翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
カテゴリ
全体
スポーツ
社会
アメリカ政治
宣伝
国際政治
pivot to Asia
中国政治
福島
日本政治
個人的なこと
学問
未分類
以前の記事
2013年 11月
2013年 10月
2013年 07月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
お気に入りブログ
検索
タグ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧


タグ:橋下徹 ( 10 ) タグの人気記事

2016年問題と言ったほうがよいかもしれない

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



4月になってもまだまだ寒い日々が続きます。私は現在、福島県の山間部におりますが、春というよりも晩秋といった風情です。まだまだ雪をも降ります。

季節が進み、夏になりますと、参議院議員選挙が行われます。この参議院議員選挙の争点は、「憲法改正」という点で、各政党は一致しているようです。

その中でも、特に日本国憲法第96条の「改正」を主張している政党(米政翼賛会と私は呼んでいます)と、それに反対している政党があります。

日本国憲法第96条は以下のような条文です。

(引用はじめ)

第9章 改 正
 
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。

2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

(引用終わり)

この条文は、憲法改正の手続きに関する条文です。この条文によると、憲法を改正する手続きとして、衆参両議院それぞれが所属議員3分の2以上の賛成で国民に憲法改正を提案し、国民投票で過半数の賛成があった場合に、憲法を改正することができるということになっています。複数の段階を経る、議員の3分の2というハードルの高さのために、これまで憲法改正は行われてきませんでした。また、55年体制下、野党第一党日本社会党は、憲法改正を阻止するために、しかし、与党になることは望まないという姿勢で、自民党とある種の妥協を行っていました。

今回、この日本国憲法第96条の改正を自民党と維新は目指しています。現在、衆議院は憲法改正に前向きな勢力が3分の2以上(自民と維新で348、民主党の一部も含めるともっと増える)を占めている状況です。参議院は3分の2以上となると162となりますが、憲法改正勢力はまだそれを占められないでいます。また、この夏の参議院選挙で3分の2以上を占めるためには、113議席の獲得が必要ですが、これはなかなか困難です。しかし、これは今回の参議院議員選挙だけを考えれば、です。次回2016年7月までを考慮に入れると、決して不可能な数字ではありません。また、現在の衆議院議員の任期は2016年12月15日までですから、それまでに解散がなければ、もう一度チャンスが巡ってきます。

「2016年」が大変重要であると考えます。今回の参議院議員選挙はそのための足掛かりになるということができます。

アメリカのオバマ政権も2016年まで(正式には2017年1月まで)ですから、それまでにTPPや日本の憲法改正手続きの「緩和(easing)」を進めておきたいということもあるでしょう。そして、2017年からの新しい大統領(おそらく共和党←外れたら申し訳ありません)で、「日米新時代」ということになるのではないかと考えます。自衛隊の領土領海外活動の拡大、米軍の下請け軍隊としての性格がよりはっきりとなっていくでしょう。経済、政治、そして軍事で属国化が進んでいくものと考えられます。

このシナリオが荒唐無稽で、まったく箸にも棒にもかからない笑い話で終われば良いなとは思いますが、そうならないかもしれない雰囲気も感じられるのです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「首相と橋下氏が一致…改憲発議要件「過半数」に」

読売新聞電子版 2013年4月12日

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20130411-OYT1T01202.htm

 安倍首相と日本維新の会の橋下共同代表が9日の会談で、憲法96条が規定する改憲手続きを巡り、衆参各院の「3分の2以上」の賛成が必要とする改憲発議要件を「過半数」に緩和
すべきだとの認識で一致していたことが11日、分かった。

 会談に同席した維新の会の松井幹事長が、大阪府庁で記者団に明らかにした。

 松井氏によると、首相は「国民が憲法改正を議論するためにも、改正の発議ができる96条を緩和する必要がある」と述べ、橋下氏らも同様の認識を示した。さらに、過半数の賛成が必要とされている国民投票の要件の厳格化を検討する必要性でも一致したという。

 これに関連し、橋下氏は11日、大阪市役所で記者団に、「改正する条項に応じて(国民投票の)要件を変えてもいいのではないか」と述べ、要件の厳格化は重要条項の改正の場合に限定すべきだとの考えを示した。

(2013年4月12日10時15分 読売新聞)

●「維新連携視野に?菅長官「改憲を参院選争点に」」

読売新聞電子版 2013年4月9日

http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130408-OYT1T01183.htm

 菅官房長官が憲法改正を夏の参院選の争点とすることを目指し、活発に発信している。

 8日の記者会見では、具体的な憲法改正の論点について「必要だと思うのは、環境権などだ。環境問題は憲法ができた当時、なかった。国民生活に大きな影響を与えるものだから、『加憲』で、憲法改正に入れていくのは当然のことだ」と環境権の明記に踏み込んだ。

 環境権は、「加憲」を掲げる公明党が新しい人権として主張しているテーマで、改正争点化に慎重な意見が多い同党に配慮したものとみられる。

 7日の福岡市での講演では、憲法改正の発議要件を緩和する96条改正に最優先に取り組む考えを示し、8日の記者会見でも「96条の改正がなければ、物事が進まない」と強調した。

 憲法改正に関する積極的な発信には、改正に意欲的な日本維新の会などと連携し、憲法改正に必要な衆参両院で3分の2以上の議席を確保する狙いがある。菅氏は9日、日本維新の会の橋下共同代表、松井幹事長と首相官邸で会談する予定。憲法改正を通じて公明、維新などとの連携を強化し、民主党を孤立化させる狙いも指摘されている。

(2013年4月9日10時50分 読売新聞)

●「<憲法改正>「ポイントは環境権」菅官房長官、公明に配慮か」

毎日新聞 4月8日(月)19時38分配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130408-00000054-mai-pol

 菅義偉官房長官は8日の記者会見で、憲法改正の発議要件を定めた96条の見直しに関連し、改憲のポイントとして「環境問題は憲法ができたときにはなかったから、環境権を入れるのは自然ではないか」と述べた。

 記者団が、戦争の放棄を定めた9条の改正との優先順位をただしたのに対しては「自民党としても、現在の憲法の基本路線を守りながら、まず96条を改正しないと前に進まない」とかわした。環境権などを追加する「加憲」を掲げる公明党に配慮したとみられる。【鈴木美穂】

(新聞記事転載貼り付け終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2013-04-12 11:36 | 日本政治

みんなの党・渡辺喜美代表についての記事を読んで:米政翼賛会内の動きが活発化している

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社



 今年の1月に入ってから、みんなの党と日本維新の会の選挙協力、合併の記事と合わせて、渡辺喜美・みんなの党代表に対する攻撃記事が目立つようになりました。これらの記事は、週刊CIA日本版の週刊文春(文藝春秋社)と日刊CIAにもなれない哀れな属国メディアで、全国紙の落ちこぼれの産経新聞に掲載されています。文藝春秋社と産経新聞が海の向こうの意向を受けて渡辺氏に攻撃を加えていることは明らかです。

c0196137_20315647.png


 渡辺氏は、日本維新の会との合併や協力について慎重な立場を取っています。確かに、渡辺氏は一時期、みんなの党と日本維新の会の合併を模索したことがありました。しかし、日本維新の会が石原慎太郎氏率いる太陽の党(今となってはもう懐かしい響きですね)と合併したことで、昨年の総選挙では選挙協力までは行いましたが、それ以降、合併の話はしなくなりました。

 一方、橋下徹大阪市長は、「日本維新の会がなくなっても」「自分が下がっても」良いので、みんなの党と日本維新の会の合併を進めたいと主張しています。「第三極」として、自民党に対抗するという姿勢を見せています。

 これに対して、渡辺氏は、「日本維新の会が政策の異なる太陽の党と合併したこと」に対して、不信を持っているということになっています。しかし、渡辺氏以外のみんなの党の政治家たちは日本維新の会との合併に乗り気で、(恐らくとしか言えませんが)渡辺氏の許可を得ることなく、選挙協力や合併に向けての話し合いをしているようです。

 私は昨年から、渡辺氏以外のみんなの党の面々は日本維新の会との合併を望んでおり、渡辺氏は孤立しているということを感じ、そのことをツイッターなどで書いてきました。いよいよそれが現実になりそうです。これには権力闘争の面とよりアメリカの意向に沿うように米政翼賛会の引き締めを図るという面があるように私には感じられます。

c0196137_20321897.png


 みんなの党の江田憲司幹事長は、橋本龍太郎元首相の女婿であり、元通産官僚です。竹中平蔵氏や堺屋太一氏との関係も深い人物です。諸事情で今はみんなの党にいますが、元々は自民党や日本維新の会の中核、米政翼賛会の中核となる人物です。また、浅尾慶一郎氏もまた同じような人物と言えます。

