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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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次期国務長官にジョン・ケリーが好ましい理由:フォーリン・ポリシー誌から

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社



●「誰が次の国務長官となるか?(匿名の情報筋の情報による)Who (according to anonymous sources) will be the next Secretary of State?」

タイ・マコーミック(Ty McCormick)筆
フォーリン・ポリシー誌(Foreign Policy)
2012年11月8日
http://blog.foreignpolicy.com/posts/2012/11/08/who_will_be_the_next_secretary_of_state

 ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)国務長官は2013年のある時期に国務長官を辞任すると予測されている。ワシントンでは、次の国務長官(Secretary of State)が誰になるかの予想で騒がしくなっている。連邦外交委員会委員長ジョン・ケリー(John Kerry)連邦上院議員(民主党、マサチューセッツ州選出)と国連大使スーザン・ライス(Susan Rice)が有力な候補者である。大統領国家安全保障担当補佐官であるトム・ドニロン(Tom Donilon)もまた候補者と考えられている。

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ジョン・ケリー
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スーザン・ライス
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トム・ドニロン

 いろいろな策謀がめぐらされ、オバマ政権内や国務省内の情報筋からの話という、根拠のない話がそれらの策謀の火に油を注いでいる状況だ。情報筋は、自分たちにとって望ましい候補者たちのために隊伍を組んで、情報を流している。ウェブサイト「ポリティコ(Politico)」が引用している情報筋は、「現在の状況に精通している」ある人物と書かれている。この人物が「ケリーは有利な立場(inside track)にある。ケリーは、オバマ大統領の選挙戦で、ディベートの準備に協力していたからだ」というその人物の発言を掲載している。

 その人物は、「ケリーが政権ナンバー2の座にこれほど近づいたのは初めてのことだ。彼は、国務長官になりたがっている。彼はこれまでに何度も大統領と面談している。彼の立場は、ヒラリーが辞任するならば、国務長官就任を受諾するというものだ」と述べている。2012年4月のニューズウィーク誌で、レスリー・ゲルブは、政権内にいる人々の情報として、同じような話をしている。ゲルブは、「ケリーは大統領の指名を受け、上院からの承認も受けることができる。それは、彼が連邦上院議員として長いキャリアを誇り、オバマ政権の政策立案を邪魔をしてこなかったからだ」と書いている。ゲルブは、このとき、スーザン・ライスとトム・ドニロンも国務長官になる可能性があると述べている。

 今日のボストン・グローブ紙は、国務省のある幹部の話として、ケリーは、国務省の「議論の風通しの良さ(water cooler conversation)」を作り出すという点で好ましい候補者だ、としている。その幹部はまた、「連邦上院外交委員長として多くの外遊をこなしており、それらを通じて国務省の幹部たちとも面識があります。ケリー氏は次の国務長官の有力候補だと思いますよ。多くの人が納得できる選択ということになるでしょうね」と述べている。

 大統領に近い情報筋からは、スーザン・ライスが候補だという話も聞こえてくる。大統領周辺のある人物は、ポリティコに対して、「大統領周辺にいる人たちは、スーザン・ライスが次の国務長官になると考えています」と述べている。その匿名の人物は続けて次のように語っている。「オバマ大統領が彼女を国務長官にしたいなら、そうするでしょう。ライス大使はある時点まで、次期国務長官の最有力候補でした。それが、2012年9月11日のベンガジのアメリカ大使館襲撃事件が発生し、ライス大使が日曜日のトークショーに複数出演し、政府の公式説明を繰り返したのです。しかし、その公式説明の内容が不正確なものだったのです。結果、ライス大使は最有力候補から外れてしまいました。民主党の幹部の中には、ライス大使を次期国務長官に指名しても、連邦上院の承認のための審議で厳しい質問を浴びせられることになると心配しています」

 ニューヨーク・タイムズ紙は、匿名の補佐官の話として、ライスは、ベンガジでの失敗で「身動きができなく」なっているとしている。リンゼイ・グラハム(Lindsey Graham)連邦上院議員(共和党、サウスカロライナ州選出)は最近、ライスの承認は「ほぼ不可能」であると述べている。スーザン・ライス国連大使が次期国務長官になるためには障害があり、困難な状況である。

 ジョン・ケリー連邦上院議員が次期国連大使に選ばれる可能性が高まっているのは、ケリーが上院議員を辞職しても、連邦上院で民主党が過半数を占めている状況は変わらないからだ。しかし、それでも問題がある。それは、誰がジョン・ケリーの代わりに連邦上院外交委員会の委員長になるかということだ。また、ケリーが辞任することで、マサチューセッツ州で補欠選挙が行われ、今のところ、今回の選挙で敗北した、共和党のスコット・ブラウンが当選する可能性が高い。それでも、民主党は上院で53議席を確保できる。無所属のアンガス・キング連邦上院議員が民主党との会派を形成すれば、54議席を確保できる見通しだ。

 ケリーがライスよりも有利だと思われるもう一つの理由は、彼の補佐官をしていた人たちが、オバマ政権で仕事をしているという点だ。これがどこまで有利な点になるかは明らかではないが、これも大きな理由となり得る。現在、国務省の首席エコノミストである、ハイディ・クレボ=ラディカーと米国国際開発庁政策部長スティーヴン・フェルドスタインは、以前ケリーの補佐官を務めていた。

 これは最も小さな理由であるが、ロシア政府はケリーの国務長官就任を望んでいるようである。ロシア外交無償のある高官は匿名で、ロシアの経済紙コンマーサントの取材に答え、「ロシア政府にとってはジョン・ケリー上院議員が国務長官になることが望ましい」と述べている。このロシア外務省高官は、「ライス大使は野心的すぎ、また攻撃的すぎるようだ」と述べ、ライスが国務長官になった場合、ロシア政府とアメリカ政府との間の外交関係は「難しい」ものとなるという見解を示した。ジョン。ケリーがロシア政府からの支持をどれほど有難がるかは疑問が残るところではあるが。

 2012年6月、ボストン・グローブ紙のインタビューに答えて、ケリーは次のように答えた。「私は外交委員長とベテランの上院議員の仕事を楽しんでいる。私は両方の仕事に没頭している。私は、2014年の中間選挙に出馬する準備をしている」

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(終わり)

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所


by Hfurumura | 2012-11-10 01:53 | アメリカ政治
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