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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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ヘリテージ財団の日本政治論:シナリオはできていた?④

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



●アメリカ政府は何をすべきか(What Washington Should Do)

 アメリカは以下の方法で、日本の国家安全保障の新しいプログラムを補強すべきだ。その方法とは以下の通りだ。

■日本はこれ以上、他国に依存するだけで海外での国益を守り続けることはできないということをはっきりさせる。日本政府は、大国としての地位に見合った国際社会における安全保障上の役割を受け入れるべきだ。例えば、日本はシーレーンの防衛のための努力を強化すべきだ。

■日本政府に対して、自国の防衛と同盟国アメリカの安全保障に必要なだけ防衛支出を増大させるよう求める。

■日本政府に対して、集団的自衛権の理論をあまり厳格に解釈しないように求める。それによって、危機的状況になった時、日本は同盟国を守るために行動することができるようになる。日本はより現実的な交戦規定を採用すべきだ。そうすることで、日本が海外での安全保障に関する活動を行う際に、同盟諸国に迷惑をかけることなく、より効果的な貢献を行うことができるようになる。

■日本政府に対して、沖縄の普天間基地の代替施設の建設について、具体的に進めるように圧力をかけるべきだ。次の首相は、単なる言葉の上での支援ではなく、日米両政府のかわした約束を実行するようにすべきだ。

■日韓の軍事的、外交的協力関係を進化させるように促す。二国間の軍事情報に関する包括的保全協定(GSOMIA)、情報共有協定は、同盟関係を進化させ、日韓共通の脅威に対応する能力を強化する。

■米韓日3か国の軍事協力を深化させる。3か国は、共同しての平和維持活動、対テロ活動、対核拡散活動、対麻薬活動、対潜水艦作戦、地雷除去活動、サイバー上の防衛、人道支援・災害救援活動を行う可能性を追求すべきである。

■西太平洋地域に展開しているアメリカ軍をそのまま維持する。西太平洋地域に展開するアメリカ軍は韓国軍、日本の自衛隊と密接に統合され、運用されるべきだ。このような統合によって、同盟国同士が防衛し合うことが可能になる。それだけでなく、日本の軍国主義の復活に対する韓国側の恐怖感を和らげることができる。

■アメリカは、太平洋地域にある同盟諸国に対し、明確に支持、支援を行うことを示す。アメリカは、二国間の安全保障条約の不可侵性を確認するだけでなく、中国を安心させるべきではない。アメリカは中国に対して、アジア諸国が中国から威嚇されているとして支援を求められたら、その要請に応えることを明確に示すべきだ。

■安倍晋三には私的に、彼の修正主義的な歴史観を打ち出さないように言うべきだ。安倍氏は、日本政府が日本の戦時中の行動についての声明を撤回することを求めている。しかし、これはアジア地域に根深く残り続けている日本への敵意の火に、必要もないのに油を注ぐ結果になる。日本は償いと謝罪の声明を見直し、韓国の傷つきやすい感情を満足させるべきだ。また、そうすることで、中国がアジア地域に残る日本に対する怒りの感情を利用して、地政学的に利益を得ることを止めさせるべきだ。

●結論(Conclusion)

 中国と北朝鮮は自分たちで意図せず、アジア地域の地政学的な状況を自分たちに不利なものに変えている。中国は「平和的台頭」という仮面を外し、北朝鮮は、オバマ大統領の対話の申し入れを拒絶した。日本国民は、中朝両国のこうした態度を見て、民主党のナイーブな外交政策ではいけないと考えるようになった。その結果、日本政府と日本国民は、地域に存在する脅威に対して、日本は脆弱であると考えるようになった。

 日本の持つ脆弱性に向き合う第一歩は、日米同盟の刷新を行うことで既に踏み出しているように思われる。次のステップは、日本が自国の防衛により大きな責任を負う決意をし、国際的な安全保障上の脅威に向き合うことだ。アメリカは、このような新しい流れを大きくするように促進すべきだ。それは、こうした新しい流れは、アメリカの国家安全保障上の目的に合うものだからだ。