 党の代表が放り出されるということは、近々であれば、亀井静香氏が国民新党から追い出されるということがありました。みんなの党もまたそのようなことが起きるのではないかと思われます。それにしても、文藝春秋も産経もアメリカの御用聞きばかりで情けなくないのでしょうか。いっそとのこと、合併してしまえばすっきりしてよいのではないかと思います。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「ミスター・アジェンダ 渡辺喜美の孤独な闘い 前門の橋下、後門の江田 みんなの党がひとりの党になる可能性も」
MSN産経ニュース 2013.2.1
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130201/stt13020122560002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130201/stt13020122560002-n2.htm

 みんなの党の渡辺喜美代表が、日本維新の会に対し“けんか腰”の姿勢を強めている。連携を互いに模索しているはずの維新の橋下徹共同代表と舌戦を繰り広げたかと思えば、国会での維新との幹部間協議まで「どうでもいい」と一刀両断。ただ、足下の党内には渡辺氏のワンマンぶりへの不満もくすぶっており、今のところ「孤独な闘い」を強いられている。(原川貴郎)

 「維新のペースに巻き込まれてしまうと、ズルズル遅れちゃうんです…」

 1日の国会内での記者会見。夏の参院選の候補者擁立について問われた渡辺氏は、維新をこう牽制(けんせい)し、一部公認候補を月内に発表すると明言した。

 維新との候補者調整が緒に就いたばかりであることを考慮し、1月27日の党大会で予定していた候補者のお披露目を見送ったことを踏まえての発言だった。

 「維新ペース」を警戒するのは昨年8月の苦い思い出があるからだ。渡辺氏は維新に「対等合併」を持ち掛けたが、維新は渡辺氏を袖にし、旧太陽の党と合併。結局、昨年の衆院選で自民党の大勝を許す結果となり、渡辺氏は「(維新には)猛省を促したい」と発言している。

「ミスター・アジェンダ(政策課題)」を自認する渡辺氏にとって、政策の一致は譲れない一線。維新の政策にも「旧太陽系が本当に原発ゼロの路線を飲めるのか」と疑問のまなざしを向ける。

 「渡辺氏には合併を拒否しながら、政策的に異質の旧太陽と合流し、今になって結婚したいと言ってくる橋下氏への不信感がある」

 そう解説するのはみんなの党幹部。橋下氏がみんなの党と民主党の一部を巻き込む形での新党結成に言及するなど、野党再編の主導権を握ろうとしていることも、「元祖第三極」を自負する渡辺氏の神経を逆なでしているようだ。

 だが、そんな渡辺氏の「不信感」は、党内をも覆いつつある。

 維新との連携話を進める江田憲司幹事長の動きすら、「選挙協力の権限の持ってない人たちが集まっているわけで、どうでもいい話」とこき下ろしたのだ。これには党内から「本来、選挙は幹事長マター。江田さんの立場がなくなる」との声が出ており、江田氏との主導権争いの様相を呈している。

 前門の橋下氏に、後門の江田氏。このままでは渡辺氏が孤立し、みんなの党が「ひとりの党」になりかねない。

●「「もう少し大人の政治家に」 橋下氏、みんなの党との合流に期待「維新なくなっても…」」
MSN産経ニュース 2013.1.28
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130128/stt13012814280003-n1.htm

 みんなの党の渡辺喜美代表が今夏の参院選に向けた日本維新の会との合流に否定的な姿勢を示していることについて、維新の共同代表に就任する橋下徹大阪市長は28日、「自公政権への対抗勢力となる新しい大きな政党をつくり、参院選で選択肢を示したい。そのために維新がなくなっても構わない」と重ねて合流に期待感を示した。

 渡辺氏は、維新が昨年の衆院選直前に太陽の党と合流して以降、維新について「政策が分からなくなり信頼が壊れた」との発言を繰り返し距離を置いている。

 これに対し、橋下氏は「反省すべきところは反省する」としつつ、みんなとは政策が基本的に一致しているとの認識を表明。両党の合流を求め、「どちらが吸収するとかではない。渡辺代表が気に入らないなら僕が引いても構わない。もう少し大人の政治家になってほしい」と述べた。

 一方、自民については「既得権を打ち破り、新しい社会構造をつくるというスタンスが決定的に違う」と対決姿勢を鮮明にした。

●「維新との幹部級協議、渡辺代表「どうでもいい」」
読売新聞電子版 2013.2.1
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130131-OYT1T01205.htm?from=ylist

 みんなの党の渡辺代表は31日、国会内で記者団に対し、同党と日本維新の会の幹部級協議について、「選挙協力などの権限を持っていない人たちが集まっているのだから、どうでもいい話だ」と語った。

 国会内で同日開かれた幹部級協議には、維新の会の松野頼久国会議員団幹事長とみんなの党の江田幹事長らが出席し、協議の定例化で合意した。両党の政調会長らは30日、10項目の基本政策でも合意。夏の参院選の選挙協力に向けた連携の動きに、渡辺氏が冷や水を浴びせた形だ。

 維新の会幹部は31日、渡辺氏の発言について、「ひどい発言だ。江田氏の立場もなくなる」と憤った。みんなの党内では、「選挙協力を主導する江田氏と渡辺氏の主導権争いが激化している」との見方が出ている。

(2013年2月1日08時04分 読売新聞)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所


[PR]
by Hfurumura | 2013-02-02 20:32 | 日本政治

いよいよ本性を現してきた米政翼賛会②

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 本日、午前中に緊急経済対策に関する記者会見を行った安倍晋三首相は、午後、大阪を訪れ、松井一郎大阪府知事・日本維新の会幹事長、橋下徹大阪市長・日本維新の会代表代行と会談を行いました。以下に、会談の様子を報じた新聞記事を3本掲載します。

c0196137_2044588.png


 安倍晋三首相と橋下徹市長は、以前から交友関係があり、教育改革に関しては、一致した考えを持っていました。今回の会談では教育に関する話題が出たのかどうか、以下の記事からは分かりませんが、自民党と維新の会が部分連合を形成して、今月末からの国会に望むという方向性が打ち出されたようです。

 以下の記事で特に重要なのは1つ目の記事で、橋下氏が竹中平蔵氏に期待する、という趣旨の発言をしたところです。ここに橋下氏、維新の会、自民、そして米政翼賛会(私の造語で、日本の国益ではなく、アメリカの国益のために動く自民、公明、維新、みんな、民主党の一部のこと)の裏に、竹中平蔵氏がいることが明らかになりました。

 竹中氏は、この前の総選挙での日本維新の会の候補者選定の責任者を務めていました。その人物が今度は、安倍政権下で新しく設置された産業競争力会議の委員となりました。第二次安倍内閣、そして米政翼賛会をリードしているのは竹中平蔵氏だと考えることが自然でしょう。そして、橋下氏が敢えて、出さなくても良い竹中氏の名前を安倍首相との会談の中で出した。このことは大変重要です。

 米政翼賛会は、まだその(そしてアメリカの)最終目標である憲法改正と集団的自衛権の容認を達成するまでには至っていませんが、財政出動と金融緩和で人気を上げて、今度の参議院議員選挙での大勝利を狙っています。自民、公明、維新、みんなで80議席から90議席ということなると、米政翼賛会が両院で3分の2以上を占めてしまうという結果になりかねません。

 今朝、安倍首相が発表した緊急経済対策ですが、これは、消費税増税のための方便にしかすぎません。大規模な財政出動と金融緩和でむりやり景気を引き上げて、「景気が回復したので、消費税や他の税金(法人税は除く)を引き上げて、プライマリーバランスを黒字にします」というシナリオになっています。人々にお金が回る前に増税になってしまえば、消費の落ち込みは避けられません。見せ掛けだけの景気回復のために、政府が出したお金は増税で回収され、その後、私たちには重い税負担だけが残されるということになります。

 増税で政府に入るお金、私たちがいじましいほどの努力で節約し貯めた、貯金や預金はどこにいくのでしょう。それはアメリカに貢がされることになります。そのために、米政翼賛会があり、竹中平蔵氏がいるのです。

 最後に、今回の会談が公党同士の話ということになると、日本維新の会の代表である石原慎太郎氏が姿を見せなかったのが気になります。石原氏が東京で国会議員団を取りまとめるが、決定権は大阪の橋下市長にあるということになるのなら、日本維新の会の分裂は避けられません。この動きも註していく必要があるようです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「規制緩和で橋下氏が「竹中平蔵氏に期待」」 
2013.1.11 13:53  MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130111/waf13011113540023-n1.htm

