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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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ロン・ポールのティーパーティー論

アメリカの外交専門誌である「フォーリン・ポリシー」誌にロン・ポールのティーパーティー運動論が掲載されています。それを訳出してみました。短い文章なのですが、少し分かりづらい印象です。

私なりに解釈してみます。「ティーパーティー運動の指導層は既存政党である米共和党に組み込まれつつあり、既存政党に対する批判を行っていない。財政赤字を垂れ流す政府の在り方を批判せず、また、海外に展開していることも批判していない。それではいけない。ティーパーティー運動はアメリカの伝統的なスタイルに立ち返ることだ。それによって支持も増える」以上の様なことだと思います。

ティーパーティー運動はリバータリアン的な運動でありますが、色々なグループが参加しています。ですから一枚岩ではありません。また、サラ・ペイリン女史も参加しており、共和党の一部のような捉えられ方をしています。私の考えでは、このティーパーティー運動もやがて偏狭な人種差別団体というレッテル貼りをされて、ペイリンの弱点となるのではないかと思います。しかし、ロン・ポールが主張するような路線を維持できればまだまだ勢力は保てると思いますが、ロン・ポール自身が党派的な動きが苦手なのでどっかでひっかけられるのではないかと思います。

それでは拙訳をお読みください。

==========

ティーパーティー運動の外交政策(A Tea Party Foreign Policy)

勢力を増しつつある草の根運動であるティーパーティーは国内で大きな政府と戦おうとしない。それどころか海外に米軍を展開し、アメリカ帝国を維持させる政策を支持している理由(Why the growing grassroots movement can't fight big government at home while supporting it abroad.)

フォーリン・ポリシー誌(Foreign Policy)
2010年8月27日
ロン・ポール(Ron Paul)

私はアメリカにおける中央集権化に反対している。そして、私は大きな政府に反対するティーパーティー運動のような草の根運動が共和党の一部になってしまうことを憂慮している。私は最近の共和党がティーパーティー運動の指導層に影響を与えて、共和党の政策を支持させようとしていること、そしてティーパーティーの指導者たちが共和党に勇んで参加しようとしていることに失望し、心配をしている。共和党はティーパーティー運動に参加している人々の目を閉じたままにし、自分たちの政策を変更しないで済むように努力しているのだ!

ティーパーティー運動に参加している多くのアメリカ人が憤りを感じている。彼らはティーパーティー運動が大きな政府に反対していないどころか、海外におけるアメリカの動きを支持していることに気づいている。ティーパーティー運動では、現在のアメリカ政府が財政上の責任を果たさない一方で、世界中を占領し、苛めて回っていることについて話すことはない。ティーパーティー運動では、政府が抱える財政赤字と国内消費の減少について語ることはない。また、アメリカ政府がアメリカ帝国を維持するために世界120カ国以上に700以上の基地を展開していることから目を背けている。私たちは自然保護や貧しい地域のプールにかかる予算である僅か数千ドルを削減したことは賞賛するが、アメリカ国防予算については全く目を向けない。アメリカの国防予算は、アメリカ以外のすべての国の国防予算を総計した額よりも大きい。

アメリカの外交政策は幻想を基礎にしている。そして私たちは幻想を基礎にした外交政策に対して莫大なお金を支払っている。アメリカ政府は外国からのお金を借り、また紙幣を大量に刷っている。それによって海外に米軍を展開させている。アメリカは海外で帝国を維持するために莫大なコストを支払っている。しかし、国内の地域社会は疲弊し、不況は続いている。

私はティーパーティー運動のような草の根運動を盛り上げることができる機会が数多くあったと考えている。ジョージ・W・ブッシュ大統領政権下に始まった市民の自由の侵害とイラクとアフガニスタンの戦争を民主党が止めると約束しながら果たせなかったことを強調すればティーパーティー運動は盛り上がると私は考えている。財政と道徳を健全化するには、アメリカの伝統な外交のスタイルである民間による外交と政府の不介入主義に回帰するしかない。私はティーパーティー運動の将来を楽観視している。何よりティーパーティー運動に参加する人の数は増え続けているのだ!

(終わり)
by Hfurumura | 2010-08-29 21:07 | アメリカ政治
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