翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
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2010年 05月 23日 ( 3 )

普天間基地移設問題で考えたこと

鳩山由紀夫首相が沖縄を訪問し、仲井真弘多沖縄県知事に対し、普天間基地の移設を辺野古周辺で行いたい旨を伝えました。仲井真知事は、県民の意向を踏まえ、県外、国外でないと難しいという回答をしました。

今回の首相の発言は、自民党政権下で合意した内容に逆戻りするものとして、国民の多くを非常に落胆させました。私も、国外移設、グアム・テニアンへの米海兵隊8600名の移駐と絡めて、沖縄の米軍基地を再編、整理して、残り3600人の収容を既存吉で行い、普天間基地完全移転ができるではないかという立場です。この考えは今でも変わりません。

鳩山首相もおそらく、私が考えたようなことは当然のことながら考えたことでしょう。側近の川内博史衆議院議員がグアム・テニアンに訪問を繰り返したこともその証左となります。海外移転に向けて、少し突飛なやり方ですが、グアム・テニアンの海兵隊受け入れ決議を利用して、米側を翻意させようとしていたようにも見えます。

今回のことについて、私は以下のように考えます。

①日米両国とも官僚によって政治家が棚上げされ、押し切られてしまった

 これはなんども書いていますが、今回の問題について、どうも日米の「実務者たち」が歩調を合わせていたように思います。ここで言う実務者とは、日米の官僚たちのことであり、日本の民主党内の親米派のことです。彼らは、鳩山首相の発言や意図とは反対の動きをして、鳩山首相を追い詰め、動けなくしてしまいました。長島昭久防衛政務官は、特に露骨な動きをしていました。官僚たちは、日米間で官僚ギルドを結成し、予算を減らされないようにお互いがタッグを組みました。その結果、政治家の意図とは反対の結果となってしまいました。しかし、今回のことで誰がアメリカの意向で動く人間なのか、後で検証したら見えてくるものと思います。

②アメリカ側の外交姿勢が変化した

 これは①の背景ともなるものです。アメリカ側は昨年の時点で、政権交代を歓迎し、話し合いに応じるという姿勢を見せていました。オバマ大統領は理想主義的な外交姿勢を示していました。しかし、昨年末から、どうもアメリカの外交姿勢が変化してきました。旧来の敵対的な、独善的な外交姿勢が見え出しました。これは、私がブログで書きましたように、オバマ大統領の外交がクリントン国務長官と彼女を支える勢力に乗っとられてしまったのだと思います。こうした勢力がいたため、アメリカの官僚たちも安心して今まで通りのやり方をできたのだと思います。また、国防次官補などのレベルに大変恐ろしい人たちが入っていたことも付け加えておきたいと思います。

③日米交渉は、帝国―属国関係なので、属国側が押し切られてしまう

 副島隆彦先生の「帝国ー属国」理論を使って考えたいと思います。今回の件では、日本は属国なので、外交交渉では立場が弱いのです。もっと言うと、帝国側のアメリカ側から顔色が真っ青になるまでドヤしつけられてしまうのです。そこまで追い詰められながら、なんとか日本側の要求や条件をやっと言えるような状況なのです。日米は対等ではないので交渉などできないのです。条件闘争でもなく、何と言うか、哀願とや懇願に近いものです。

 属国側はリーダーを立て、その人に帝国との交渉というか、哀願を任せるのです。そして、少しでもうまくいけば当然、うまくいかなければ、怒り狂ってそのリーダーを叩きのめし、あらん限りの悪罵を投げつけ、引きずり下ろします。そして新しいリーダーが選ばれるのですが、そのリーダーも同じような運命を辿ります。こうした過程を繰り返しながら、少しずつでも自分たちの願いを実現していくことが属国の姿ではないかと思います。

 今回、鳩山首相は一敗地にまみれました。しかし、私は鳩山首相が日米関係、沖縄に有る米軍基地の問題を日本国民全体に教示したという点で評価できるものであり、属国のリーダーとして素晴らしかったと思います。米軍基地問題は失った領土を取り戻す、国土回復運動(レコンキスタ)ですから、これからも交渉を続けていくしかないのだと思います。

 付け加えますが、私は今回日米合意ができても、辺野古沖埋立は無理だと思います。知事、市長が反対している以上、米側が必要だとしている「地元の合意」という条件がこれで崩れるからです。そこで、国民新党が出していた、キャンプシュワブ陸上案が現実的ではないか思います。その際には手厚い施策をするようにすべきです。

