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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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反革命政権の出発に際して

昨日、菅直人氏が民主党代表に選ばれ、その後、国会で内閣総理大臣に指名されました。党役員人事は来週月曜日(2010年6月7日)、内閣の閣僚人事は来週火曜日(2010年6月8日)にそれぞれ発表される見通しです。しかし、早くも人事の一部が発表され(内定の段階ですが)、仙石由人氏が内閣のかなめである官房長官に内定し、党のかなめとなる幹事長には、枝野幸男氏が有力という報道がなされています。

下に掲載した記事では、枝野氏の幹事長起用については、小沢氏に近い議員たちと菅グループから異論が出ています。菅氏の前原グループの優遇に対する不満が党内に沸き起こっているようです。しかし、菅氏としては、鳩山退陣から菅氏の首相就任までの流れを作る上で貢献のあった両氏に対する論功行賞の意味があったように思われます。枝野氏が小沢氏との距離をとることを条件にして菅氏支持の口火を切りましたし、仙石氏は反小沢の象徴のような人物です。

枝野氏とともに今回、重要ポストに就任が予想されているのが蓮舫氏です。事業仕分けで一躍スポットライトを浴びた人物ですが、枝野氏・蓮舫氏という事業仕分けコンビが重要な地位に就くことで、目くらましがなされるものと思います。彼らが一生懸命無駄に切り込む姿勢に国民は好印象を持っています。しかし、事業仕分け自体が財務省のおぜん立てで行われているもので、財務省が切りたいものばかりが俎上に挙げられています。両氏はそれらを斬っているだけにすぎません。

更に、「これだけ努力したのに思ったほどの無駄が出ませんでした」という結論にして、「それでは国家財政を救うためにも増税しかありません。国民の皆様、ご理解ください」というのが財務省とそれに乗せられている菅氏のシナリオです。そして、このシナリオを補強するための政調の復活なのです。政調の復活を求めて議員連盟を作ったのは玄葉光一郎氏です。氏が作った政調議連がそのまま消費税増税を求めている「国家財政を考える会」になっているのです。政調にはかって増税を行う動きを補強する、このように復活した政調は使われてしまう危険性があります。

菅氏は「増税による成長」を掲げています。消費税を増税し、それで国家の収入を挙げて、国家が成長が見込まれる分野である環境事業や医療にお金を出す、ということだそうです。まず、消費税を福祉以外の目的で使って欲しくありません。これは国民全体が負担する税金ですから、国民全体に関わることに使われるべきです。更に、成長が見込まれる産業分野であれば、民間が投資をします。国家がわざわざ国民のなけなしのお金を集めて投資をする必要はありません。

今回、小沢氏の近い議員グループである「一新会倶楽部」は自主投票としました。一年生議員のなかで菅氏の支持に回った議員たちもいるようですが、多くは樽床伸二氏に投票しました。鳩山首相は退陣の弁の中で、小沢氏の責任についても言及していたので、小沢グループは目立った動きはできませんでした。いわゆる「喪に服した」状態になりました。しかし、下の記事にあるように、小沢氏は参議院議員選挙での勝利のために後一ヶ月間努力し、参議院議員選挙後、「理想の実現」のために動く、と発言しています。今は戦う時ではない、9月以降に動くのだ、ということです。

この夏は、熱い季節になりそうです。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「小沢氏の逆襲 9月代表選「先頭に立つ」」

2010年6月5日付 nikkansports.com

 菅直人氏(63)が4日、民主党両院議員総会で新代表に選ばれ、衆参両院本会議で第94代首相に選出された。菅新首相は、
距離を置いた小沢一郎前幹事長との関係を念頭に「ノーサイドを宣言したい」と、敵味方なしを強調したが、新幹事長に「反小
沢」代表格の枝野幸男行政刷新担当相が検討されるなど新布陣が固まり出した。小沢執行部が決めた国会日程も覆し、この日
予定された組閣は8日に延期、会期も延長の方向だ。小沢色一掃の菅裁定に、親小沢派は警戒を強めている。

 小沢氏に影響力を封印するつもりはなさそうだ。4日夜、地元岩手県連が盛岡市で行った総決起集会に、菅新首相選出後に
収録されたビデオメッセージを寄せた。小沢氏は「参院選で勝利し、政権を安定させることで初めて本当の意味の改革ができる」
とした上で「そのとき、自分自身が先頭に立って頑張りたい」とまで言及。「いったん幹事長の身を引いたが、私の理想を実現
するためにもなお一層頑張る決意だ」と宣言した。

 いったん身を引き、時が来れば自分自身が先頭に立つ。参院選後の9月に行われる代表選こそが小沢氏の大本命だ。親小沢
グループが擁立した樽床氏の得票は129票。他のグループが「小沢氏の影響力排除」で合流する中、孤立無援で票を積み上
げた。小沢氏は同日夜、都内でのグループ会合で「樽床氏の129票は、我々の団結の証しだ」「今回は動けなかったが、樽床
さんが129票も取れて非常に良かった。まったく悲観する数字ではない。過半数に90足りないだけだ」と上機嫌だった。

