翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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日本政治論:エコノミスト誌から②

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



子羊を装ったマトン(Mutton dressed as lamb)

エコノミスト誌(The Economist)
2012年12月8日
http://www.economist.com/news/asia/21567994-candidates-fan-out-general-election-december-16th-voters-look-volatile

「候補者たちは12月16日の総選挙に向けて選挙運動を展開している。有権者たちはこれまで同じく気まぐれだ」

 議会のメンバーというよりもJポップのバンドのメンバーのようである。2人の30代そこそこの自民党候補者が12月4日の東京のある場所で選挙戦の第一声を上げていた。彼らは有権者たちに対して「新しい自民党」について訴えていた。12月4日は、12月16日に投開票が行われる総選挙の選挙運動の初日であった。少女たちは叫び、母親たちはうっとりしていた。彼女たちが見ていたのは、2001年から2006年にかけて首相を務めた小泉純一郎のハンサムな息子だ。小泉は最近の日本で最もカリスマのある指導者だった。そこには政策についての議論はなかった。聴衆から新しい自民党はこれまでとどう違うのかと質問した。この時、小泉のハンサムな息子は「全てです」と答えた。

 各種世論調査の結果を見ると、自民党は衆議院で過半数を奪還すると予想される。自民党は戦後の大部分の期間を与党として日本を支配し、2009年の総選挙で大敗を喫した。日本は最近5年間で3度目の景気後退を迎えようとしている。原発に関する危機が今でも続いている。それらに加え、中国との間で岩礁をめぐり緊張が高まっている。有権者たちは、野田佳彦首相と彼が率いる民主党に対して怒りを覚えている。それは、3年前に自民党が経験したものと同じだ。この時、民主党が総選挙で大勝を収めた。

 しかし、今回の場合、有権者は全ての政党に対して不審を抱いているようである。小泉首相以来、7人目の首相は、それまでの6名の首相と同様に、日本のデフレ経済を終わらせると主張するだろう。自民党の総裁で保守派の首相候補でもある安倍晋三は、自民党は、野党時代の3年間「自己反省(soul-searching)」を行った結果、新しく生まれ変わり、自分はその新生自民党を率いているのだと主張している。しかし、世論調査の結果を見ると、また違った側面が見えてくる。2012年12月6日、日本の4大新聞は、選挙区ごとの評価を基にして、自民が衆議院の480議席の過半数を容易に獲得し、古くからの連携相手である公明党との関係もあって、議席数を伸ばすことになるという予想を発表した。これらの調査に関し、各新聞社はあまり過信しないようにと前置きをしていた。しかし、これらの調査では、自民党を含む主要政党全てに対する支持が2009年に比べて低いということも明らかになっている。最新の調査によると、民主党は第二党に転落し、獲得議席も約100となると予想されている。第三党になると予想されているのが、新しい、ナショナリスティックな政党である、日本維新の会である。

 しかし、有権者の約半数が投票先を決めていないままである。そして、過去の選挙を振り返って見ると、こうした有権者たちが移り気であることは分かっている。過去2回の選挙では、このような気まぐれな有権者たちが集中した。2005年の選挙では、郵政改革法案に対して反対した自民党内部の抵抗を乗り越えることを当時の小泉首相が求め、有権者は彼を支持し、自民党が大勝した。2009年の場合は、こうした有権者たちが民主党を支持した。これらの動きと同様、今回の選挙では、自民党が議席を伸ばすことが予想されているが、これは民主党に対する失望からであって、自民党に対する支持からではない。自民党は内省的であり、過去にこだわっている。安倍総裁は、再び元気を取り戻した自民党について語る時、「美しい日本」について語る。これは、2006年から2007年にかけて安倍氏が首相だった時に提唱された、曖昧なテーマである。「日本を取り戻す」という自民党のスローガンは2つの意味で読める。一つは、日本を奪い返す、もう一つは、日本を昔(昔の良い時代)に戻すというものだ。野田首相は、自民党について、時計の針を逆に戻そうとしているといつも述べている。

 民主党は今回大変に不人気で、候補者の中には、選挙ポスターに党名を掲載しない人もいるほどだ。しかし、有権者の中には、民主党が唯一の中道政党であると考え、評価している人たちもいる。民主党の大きなライバルは、民主党よりも政治的に左に属すると思われている、新しく結成された日本未来の党である。しかし、日本未来の党は、民主党の重鎮だった小沢一郎に率いられており、彼のタマニー・ホール型の利益誘導型の政治スタイルを嫌う穏健な人々は日本未来の党を支持しないということもあるだろう。