 安倍晋三首相との11日の会談で、日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長は冒頭、首相が規制緩和実施に向けて意欲を示したのを受け、「大胆な金融緩和というか、構造改革が必要ということで、会議に竹中平蔵先生も入られたので非常に期待している」と期待感を表明。

 また、「規制緩和は本当に交渉してもなかなか進まない」と、大阪の医療産業に関する現状を紹介。「東京と大阪のツインエンジンということで、特に大阪は創薬医療技術が集積しているが、承認機関が東京にしかない。大阪にもつくってほしいとずっと言っているが実現しない」などと訴えた。


●「「大阪のエンジンたる松井知事、橋下市長」 首相が両氏持ち上げ」
2013.1.11 13:17
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130111/waf13011113190018-n1.htm

11日午後、大阪市内のホテルで始まった安倍晋三首相と日本維新の会代表代行の橋下徹大阪市長、同幹事長の松井一郎大阪府知事の会談。首相を迎えた橋下市長と松井知事は「今日はわざわざありがとうございます」と述べ、会談は和やかな雰囲気で始まった。

 首相は冒頭、「朝、閣議で緊急経済対策をとりまとめて予算が10兆円、20兆円の事業規模」と説明。「今日も記者会見で言ったが、東京と大阪は成長のエンジンです。エンジンたる松井知事さんと橋下市長とお目にかかって現状を伺い、要望も伺いたい」と大阪と東京のツインエンジンで日本経済を牽引(けんいん)したいとの考えを示した。


●「首相、部分連合へ手応え 日本維新、補正に協力」
2013.1.11 47ニュース
http://www.47news.jp/CN/201301/CN2013011101001979.html

 日本維新の会の橋下徹大阪市長は11日午後、安倍晋三首相との会談で、緊急経済対策を盛り込んだ2012年度補正予算案の次期通常国会での早期成立に協力する考えを伝えた。首相は会談後、日本維新と政策ごとに連携する「部分連合」構築に手応えを示した。

 今回は参院選に向けた具体的な協力や憲法改正は取り上げなかったとしているが、将来的な連携に向け一歩を踏み出した格好だ。

 首相は橋下氏との会談後、視察先の神戸市で記者団に「さまざまな規制や課題を突破する熱意を感じた。同意できるところもあったので協力していきたい」と強調した。
2013/01/11 18:57 【共同通信】

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2013-01-11 20:46 | 日本政治

いよいよ本性を現してきた米政翼賛会:自民・維新の連携が本格化

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 昨年12月16日の総選挙の投開票前から、私はツイッター上で、「米政翼賛会」という言葉を使ってきました。この言葉は、自民、公明、維新、みんな、民主の一部が、アメリカの国益に沿った形で日本政治を動かすことを表現したものです。戦前の大政翼賛会をもじって作りました。私は選挙戦期間中、「自民党を中心とする米政翼賛会が議会で圧倒的な議席数を確保することを止めなければならない」と、なんの力もないタダの庶民ですが、考えていました。しかし、現実には自公だけで議席数の3分の2以上を占めるという状況になりました。

 維新やみんなに関しては、「第三極」という言葉が使われていました。これは、自民党でも民主党でもない、第三の勢力を意味する言葉でした。しかし、私は、自民党、特に安倍晋三総裁の主張と、日本維新の会の石原慎太郎代表、橋下徹代表代行の主張との間に似ている点が多いことから、維新は「第三極」ではなく、自民党の補完勢力、公明党に代わる補完勢力になると考えてきました。また、みんなの党に関しては、バックが日本維新の会と重なるところから、同様の、自民党の補完勢力であると考えています。

c0196137_2031543.png


 いよいよ通常国会の開会も近づき、自民党と維新が連携を開始しようとしています。安倍総理大臣と橋下大阪市長が11日に会談をすることになりました。ここで協力関係が決まれば、維新の議員たちは橋下市長の号令一下、自民党と共同歩調を取ることになります。協力して行われることは、憲法改正、集団自衛権の禁止の撤廃、教育改革が含まれることは確実です。これらは日本国民の利益ではなく、アメリカの利益のためになされることです。

 いよいよ米政翼賛会が本書を現してきました。維新は自民党に対してそっけないふりをし、野党共闘のようなフェイクをかましてきました。しかし、実際には、自民党の補完勢力であり、米政翼賛会の一部であることがはっきりしてきました。この動きは益々活発化し、公明党に取って代わり、与党の仲間入りをすることも可能性として出てきました。

 これからますます厳しい状況になっていくでしょう。それでも私たちは、失敗をしても何をしても続けていくべきこと、繰り返していくべきことはただただやり続けなければなりません。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「「維新と連携可能」菅官房長官、首相と橋下氏が11日に会談」
2013.1.9 11:54 [west政治] MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/130109/waf13010911570014-n1.htm

 日本維新の会の橋下徹代表代行(大阪市長)と松井一郎幹事長(大阪府知事)が11日、大阪市で、安倍晋三首相と会談することになった。首相は近くまとめる緊急経済対策を踏まえた平成24年度補正予算案や日銀総裁の同意人事など国会審議で協力の可能性を探る意向とみられ、橋下氏も衆院選挙後の昨年末、安倍政権誕生について「同じ考えのところは力を合わせたい。何でも反対ではない」と述べ、政策ごとに協力する考えを示していた。

 これに関連し、菅義偉官房長官は9日午前の記者会見で、維新との連携に関し「憲法改正や道州制について、政策ごとに理解を得て進めることができる」と述べた。

 首相と橋下、松井両氏は教育や憲法改正の要件緩和などで主張が近い。会談は維新との距離を縮め、夏の参院選に向け野党共闘にくさびを打つ狙いもありそうだ。

 また、来阪する首相は、ノーベル医学生理学賞を受賞した山中伸弥京都大教授と面会し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の研究施設を視察する予定という。

●「安倍再登板を促した2.26居酒屋会談」
2013.1.7 14:09 (1/2ページ) MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130107/edc13010714110000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130107/edc13010714110000-n2.htm

 「私は以前から安倍さんのファンなんですよ」。昨年2月26日夜、大阪市内の居酒屋。安倍晋三氏にそう話したのは、大阪維新の会の幹部だ。

 安倍氏と維新幹部を引き合わせたのは日本教育再生機構の八木秀次理事長。安倍氏を挟んで八木氏と安倍氏側近の衛藤晟一(えとう・せいいち)参院議員(現・首相補佐官)が座った。向かい側には松井一郎大阪府知事(現・日本(にっぽん)維新の会幹事長)、馬場伸幸堺市議会議長(現・維新衆院議員)、中田宏前横浜市長(現・維新衆院議員)。

 この日開かれた日本教育再生機構の「教育再生民間タウンミーティングin大阪」で安倍氏は、維新の教育基本条例制定の動きを評価し「教育再生は道半ばです。私も同志の皆さんと頑張ります」と発言。松井氏も安倍氏の教育政策を称賛し、意気投合していた。その打ち上げが居酒屋会談だ。

 維新側出席者は「私たちは安倍さんがやり残したことを大阪でやろうとしているんです。だからブレーンも同じです」と何人かの名前を挙げた。安倍氏は「確かにそうだね」と応じた。衛藤氏が首相への再登板を促すと、安倍氏は否定しつつも、まんざらでもない表情を見せた。この顔合わせがきっかけになって、安倍氏は間もなく橋下徹大阪市長(現・日本維新の会代表代行)とも初めて会談した。

「安倍再登板の原点は大阪での『2.26居酒屋会談』。あのころから安倍さんに元気が戻り、政界の中で『過去の人』ではなくなってきました」と、関係者は話す。

 日本教育再生機構は第1次安倍内閣の教育再生政策を民間でリードするため発足し、教育再生会議への提言などを行った。安倍氏の辞任後も再登板を信じ、改正教育基本法に則した中学校歴史・公民教科書や『13歳からの道徳教科書』(いずれも育鵬社)の発行など、安倍氏の理念を実現してきた。安倍氏はその活動を頼もしく感じ、さらに維新の面々に会って勇気づけられたのだ。

 別の関係者は「安倍さんは自民党内の一部勢力より、維新にいる政治家に親近感を抱いているはず」と語る。

 夏の参院選後に憲法改正問題などで自民党と維新の連携が行われれば、国家観に基づく真の政界再編につながるかもしれない。(渡辺浩/SANKEI EXPRESS)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2013-01-09 20:31 | 日本政治

