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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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限界集落化しているムラ=自民党派閥

日本政治の授業で必ず習うのが「派閥」です。55年体制下(自民党が常に与党であり、社会党が野党第一党という形を維持する。そして、改憲に必要な3分の2の議席を自民党に渡さないために社会党が一定の割合、100以上の議席を取る)では、自民党もそして社会党も派閥が重要な役割を果たしていました。社会党は、右派、中間派、左派とイデオロギーで派閥ができていました。その中でも、最左派「社会主義協会(社協)」が大きな力を持っていました。自民党は「八個旅団(8つの派閥が存在する)」の時代から「三角大福中」に変化し、ニューリーダーたちの時代を経て、現在に至っています。現在、自民党内での派閥はその影響力を落としています。自民党の派閥の機能は、新人のリクルート・教育、ポストの獲得、資金の分配です。派閥の代表・オーナーはメンバーの面倒をみる代わりに、メンバーはオーナーに忠誠を誓うという親分・子分構造です。また、自民党の政治家たちは、派閥のことを「ムラ」と称していました。派閥の事務所も設置されていました。

現在の民主党では、派閥とは呼ばずにグループと呼んでいます。自民党の派閥と民主党の派閥の違いはメンバーの流動性です。自民党では、政治家は一つの派閥に入会したらよほどのことがない限り移籍はできませんでした。世襲議員の場合、子供が初当選し、親が所属していた派閥とは異なる派閥に所属することがありましたが、そのまま同じ派閥に所属することがほとんどでした。民主党の場合、グループのメンバーは固定されず、一人の議員が複数のグループに属している場合が多いようです。ですから、派閥単位での行動の結果は予想しづらいものがあります。

下の二つの新聞記事は、自民党内の「派閥」という存在がその役割を終えようとしていることを示しています。渡辺派(旧中曽根派)の流れをくむ山崎派は、山崎拓氏がオーナーを務め、山崎氏の政権奪取を目的に行動する、典型的な派閥でした。他の派閥は会長を置いていますが、その人たちは決して総理を目指すタイプの人たちではありませんでした。その中で、山崎派は突っ張って来た感じです。しかし、山崎氏が国政に復帰できず、政権奪取の望みもない、また影響力がなくなるのと比例して、資金力もなくなるという絶望的な状況に陥ってしまいました。派閥は代替わりということもあります。しかし、これからはもう派閥を維持していくことは困難なのでしょう。自民党が野党転落してしまった現在、お金を集めてきて子分たちに配ることができる政治家たちはなかなか出てこないでしょう。

そうなると、新人のリクルート、教育が自民党にとっての大きな問題となります。これまで派閥に頼って来たそうした機能を党がやって行かなくてはいけません。余計やお金や手間がかかります。それでも自民党が存続していくためにはそうした機能を党が果たさねばなりません。もしそうした機能を果たせなくなる、もしくは果たさなくなるなら自民党は終わりです。

この点でも小沢一郎という政治家は偉大でした。彼は小沢一郎政治塾をはじめとして、新人のリクルート、教育に力を注いできました。そうしたことを一切やってこなかった現在の執行部、菅直人首相、仙谷官房長官、枝野幸男幹事長などは、結局、小沢に大きくしてもらった民主党を使って遊んでいるようなものです。この時点で彼らはすでに劣っているのです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「自民「山崎派」が解散を検討」

2010年8月5日付 MSN産経ニュース

 自民党山崎派が解散を検討していることが4日、分かった。昨年の衆院選に落選した山崎拓会長(73)=元自民党副総裁=の派内での求心力が低下しているうえ、派閥維持が資金面で難しい状況にあるためだ。9月から解散の是非を本格議論すると
いう。

 山崎氏は7月の参院選に比例代表での出馬を目指したが、自民党は「70歳定年制」の内規を理由に執行部が公認せず、その後検討した国民新党からの出馬も断念した。次期衆院選への出馬環境は厳しい。

 山崎氏の政権獲得戦略が不透明になったとして、派の解散を検討すべきだとの声が出始めた。山崎氏自身も派閥事務所を個人事務所に統合するなど派閥維持に苦心しており、複数の所属議員に今後の対応を相談しているという。ただ、落選議員や若手には情報交換の場として派の維持を求める声があり、山崎氏は自身の進路も含めて決める。

 山崎派は町村、額賀、古賀に次ぐ第4派閥。平成10年11月、山崎氏が旧渡辺派を離脱して結成した。オーナー派閥の色彩が強く、山崎氏が一貫して会長。現在の所属議員は、党の申し合わせで離脱中の田野瀬良太郎総務会長を含め15人。

●「新人養成のあり方検討へ 自民政権構想会議」

2010年8月4日付 MSN産経ニュース

 自民党の再生策を議論する「政権構想会議」(座長・伊吹文明元幹事長)は3日、幹部会を開き、第3次勧告に向けた議論を再開することを決めた。次期衆院選に勝利するための態勢づくりが目的で、今回の参院選で初当選した議員や公募で選んだ衆院選候補者となる選挙区支部長の育成方針を策定する。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
by Hfurumura | 2010-08-05 22:12 | 日本政治
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