 最後に、私は今回の件では失望しています。しかし、鳩山政権、小沢幹事長率いる民主党を支持します。今回も官僚たちにやられてしまいました。日本は国民が選んだ政治家が主権を持つ、民主政治体制の国です。しかし、選挙で選ばれず、責任も問われない官僚が外交をハイジャックしました。このようなことを許してはなりません。

 鳩山・小沢がやろうとしていることは、革命です。この革命が成就したとき、少なくとも官僚が国民が選んだ政治指導者の邪魔をしないような体制になるはずです。そのために、鳩山・小沢率いる民主党を支持します。

 沖縄の人々の気持ちを完全に分かることはできませんし、積極的に何かできるわけでもありません。そんな人間がこんなことを書いたら、ばかじゃないかと思われると思いますが、私はこのように考えたということを自分のためにも書いて残しておこうと思います。


(新聞記事転載貼付けはじめ)

「首相、普天間移設先「辺野古付近」と明言 沖縄知事に」

2010年5月23日付 朝日新聞電子版

 鳩山由紀夫首相は23日、沖縄を訪問し、仲井真弘多(なかいま・ひろかず)沖縄県知事と県庁舎で会談した。首相は、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設問題について「代替地そのものは、(名護市)辺野古の付近にお願いせざるを得ないという結論に至った」と伝えた。

 首相が、普天間の移設先として辺野古周辺を明言するのは、今回が初めて。

 首相は、今後の手続きについて「住民のみなさんの暮らしや環境への影響に最大限配慮するのは当然だ。住民のみなさんとしっかりと協議しながら進めていかねばならない。断腸の思いで下した結論だ」と、辺野古移設への理解を求めた。

 さらに「昨今の朝鮮半島の情勢からも分かると思うが、東アジアの安全保障環境に不確実性が残っている中で、海兵隊を含む在日米軍全体の抑止力を低下させてはならないということは、首相として申し上げなければならない」と、県内移設に方針を転換した理由を説明。沖縄での米軍訓練を県外に移すことで、基地負担の軽減をはかる考えを強調した。

 仲井真知事は「大変遺憾だ。極めて厳しいということをお伝えするしかない。県外、国外移設への県民の熱い思いが高まっており、落差が非常に大きい」と述べた。

(新聞記事転載貼付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-05-23 13:37 | 日本政治

政治主導に関する反省と批判

自民党の「『政治主導』の在り方検証・検討プロジェクトチーム」(座長・林芳正政調会長代理)が政治主導についての報告書を出したそうです。以下の2本の新聞記事を合わせて読むと、その内容がより分かります。朝日新聞の記事では、自民党の反省を強調して書いてあり、産経新聞の記事では、民主党の現在のやり方に対する批判が書かれています。

その内容を、箇条書きでまとめると以下のようになります。内容は私が分かりやすいように書き換えています。

①官僚が作った内閣提出法案について、自民党に説明させるのを官僚任せにしてしまうことがあった(自民党の反省)

②「族議員」が予算形成を主導したために増やしたり、減らしたりが柔軟にできなかった(自民党の反省)

③政務次官などがどんな質問にもきちんと答えられるほど仕事も勉強もしていなかったために会見に出たくなかったので、各官庁の事務次官が、偉そうに定例記者会見を行うのを許した(自民党の反省)

④「政策決定の内閣への一元化」となると、立法府である議会とそこのアクターである政党がやるべきことが減ってしまっている(民主党への批判)

⑤「政策決定の内閣への一元化」と言いながら、民主党は小沢幹事長が入閣していないので、党と政府でねじれが起きているし、二元的になっている(民主党への批判)

⑥情報を握っていた官僚たちが情報から切り離されて困っていますよ(民主党への批判)

⑦陳情を幹事長が全部取り仕切るのは、恣意的な取り扱いが出て、公平性が保てない(民主党への批判)


これらの反省や批判のうち、②と④は重要であると考えます。それは、与党と政府との関係について書かれているからです。これから政権交代が起こりやすくなるのですから、政党の政府の関係をクリアにしておいた方が良いと思います。