 自民党が衆議院の過半数を制し、公明党の助けを借りたとしても、衆議院で3分の2の議席を占めるだけの連立政権を作ることは難しいだろう。来年の7月に参議院の選挙が行われるが、それまでは、ねじれ国会で、参議院を民主党がコントロールすることになる。そうなると、参議院での反対を乗り越えるために、衆議院で3分の2の議席が必要となるが、自民党がこれを確保することは困難である。また、議会において、政策について書く党で考えが大きく異なっている。その隔たりも大きくなっている。安倍氏は、デフレを止める方法として「無制限の」金融緩和を行うために日本の中央銀行である日本銀行の独立性を制限するという脅しを発した。この脅しについて自民党と民主党では考えが異なる。そして、民主党と自民党との間には、2011年の福島第一原発の事故を受けて、原発を廃止するかどうかで考えが分かれている。自民党は、日本の「原発村」の政党である。

 主要政党間では自由貿易についても考えが異なる。共同通信が行った世論調査によると、民主党の候補者の半数以上が、日本が環太平洋経済協力協定(TPP)と呼ばれるアメリカとその他9カ国と自由貿易協定に関する交渉に参加することを支持している。日本維新の会もまたTPP参加交渉に賛成している。しかし、自民党の候補者の80%以上がTPPに反対している。

 日本の平和憲法を変えるかどうかも考えが分かれる大きな問題となっている。現在の日本国憲法は、アメリカ人たちによって起草され、1947年に発効した。自民党と日本維新の会に属する政治家の多くが憲法9条の書き換えを指示している。憲法9条は、日本の交戦権と軍隊の保有を否定している。日本の自衛隊は国防のためのみに存在するとされている。自民党と日本維新の会の政治家たちは、日本は「集団的自衛」の権利を持つと考えている。「集団的自衛」とは、同盟国、日本で言えばアメリカが攻撃された場合、アメリカを助けるということである。

 中国との間で緊張が高まっているが、有権者たちは、事態の深刻化を受け入れられないでいるようだ。有権者の多くが平和憲法を神聖なものだと考えている。中国に進出した日本企業は、9月に起きた尖閣諸島(釣魚島)をめぐる争いが発端となって破壊行為や経済的な損失に苦しんだ。ビジネスマンやその他の人たちで、中国、韓国との関係の改善を望む人たちは、安倍氏が選挙に勝って首相になって、戦時中の行動について集中的な行動を取ると、トラブルが酷くなるのではないかと懸念している。安倍氏は、前回首相だった2006年から2007年にかけて、中韓両国との関係を改善しようと努力していた。しかし、それ以降、日本と中韓との間の政治的なムードは厳しくなっていった。

 選挙のマニフェストが短い期間で変更になることは、有権者がこれをして欲しいということへの反応という面がある。これには、母親たちが仕事に戻れるようにするための、子育て支援も含まれる。また、男女平等賃金と就労の機会の平等、新規ビジネス開始のインセンティブの充実、拡大しすぎた年金システムの改革も含まれている。2011年に発生した津波と原発事故の後、日本の東北部をどう再建するかについての具体的な計画はほとんどできていない。小泉元首相の息子のような候補者たちは、人々が何を聞きたいかを掴む能力を持っている。しかし、大部分は、スピーカーを付けた選挙カーで街を走り回り、たすきと白い手袋を身につけている。それはまるで1950年代の候補者のようだ。どちらにしても、人々を魅了するということはない。

(終わり)

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2012-12-12 22:19 | 日本政治

若きジャパンハンドラーズ候補生であり、大物ハンドラーであるリチャード・サミュエルズの弟子の日本政治論

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



※リチャード・サミュエルズMIT教授(日本政治)については、拙著『アメリカ政治の秘密』で詳しく書いております。是非お読みくださいませ。

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日本政治:2012年の時代精神?(Japanese politics: the spirit of 2012?)

トバイアス・ハリス(Tobias Harris)・MIT政治学部所属
イースト・エイジアン・フォーラム(East Asian Forum)
2012年10月27日
http://www.eastasiaforum.org/2012/10/27/japanese-politics-the-spirit-of-2012/

「日本政治は不安定な段階に入っている(Japanese politics have entered a volatile phase)」

 消費税増税を巡る衆議院での議論は、民主党から新たな分裂を生む結果となった。小沢一郎が約49名の議員を引き連れて民主党を離党し、「国民の生活が第一(People’s Life First)」を結成したのは、2012年7月だった。この分裂に続き、橋下徹大阪市長率いる「日本維新の会(Japan Restoration Association)」が結成された。そして、新自由主義を標ぼうする「みんなの党(Your Party)」が日本の二大政党である民主党と自民党に対する挑戦者としてその力を高めつつある。これらの動きは、日本政治は、「政党の再編成」の新時代の幕開けであることを示していると私は考える。

 日本政治のウォッチャーたちは、政党の変遷(栄枯盛衰)に重要性を見出していない。これまで20年以上にわたり、日本の政党は、結成され、分裂し、解散し、また結成され、を頻繁に繰り返してきた。しかし、日本は、政党システムだけにとどまらない、幅広い政治の大転換の真っただ中にいるのである。

