浩/SANKEI EXPRESS)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2013-01-09 20:31 | 日本政治

安倍政権の「価値観外交」とオバマ政権のPivot to Asia

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社



 安倍晋三首相が国会で総理大臣に指名され、安倍内閣が発足しました。安倍政権は、来年(2013年)7月の参議院議員選挙までは、経済に力を入れていくという観測が流れています。しかし、外交で何もしないということはありません。早速、外交についての基本的な方針が示され、行動が起こされています。まずは以下に貼り付けた新聞記事をご覧ください。

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(貼り付けはじめ)

●「首相、日米軸に「価値観外交」…アジア連携重視」
読売新聞電子版 2012年12月29日
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20121229-OYT1T00441.htm

 安倍首相が読売新聞との単独インタビューで語った外交方針は、第1次安倍内閣(2006年9月~07年9月)当時に掲げた「価値観外交」を、厳しさを増す安全保障環境に応じてさらに発展させるものだ。

 首相は国益重視の立場から、民主党政権で揺らいだ外交を早急に立て直す考えだ。

 「自由、民主主義、基本的人権。こうした価値観を共有する国との関係を深め、価値を広げていく。この理念に変わりはない」

 首相は28日のインタビューでこう語り、インドや豪州など価値観を共有する国と連携を強化する価値観外交の推進を強調した。

 さらに「アジア情勢が緊迫している。北朝鮮のミサイル、中国の海洋での振る舞いがある」とし、北朝鮮の問題に加え、沖縄県の尖閣諸島を巡る問題など中国の挑発的行動に懸念を表明。「2国間関係だけをみるのではなく、地球儀全体を俯瞰ふかんしながら戦略を考えるべきだ」と指摘した。

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 首相は言葉通り、28日には豪印露、インドネシア、ベトナムなどの首脳と相次いで電話で会談。首相周辺は「これらの地域の大国を結ぶと、中国をすっぽりと取り囲む形になる」と解説する。「中国包囲網」を連想させることで、中国に外交的な圧力をかける狙いもあったようだ。

 第1次安倍内閣では、東南アジアや中央アジアなどの民主主義国を支援する「自由と繁栄の弧」構想をもとに価値観外交を推進し、アフガニスタンなどの地域の安定化や、日本としての資源の確保を目指した。首相側近は当時と比較して、「軍事力を増す中国が南シナ海や東シナ海で挑発行為を繰り返して地域の不安定要因となっている点が大きく違う。沖縄県の尖閣諸島を巡る問題で日中も緊張関係にある」と指摘。この間、民主党の鳩山政権が「東アジア共同体」構想を唱え、日米同盟やアジア外交を迷走させたこともあり、対中戦略を重視した外交の立て直しが急務だとしている。

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 首相は価値観外交で日本の外交基盤を強めたうえで、中国との間で互いに共存共栄を図る「戦略的互恵関係」を追求し、日中関係の改善を図りたい意向だ。

 さらに、ロシアやインド、ベトナムなどとの関係強化は、経済的な利益につながる可能性が高い。資源の確保や高い技術を持つ日本のインフラなどの輸出先として期待できる点も重視しているとみられる。(2012年12月29日16時02分 読売新聞)


●「麻生氏、年明けにミャンマー訪問 大統領と会談」
共同通信 2012年12月29日
http://www.47news.jp/CN/201212/CN2012122801001995.html

 麻生太郎副総理兼財務相が1月2日からミャンマーを訪問することが28日、分かった。3日にテイン・セイン大統領と首都ネピドーで会談する。経済発展が著しいミャンマーとの関係を強化、日本企業の進出を後押しする。安倍新政権の外交が本格的にスタートする。

 麻生氏はウィン・シェイン財務・歳入相との会談も調整している。4日に最大都市ヤンゴン近郊の「ティラワ経済特区」を視察し、地元企業や日系企業と意見交換する。第2次世界大戦の戦没者が埋葬されている日本人墓地も訪問する予定。5日に帰国する。

2012/12/29 00:18 【共同通信】

(貼り付け終わり)

 安倍政権の外交は、「価値観外交」を基本にするということです。この価値観外交とは、「自由、民主主義、基本的人権」を重要な原理としている各国と外交的な連携を深め、これらの価値を原理としない国々、具体的には、中国と北朝鮮と対峙する、これらを封じ込める(containment)というものです。読売新聞の地図に引かれた線が中国を封じ込める線ということになります。また、こうした封じ込めのラインを作るために、安倍総理は、「豪印露、インドネシア、ベトナムなどの首脳と相次いで電話で会談」し、麻生副総理は、新年早々、ミャンマーを訪問し、テイン・セイン大統領と会談をすることになっています。安倍政権は、アジア諸国と連携して、勃興する中国に対応するという道を選ぶ、そのために、アジア諸国と中国を封じ込めるための線を構築するということを外交の基本とするということになりそうです。