族議員とは、特定の政策分野に関しての専門知識を持ち、業界団体とのパイプが太く、該当する官庁の官僚たちにも影響を与えることができる議員のことです。農林族、道路族などが有名です。彼らは、予算を組む時期になると、業界と官僚から「予算を減らさないためにガンバッテ欲しい」という願いを受け、主に自民党の政務調査会と総務会で活動します。ここで、自分が代表する分野の予算が増やされること、もしくは減らされるにしてもその額を小さくすることのために活動します。その見返りに、業界からは票や政治資金を、官僚からは知識を受け取ります。

行財政改革の必要性は、自民党政権下の1970年代から声高に叫ばれてきました。族議員はそれに対して、「他のところはどうでも良いが、自分の分野の予算は必要だから増やして欲しい(減らさないで欲しい)」と主張してきました。その結果、予算総額がカットされることは少なく、族議員のいない分野や弱い分野は予算を削られてきました。

民主党は政調を廃止しました。これは族議員を作らないようにするためでした。これに反対の声も多かったのですが、民主党内に族議員ができてしまってはいけないので、正しい措置だったと思います。また、党と政府が分裂しやすい状況を生み出していましたので、この点でも評価ができると思います。

④の問題は、これはその通りなのです。元参議院議員で小沢幹事長の側近だった、平野貞夫氏から直接話を伺ったのですが、小沢氏の副総理としての入閣は決まっていたそうです。しかし、「小沢支配が強まる」とか「政治とカネの問題がある」ということで、党内からの批判があり、入閣は見送りになったそうです。

これは本当におかしい話で、政府と与党の一元化のために小沢幹事長が入閣しようとしたら、それは駄目だと批判しておいて、それをしなかったら、「一元化が出来ていないじゃないか」と言って批判しているのです。これは小沢氏に対する個人攻撃が形を変えて行われているのと同じです。

両党が、自民党のプロジェクトチームが発表する報告書の内容を吟味し、良いものは実行するようにしてもらいたいと思います。

(新聞記事転載貼付けはじめ)

「与党時代「官僚主導」だった… 自民PT反省の報告書案」

2010年5月22日付 朝日新聞電子版

 「官僚主導」と呼ばれても仕方のない状態に陥ることもあった――。自民党の「『政治主導』の在り方検証・検討プロジェクトチーム」(座長・林芳正政調会長代理)が21日、与党時代の反省を盛り込んだ報告書素案をまとめた。

 素案のなかの「我が党の政権運営の総括」の章では、「政務三役が自ら責任を持って行うべき与党・政府間の政策調整を、往々にして官僚任せにしてしまうことがあった」などと明記した。

 また「具体的なあるべき姿」の章では、「予算編成過程がいわゆる『族議員』主導の硬直化したものと化していたとの反省に立つ」「記者会見は各省庁の政策責任者たる政務三役が原則として行うべきもの」としている。

 報告書は参院選マニフェストの取りまとめに合わせて公表する方針。(蔭西晴子)


「民主は「誤った政治主導」」

2010年5月22日付 MSN産経ニュース

 自民党の「政治主導の在り方検証・検討プロジェクトチーム」(座長・林芳正政調会長代理)は21日、民主党の政権運営を「誤った政治主導」と批判すると同時に、自民党の与党時代を反省する提言案をまとめた。今国会中に最終案を決定、政権運営について参院選の争点にしたい考えだ。

 民主党が掲げる「政策決定の内閣への一元化」について「三権分立との整合性に問題がある」と指摘。小沢一郎民主党幹事長が入閣していない点を取り上げ「不完全な一元化であるばかりか、逆に幹事長に権力が集中するシステムになっている」と分析した。

 事務次官会議の廃止は「官僚が職務遂行に必要な情報を得られなくなっている」と問題視。陳情制限にも「公務の公平性・公共性の観点から憲法の趣旨に反する」と記した。

(新聞記事転載貼付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-05-23 11:44 | 日本政治

民族指導者の敗北は世の常か

普天間基地移設問題について、鳩山由紀夫首相が、現行の辺野古の埋立案で日米合意を発表する、という公算が高くなってきました。それに対して、地元、沖縄の仲井真知事、辺野古のある名護市の稲嶺市長、高嶺県議会議長が揃って批判をしています。彼らが口を極めて鳩山首相を避難するのは、はまず当然のこと、と言わねばなりません。