安倍晋三氏とも親しいイアン・ブレマー氏の日本政治論:フィナンシャル・タイムズ紙から

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



「グルジアのように、日本も強力な隣国があることで大きな恐怖を感じている(Like Georgia, Japan has plenty to fear from a powerful neighbour)」
イアン・ブレマー(Ian Bremmer)筆
フィナンシャル・タイムズ紙(Financial Times)
2012年12月5日
http://blogs.ft.com/the-a-list/2012/12/05/washingtons-message-to-tokyo-dont-push-island-dispute-with-china/#axzz2ECBUCjZO

c0196137_1410065.png

イアン・ブレマー

 石原慎太郎前東京都知事は、先日、新党を立ち上げた。石原氏は、「新党は、より強く、タフな日本の建設に貢献する」と述べた。この石原氏は、東シナ海に浮かぶ群島の支配を巡って、中国との間で摩擦を引き起こした人物でもある。石原氏やその他の政治指導者たちが中国に対して、より厳しい外交政策姿勢を取り、攻撃的な態度を取るのなら、まず、彼らは日本と全く違う地域にあり、全く違う歴史を持つある国のことを見てみることを私はお勧めしたい。

c0196137_1412212.png


 ミヘイル・サアカシュヴィリ(Mikheil Saakashvili)がグルジアで起きた2004年のバラ革命に乗って大統領になった時、国際社会は、小国の民主政治体制への移行を讃えた。
サアカシュヴィリは大統領就任直後、すぐにアメリカとブッシュ政権にコンタクトを取った。中央アジア地域で新しい戦略的裕子関係を築く相手国を探していたアメリカはすぐにグルジアに接近した。しかし、アメリカの政府高官たちは、サアカシュヴィリ大統領がアメリカとの友好関係という「楯(shield)」を手に入れると、ロシアとの紛争を起こすという間違いを犯すのではないかという懸念を持ち、それを公にしていた。ロシアはグルジアの北部にあり、敵意を持つ隣国であった。サアカシュヴィリ大統領の就任から4年後、懸念は現実のものとなった。

c0196137_14113852.png

ミヘイル・サアカシュヴィリ

 グルジアの若き大統領は、隣の超大国の虐めに立ち向かうことで愛国心を高揚させ、ポイントを稼ぎたいと願っていた。そして、ロシアから分離独立を目指す南オセチアに戦車を送った。ロシア政府はグルジア軍をグルジアの首都トゥビリシに押し返す事態になった。アメリカはグルジア、ロシアどちらにも肩入れしなかった。アメリカは、グルジアのサアカシュヴィリ大統領に対して、ロシアに手を出さないように警告していた。コリン・パウエル(Colin Powell)国務長官はサアカシュヴィリ大統領に警告を発し、アメリカは、コーカサス南部の、ロシアから分離独立を目指す南オセチアをめぐりロシアと戦争をすることはないと述べた。

 グルジアの事例は、東シナ海にある群島をめぐり緊張を高めている日本にとって教訓となる。日本はこの岩礁群島を尖閣諸島と呼び、中国は釣魚島と呼んでいる。そして、日中両国が領有権を主張している。日本が領有権の主張を確固としたものとするために、尖閣諸島を国有化した。これに対して中国の各都市で反日抗議運動が燃え上がった。中国政府は、抗議運動を鎮静化させる動きを見せたが、抗議運動をいつもより長く続けさせた。

 中国の抗議運動に参加した人々は、日系のスーパーや日本製品の多くを破壊し、日本企業のボイコットを求めた。日本企業にとって中国市場は重要であるが、深刻な損害を被った。2012年9月のトヨタとホンダの中国における売り上げは、昨年同月に比べ、それぞれ49%、41%も減少した。日本企業の中には、中国での売上予想を再考する企業や輸出やサプライチェーンを他国に振り向けることを考慮せざるを得ない企業も出てきている。

 更に、日中両国の間で領有権争いが起きている海域でより攻撃的な姿勢を見せている。2012年11月、中国は毎日のように東シナ海の日本領海内に船を送った。中国が日本に送っているメッセージは明白だ。それは「図に乗るんじゃないぞ(Don’t push your luck)」というものだ。

 アメリカ政府が持つ懸念に日本政府は耳を貸さない状況だ。商業上、また安全保障上、危険があるにもかかわらず、日本の指導者たちは外国に対する攻撃的な態度を取ることでポイントを稼ごうとしている。その中には、中国との争いも含まれる。1930年代の日中戦争をめぐる論争は両国関係を硬直化させている。橋下徹大阪市長(彼もまた新たなナショナリスティックな政党を結成した)のような人気を集めている指導者たちは、日本と中国を商業上、そして政治上の争いに巻き込もうとしている。そして、彼らの存在がアジア地域における緊張の度合いを増大させている。東京都の予算を使って尖閣諸島を買い上げると脅すことで尖閣諸島をめぐる争いを引き起こした人物こそ石原慎太郎氏である。

 日本の自民党はもうすぐ行われる選挙で政権の座に復帰することになるだろう。そして、党の総裁であり、元首相の安倍晋三氏が再び首相の座に就くだろう。安倍氏は有権者からの支持を集めるために素早く行動する必要がある。国民からの支持を十分に得て、政治的な資本を手にすれば、彼の在任期間も伸びるだろう。日本は過去24年間に17名の首相が登場した。安倍氏はこれまで中国に対して懐柔的な発言をしてきた。しかし、2012年10月、安倍氏は、日本の近隣諸国が戦争犯罪人だと見ている人々が祀られている靖国神社に参拝した。このことは、安倍氏が首相になった後、支持率が下がったら、中国に対して厳しい態度で臨むようになる党ことを示している。

c0196137_1413168.jpg


 日本はグルジアとは違う。グルジアは小国であり、ロシアの影響下に生きねばならず、友好関係を築かねばならない。グルジアは、発展途上国であり、社会資本の整備は進んでおらず、根本的な解決を必要とする経済問題を多く抱えている。日本も多くの問題を抱えているが、世界第3位の経済大国である。安定した、工業化に成功した、民主国家でもある。また世界でトップクラスの多国籍企業の本社も存在する。

 とは言っても、日本はグルジアの事例から教訓を得るべきだ。そして、隣国である中国との対立を避けるべきだ。中国にとって日本市場へのアクセスは未だに必要な存在である。中国は日本企業や日本からの投資を歓迎している。そして、日本の技術へのさらなるアクセスを求めている。しかし、中国が現在必要としているものは、5年前の必要としていたものとは全く異なる。このような傾向は日本にとって良いことではない。中国がアジア地域の国々と新たなパートナーシップを結ぶ、アメリカやヨーロッパの消費者たちが購買力を回復する、中国の消費者が中国製品を買うようになる、こうした事態が起きれば、中国にとっての日本の重要性は減少し続けることになるだろう。

 中国の指導者たちも、日本の指導者たちと同様に、中国に脅威を与える隣国である日本を悪く思わせることで、人々からの支持を得ようとしている。グルジアでは、サアカシュヴィリ大統領は、ロシアとの紛争で素早い勝利をおさめ、国家としての誇りを高揚させたいと願った。しかし、実際には、ウラジミール・プーチンが最終的な勝利を収めたように見えた。日本の指導者たちもこのことを教訓にすべきだ。

 最後に、日本の森本敏防衛相は先週、日米安全保障同盟関係の見直しを提唱した。その際、森本防衛相は中国の海洋における脅威を強調した。日米パートナーシップという歴史のある同盟関係について話すことは重要である。そして何より、日米関係は日米両国お互いにとって大変重要なのである。中国が尖閣諸島を奪取しようとしてきたら、アメリカは日本を防衛することができるし、そうすることになるだろう。しかし、アメリカは、中国市場で叩かれることが確実な日本企業を防衛することはできない。しかし、中国市場こそが本当の戦場なのである。

 勃興する中国からの挑戦に対して日本が取り得る最善の方法は、日本経済のダイナミズムを国内から再構築し、アジア地域や世界との新しい商業関係を構築することだ。そのためには、知恵、忍耐、そして政治的意思が必要となる。日本の若い指導者たちが国の舵取りをするようになれば、彼らは、経済的成功こそが国益を守るうえで最良の方法であることに気付くことになるだろう。