 これは、2011年9月にヒラリー・クリントン国務長官が外交誌『フォーリン・ポリシー誌』に掲載した、「アメリカの太平洋の世紀(America’s Pacific Century)」というタイトルの論文で示された「Pivot to Asia」というアメリカ外交の戦略に合致するものです。(ヒラリー・クリントン国務長官の論文の内容については以下のアドレスのウェブサイトを参考になさってください→http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/ronbun.html)

 ヒラリー・クリントン国務長官の論文は、アメリカがアジアに回帰するということの宣言文です。論文の中で、クリントン国務長官は「これからの10年、私たちは、限られた時間とエネルギーを、賢く、体系的に使う必要がある。これからの10年、私たちアメリカは、指導的地位を確保、維持し、国益を確保し、私たちの持つ価値観を世界に拡散するために最も有利なポジションを取らねばならない。より具体的に言うと、次の10年のアメリカの国政にとって最も重要な目標の一つは、アジア・太平洋地域に対して、外交、経済、戦略などの面で投資を確実に増やす、ということになる」と書いています。

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 そして、ヒラリー・クリントン国務長官は、アメリカは中国との関係を深化させながら、同時に人権問題や安全保障問題で中国と対決していくということも明らかにしています。米中関係は、難しいものとなっています。経済的に言えば、両国の依存関係はどんどん大きくなっています。しかし、同時に中国の勃興に対してアメリカは警戒感を持っています。

 米中関係は大変に複雑です。単純に「仲が良い」「仲が悪い」と割り切ることはできません。それが国際政治と言えばそうなのですが、分かりにくいことになります。アメリカとソ連はイデオロギーという分かりやすい点で対立し、世界はそのどちらかに就くかを選ぶだけで済みました。しかし、米中関係はそう簡単に割り切れるものではありません。米中は対立しているようでもありながら、世界第一、第二の経済大国として協力しているようでもあります。

 米中関係がどうなるのかは、「価値観外交」を掲げる安倍政権率いる日本にとっても重要です。日本もまた中国への輸出でご飯を食べている現状です。ですから、中国と対立することはまだしも、決定的に関係を悪くして、経済関係に悪影響を及ぼすことは避けねばなりません。「武士は食わねど高楊枝」は精神としては素晴らしいですが、現実としては不可能な話です。人間ですからご飯を食べなければなりません。

 安倍政権は中国を取り囲む周辺近隣諸国との関係を深め、その外交関係を持って、「中国を封じ込める力を持ち」ながら、中国との関係を改善したいと言っています。しかし、そのような敵対的な態度で、中国との関係を改善することはできるのでしょうか。「お前をやっつける力があるからお前と仲良くしてやる」と言っているようなものです。また、註号を封じ込めるための基礎となるアジア諸国との関係ですが、これらの国々は都合が良い時にはどちらにもつくものであり(それが国益というものです)、「価値観が同じだから日本と協力して中国と対峙しよう」と常に考えてくれるわけではありません。

 それなのに、どうして「価値観外交」なのでしょうか。それは、日本がアメリカの「下請け」をやらされているからです。アメリカと中国との関係は複雑だと先ほど書きました。しかし、アメリカは中国との関係を悪化させ、特に重要な経済面での協力関係を悪化させることはできません。しかし、中国の勃興は何とかしたいというジレンマに陥っています。

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 そこで登場してくるのが日本です。アメリカは、経済的な果実は手にしながら、中国の勃興の阻止、もしくは嫌がらせは日本にやってもらおうとしているのです。最近、日米関係に関する論稿で、日本側の「負担の分担(burden sharing)」を期待する、という文言をよく目にします。そのために、日本政府が(日本国憲法の第9条を基にして)政府見解として認めていない集団的自衛権を認めさせて、自衛隊を米軍の「下請け」にして、日本の領空、領海以外でも活動ができるよう、アメリカは求めています。最悪の場合、アメリカの代理で、中国と戦火を交えるということがかなり現実的になってきています。

 他国は、そのような状況になった時、「価値観外交」で日本と外交関係が深まったからと言って、一緒になって戦ってくれるとは限りません。日本だけで戦い、日中両国だけが疲弊すればいいや、そしたらまたアメリカに頼ればいいやということで、何もしてくれないことは十分にあり得ます。
 
