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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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鳩山外交は同時進行・多元外交

新党大地の鈴木宗男代議士(衆院外交委員長)がモスクワで講演し、北方領土解決に向けての鳩山由紀夫首相の意欲を伝えたそうです。外交アカデミーでの講演で述べた内容が記事になっています。講演以外でも鈴木代議士はロシア政府のしかるべき人々と話していることでしょう。

鈴木氏は鳩山首相の非公式の特使として今回訪露したのだと思われます。国内が、普天間基地移設問題で沸騰しているときに、ロシアとの交渉の地ならしをする、というのは、首相としては当然の動きなのですが、中々できることではありません。

鳩山首相とロシアとの関係が深いのは良く知られていることです。しかし、外交政策はそれだけでできるものではありません。

穿った見方をすれば、普天間基地移設問題が沸騰しているこの時にロシアとの外交交渉の地ならしをすることが大事なのです。ロシアは、アメリカ、中国、韓国、日本、EUに包囲されているという認識であり、生存圏を確保するために、拡大主義を採用しようとします。その際に、日本の自衛隊は邪魔ではないでしょうが、日本に入る米軍が邪魔なのです。

鳩山首相は、自衛隊の基地の米軍への開放を模索しています。これは、常時駐留ではないのですが、ロシアにとっては嫌なことです。北海道にある自衛隊の基地も開放されれば、米軍は数時間で北方に展開することができます。

鳩山首相は、一言で言うと、日米交渉をしながら、その材料を使って日ロ交渉をしようとしているのではないかと思われます。

こうしたセンスの良さというか、頭の良さは小泉政権以降の自民党政権には全く感じられないものでした。

鳩山首相、恐るべし。そして、そこに鈴木宗男氏がいることも大きなアドヴァンテッジです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「鈴木宗男氏、モスクワで講演「北方領土解決、首相意欲」」

2010年5月12日付 朝日新聞電子版

 【モスクワ=副島英樹】ロシアを訪問中の鈴木宗男・衆院外務委員長(新党大地)が11日、モスクワの外交アカデミーで講演し、北方領土問題について「鳩山(由紀夫)首相は日ロ双方の名誉と尊厳を尊重して問題を解決する強い意欲を持っている。現実的に解決する考えだ」と述べた。

 鈴木氏は、交渉の基礎となるのは「歯舞・色丹の2島返還を約束した1956年の日ソ共同宣言、4島を係争地域と確認した93年の東京宣言、交渉の突破口を開こうとした2001年のイルクーツク宣言の3点」と指摘。メドベージェフ大統領と鳩山首相との「雑音のない静かな環境での交渉」が必要だと述べた。

 日ロ交渉が停滞した小泉政権以降を「空白の10年」と表現し、ロシアとつながりの深い鳩山首相時代に領土問題解決や平和条約締結ができなければ「未来永劫(えいごう)解決できない」とも強調した。

 日ソ共同宣言に基づき2島引き渡しで決着したいロシアに対し、日本は4島の日本への帰属確認を求めている。ロシア側は、日本が「4島」から譲歩に踏み出さない限り交渉にはならないとの立場だ。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

鳩山外交は同時進行・多元外交_c0196137_14151944.jpg

by Hfurumura | 2010-05-12 14:16 | 日本政治
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