翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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安倍晋三氏がアジアの新時代を開く:ナショナル・インタレスト誌から

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社



日本にとっての新しい政治課題(A New Agenda for Japan)

マイケル・オースリン(Michael Auslin)筆
ナショナル・インタレスト誌(National Interest)
2012年12月21日
http://nationalinterest.org/commentary/abes-priorities-7893
http://nationalinterest.org/commentary/abes-priorities-7893?page=1

 安倍晋三元首相は、今週権力を取り戻すことになった。安倍総裁率いる自民党は総選挙で大勝した。安倍氏は5年前に屈辱的な状況で首相の座を退いた。自民党は、民主党が2009年に総選挙で大勝するまで、日本を半世紀以上支配してきた。今回、自民党は地滑り的勝利を収め、衆議院の圧倒的多数を占める結果となった。しかし、今回の選挙結果は、有権者が、自民党に対する支持というよりも、民主党の犯した失敗に対する罰を与えたということなのである。日本の有権者たちは日本の全ての政党に対して不満を持っている。このような状況下、安倍氏と自民党は、日本を苦しめている諸問題に対しての解決策を自分たちが持っていると有権者たちを説得できる余地は少ない。安倍氏は素早く行動する必要がある。安倍氏が特に集中すべき分野は次の3つである。

(1)経済、経済、経済

 日本の有権者たちは、日本の経済状態と自分たちの個人的な経済状況を最も懸念している。過去20年間、日本は経済的停滞に苦しんだ。そして、日本は今年、景気後退局面に入った。2009年と2012年の総選挙では、有権者たちは、日本経済を復活させるという公約を果たせなかった政治家たちに対して罰を与えた。安倍氏が集中しなければならない最優先課題は、国内の経済成長である。安倍氏が最初の首相在任時に犯した失敗の原因の1つは、安倍氏が人気のあった小泉純一郎首相在任時の改革志向から、「古い」自民党へ回帰させようとしたことだ。これまで、安倍氏が金融緩和と景気刺激のための公共支出を増やすということを主張しているのを見ると、安倍氏は前回と同じ轍を踏むように思われる。

 安倍氏は過去との劇的な決別し、大胆な改革を行うことで自らを新しいタイプの政治家であることを宣言するだろう。日本にはより大きな規制緩和、海外からの直接投資、起業の促進、自由貿易の推進が必要である。国連が最近発表したレポートによると、日本の女性たちがもっと労働市場に参加することでGDPを最大で8%上昇させることができるということだ。

 安倍氏が過去と決別するためには、かなり高いレベルの、超党派の経済学者たちによる独立委員会(blue ribbon commission)を作ることだ。経済学者たちのこの大連合は、日本経済が復活するための劇的な提案をしてくれるだろう。独立委員会を作ることで、安倍氏は自分の本気度と、経済が日本の有権者にとって最優先課題であることを分かっていることを示すことができる。また、良いアイデアを得ることもできる。

(2)同盟関係の管理方法

 民主党は、2009年に政権に就いて最初の数か月で、2006年の日米合意(海兵隊の航空基地を沖縄県内に移設すること)を不必要なまでに軽視し、反故にした。ここ数年、民主党政権は、希望と現実の間を取り繕おうとしてきたが、この問題に関しては何の進展もなかった。2012年、野田政権は、日本の軍事力強化に向けて重要な動きを行った。F35戦闘機の購入、武器輸出禁止の見直し、弾道ミサイル防衛の継続という決定を行った。しかし、民主党政権下、防衛費は削減され続けた。また、民主党は集団的自衛行為の禁止やアジアにおける公共財の負担の見直しなどには着手しなかった。