 また、アメリカは、中国との経済関係を維持しつつ、中国の勃興を遅らせることができたら良い訳ですから、「適度な」「軽い(米軍が出動しなくても良い程度の)」日中の軍事衝突は受け入れることができます。

 安倍政権の「価値観外交」がこのようなシナリオも含んでいることを考えながら、これから、2013年の日本外交の行方を見ていくことも重要なのだろうと私は考えます。

(終わり)

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所


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by Hfurumura | 2012-12-29 23:51 | 日本政治

日本の未来のヴィジョンを示せ:総選挙に向けての日本政治論

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



日本の国民投票(A Referendum for Japan)

シーラ・A・スミス(Sheila A. Smith)筆
外交評議会(Council on Foreign Affairs)
2012年11月20日
http://blogs.cfr.org/asia/2012/11/20/a-referendum-for-japan/

 日本の政治家たちは立法に関する、頭を使う仕事から解き放たれ、総選挙に向けての準備にまい進している。総選挙は2012年12月16日に投開票が行われる予定だ。マスコミは、政治家たちが党を移籍し、新党が次々と結成され、大政党に挑戦する様子に焦点を当て報道している。野田佳彦首相と評判の悪い与党、民主党に対する厳しい批判が起きている。しかし、今回の総選挙が民主党に対する国民投票だと考えるのは、重要なポイントを見逃すことになる。今回の総選挙はこれからの日本のための選択を形作るものとなる。

 民主党が政権を取って以降、自民党をはじめとする野党は総選挙に持ち込もうと多大な努力をしてきた。内閣に対する不信任が国会で何度か採決された。一度などは、民主党の小沢一郎と自民党の谷垣禎一総裁との間で取引がなされ、採決が行われたこともあった。選挙の実施を求める野心は政策討議の中ではっきりと見え、民主党と自民党との間で成立した政策に関するコンセンサスは幻影であることは明らかとなった。

 現在、政治家だけが興奮状態にある。個人の忠誠心が試されている。そして、野田佳彦首相率いる民主党に属する政治家たちさえも、次の選挙に向けて新しいパートナーにすり寄っている状況である。民主党と自民党の国会議員たちは、関心や感情の面から言えば、そんなにかけ離れていないと考えられている。この考えがこれから起こる政界再編の基礎となる。多くの日本人にとって、一党支配は、日本政治が抱える問題の一部であり、一党支配の終焉は望ましいことである。日本の有権者と政治家たちは、一党支配を終わらせるには、新党を立ち上げ、穏健で、しっかりとした統治を行う方向に持っていくことであると考えているようだ。

 現在の日本政治の潮流を見ていて、大連立というアイデアが実現することは難しいのではないかと私は考えている。第一に、民主党自体が大連立の末にできた政党であるという事実を見逃している。民主党は自民党の長期にわたる支配に対抗できる、現実的な政党を作りたいと望んだ政治家たちの連立(連合)なのである。民主党という形になった連立は、政権を取った後、運営が大変難しかった。第二に、民主党の所属議員の減少は、今年の7月に小沢と彼と共に行動した人々が離党という決断をしたことで起きたことだ。そして、党所属の議員数が減少したことで、民主党は弱体化したのではなく、強化されたのである。全ての名前を挙げることはできないが、民主党に残った野田佳彦、岡田克也、玄葉光一郎、前原誠司、枝野幸男、古川元久、細野豪志たちを含む民主党に残った議員たちは、彼ら自身を改革者として考えており、与党として政権運営を行うことで大きな経験を積んだ。民主党は幹部たちによって決定がなされているということを考えると、彼らが自民党と一緒になりたいと考えているとはにわかには信じがたいものがある。

 より重要なことは、新しい政党が次々と結成されていることだ。日本政治が今でもまだ凝集ではなく分裂を続けているという印象を私は持っている。これらの新党の目的は、選挙後の新しい(連立)政権で影響力を持つことである。短期的に見れば、このプロセスの第一の被害者は民主党であり、民主党から多くの政治家が離党し、「勝ち組」に入る機会を狙うか、民主党に反対する道を選ぶかしている。各世論調査によると、民主党と新しく結成された日本維新の会が支持率では並んでいる。この両党は支持率が15から16%を推移し、自民党は約23%の支持率を得ている。従って、自民党が12月16日の選挙で最大の議席を獲得するということになると、連立の相手を選ぶことができる。

