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翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
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自民党内の新しい動きについて:小泉氏の人脈づくりと石破氏の派閥づくり

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



ここ数日、自民党内の新しい動きの話が記事になっています。小泉進次郎氏が率いる、自民党青年局の陣容が紹介されたり、石破茂幹事長(脱派閥を標榜しているし、昔は武村正義氏が主宰したユートピア政治研究会に参加していたこともある)の側近がグループ作りを行っているという記事が出たりしています。

 現在の自民党の派閥について、読売新聞の取材・記事によると、次のような状況になっています。

・町村派(町村信孝元官房長官):80名→岸派・福田派・安倍派・三塚派・森派
・額賀派(額賀福志郎元財務相):約50名→田中派・竹下派・小渕派・橋本派
・岸田派(岸田外相):40名→池田派・前尾派・大平派・鈴木派・宮澤派・加藤派
・麻生派(麻生太郎副総理):34名→河野(洋)派
・二階派(二階俊博総務会長代行):28名→中曽根派・渡辺派・亀井派・伊吹派
・石原派(石原伸晃環境相):約15名→山崎派
・大島派(大島理森前副総裁):12名→三木派・河本派・高村派
・無派閥:約120名

 石破幹事長の側近と言われているのが、鴨下一郎国対委員長や山本有二衆院予算委員長です。彼らが石破派作りに動いているようです。一方の記事は、青年局の人事のことで、この中から小泉派ができてくるという筋立てになっています。

 小泉派ができるまではまだまだ時間がかかるでしょう。派閥はお金を配り、人事に介入し、若手の教育をするための組織です。小泉氏自体にはお金がなく、時分がまだ教育課程にいる身ですから、シンパグループ作りにはなるでしょうが、派閥という訳にはいかないでしょう。しかし、小泉進次郎氏のグループ作りの記事が出て、すぐに石破氏の派閥づくりの記事が出たというのは興味深いことです。こうした動きは恐らく、自民党内では、安倍氏の次は石破氏で、その次の次位は小泉氏であるちということを示すためのものでありましょう。

 小泉氏は父親の純一郎氏がある意味で最大の切り札です。はっきり言ってそれ以外には、学閥や閨閥(これはこれからのことですが)がありません。そこで、青年局長の今こそ、人脈作りをしなければならず、現在の青年局には、将来、小泉氏のライバルになる人、側近になる人、他派閥・グループながら親小泉氏になる人が出てきそうです。小泉氏の学閥と言えば、コロンビア大学やアメリカ留学経験者ということになるでしょう。これならば、自民党の内部にもたくさんいます。青年局次長には初当選組の福田達夫氏が入っています。福田氏は福田康夫元首相の長男です。福田氏と関係が深いのが国務省日本局長のマーク・ナッパー氏で、ナッパー氏は、ケント・カルダー・ジョンズホプキンズ大学SAIS教授の弟子筋であり、自民党で秘書をしていたということでは、マイケル・グリーンとは先輩後輩ということになります。ここに恐らくですが、今年の参議院議員選挙で中曽根康弘元首相の孫である康隆氏(コロンビア大学大学院で小泉氏とほぼ同時期に学ぶ。指導教授は共にジェラルド・カーティス教授)も加わってくるものと思われます。ジェラルド・カーティス、ケント・カルダー、マイケル・グリーンとの関係が深い人々が「若手」として自民党内で蠢動を始めようとしています。ここら辺のことは拙著『アメリカ政治の秘密』に書きましたので、お読みいただければ幸いです。

 自民党青年局で思い出すのは、竹下登青年局長と宇野宗祐次長の関係です。彼ら2人は、正力松太郎氏などからお金をもらい、アジアを歴訪し、青年海外協力隊創設のアイディアを得て、その創設に尽力します。2人は別派閥でありながら、友人関係を続けます。そして、竹下氏が退陣した後に、宇野氏の名前が出てきたのです。歴代の青年局長の名前を見ると、のちに総理大臣にまでなった人たちの名前が散見されます。現在の安倍氏も1996年から青年局長を務めています。この青年局長というポストはこれからの自民党内では、スッテピングボードになっていくのかもしれません。