※イアン・ブレマー:政治リスクコンサルタント会社ユーラシア・グループ代表。著書に『「Gゼロ」後の世界』(北沢格訳、日本経済新聞出版社、2012年)がある。

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2012-12-06 14:13 | 日本政治

ヘリテージ財団の日本政治論:シナリオはできていた?③

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 政党がイデオロギーや政策の違いを打ち出せない、今の日本の政治システムの停滞を打破することで、橋下氏は人々から受け入れられる存在となる。好ましい変化の象徴と受け止められる。しかし、橋下氏がより詳細な外交、国内政策を打ち出さねばならなくなったとき、人々に好ましい変化の象徴と受け止め続けさせるにはどうしたら良いだろうか?ある専門家は次のように言った。「橋下氏は今月発売の新しい味のお菓子のようなものだ。お菓子が出たその月は良い。それでは、人々はその新しいお菓子を1回食べた後、どのような反応をするだろうか?」
 
 橋下市長にとっての大きな難関は、次の選挙でどれくらいの候補者たちを立候補させられるかということだ。橋下市長は、自民党や民主党から離党する政治家たちをあまり多く迎え入れることはできない。それは彼の「アウトサイダー」のイメージを損ねることはできないからだ。しかし、橋下氏が、300名の「アウトサイダー」でありながら能力のある候補者たちを見つけることは至難の業である。橋下氏は、候補者全てに対して自分で選挙資金を賄うことを求めているので、候補者探しは尚更困難である。

 橋下市長は、政治権力を東京から各都道府県に移す、地方分権化(脱中央集権化)を主張している。これは、大阪では大きな支持を得ているが、日本全体ではその影響力を拡大していない。民主党も自民党も有権者の支持をほとんど得ていないのが現状である。しかし、だからと言って、政府の責任を地方に移すことで現在の諸問題が解決されると考えている有権者もほとんどいないのである。更に言えば、橋下市長の提案の中には、憲法改正のように、非現実的だと考えられているものもある。

c0196137_1431072.png


 熱狂が消えつつあることについて。今年の中旬ごろ行われた各種世論調査の中には、日本維新の会の支持率は、自民党と民主党を上回る結果を示すものもあった。しかし、夏以降、世論調査の結果が示しているように、有権者たちの間で、日本維新の会が国政の場で主要なアクターとして活動する能力があるのか、疑問が広がっていった。更には、橋下市長と日本維新の会に合流した国会議員たちの間で不協和音が起きた。自民党を離党し日本維新の会に合流した松浪健太は、国会議員たちが日本維新の会の外交、安全保障政策を策定するにあたり主導的な役割を果たすべきだとし、「橋下氏の独裁は容認されない」と宣言した。橋下市長は、松浪代議士に対して反撃し、「党の綱領に関しては私だけがコントロールする力を持つ」と述べた。

 橋下氏の最近の外交に関する立場は、有権者からの批判を浴びている。しかし、このような橋下氏に対する不支持は驚くべきことではない。それは、橋下氏の提案の中には、一般国民の感情から外れているものがあるからだ。例えば、橋下市長は、日韓の間で領有権を争っている竹島(韓国名:独島)について、韓国と共同管理したらよいと主張している。竹島に関しては、日本は単独の主権を主張している。橋下市長の尖閣諸島に関する考えもまた不人気である。橋下氏は、日本が実効支配している尖閣諸島に関しては、中国との間で領有権争いがあることを世界に向けて宣言し、解決のために国際司法裁判所に持ち込むべきだとしている。

 日本維新の会内部の摩擦と橋下市長の批判を受けている外交姿勢の結果、日本維新の会が最初に与えたインパクトと人気は少しずつ減退している。最新の世論調査の結果、日本維新の会の支持率は民主党とイーブンといったところである。しかし、両党とも自民党の後塵を拝している状況である。選挙結果の予測を見ても、獲得議席の予想数は大きく減ってきている。最初、日本維新の会は100から130議席を獲得すると予想されていた。しかし、その数が70から100に減り、最新の予想では40から70になっている。

●政治的な津波は大阪から?・・・それとも北京から?(A Political Tsunami from Osaka…or Beijing?)

 日本維新の会が次の衆議院議員選挙に大きな衝撃を与えることになるのは間違いない。しかし、それよりももっと大きな要素は、中国の積極的な姿勢ということになるだろう。特に、日中間の緊張関係の高まりは、自民党を利することになるだろう。それは、有権者は、自民党と安倍総裁が中国に立ち向かってくれると考えるからだ。従って、野田首相は、総選挙の実施をできるだけ引き延ばし、その間に日本と中国、韓国との間の緊張を緩和しようとするだろう。

 尖閣諸島をめぐる争いは橋下市長にも悪い影響を与えている。メディアは、橋下市長の選挙運動を取り上げなくなったし、彼の外交政策の分野における経験のなさを報道するようになった。日本ではナショナリズムが高揚しているが、橋下氏が「安倍氏を追い越す」ことができない以上、ナショナリズムの高揚は橋下氏にとって不利に働く。また、橋下氏は、ベテランの政治家たちを迎え入れて、より細かい外交政策を策定するためのアドバイザーにする気はないように見える。

c0196137_1443285.png


 盛り上がるナショナリズムについて。中国が地政学的に積極な行動を取り続けている。これに対して、日本全体でナショナリズムが盛り上がっている。そして、ナショナリズムの盛り上がりは、日本の政治状況を変えている。これは次の総選挙の結果も左右するだろう。しかし、銘記しておかねばならないのは、このような変化は中国との関係だけで起こることであり、日本が軍国主義に戻ることを示す兆候ではない。実際、中国の好戦的な行動によって、日本はいつもの引っ込み思案な態度から踏み出し、多くの有権者は日本が戦後長い間堅持してきた過度の平和主義を放棄しても良いと考えるようになった。この変化は世代の変化の産物である。戦争の悲惨さを実体験で知り、軍国主義を否定してきた世代はこの世を去っている。

 結果、日本政府は中国の拡大主義に対抗し、軍事力の増強をしようとしている。2010年、尖閣諸島を巡り、中国は積極的な行動を取り、日本の人々は中国は傲慢な態度を取っていると認識した。これらの結果、日本は新しい防衛戦略を採用した。世論調査の結果によると、70から80%の日本国民が中国に対して否定的な見方をしている。政権の座に就いて以降、民主党は、より保守的な外交、安全保障政策を採用するようになった。そして、全ての主要な政党は、アメリカとの同盟関係を強化することを支持している。

 ナショナリスティックな感情が生まれ始めたことで、人々は、日本の軍事力の脆弱さを懸念するようになっている。そして、中国と対峙し、押し戻そうとする強いリーダーを求めている。各種世論調査の結果を見てみると、2012年現在、25%の人々が日本の軍事力を増強することに賛成している。2009年には14%、1991年には8%だったが、数次は大きく伸びている。有権者たちはまたより長い時間が必要な変化も認めようとしている。そうした変化は、防衛予算の増額、集団的自衛権と交戦規程の厳格な解釈の緩和である。

 これらの変化によって、日本は同盟国が攻撃された際に、一緒に防衛することができるようになる。アジア各国のメディアは、このような改革に警鐘を鳴らしているが、これらはなにも軍国主義の復活へのゴーサインでもなんでもない。日本の国民が右にシフトしているのは、日本の基準で言えばこれまでにない大きなことではあるが、世界で受け止められているほど重要なことでも、危険なことでもない。「ナショナリズム」というとどうしても帝国主義下の日本の否定的なイメージを呼び起こすが、現在の日本国内で盛り上がっているナショナリズムは、他国と同じような、標準的なナショナリズムなのだ。そして、日本のナショナリズムは、現在の中国が示しているような対外攻撃的なものではない。中国の対外攻撃的なナショナリズムの具体例は、中国全土に拡大した反日抗議運動である。

 いくつかの例外を除いて、日本の主要な政党で、アメリカとの関係を破棄して軍国主義的な日本を作ろうなどと主張している政党は一つもない。安倍氏は、日本の安全保障政策についてのルールを妥当なものに変えようという穏健な主張をしている。そしてアメリカとの同盟を維持していこうとも主張している。安倍氏は中国と対峙するとしながらも、中国との関係が良好であることが日本にとって重要であることも理解している。

 更に言えば、安倍氏のこれまでの政治活動歴と日本のナショナリズムに関する議論は切り離して考えることが重要だ。日本の戦時中の行動に関して、安倍氏は修正主義的な歴史観を持ち、それに基づいた発言をしている。もし安倍氏が首相になっても、このような行動をするならば、トラブルを招き、アジア諸国との間でいらぬ緊張を引き起こすことになる。日本がアジア・太平洋地域における、有能なリーダーになるためには、いくつかの政治的な足かせを取り除く必要がる。その時、安倍氏はただ闇雲に自分の思うとおりに行動することは控えねばならない。

c0196137_1461688.jpg


 安倍氏が最初に首相を務めた時期、安倍氏は挑発的な行動を控えた。そして、アメリカは、安倍氏に対して個人的に、歴史を書き変えるなどという必要のないことに政治的な資源を投入するべきではないと助言し、それはうまくいった。

 次の選挙の結果予想について。現在与党の民主党は次の選挙では議席を大きく減らすことは確実である。その結果、民主党は与党の座を失うだろう。自民党は、2009年の選挙では有権者の信任を得られなかったが、次の選挙では議席数で第一党になるだろう。自民党の党勢回復は、野党であった時期に何かを達成した、実現したという積極的な理由からではなく、与党の民主党が失敗したからという消極的な理由からであろう。

 自民党が多数を取っても、過半数を確保することはないだろう。従って、連立のパートナー探しに奔走しなければならないだろう。その結果、連立に参加する小政党は政策決定において、規模以上の影響力を与えることができる。このシナリオは、鳩山政権でも起きたことだ。鳩山政権では、社会民主党が民主党に対して大きな影響を及ぼした。自民党は公明党との関係は維持するだろう。しかし、一つの疑問が残る。:自民党は、離党者を多く出し、中道政党から左派的な要素を取り除いた民主党と連立を組むのか、それとも橋下市長率いる日本維新の会と連立を組むのか?