 水面下では小沢氏本人の出馬の準備もぎりぎりまで進められていた。田中真紀子元外相によると、小沢氏は3日午前11時
から2時間、真紀子氏と輿石東参院議員会長と3人で会談。真紀子氏に出馬を要請した小沢氏に対し、真紀子氏が「今回は
選挙管理内閣。私は客寄せパンダじゃない。勝負なさるのはあなたです」と逆に説得。小沢氏は真剣な様子で「出ないわけじゃ
ない。分かった」と、一時は出馬に応じたという。

 真紀子氏はすぐに電話作戦を展開したが、樽床氏を擁立する動きもすでにスタートしていた。側近からも「今回出れば傷が
つく」との声も上がり、最終的には「次回」である、9月の代表選に勝負を見送った。

 小沢氏側近の松木謙公衆院議員は代表選後「戦いは敗れれば仕方ない」としながら「また次の戦いに向かっていく」と発言。
小沢氏に近い議員は「ノーサイドなんてあり得ない。9月の代表選で、(菅氏の)無条件続投の流れは作らせない」と強い決意
を示した。9月の代表選では、議員票のほか、小沢氏が行脚を続けてきた地方組織の党員票も加味される。参院選後の代表選は、
現実的な分裂含みの激戦となりそうだ。 [2010年6月5日8時3分 紙面から]


「民主幹事長に枝野氏起用方針 蓮舫氏の入閣も浮上」

2010年6月5日付 朝日新聞電子版

 菅直人・副総理兼財務相(63)が4日、衆参両院の本会議で第94代首相に指名された。菅氏は新たな閣僚、党役員人事に
着手し、官房長官に仙谷由人・国家戦略相の起用を決めた。党幹事長には枝野幸男・行政刷新相を充てる方針だ。正式な組閣は
8日、党人事は7日にそれぞれ行う。菅氏は国民新党代表の亀井静香金融相と会談し、連立政権の継続を確認した。国民新党が
求める郵政改革法案の今国会成立のため、16日までの会期を2週間程度延長する案が政権内で浮上している。その場合、鳩山
政権が固めた7月11日投開票の参院選日程もずれ込む。

 閣僚人事では、菅氏側近で鳩山由紀夫首相の補佐官を務めた荒井聡氏の入閣が固まった。国家戦略相か農林水産相への起用が
検討されている。野田佳彦財務副大臣は財務相へ昇格させる方向だ。事業仕分けで知名度を上げた蓮舫参院議員の消費者・少子
化担当相への起用も浮上している。いずれも小沢一郎幹事長とは距離を置いてきた議員だ。

 さらに菅新首相は、党内で「非小沢」の代表格の仙谷、枝野両氏を、それぞれ内閣と党の要に起用することで、小沢氏の影響
力を排除する姿勢を打ち出したい考えだ。参院選後の連立組み替えも視野に、みんなの党などから抵抗感の少ない両氏を、今後
の連携の窓口にすることも想定していると見られる。

 菅氏は3日の代表選の立候補会見で、小沢氏に対して「しばらくは静かにして頂いた方がいい」と明言しており、今回の人事
構想は、こうした考えを反映したものといえる。

 ただ、菅氏の姿勢には、小沢氏に近い議員グループが強く反発している。

 党の資金や選挙対策を仕切る幹事長への枝野氏起用について、「そんな露骨な人事をするのか」(小沢氏側近議員の一人)と
いった不満が噴出。小沢氏のグループが人事への反発から「反菅」で結束すれば、政権基盤はたちまち不安定化しかねない。

 一方で足元の菅氏のグループからも、「人事構想を(前原誠司国土交通相のグループの)仙谷、枝野両氏だけで進めている」
といった反発が噴出している。

 こうした状況を受けて、菅氏は4日の記者会見で「多少の時間をいただき、官邸、内閣の一体性、党の全員参加を目標に、
しっかりした体制をつくりたい」と語った。民主党内には当初、4日に党人事と組閣を終える案があったが、菅氏は7日に両院
議員総会を開いて党役員人事を決め、8日に組閣して菅内閣を正式に発足させる方針だ。

 ただ、菅氏に近い議員は「党内の反発を押し切るなら、一気に人事を決める手もあった」と語り、菅氏が人事を先送りした
ことで、主導権を発揮できなくなる事態を懸念している。一度内定した人事を差し替えるような事態になれば、早くも指導力に
疑問符がつくことになる。

 また、菅新首相が「全員参加」を強調したことで、党内の各グループの猟官運動が激しさを増し、調整が困難になる可能性も
ある。


「【民主代表選】小沢氏側近の松木氏が、菅氏の小沢外し発言に不快感」

2010年6月4日付 MSN産経ニュース

 民主党の小沢一郎幹事長の側近である松木謙公筆頭国会対策副委員長は4日朝、都内で記者団に対し、菅直人副総理・財務相
が3日の記者会見で「小沢氏はしばらく静かに」と述べ、“小沢外し”を表明したことに対し、「あまり人に言われたくない。
小沢さんは日本の政治を変えてきた人だ」と述べ、不快感を表明した。松木氏は、小沢氏を支持する議員グループ「一新会」の
事務局次長。

 一新会は4日朝の会合で、自主投票の方針を改めて確認。会合後、一新会会長の鈴木克昌会長は記者団に「どなたが(新代表
に)選ばれても、国家国民のための政党だから支える」と述べた。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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反革命政権の出発に際して_c0196137_1154870.jpg

by Hfurumura | 2010-06-05 11:06 | 日本政治
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