 小泉氏にはまだ時間的な余裕がありますが、石破氏は待ったなしの状況で、党内に勢力を作らねばなりません。前回の自民党代表選でも明らかなように、国会議員の中で人気がないのが石破氏の弱点でした。しかし、今回の衆院選では新人たちが多数当選し、党内のバランスも変わってきています。新人たちが誰よりも恩義を感じるのが幹事長です。ですから、石破氏には現在の状況は大きなチャンスと言えましょう。ポスト安倍と言って、名前が出てくるのは石破氏と石原伸晃氏くらいのものです。ここで石破氏が党内を固めておけば自然と次の総理の座は転がり込んでくるでしょう。そうした中で、キーマンになるのは、山本有二代議士ということになるでしょう。汚れ役も引き受けられるキングメーカー型の政治家です。鴨下氏は医者からの転身で、ソフトな語り口の理論派であり、テレビ受けのする政治家です。硬軟取り合わせた人たちが側近にいるというのは、石破氏の強みとなります。石破氏の派閥づくりは石破氏の個人的な意向というよりも、ポスト安倍に向けた大きな動きであり、その裏にアメリカがいると言えましょう。政治家たち以外での人気は証明されたわけですから、不安要因である政治家たちの人気を固めておけば、安倍氏が辞任するような事態になってもすぐに対応できます。

 自民党内で新しい動きが出ているようです。若い小泉氏の人脈づくりとベテラン石破氏の派閥づくり。これはポスト安倍へ向けた動きであり、将来に備えた動きです。そして、これらの動きの裏にはまたアメリカがいるようです。その点では確かに記事として連続して出てくるべきものなのでしょう。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「石破氏、“無派閥の派閥”を旗揚げ! 「包囲網」打破が狙い?」

ZAKZAK 2013年1月29日
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130129/plt1301291136003-n1.htm

 自民党の石破茂幹事長を支持する無派閥議員が、事実上の「石破派」を立ち上げることが分かった。昨年9月の総裁選で、石破氏は「脱派閥」を掲げて戦ったが、安倍晋三首相率いる主流派が「石破包囲網」を敷くなか、前言を修正して基盤強化に乗り出すつもりなのか。

 石破派の名称は「無派閥連絡会」。総裁選で石破氏を支えた鴨下一郎国対委員長や、山本有二衆院予算委員長ら約30人が参加し、31日に初会合を開く。党内第4、5勢力となる見込み。他派閥と同様、今後、毎週木曜日昼に定例会合を開くという。朝日新聞が29日朝刊で報じた。

 昨年末の衆院選で圧勝し、自民党幹事長に留任した石破氏だが、その立場は極めて微妙だ。

 石破氏は党三役に懇意の小池百合子元防衛相を推したが、安倍首相は、野田聖子総務会長と高市早苗政調会長を抜擢した。自身の周辺にも、安倍首相に近いベテランの河村建夫選対委員長や、細田博之幹事長代行、二階俊博総務会長代行らがおさまり、完全に包囲網を敷かれているのだ。

 政治のイロハを学んだ田中角栄元首相の教え通り、「数の力」で政治の壁を打ち破るつもりなのか。

 自民党関係者は「『脱派閥の派閥』なんて冗談みたいな話だ。まあ、石破氏が『脱派閥』を掲げたのは、所属した額賀派の幹部らとソリが合わず、同派を飛び出たから。本気で『脱派閥』を唱えたわけではない。今後、隙を狙って『ポスト安倍』に踏み出すつもりだろう」と語っている。


●「進次郎氏、事実上の旗揚げか 82人決起! メンバーは大物の子弟ズラリ」

ZAKZAK 2013年1月28日
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20130128/plt1301281826006-n1.htm

 自民党内で若手エース、小泉進次郎青年局長(31)をめぐる動きが活発化している。通常国会の28日召集を受け、青年局は30日に役員会を開いたうえで、2月1日から毎週、定例役員懇談会を開くというのだ。役員数は衆院議員72人、参院議員10人の計82人で、党所属国会議員の5分の1以上になる。永田町では「事実上、進次郎派の旗揚げでは。一致結束すれば、無視できない勢力になる」と見る向きもある。その全容とは-。