 今年(2012年)の初め、自民党と日本の維新の会の連立は確実なもののように思われた。それは、安倍氏が橋下市長との特別な関係を強調したからだ。今年7月、橋下氏は次のように語った。「もし安倍氏が自民党総裁に選ばれたら、日本維新の会は安倍氏率いる自民党との連立に差化するだろう」と。しかし、今年9月末、橋下氏は記者たちに対して、日本維新の会と自民党との間には政策に関して合意できない部分があるので、「選挙になれば、私たちは安倍氏、自民党と戦うことになる」と述べた。橋下市長が自民党との連立を本当に否定しているのか、連立内での存在感と影響力を増加させるために、高く売りつけるためにこのような発言をしたのか、本当のところはわからない。

c0196137_1475151.png


 もし橋下氏が自民党との連立に参加するなら、改革を主張するアウトサイダーというイメージをなくさないように、妥協をしてはならない。自民党と日本維新の会との間には政策面で異なるところもある。自民党は原発を維持し、消費税増税を支持している。一方、日本維新の会は、原発にも消費税増税にも反対している。従って、連立の構成は、次の総選挙で各政党がどれくらいの議席を獲得するかにかかっている。

 これから改善される可能性がある政策について。次の首相は、いくつかの厳しい挑戦に直面する。それらは、停滞する経済、増大する公債、高齢化していく人口、中国と北朝鮮からの安全保障上の脅威の増大、国際社会における影響力が消えていくこと、である。

 自民党が予想通りに総選挙で勝利した場合、衆参両院で過半数を獲得することになる。その結果、ここ数年続いた、それぞれの議院の過半数を民主党と自民党が持つ「ねじれ国会」が解消される。ねじれ国会が解消されることで、次の首相は、政治的な心理戦を行わなくても政策を実行できるようになる。安倍氏が成功するかどうかは、有能な人物を内閣に入れることができるか、そして政策ヴィジョンを明確にできるかどうかにかかっている。以前安倍氏が首相を務めた時、安倍内閣は「お友達内閣」と揶揄された。お友達内閣を再び作ってしまってはいけない。

 安倍氏が首相になっても、日本の政策の方向性は変更されないであろう。それは、民主党が既に自分たちの元々の計画を変更し、自民党の政策を採用したからだ。新しい政権は、現在の政策の変更というよりも、深化と実行を行うだろう。政策の変更と実行との間には大きな違いがある。

(つづく)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2012-11-29 14:10 | 日本政治

ヘリテージ財団の日本政治論:シナリオはできていた?②

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



 自由民主党について。先月(2012年10月)の総裁選で、安倍晋三を総裁に選出した。安倍氏の勝利は驚きをもって迎えられた。それは、事前の世論調査では、石破茂元防衛相、石原伸晃幹事長に次いで3位につけていたからだ。安倍氏は1回目の投票で、石破氏に次いで2位となった。石破氏は、地方の党幹部や党員の間での人気が安倍氏よりも高かった。決選投票は国会議員だけが投票できた。そして、安倍氏は、派閥政治と個人的な相性、好き嫌いの組み合わせによって勝利を得た。

c0196137_13314478.png


 もし自民党が総裁に石破氏を選んでいたら、次の総選挙での結果予想はもっと高いものとなっただろう。安倍氏は有権者からの人気が低い。そ有権者たちは、安倍氏が首相に就任してわずか1年で、突然の、そして無責任とも思われる辞任をしてしまったことに怒りを持っているのだ。実際、2007年の参議院議員選挙、そして2009年の総選挙で自民党が敗北したのは、安倍氏に責任があると主張する人々も多くいる。

 2012年の総裁選後、安倍新総裁は、尖閣諸島を巡り、中国に対抗すること、アメリカとの同盟関係を強化すること、日本がより大きな安全保障上の役割を果たすことを主張している。これらの問題に対する安倍氏の立場は、日本で大きくなっているナショナリズムに対応している。しかし、有権者の中には、安倍氏が中国との対立を激化させるのではないかと不安に思っている人々がいる。中国は日本にとって最大の貿易相手国である。そのような不安はあながち非合理的という訳でもない。安倍氏が首相だった期間、中国、韓国と日本の関係を悪化させた。それは、安倍氏が第二次世界大戦中、日本の軍隊がアジア各国の女性たちを強制的に従軍慰安婦にしたことを否定し、また日本の教科書で日本の戦時中の行動を控えめに扱うようにさせる法律を制定しようとしたことで起こった。しかし、安倍氏は同時に自制的でもあり、前任者の小泉純一郎元首相が頻繁に参拝した靖国神社には首相在任中一度も参拝に行かなかった。そして、初めての外遊の訪問先を中国にした。

 2012年9月の総裁選で勝利を得た後、安倍氏は、これまでに挙げた彼に対する懸念を払しょくしようとして次のように発言した。

 「私たちは、中国が様々な活動に直面しているこの時、自国の領海と尖閣諸島を守り抜くという固い決意を見せねばなりません。とは言っても、私が6年前に総理大臣に就任した時、最初の外国訪問の行く先として中国を選びました。それは日中関係が大変に重要だからです。日中それぞれの国益がぶつかる時、私たちは日中それぞれが相手を必要として、状況をうまくコントロールしなければならないと認識しなくてはいけません。同時に事態に関して戦略的に考えることも必要です。私の日中関係についてのスタンスは変化していません」

 日本維新の会(Japan Reformation Party)について。停滞し、効率の悪い政府に対して人々は怒りを持っている。この怒りに乗って、橋下徹大阪市長は政党を立ち上げ、日本の政治システムを揺さぶっている。カリスマ性を持った橋下市長は、決断力を持ち、地方自治体レベルではあるが、変革をもたらしてきた。橋下市長の業績は素晴らしいものだ。市長として、赤字が重くの敷かっていた予算を削減し、労働組合の抵抗を乗り越えて、教師評価システムを導入した。現在、橋下市長は、国政の舞台を見据え、日本の政治システムの急進的な大修理を公約として掲げている。

c0196137_1334892.png


橋本氏の唱える船中八策(Hashimoto's Eight-Point Manifesto)

