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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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「無責任のそしりは免れない」のは松原仁議員の方だ

本日、国会の論戦が開始されました。早速興味深いやりとりがなされたようです。衆議院の予算委員会で、民主党の松原仁(まつばらじん)衆議院議員・予算委員会筆頭理事が日銀の白川方明(しらかわまさあき)総裁に対して、「日銀に現在の不況の責任があると思うか。イエスかノーで」と質問したそうです。

白川総裁は松原議員のこの乱暴な質問に対して、「複雑な問題なので一言で簡単にお答えできません」と答えたそうです。これに対して、産経新聞は「不況への日銀の責任を認めず」という記事のタイトルをつけました。これはまずマスコミによるミスリードです。白川総裁は「イエスともノーとも」答えませんでした。ですから、「責任があるともない」とも答えていないのです。それなのに、産経新聞は、「責任を認めていない」と決めつけているのです。記事のどこを読んでも責任について発言していません。これはマスコミの横暴です。

さらに、松原仁代議士の質問の内容に異議があります。松原仁代議士は民主党の「デフレ脱却議員連盟」の幹部です。この議連は、デフレ脱却のために、インフレターゲットの設定、日銀法の改正によって、日銀のガヴァナンスの改良を行うことを目的にしています。簡単にいうと、日銀の独立性を奪おうということです。そして、日銀の金融政策(ファイナンシャル・ポリシー)で景気回復を図る、という目標を掲げています。具体的には、金利を下げて市中にまわるお金を増やして、人工的にインフレ状態を起こすということです。

ます、金融政策を実施しても、景気回復は図れません。市中で需要(人々がお金を使うこと)が増えなければ、いくらお金を回してもそれは使われることはありません。需要を喚起するには、人々に仕事を与えて給料としてお金を渡さなければなりません。人々は収入があってはじめてお金を使えるのです。それなのにお金だけは銀行にいっぱい刷って渡しても誰も借りてくれません。使われないお金は銀行に貯められるだけです。そして、銀行はお金を退蔵しても仕方がありませんから、投資先を探します。日本の銀行は「安心、安全な」投資先として、アメリカ国債を考えます。このようにして、日本は世界最大の債権国になりながら、一般国民は貧しいままになっているのです。

ですから、松原仁代議士は、日本国民のためというよりも、アメリカのために質問をしているとしか思えません。

(新聞記事転載貼りつけはじめ)

●「白川総裁、不況への日銀の責任を認めず 衆院予算委で」

2010年8月2日付 MSN産経ニュース

 日本銀行の白川方(まさ)明(あき)総裁は2日午前の衆院予算委員会の基本的質疑で、現在の不況について日銀として責任を感じているか問われたが、責任があるとは認めなかった。

 民主党の松原仁予算委筆頭理事が「日銀としてこの不況に責任の一端を感じているか、イエスかノーで答えてほしい」と質問したところ、白川氏は「一言でお答えするにはあまりにも複雑な、難しい問いだ」と述べた。また、安定的経済成長への復帰に最大限の努力を尽くす考えは示した。

 松原氏は「ちょっと無責任な発言だ。(不況の)責任の一端は日銀の金融政策にある。それを感じなければ、無責任のそしりは免れない」と反発した。

(新聞記事転載貼りつけ終わり)
by Hfurumura | 2010-08-02 18:28 | 日本政治
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