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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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ニューリパブリック誌に掲載された政治状況についての論文のご紹介④

オバマ大統領と菅新総理は先週日曜日(2010年6月6日)に電話で会談した。その会見の中で、オバマは普天間基地移設合意の実行を求め、菅首相は実行を約束した。しかし、オバマ政権は菅新首相には実行力があり、小沢を排除したという好ましい状況になってからと言って、菅政権が鳩山政権以上に移設合意をうまく進めることはできないということが分からない。その理由は、小沢が正式に表舞台から姿を消したと言っても、それが彼の影響力がなくなることを意味していないからだ。その逆なのだ。小沢を敵に回すには考えが足りず、馬鹿げたことだ。1991年、小沢は剛腕を発揮し、第一次湾岸戦争のための戦費を調達した。その総額は一国では最高の金額である。

より大きな立場から言えば、菅の台頭が小沢の影響力の低下を意味するならば、民主党の政治家たちは、鳩山政権を弱体化させたアメリカ政府の態度と民主党の敵たちがアメリカを利用したことを許し、忘れるようなことない。

アメリカ政府は長年、日本が自立した国として行動できないと非難してきた。アメリカ政府は次のように言ってきた。「日本国民の大部分が夢の国に住み、安全保障問題について考えることを避けている。日本の政治指導者たちは長年解決できない経済問題に対処するために決断をすることができない。また彼らは日本が直面している危機に対処するために具体的にどのように軍事的な装備を整えるかも決められない」と。しかし、日本を政治的に無能な指導者が率いる国にしたのはアメリカ政府である。アメリカ政府は日本を属国として扱い、従属国らしくふるまうことを求めた。オバマ大統領は、アメリカの日本占領の遺産と言うべき、完全ではない日本の主権ということについて彼自身が何かを答える必要はない。しかし、少なくともオバマ政権内の複雑な事情によって、日本が政治的に成熟した民主政治体制国家となるチャンスを潰されたということについては、オバマ大統領に責任はある。


先週目まぐるしく政局が動いた。その裏にあったのは、「日本は対等な同盟国ではなく従属国であるべきだ」というアメリカ政府の日本に対する願望である。オバマは大統領就任以来、話す内容が変化しているが、彼は今自分がやっているような残酷なことをする準備はすでにしていたようだ。彼は現実的な振る舞いをしている。それについて、アメリカ政府のある高官は次のように述べている。「アメリカは帝国なのだ。アメリカが動くとき、アメリカは自分たちに都合の良い状況を作る」と。

アメリカ政府は、これからも民主党が日本の政治の方法を変えようとする努力をことごとく邪魔するだろう。アメリカ政府は、菅が鳩山の轍を踏むようなことがあったら、普天間基地問題に変わる新たな政治問題を演出するだろう。普天間基地問題では、アメリカ政府は全く譲歩の姿勢を見せず、沖縄の人々の怒りの火に油を注いだ。しかし、アメリカ政府が日本の政治発展を阻害することを続けるならば、日本政府はアメリカへの従属に代わる選択肢を探し始めようとするだろう。

鳩山が首相を辞任する2日前、中国の温家宝首相は日本にいた。温家宝の人々に親しく接する姿はオバマとは全く異なるものだった。オバマは2010年4月に行われた核兵器に関する首脳会議の際、側近たちの意見を受け入れて、鳩山との会談が10分以上にならないように制限した。オバマの鳩山に対する振る舞いは、世界第二位の経済大国の民主的な選挙で選ばれた指導者に対するものではなかった。それはまるで不良がその不良を嫌う先生から扱われたような冷淡さだった。

中国政府はおそらく、アメリカから独立した、主権を保つ日本の誕生を望んでいないだろう。しかし、アメリカ政府がこれ以上、日本の政治の発展に水を差すようなことを続けるなら、また、日本が自国の将来の安泰のために米中どちらかに対して属国であるように強制されるなら、日本は中国を選ぶだろう。それは、中国は少なくとも面子という考えを理解し、少なくとも表面上は、属国を尊重し、属国の国内問題に介入しないからだ。


R・タガート・マーフィーは、筑波大学東京キャンパスで開講されている国際ビジネス学科のMBAプログラムの教授。著書に、
日本の通貨政策の失敗を描いた三國 陽夫との共著『円の重み』がある。

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ニューリパブリック誌に掲載された政治状況についての論文のご紹介④_c0196137_17114957.jpg

by Hfurumura | 2010-06-12 17:11 | 日本政治
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