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 安倍晋三自民党総裁は野田首相の次に首相になる可能性が最も高いと考えられる。安倍氏は連立政権を率いていけるだけの能力を持っていることを示す必要がある。自民党は現在定員480の衆議院で118の議席を占めているが、この議席数を拡大しなければならない。自民党が過半数を占めると予想している人はいない。しかし、自民党の獲得議席の大きさによって、どのような形の連立政権になるかが決まる。

 日本政治が自民党一党支配の古い時代に戻ることは考えられない。しかし、興味深いのは、自民党が野党だった3年間で学んだことである。石破茂幹事長は、自民党がいつものように政権の座に復帰できるなどと期待してはいけないと同僚たちに明言している。今回の選挙で新人たちが多く当選してくると予想されるが、彼らは、古いルールに従うとは考えにくい。こうした自民党に新しく参加してくる議員たちは、石破チルドレンということになるだろう。2005年の小泉チルドレン、2009年の小沢チルドレンのようなものだ。新人たちは議員の1期目から目に見える成功を収めて、人々の支持を得て再選されることを望むだろう。更には、政策通でカリスマ性のある、若きスターである小泉進次郎のような若手たちもまた、古い自民党のヒエラルキーが復活することを望まないだろう。

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 民主党と同様、新しい自民党もまた改革のエネルギーを充てんさせて政権運絵鵜を行う必要がある。自民党は政治的エネルギーをどこに集中させることになるのか?民主党の「実験」をあざ笑うだけでは、エネルギーは無駄に使われることになる。日本に政治改革が必要であるのは明らかだ。そして、各新党は、政治改革を達成するために、過激なものから過激ではないものまで様々な提案をしている。民主党が政権を運営し始めた時、透明性と説明責任についての新しい考えを持っていた。これらの考えは日本の有権者たちに受け入れられた。彼らは既得権益を守ることに汲々としている官僚たちや党内にしか目を向けない政治家たちに対して不満をつらせていた。プロセスを変える程度のことが政治改革のゴールとはなり得ないのが現状である。

 現在の日本は、複雑な、そして矛盾した様々な問題を抱えている。その問題の多くは経済に関することであり、この点では、日本は他の先進工業国と変わらない。しかし、そうした問題の中には、日本経済に特有のものであり、日本独自の優先事項もある。そして、これらの問題は、大きく変化し、今でも変化を続けている世界経済の中で、どのように日本経済を活性化させるかということでもある。高齢化社会も問題であるし、この高齢化社会に対応する社会インフラも完全に整備されておらず、利用しにくい状況にある。戦略的に見て、日本は、10年前とは全く異なる位置にある。そして日本が世界の中でどのような位置を占めるかは、国内をどう組織するかにかかっている。国内の組織化が決定や選択肢の熟慮において重要なのである。しかし、それは、日本の選択について注意深い分析も必要であり、その選択の中にはアメリカとの同盟関係と近隣諸国との間の悪化した関係も含まれる。

 日本の国家政策に活気を与えてきた社会のパターンのいくつかが現在の日本から姿を消している。現在の若い日本人たちは親の世代とは志向や選択が全く異なる。日本が反映するためには、女性たちがもっと指導的な立場に就く必要がある。日本の女性と若者たちが最優先であると考えるものを最優先の課題にすることが現在最重要である。そして、女性と若者たちを政治のプロセスに参加させることだけが、才能を動員し、政治をより良い方向に動かすことにつながる。

 最近の世論調査の結果によると、日本国民の多くが次の総選挙には投票に行くと決めているそうだ。2009年、人々は日本政治の改革を望み、それが新しい民主党に対する大きな支持となり、選挙結果に反映された。現在、その当時にあった改革志向が消えたということはない。実際のところ、人々の改革志向は増大している。2011年、人々は歴史的な大災害に苦しんだ。三重の災害、地震、津波、原発のメルトダウンに苦しんだ。これらの災害は日本の根幹を揺るがした。約2万人が命を落とし、50万人以上が避難しなければならなかった。人口3000万の巨大都市東京は原発からの放射能の危険が差し迫ったことになった。

 日本は回復力と国の誇りを持っているかを試されている。今回の選挙を通じて日本の未来がどのようなものになるかが示されることになる。しかしながら、日本の政治家たちは、過去の分裂を引きずっている。また、日本の未来のヴィジョンを示す能力も低下しているようだ。

 2012年12月16日の総選挙は、日本の未来についての国民投票となるだろう。そして、日本の有権者たちは未来についての考えとヴィジョンを基準として次の政権を選ぶ必要がある。未来についての考えとヴィジョンが社会を前進させる。

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2012-12-22 14:53 | 日本政治