しかし、ここは別の視点で考えてみたいと思います。まず今回の普天間基地移設問題は、普天間基地として使われている土地の返還を実現するものです。これは1996年に橋本龍太郎首相がビル・クリントン米大統領と合意したものであり、2006年に2プラス2で実施の合意をしたものです。それが分かっていた上で、鳩山首相は、敢えて、「国外、最低でも県外」と「2010年5月末までに」方向性を打ち出すという発言をしました。しかし、残念なことに、鳩山首相の発言は守られない可能性が高くなり、沖縄をはじめ、全国の多くの人たちから批判を受けています。

私は今、副島隆彦先生が書かれた「新版決然たる政治学への道」を読んでいます。この中で、外交交渉の厳しさ、属国が帝国から何かを交渉で得ることの困難について、先生は書かれています。鳩山首相をはじめ、実際に外交交渉に当たっている少数の担当者たちの苦心にも私は目を向けたいと思います。

ここからは私の推論ですが、鳩山首相はアメリカ側と官僚にはしごを外されたのではないかと考えます。アメリカのオバマ大統領は、鳩山首相の当選、つまり民主党による政権交代を祝福しました。そこで、なにかしらオバマ大統領から示唆があったように思われます。

しかし、オバマ外交はクリントン国務長官に乗っとられてしまいました。次期大統領を狙うクリントン国務長官は、オバマを支える勢力と敵対する勢力の支援を受けています。そこで、オバマ大統領の意思や示唆を無視し、普天間基地問題に関して、自分が支援を受ける勢力の望むような決着になるように岡田克也外相や北澤俊美防衛相に圧力をかけたと思われます。

彼ら2人の大臣に仕える官僚たちも、アメリカの国防総省(アメリカ軍)の官僚たちと裏でつながり、同業ギルドのようになっています。彼らは、自分が仕える大臣たちの上司である首相や国民よりも、同業であるアメリカの官僚たちの利益を優先します。そこで、オバマ大統領と鳩山首相は、出し抜かれ、動きが取れなくなってしまったのだと思います。

鳩山首相の敗北であり、責任問題であるという論調になるでしょう。多くの国民が鳩山首相に悪罵を投げつけるでしょう。しかし、私は思います。この問題に関して、彼以外の政治家で、彼以上の成果を出せた人はいるでしょうか。自民党政権の方が良かった、でしょうか?

彼らは沖縄返還以来、それこそ何十年も沖縄の思いを無視してきたと言えます。アメリカと対等にモノが言える関係にあるというパフォーマンスをしてきた小泉政権でも、この問題になればアメリカに何も言えなかったのです。名護市の稲嶺市長は「前政権の方が良かった」ということを仰っています。お怒りは分かります。しかし、冷静になって、歴代自民党政権が「本当に良かった」かどうか、お考えになってください。

属国が帝国に何かをさせることは本当に大変なことです。私は、この問題を国土回復運動(レコンキスタ)であると考えます。この大義のために、初めて民族指導者が戦い、敗れ去ろうとしています。彼に悪罵を投げつけるのは簡単です。「ルーーピーー」と叫ぶのは簡単です。しかし、それでこれからの日本のためになるのか、疑問を持っています。

感傷的な文章になり、申し訳ありませんでした。最後まで読んでくださって、ありがとうございました。


(新聞記事転載貼付けはじめ)

「名護市長「首相のやり方、前政権よりひどい」」

2010年5月22日付 読売新聞電子版

5月22日23時9分配信 読売新聞

 沖縄県の仲井真弘多知事は22日、日米両政府が米軍普天間飛行場の移設先を同県名護市辺野古とすることを大筋で合意したとの報道について、「県内移設はとても受け入れられる状況ではない。鳩山首相がどういう考えなのか、首相の沖縄訪問の際によく聞いてみたい」とコメントした。

 名護市の稲嶺進市長は「首相は明日、何をしに来るのか分からない。やり方は前政権よりもひどい」と吐き捨てた。また、「地元は何も知らされていない。そんなやり方で押しつけてきてもできるわけがない」と怒りをあらわにした。

 沖縄県議会の高嶺善伸議長は「『最低でも県外』という鳩山首相の言葉に期待していた。それがまた元に戻ることは絶対に許されない。一国の首相、政治家としての資質を疑う」と厳しく批判した。

 県議会では、23日の首相訪問にあわせ、所用のある4議員を除く44県議全員が朝から議会前に座り込み、「県内移設」反対の意思表示を行う予定。

新聞記事転載貼付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-05-23 00:04 | 日本政治