 次の首相が、日本が直面している様々な嵐をうまく切り抜けられるかどうかは、アジア・太平洋地域におけるアメリカ国益にとって大変重要である。ここ最近の日本は、弱い政治指導者たちが続いたために弱体化してきている。日本の次の首相は大胆な改革を実行し、日登る国が日没する国にならないようにしなければならない。

※ブルース・クリングナーはヘリテージ財団北東アジア・アジア研究センター上級研究員。

ヘリテージ財団の日本政治論:シナリオはできていた?④_c0196137_14552357.png


 クリングナーは、2007年、ヘリテージ財団に入った。それまでの20年間、CIAとアメリカ国防情報局の情報関係分野で働いてきた。1993年、クリングナーは、CIAの韓国支局長に選ばれた。CIA韓国支局は、北朝鮮の核開発を巡り危機的状況が発生した時期、北朝鮮の軍事力の増強に関する分析レポートを数多く出した。1996年から2001年にかけて、クリングナーはCIAの情報本部の韓国担当副チーフとして勤務した。クリングナーは、大統領や政府高官たちに提出するための、韓国の政治、軍事、経済の各分野の指導者たちについての分析を行った。

 クリングナーの記事は、次のような媒体で掲載された。フィナンシャル・タイムズ、ワシントン・タイムズ、USAトゥデイ、朝鮮日報、中央日報、コリア・ヘラルド、コリア・タイムズ、ソウル新聞、国民デイリー、ファー・イースタン・エコノミック・レビュー、日経ウィークリー、アジア・タイムズ、コリア・アンド・ワールド・アフェアーズ・ジャーナル、インターナショナル・ジャーナル・オブ・コリアン・スタディーズ、コリア・ポリシー・レビュー・ジャーナル、そして、イェール・ポリティック。

 クリングナーのコメントや分析は次のような媒体で紹介されている。CNN、CNNインターナショナル、CNBC,ブルームバーグTV、フォックスTVニュース、C―スパンTV、BBCTV、SBSTV(韓国)、KBSTV(韓国)、NHKTV(日本)、アリランTV(日本)、アルジャジーラTV、ニューヨーク・タイムズ、インターナショナル・ヘラルド。トリビューン、フィナンシャル・タイムズ、フォーチュン、ニューズウィーク、ワシントン・ポスト、ロサンゼルス・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、ニューリパブリック、ナショナル・ジャーナル、クリスチャン・サイエンス・モニター、ロイター通信、アソシエイティッド・プレス通信、AFP通信、ディフェンス・ニュース、朝日新聞、読売新聞、ジャパン・タイムズ、毎日新聞、共同ニュース、世界日報、産経新聞。

 ヘリテージ財団に来る前、クリングナーはユーラシア・グループで数年を過ごした。ユーラシア・グループは世界の世界リスク評価を行う企業である。クリンガーは、ユーラシア・グル―プの首席韓国アナリストを務めた。そして、アジアとアメリカの主要な新聞に記事と分析記事を書いてきた。クリングナーは、ワシントンで行われる政策フォーラムによくパネリストとして出席している。ユーラシア・グループに入る前、インテリブリッジ・コープで分析部長とアジア関連上級アナリストを務めた。インテリブリッジ・コープは、情報と分析を政府や企業の幹部に提供する企業である。

クリングナーは国立国防大学を優秀な成績で卒業した。2002年に国家安全保障戦略の修士号を取得した。また、国立国防情報大学で修士号、ヴァーモント州のミドルバリー大学で学士号(政治学)を取得している。クリングナーは韓国武道に親しんでおり、テコンドーの黒帯3段、合気道の黒帯初段、テコンムーソルの黒帯初段である。

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


by Hfurumura | 2012-11-29 14:55 | 日本政治
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