1.統治機構改革(Governing Institutions Reform)
2.中央集権国家モデルから地方分権モデルへの転換(Change from a centralized power state model to a regionalized power state model)
3.首相公選制の導入(Direct, popular election of the Prime Minister.)
4.衆議院議員定数の半減と参議院の廃止(Eliminate half of Diet Lower House seats and abolish the Upper House)
5.消費税を国税から地方税化と地方間財政調整制度の導入(Make the national consumption tax a locally collected and distributed tax)
6.財政と行政の改革(Financial and Administrative Reforms)
7.議会システムと統治機構の簡素化と効率化(Simplify and raise effectiveness of the parliamentary system and governmental institutions)
8.国家の財政状況を黒字化(プライマリーバランス)するための目標設定(Set targets for bringing the national fiscal balance into surplus)
9.公務員制度改革(Civil Service System Reform)
10.大阪で実行されている公務員制度改革を全国に拡大する(努力や業績に対するボーナス、能力・実績・職位に基づいた給与)
11.公務員の終身雇用保障を廃止(Abolish guaranteed, lifetime employment in civil service)
12.教育システムの改革(Education System Reform)
13.自立した国家と自立した地域を担う自立した個人を育成する(Nurture self-reliant individuals who can support a self-reliant nation and self-reliant localities)
14.全ての地方自治体が独自の教育システムを選ぶことを認める(Allow localities to choose their education system)
15.大学を含む全ての教育機関でヴァウチャーシステムを導入して、教育機関同士の競争を促進する(Institute a voucher system at all levels, including universities, to promote
competition among institutions)
16.社会保障システムの改革(Reform of the Social Security System)
17.供給サイドへの税投入よりも受益サイドへの直接の税投入を重視(Reform the system to change from funding providers to directly funding beneficiaries)
18.公共サービス供給者間の競争を促進するための規制緩和(Deregulate to increase competition among service providers)
19.経済政策、雇用政策、税制(Economic Policy, Employment Policy, Tax Policy)
20.貿易協定である環太平洋経済協力協定への参加、自由貿易協定の拡大(Join the Trans-Pacific Partnership trade pact; expand free trade agreements)
21.「均等税」改革の実施(Implement a “flat tax” reform)
22.外交政策と防衛政策(Foreign Policy and Defense)
23.日本の主権と領土を自力で守るための準備(Prepare to self-reliantly defend Japan's sovereignty and territory)
24.国連PKOなどの国際平和活動への参加を強化(Increase participation in international peace activities like U.N. peacekeeping operations)
25.ODAの継続的低下に歯止めをかけ、積極的な対外支援策に転換(Arrest the decline in official development assistance; shift to an active foreign aid policy)
26.日本国憲法の改正(Amending the Japanese Constitution)
27.首相公選制(Popular election of the Prime Minister)
28.日本国憲法第9条(交戦権の放棄)の改正について国民投票を行う(Put the question of revising Article 9 (renouncing the right to wage war) to a popular vote)

 橋下市長のイニシアチブは多くの点で、アメリカのティーパーティー運動に似ており、「ワンマン・ティーパーティー運動」というべきものだ。アメリカのティーパーティー運動と同様、橋本市長は、既成政党に対する人々の怒り(嫌気まではいっていないが)のうねりに乗って登場した。しかし、アメリカのティーパーティー運動は、形式ばらない組織や団体の、下からの融合で構成されているが、橋下市長は、トップダウンで計画を発表し、橋下氏個人のアピール力で関心を集めている。実際のところ、専門家たちは、橋下氏を「日本版のロス・ペロー」と見なしている。

(つづく)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2012-11-28 13:34 | 日本政治

日本政治論:エコノミスト誌から

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



極(pole、ポール)を巡って競争するポール・ダンサーたち(Pole dancers)

曖昧なマニフェストを掲げる小政党は日本の有権者たちをうんざりさせようとしている

エコノミスト誌(The Economist)東京発
2012年11月24日
http://www.economist.com/news/asia/21567116-small-parties-vague-manifestos-hope-entice-fed-up-japanese-voters-pole-dancers

 日本の自由民主党(Liberal Democratic Party、LDP)について言い古されてきたジョークがある。それは、自民党は、自由主義的(Liberal)でも、民主的(Democratic)でもなく、ましてやきちんとした党(Party)でもないというものだ。自民党は、1950年代に反社会主義の諸派閥の雑多な組み合わせで形成された。そして、2009年に総選挙で大敗するまで、半世紀以上にわたり、雑多な派閥の集まりである自民党はその団結を保った。現在、歴史は繰り返す、という状況になっている。野田佳彦首相が2012年12月16日に総選挙を行うことを宣言して以降、日本の政治の世界には14の政党が出現している。

c0196137_1315953.png


 野田首相率いる民主党(Democratic Party of Japan)は国民からの支持を失っている。そして、新しく結成された諸政党は政治的には右であるが、これらは連合して日本を再活性化したいと熱望している。こうした戦略は諸政党の名前によく反映されている。「太陽(Sunrise)」、「維新」、「ルネサンス(Renaissance)」といった具合である。日本の有権者たちは、「こうした政党は一体何を基にして連合するのだろうか?」という疑問を持っている。

 総選挙の約3週間も前になって、諸政党のリーダーたちは、日本のメディアが、民主党と自民党以外の選択肢となる「第三極(third-pole)」と呼ぶ、連合を形成しようと躍起になっている。有権者の多くは、民主党には罰を与えたいが、自民党に政権の座に復帰して欲しくないと考えている。それは世論調査の結果から明らかである。民主、自民両党は、両方の支持率を足しても半数の有権者の支持を得られていない。従って、残りの諸政党は、お互いに協力するか、民主、自民どちらかと協力することができれば、影響力を行使できることになる。

 このような状況下、諸政党は、政策がぶつかることがあっても、最も魅力的な相手と一緒になろうとして、お見合いパーティー(speed-dating)に狂奔している。ベテラン政治家で反中国の立場をとる、石原慎太郎は、東京都知事を辞任して、右翼政党「太陽の党(Sunrise Party)」を結成した。それからほんの数日後、石原は、橋下徹大阪市長率いる日本維新の会(Japan Restoration Party、JRP)に入党し、党代表となった。石原、橋下両氏は、合併のためにいくつかの政策をあやふやなままにしておいた。そしてそれを敢えて問題視しなかった。橋下市長は、日本維新の会が主張していた2030年代までの原発廃止という主張を取り下げ、石原は、アメリカが主導している自由貿易協定、環太平洋戦略的経済協力協定(Trans-Pacific Partnership、TPP)への参加に反対する姿勢を軟化させた。

●いろいろなことが噴出している

c0196137_1322614.png


「橋石(HashIsh)」合併は、これらと連合を組む可能性が高かった残り2つの政党を驚かせた。一つは、みんなの党(Your Party)である。みんなの党は、TPP推進と反原発の立場をとっている。もう一つは、減税日本(Taxcut Japan)である。減税日本は、石原慎太郎と合併について協議していたところだった。

 諸政党のリーダーたちはうまく立ち回るべく動いている。彼らの動きは激しさを増している。それは、そうした活動を行う余地が多く存在するからだ。各種世論調査によると、自民党は約25%の支持を得ており、民主党の倍の数字となっている。しかし、自民党の安倍晋三総裁の人気は下降気味であり、一方、野田首相の人気は、国会を解散して以降、上昇している。多くの有権者が態度を決めていない。日本政治に関するブログ「シサク(思索)」の著者マイケル・チュチェックは、有権者が態度を決めていないこと受けて、次のように書いている。「第三極の諸政党は、安易な連合を組むだろう。政策を粘着テープで適当につぎはぎし、政治家個人の人気に頼り、うんざりするほど愛国主義を煽り立てるだろう」と。まrた、自民党と民主党の親財界の人々は、選挙後、一時的な連合を組もうとする可能性ある。このような「大連立(grand coalition)」の希望は過去に成就しなかった。しかし、今回は分からない。

 選挙の結果について、たった一つ確実に言えることは、日本政治が右傾化するということだ。石原慎太郎は、日本と中国との間で尖閣諸島の領有権をめぐる争いの引き金を引いた人物である。日中間の争いによって、ビジネスは大きなダメージを負った。しかし、石原は後悔をしていない。先月、東京都知事を辞任して以降、石原は、日本の戦争を非難する憲法は「醜い(ugly)」のでこれを改正し、中国に対してこれまで以上の厳しい態度で臨むべきだと強く主張している。石原は、日本は核兵器を開発し所有すべきであるとも主張している。また、1937年に南京で起きた大虐殺(massacre)については否定している。減税日本代表で名古屋市長の河村たかしは、南京大虐殺には疑義があると発言した。名古屋市と南京市は姉妹都市の関係にある。

 みんなの党は、日本維新の会との合併協議から離れようとしている。みんなの党は最初から慎重な姿勢を崩さなかった。しかし、選挙後、非公開の場所での交渉が始まれば、政策は再び柔軟に取り扱われることになる。みんなの党所属の浅尾慶一郎代議士は、「そうしたことは、それぞれの政党のリーダーたち次第であろう」と述べている。何も心配することはないのだ。

※アジア版から転載

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2012-11-26 13:02 | 日本政治

若きジャパンハンドラーズ候補生であり、大物ハンドラーであるリチャード・サミュエルズの弟子の日本政治論

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



※リチャード・サミュエルズMIT教授(日本政治)については、拙著『アメリカ政治の秘密』で詳しく書いております。是非お読みくださいませ。

==========
日本政治:2012年の時代精神?(Japanese politics: the spirit of 2012?)