 「進次郎氏がやる気満々らしい」

 自民党の一部に先週初め、こんな噂が飛んだ。関係者によると、進次郎氏は先々週あたりから、若手の議員会館事務所に「これから頑張りましょう」などと、あいさつをして回っていた。

 念頭には青年局の人事があったようだ。22日の総務会で青年局役員人事が決定され、新体制が発足した。45歳以下の衆院1-3回生、参院1、2回生のうち、政府入りした議員などを除く82人が役員になった。

 同日、青年局事務局から会館事務所に、会議・会合の案内がファクスで届いた。それによると、1月30日正午に党本部で役員会を開き、2月1日以降の毎週金曜日、正午から定例役員懇談会を行うという。

 進次郎氏の脇を固める青年局メンバーの顔ぶれはどうなっているのか。目につくのは、父である小泉純一郎元首相と縁のある大物政治家らの子弟だ。

 橋本岳(がく)氏は、1996年と2001年の総裁選で小泉元首相と争った橋本龍太郎元首相の次男。武部新氏の父は、小泉元首相に「偉大なるイエスマン」として尽くした武部勤元幹事長。福田達夫氏の父は、同じく官房長官として仕えた福田康夫元首相。中川俊直氏の父は、やはり政調会長を務めた中川秀直元幹事長、大野敬太郎氏の父は、大野功統(よしのり)元防衛庁長官…。

 彼らが国会議員になる前の経歴としては、地方首長や財務・農水・国交官僚、弁護士、医師、経営者、松下政経塾出身者、五輪メダリスト、ミスコン女王など、まさに多士済々といえる。

 こうした面々を統括する役員懇談会が、定例化されたのが特筆される。

 政治評論家の浅川博忠氏は「自民党の各派閥は、毎週木曜日に定例会を開いており、進次郎氏は曜日をズラして同じ形を取った。青年局所属議員は、国民的人気の高い進次郎氏とともに行動することで後援会などに発信できて選挙にプラス。進次郎氏としては、今後に備えてそれなりのグループを作りたい思惑もありそうだ。政策が近く、気心の知れた議員が絞り込まれて『進次郎グループ』のような形になるのではないか」と語る。

 過去の若手議員グループとしては、2005年衆院選で初当選した「小泉チルドレン」83人がつくった「83会」が記憶に新しい。08年の総裁選では、83会メンバーが中心となって小泉元首相の再登板を目指すなど、政局にも絡んだ。

 24日現在、自民党の国会議員は378人(正副議長含む)だから、青年局の82人が結束して動けば大きな力となるのは間違いない。

 自民党中堅議員は「83会と違い、青年局には進次郎氏という『核』があるのでインパクトが大きい。政策形成の過程で執行部に圧力をかけたり、いざとなったら進次郎氏を総裁候補として立てる可能性もある」と警戒感を隠さない。

 実際、進次郎氏は存在感を発揮し始めている。

 新年早々の党厚生労働部会で、70-74歳の医療費窓口負担を1割に据え置いている特例措置の存廃について議論した際、進次郎氏は「2割という本来の水準に戻すべきだ」と主張し、夏の参院選への影響を懸念する議員と対立した。

 進次郎氏と青年局メンバーは2月10日から11日にかけて、全国の青年部長や青年局長も交えて、1泊2日で東日本大震災の被災地・福島を訪問する。毎月11日、被災地を訪問する青年局の事業「TEAM-11」の一環で、被災者を招いて同事業の1周年報告会を開催するという。

 さらに、島根県が2月22日に主催する「竹島の日」記念式典に、進次郎氏は青年局メンバーと出席する予定で、石破茂幹事長も了承済みだ。

 青年局長は「首相への登竜門」といわれ、安倍晋三首相や麻生太郎副総理兼財務相も経験者だ。進次郎氏もここで人脈を作り、政策、グループの動かし方を学びステップアップしていくのか。

 前出の浅川氏は「先輩議員から『若手を囲い込んでいる』と嫉妬されないように、うまくやれるかが課題だ。参院選までは『選挙の顔』として進次郎氏には活発に動いてもらいたいはずなので、動きは黙認される。参院選後は難しいかじ取りを迫られるだろう」と話している。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

(終わり)

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所


by Hfurumura | 2013-01-30 21:24 | 日本政治
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