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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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ここ数日の「騒動」について

本日、菅・鳩山会談が午後8時から行われました。その後、2人が一緒に記者からの質問を受けました。その中で、ある記者が、「軽井沢以来の“騒動”をどのように総括するか」と、鳩山由紀夫前首相に質問しました。「騒動ではありません。代表選です」と鳩山氏は答えました。しかし、今回、小沢氏が代表選への出馬を取りやめたら、まさに「騒動」でしかありません。今回の代表選を巡る動きは鳩山氏が中心であり、鳩山氏の揺れ動く姿がその本質でした。

鳩山氏はずっと菅直人総理を支持していました。「総理を短期間で交代させるべきではない」とか「民主党員は菅総理を支えるべきだ」などと鳩山氏は発言してきました。しかし、軽井沢の鳩山氏の別荘での懇親会に小沢一郎氏が出席して以降、菅総理支持から一変、小沢氏への支持を表明しました。そのときに使ったのが「挙党態勢」という言葉です。

簡単に言うと、挙党態勢というのは、「今の菅政権は反小沢一色である。しかし、それではいけない。小沢氏を重要ポストで処遇すべきだ」ということです。それができないのなら、小沢氏を支持して代表選に出馬させる、というのが鳩山氏の行動です。そして、今夜話し合いの結果、トロイカ体制の重視ということになり、挙党態勢が築かれる可能性が出てきました。それで小沢氏の代表選出馬もなくなる可能性が出てきました。

鳩山氏と菅氏がそろって記者からの質問に答える姿を見て、「民主党はこの二人によって作られ、政権を奪取した。小沢氏は道具として使われただけだったのか」という思いに駆られました。二人は政権を奪取できたのは小沢氏のおかげ、と殊勝なことは言っていますが、その入れ物を作ったのは私たちであるという強烈な思いを持っていることが分かります。また、輿石東氏をトロイカ+1に招聘する、というようなことを菅総理は言っています。民主党歴で言えば、輿石氏はほぼ結党以来のメンバーです。小沢氏は輿石氏と一緒になって初めて自分たちと同等だ、というのが菅氏の姿勢です。菅総理は、小沢氏はあくまで「外様」なのだということを強調したいようです。

小沢氏は鳩山氏が支持をするので出馬すると述べました。その鳩山氏が「党内融和・挙党態勢を菅氏が約束してくれたので代表選に出馬しないでくれ」と言ったら、原理原則を大事にする小沢氏は出馬を取りやめるでしょう。そして、もうそうなったら、鳩山氏に責任があるにもかかわらず、小沢氏に対しての非難が強まることでしょう。出馬取りやめは代表選での敗北と同じく小沢氏にはダメージとなり、政治生命を失うことでしょう。小沢氏は政界から引退することになるでしょう。それでも構わないのです。小沢氏は言ってみれば、「外様」であり、「使い捨て」でしかありません。小沢氏を総理にする義理もありません。

ここ数日の動きを単純に考えてみると、鳩山氏は次のように考えていると思います。「小沢は使い捨ての外様だ。民主党は自分たちが作った船である。小沢を使って政権を奪取して、自分たち(鳩山、菅)は総理になれた。民主党は与党になれた。人数も増えた。それも小沢の働きだ。この頃、私の存在を菅が軽視しているように見える。ここで私の存在感を示しておかねば。それには小沢を使うのが一番だ。小沢を使って菅に脅しをかけておこう。しかし、民主党が割れるようなことあると困るから、小沢はいい加減なところで引っ込めさせないと。小沢などより、民主党が与党の地位にあり、自分が影響力を持つことが大切だ」

もし上記のようななことではないのなら、小沢氏は代表選に出るだろうし、鳩山氏は、自分が引っ張りだしたのだから小沢氏の勝利のために努力するでしょう。明日の動きでどういうことかはっきりするでしょう。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「首相と鳩山氏、挙党重視で一致 31日に菅・小沢会談へ」

2010年8月30日付 朝日新聞電子版

 9月1日に告示される民主党代表選をめぐり、菅直人首相は30日夜、首相公邸で鳩山由紀夫前首相と約1時間会談した。両氏は小沢一郎前幹事長も加えたトロイカ体制を重視して政権運営を進めることで一致した。鳩山氏は首相と小沢氏の会談を31日に設定する考えを示しており、小沢氏の対応が焦点だ。

 代表選をめぐっては、首相が「脱小沢」路線の徹底を目指し、挙党態勢を掲げた小沢氏との一騎打ちの構図が強まっていた。ただ、首相が鳩山氏とともに「トロイカ体制の重視」を打ち出したことで、直接対決が回避される可能性が出てきた。

 会談終了後、首相と鳩山氏は公邸前で記者団とのやり取りに応じた。鳩山氏は「経済的にも円高などで大変対策が急がれている。こういう時こそ挙党態勢を築くことが重要だ」と強調。さらに「挙党態勢とは、小沢先生が(民主党に)加わってからいわゆるトロイカ体制で今日までやってきた、その原点に立ち戻ること」と語った。

 菅首相は3氏のほかに輿石東参院議員会長の名前を挙げた上で、「基本的な考え方はまったく異存がない。その体制を大事に考えて活動を進めていくという鳩山さんからの提案に同意した」と述べた。

 鳩山氏は「私が責任を持って明日(31日)、菅氏と小沢氏による会談の仲介の労を取りたい」と表明。小沢氏が2人の提案を受けて代表選の立候補を取りやめるかどうかを問われると、「出る、出ないの話は(首相と小沢氏の)会談が行われる時に決められる話であり、私がうんぬんする話ではない」と語った。

 一方、挙党態勢確立に向けて、「脱小沢」路線の仙谷由人官房長官や枝野幸男幹事長の更迭論が取りざたされていることについて、首相は「そういう具体的なことは話していない。少なくとも鳩山氏から伝えられたことはまったくない」と否定。小沢氏の処遇については「ポストとか一切話はしていない」と述べた。

 会談終了後、鳩山氏は小沢氏に対して、首相とのやり取りを伝えた。31日に首相と鳩山氏、小沢氏、輿石氏の4人で会談が行われる方向だ。

 首相と鳩山氏の会談は、鳩山氏がロシアから帰国した29日に続き2日連続となった。鳩山氏は30日昼、国会内で小沢氏、輿石氏と会談。その意見交換を受けて首相との会談に臨んだ。

 首相と鳩山氏の会談について、党内では「鳩山さんの努力の結果、いい方向へ向かっている」(奥村展三党総務委員長)との好意的な受け止めがある一方、「今さらトロイカ体制というのは理解に苦しむ」(村越祐民衆院議員)との声もある。首相の代表再選を支持している前原誠司国土交通相グループでは「明日の会談を見てグループとしての対応を決める」(幹部)との声が上がっている。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
by Hfurumura | 2010-08-31 00:33
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