トバイアス・ハリス(Tobias Harris)・MIT政治学部所属
イースト・エイジアン・フォーラム(East Asian Forum)
2012年10月27日
http://www.eastasiaforum.org/2012/10/27/japanese-politics-the-spirit-of-2012/

「日本政治は不安定な段階に入っている(Japanese politics have entered a volatile phase)」

 消費税増税を巡る衆議院での議論は、民主党から新たな分裂を生む結果となった。小沢一郎が約49名の議員を引き連れて民主党を離党し、「国民の生活が第一(People’s Life First)」を結成したのは、2012年7月だった。この分裂に続き、橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会(Japan Restoration Association)」が結成された。そして、新自由主義を標ぼうする「みんなの党(Your Party)」が日本の二大政党である民主党と自民党に対する挑戦者としてその力を高めつつある。これらの動きは、日本政治は、「政党の再編成」の新時代の幕開けであることを示していると私は考える。

 日本政治のウォッチャーたちは、政党の変遷(栄枯盛衰)に重要性を見出していない。これまで20年以上にわたり、日本の政党は、結成され、分裂し、解散し、また結成され、を頻繁に繰り返してきた。しかし、日本は、政党システムだけにとどまらない、幅広い政治の大転換の真っただ中にいるのである。

 2012年、東京で、1960年以降で最大のデモが起きている。多くの人々が定期的に首相官邸の前に集まり、野田佳彦首相の原発再稼働の決定に抗議をしている。日本では、2011年3月11の大震災以降、原発稼働が停止されてきた。2011年末から2012年初めにかけて、日本では、野田政権の環太平洋経済パートナーシップ(TPP)への参加の意思に対して小規模な抗議活動が続いていた。反原発の抗議活動は、反TPPの抗議活動に続いて発生した。これらの抗議活動は、これまで長い間政治家たちに対して不満を持ってきた一般の人々が自分たちの手に政治を取り戻したいと思っていることを示している。こうした動きに並行して起きているのだが、橋下市長を含む改革志向の政治家たちが主宰している、政治家「養成」のための政治塾(political ‘training’ academies)に参加する人々の数は増えているそうだ。政権を取って以降の民主党の政策に対する失望、もしくは日本が構造的に抱える腐敗や汚職がなくならないことへの諦めの気持ち、のどちらが大きく影響したとも言えないが、一般の人々の政治に対する不信感は大きな転換を起こすところまで高まっていると言える。

 現在東京で行われている抗議活動はアラブの春との比較がなされ、橋下市長の人気は明治維新(Meiji Restoration)と比較されている。しかし、今回の大きな動きがどのような結果になるかについて語るのは時期尚早である。成熟した民主国家ではよくあることだが、日本の政治的、選挙に関する、そして行政の各機構は、外側の人間が参入しようとする際の障壁になっている。

 第一に、衆議院(House of the Representatives)の小選挙区比例代表並立制(mixed-member electoral system)は、300ある小選挙区のほとんど全てに候補者を立てられる大政党に有利になっている。みんなの党と大阪維新の会との間で成立すると考えられる同盟が次期総選挙(遅くとも2012年8月までには行われる)でどれほどの数の候補者を擁立できるか、はっきりしない。そして、政治資金と選挙運動に関する法規は現職に有利になっていて、その現職のほとんどは2大政党(民主党と自民党)に所属している。

 更に言えば、参議院(House of Councillors)は、改革を目指す人々にとっては、大きく邪魔な存在となっている。もし、参議院の過半数を野党が握っている場合、政権がやろうとしている政策を邪魔し、阻止することができるようになる。これは、ここ5年の間、実際に起こっていることである。参議院議員の半数が2013年の選挙を控えている。正統が分立している現状では、どの政党も過半数を獲得することは困難である。そうなると、与党は、行き当たりばったりで野党と妥協することになるだろう。ポピュリスト的な政党や諸政党の同盟が衆議院で過半須を獲得して政権を担うことになると、ねじれ国会(divided Diet)である場合、与党が統治する能力が十分に発揮することは難しい。

 最後に、ポピュリスト的な政権は、日本の中央官僚制度と競い合わねばならない。中央官僚たちの影響力と改革志向の政治家に対する敵意は、過大評価される傾向がある。しかし、政治家は最も従順な官僚たちをうまく管理しなければならない。政策の専門知識はあるが経験のない大臣たちは、官僚たちをうまく管理することができるとは限らない。これは、2009年以降の民主党に当てはまる話だ。立法スタッフやシンクタンクというようなところからのアドバイス、いわゆる外部からのアドバイスない現状では、政治家たちは、官僚たちに頼る以外には選択肢はないと言って良い。民主的な正当性というものは、有権者が望むプログラムを実行できる、中立で、能力の高い中央官僚が存在しているかどうかにかかっている。官僚の力を弱めようという熱意をもって、政治家たちは、才能あふれる人々を官僚の身分から追い出す、もしくは官僚にならないように説得し、または官僚たちが持つ健全な政策アドバイスを行う能力を損なわせることで、官僚制度を突き崩そうとしている。

 日本の政治システムはその不安定さを増している。しかし、そうした状況であっても、変化を起こそうとする人々にとっての重大な障壁が今でも存在している。これは、日本の政策に変革をもたらそうとしている人々にとっては、容易に解決できない問題である。人々は強力な、決断力を持つリーダーの出現を願っている。しかし、今の日本にとって必要なのは、より多くの考えを代表し、妥協がしやすい機構なのである。野田首相は、野党との妥協を成立させた。困難ではあったが、それが決して不可能ではないことを野田首相は示した。しかし、東京でのデモに参加した人々と大阪の都市を基盤とした改革者たちは、彼が熱望する大きな変化を見ることは難しいだろう。それでも、彼らは、日本政治に何らかの足跡を残ることになるだろう。日本の政治システムに対する不満が、政治システムへの参加者を増やし続けるならば、日本の民主政治体制は、より開かれたものとなり、国会内部の権力の中心が外部からの新しい考えを吸収するようになるだろう。

※トバイアス・ハリス:マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)博士候補生。2006年から2007年にかけて民主党所属参議院議員(現在はみんなの党所属の浅尾慶一郎代議士)の下で働いた経験(私設秘書)を持つ

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


[PR]
by Hfurumura | 2012-11-25 17:09 | 日本政治

どうなる舛添新党

自民党の舛添要一参議院議員が、有名な知事たちと連携し、新党立ち上げを模索し始めたそうです。新党ブームもついにここまで来ました。たちあがれ日本、首長・首長経験者による新党(山田・中田新党)に続き、舛添新党も動きそうな勢いです。

ここに名前が出ている、橋下徹・大阪府知事、東国原英夫・宮崎県知事は山田・中田新党に加わらないようです。やはり、山田、中田両氏のように、国政からの転身組ではないからでしょう。

もし、舛添氏、橋下氏、東国原氏が提携し、新党を立ち上げることができたら、これは脅威になるでしょう。しかし、舛添氏には人望がなく、彼と一緒に行動してくれる現職の国会議員がいない点がネックになります。

新聞などの報道によると、舛添氏は大変な人気で、「首相になって欲しい政治家」では断トツの結果を残しているそうです。新党を立ち上げて軌道に乗ったら、舛添氏の人気は使えますが、新党を立ち上げて形にするまでのことが舛添氏には厳しいようです。

それで、自民党に残れば、選挙となれば自民党のために戦わねばなりません。それはそれで舛添氏にとっては我慢できないことなのかもしれません。そして、中途半端に自民党を勝たせる結果になることでしょう。それは舛添氏が望む方向ではないでしょう。

イチローがいくら打てるからと言っても、チームに属していなければ試合には出られません。チームを作ることの厳しさを舛添氏は今感じておられることでしょう。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「舛添氏が「新党」意欲、連携模索 橋下、東国原知事と」

2010年4月13日付 Japan Press Network 47ニュース

 自民党の舛添要一前厚生労働相が夏の参院選前の離党、新党旗揚げを視野に入れ、橋下徹大阪府知事や東国原英夫宮崎県知事との連携を模索し始めたことが13日、分かった。複数の党関係者が明らかにした。同日ネット配信したコラムでは、橋下氏が掲げる関西での経済特区創設に強い賛意を示しながら「政策を集大成して信を問いたい」と新党への意欲を表明。周辺には「5月の連休は休めない」と大型連休前の結党準備本格化を示唆した。近く東国原氏との会談も予定しているという。

 ただ現時点で自民離党に踏み切っても、政党要件となる国会議員5人の同調者を集める見通しは立っていない。世論の反応を見極めながら、慎重に最終判断する考えとみられる。

 舛添氏は講談社のホームページに連載中のコラムで「日本は底無しの泥沼に落ち込みつつある。その危機感を欠いているところに今の自民党執行部の問題がある」として谷垣禎一総裁による党運営への失望を表明した

(新聞記事転載貼り付け終わり)
[PR]
by Hfurumura | 2010-04-13 19:43