 アメリカ政府は、自民党と安倍氏が小泉政権下で確立された、仕事のできる関係を復活させることを期待している。これまでの行動や発言によって、安倍氏がそのような方向にもっていくであろうことは明らかだ。また、安倍氏は集団的自衛権を容認するために憲法改正を行う準備を整えている。しかし、安倍氏は、アメリカや他国に対して、日本にとって現在の安定を保ち、現在の国際システムを守ることが国益になると説得し、納得してもらうには、アジアと世界における日本の役割についてのより一貫した考えを持つ必要がある。日本が海外でより大きな役割を果たすことは、それが日米同盟に直接関係のないことでも、日米間のパートナーシップを強化することにつながる。安倍氏は、民主国家や自由主義国家の間での協力関係を築くという考えを促進し続けるだろう。これは、彼が前回の首相在任時に強調したことである。民主国家や自由主義国家を集めたより大きな同盟を作ることは、アジア全体の更なる自由化を促すことになるだろう。

(3)中国に対する対処方法

 日中関係は、尖閣諸島をめぐる問題が沸騰した今年の夏以来、悪化したままだ。野田政権は尖閣諸島のうち3つの島々を国有化する決定を下した。この決定は、中国国内での反日デモを引き起こし、貿易量の激減という結果になった。そして、尖閣諸島の周辺の空や海でチキン・ゲームが行われるという状況になっている。日本の海上保安庁の船舶は、中国の船舶のほぼ毎日の領海侵犯に対応している。日本政府は、中国政府が日本の尖閣諸島に対する施政権の行使を切り崩そうとしていることに不安を持っている。

 安倍氏は尖閣諸島に対する日本の主権と施政権を確保するための信頼性の高い方法を採る必要がある。しかし、より幅広い日中関係を犠牲にできないし、軍事衝突や貿易関係の悪化の危険を冒すことも不可能なことだ。このような危険性は低いのだが、日中間の緊張は現在でもかなり高いままであり、何かの事故や計算違いによって想定外のことが起きる可能性がある。従って、安倍氏は日中関係を安定させるための何らかのイニシアチブを作ることを中国側に提案する必要がある。しかし、その際に尖閣諸島の件で中国側に譲歩する必要はない。イニシアチブの導入は不可能だということになるだろう。しかし、中国と日本によって現在のお互いに対する悪感情から脱して、より広範囲な点から両国関係を考えることが両国にとっての利益となる。中国は今までのところこの問題に対して主導権を発揮していない。だから、安倍氏は政治的に大きな役割を果たし、日中間の経済、文化、政治的関係をより深化させるために、関係をリセットできるだろう。

 同時に、安倍氏はアジアの近隣諸国、オーストラリア、韓国、フィリピン、ヴェトナム、インドとの関係を強化することも目指すべきだ。第二次世界大戦終結から70年経過した。この期間、日本はアジア地域で緊密な関係を持つパートナー国を持つことはなかった。日本の戦時中の残虐行為についてのアジア諸国の懸念について、日本はこれまで長い間、向き合ってきた。従って、日本は過去を過去とし、より緊密な協力関係を築く未来を構築するために出発することができる。これまでの日本の政治指導者たちは、戦時中の日本の行動に対して謝罪を行ってきた。そして、日本はこれからもアジア諸国が過去を受け入れてもらい、アジア・太平洋地域全体で日本が果たしている選挙区的な役割を認識してもらえるようにする義務を負っている。安倍氏は日本のナショナリストというレッテルを貼られるが、安倍氏はアジアの新時代を促進することで、現状を打破し、大きな転換を起こすことができるだろう。

 これら3つの分野のどれを取っても、日本を現在苦しめている問題に対して即効性を持つ特効薬は存在しない。しかし、国家の再生と世界におけるより大きな役割に関して、大胆なヴィジョンを明らかにすることで、安倍氏は、国際社会における柱となる役割を果たすことができる力を日本に取り戻すためのプロセスをスタートさせることができる。

※マイケル・オースリン:アメリカ・エンタープライズ研究所研究員(在ワシントン)。

(終わり)

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所


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by Hfurumura | 2012-12-22 01:23 | 日本政治
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