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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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政治家の日本語(言葉の乱れ、風紀委員にはなりたくないけど)

自民党の麻生太郎前総裁・前首相が「ハトった」という言葉を使って鳩山由紀夫首相を批判した、と朝日新聞が報じています。記事によると、麻生氏が数日前に新聞で「ハトる」という言葉を見つけ、「できないことを約束する」という意味で使われていると派閥総会で紹介し、本日、講演会の中で、人々に向かってまた使ったということです。

まず、こういうことは新聞記事で取り上げるほどのことでしょうか。自分が与党の時に総裁・首相としてサミットに出たいためだけに、選挙を引き伸ばすだけ引き伸ばし、結果、政権と多くの仲間を失った政治家が、何を言おうがそこにニュースバリューはありません。本来なら、議員も辞めて引退し、大所高所から政治に関わるべき立場の人が、この程度かと思うと暗澹たる気持ちになります。

次に、これは数日前にこのブログとツイッターで書きましたが、丸川珠代参議院議員が「ルーピー」と議場で叫んだ(これをヤジだと報道していますが、違います。ただの内容のない雄叫びです。鹿児島弁で言うと、おらぶです)ことと同じです。新聞で書かれたことを無批判に受け入れて、面白そうだから、一国の宰相を批判するのに使うというのは丸川氏と同じです。しかし、彼らの言葉遣いは「悪口」や「罵詈雑言」であり、政治家の批判に耐えうる言葉遣いではないと思います。「ルーピー」と「ハトる」、こんな言葉遣いしかできない政治家たちしかいないのでしょうか。

国民が選んだ一国の宰相を批判するのは民主政治体制では当然のことです。しかし、それにはルールがあり、やはり弁論術、議論で行うべきです。ヤジもまぁ良しでしょう。しかし、自分が考えたことでもないばかみたいな言葉を使って、内閣総理大臣に対して「批判のような言葉遣い」をするのは失礼です。政治家の資格・資質に欠けていると私は考えます。

悲しいのは、一国の宰相を曲がりなりにも経験した政治家が、面白半分にこうした言葉遣いをしたことです。丸川氏は首相どころか大臣も経験していない若手ですからおもしろ半分のところはあるでしょう。しかし、麻生氏は派閥の長で、閣僚経験は豊富、家柄も良く、そして首相となりました。政治に関わる厳しさ、孤独、首相のときの言葉では言い表せないほどの辛さが身についているはずです。そうしたら、このようなおもしろ半分の言葉遣いはできないと思います。

私が思うに、首相を退任された方は、議員も辞めて、それで大所高所から政治に関わるようにしていただきたいと思います。元首相が派閥で挨拶したり、政局で動き回っているのは、首相の地位への冒涜です。

(新聞記事転載貼付けはじめ)

「「ハトった」と鳩山首相を批判 麻生前首相」

2010年5月24日付 朝日新聞電子版

 自民党の麻生太郎前首相は24日、大阪府高槻市で講演し、鳩山由紀夫首相について「事業仕分けで20兆円出すと言ったのに6千億円。米軍普天間飛行場の話も同じ。『ハトった』ってことだ」と述べ、政策実現能力に疑問を投げかけた。

 麻生氏は20日の派閥総会で「新聞に『ハトる』という言葉があった。『できないことを約束する』ということなんだと思う」と紹介。この日も「ハトる」というフレーズを使って、首相を批判した。

(新聞記事転載貼付け終わり)
by Hfurumura | 2010-05-24 21:08 | 日本政治
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