 2012年、東京で、1960年以降で最大のデモが起きている。多くの人々が定期的に首相官邸の前に集まり、野田佳彦首相の原発再稼働の決定に抗議をしている。日本では、2011年3月11の大震災以降、原発稼働が停止されてきた。2011年末から2012年初めにかけて、日本では、野田政権の環太平洋経済パートナーシップ(TPP)への参加の意思に対して小規模な抗議活動が続いていた。反原発の抗議活動は、反TPPの抗議活動に続いて発生した。これらの抗議活動は、これまで長い間政治家たちに対して不満を持ってきた一般の人々が自分たちの手に政治を取り戻したいと思っていることを示している。こうした動きに並行して起きているのだが、橋下市長を含む改革志向の政治家たちが主宰している、政治家「養成」のための政治塾(political ‘training’ academies)に参加する人々の数は増えているそうだ。政権を取って以降の民主党の政策に対する失望、もしくは日本が構造的に抱える腐敗や汚職がなくならないことへの諦めの気持ち、のどちらが大きく影響したとも言えないが、一般の人々の政治に対する不信感は大きな転換を起こすところまで高まっていると言える。

 現在東京で行われている抗議活動はアラブの春との比較がなされ、橋下市長の人気は明治維新(Meiji Restoration)と比較されている。しかし、今回の大きな動きがどのような結果になるかについて語るのは時期尚早である。成熟した民主国家ではよくあることだが、日本の政治的、選挙に関する、そして行政の各機構は、外側の人間が参入しようとする際の障壁になっている。

 第一に、衆議院(House of the Representatives)の小選挙区比例代表並立制(mixed-member electoral system)は、300ある小選挙区のほとんど全てに候補者を立てられる大政党に有利になっている。みんなの党と大阪維新の会との間で成立すると考えられる同盟が次期総選挙(遅くとも2012年8月までには行われる)でどれほどの数の候補者を擁立できるか、はっきりしない。そして、政治資金と選挙運動に関する法規は現職に有利になっていて、その現職のほとんどは2大政党(民主党と自民党)に所属している。

 更に言えば、参議院(House of Councillors)は、改革を目指す人々にとっては、大きく邪魔な存在となっている。もし、参議院の過半数を野党が握っている場合、政権がやろうとしている政策を邪魔し、阻止することができるようになる。これは、ここ5年の間、実際に起こっていることである。参議院議員の半数が2013年の選挙を控えている。正統が分立している現状では、どの政党も過半数を獲得することは困難である。そうなると、与党は、行き当たりばったりで野党と妥協することになるだろう。ポピュリスト的な政党や諸政党の同盟が衆議院で過半須を獲得して政権を担うことになると、ねじれ国会(divided Diet)である場合、与党が統治する能力が十分に発揮することは難しい。

 最後に、ポピュリスト的な政権は、日本の中央官僚制度と競い合わねばならない。中央官僚たちの影響力と改革志向の政治家に対する敵意は、過大評価される傾向がある。しかし、政治家は最も従順な官僚たちをうまく管理しなければならない。政策の専門知識はあるが経験のない大臣たちは、官僚たちをうまく管理することができるとは限らない。これは、2009年以降の民主党に当てはまる話だ。立法スタッフやシンクタンクというようなところからのアドバイス、いわゆる外部からのアドバイスない現状では、政治家たちは、官僚たちに頼る以外には選択肢はないと言って良い。民主的な正当性というものは、有権者が望むプログラムを実行できる、中立で、能力の高い中央官僚が存在しているかどうかにかかっている。官僚の力を弱めようという熱意をもって、政治家たちは、才能あふれる人々を官僚の身分から追い出す、もしくは官僚にならないように説得し、または官僚たちが持つ健全な政策アドバイスを行う能力を損なわせることで、官僚制度を突き崩そうとしている。

 日本の政治システムはその不安定さを増している。しかし、そうした状況であっても、変化を起こそうとする人々にとっての重大な障壁が今でも存在している。これは、日本の政策に変革をもたらそうとしている人々にとっては、容易に解決できない問題である。人々は強力な、決断力を持つリーダーの出現を願っている。しかし、今の日本にとって必要なのは、より多くの考えを代表し、妥協がしやすい機構なのである。野田首相は、野党との妥協を成立させた。困難ではあったが、それが決して不可能ではないことを野田首相は示した。しかし、東京でのデモに参加した人々と大阪の都市を基盤とした改革者たちは、彼が熱望する大きな変化を見ることは難しいだろう。それでも、彼らは、日本政治に何らかの足跡を残ることになるだろう。日本の政治システムに対する不満が、政治システムへの参加者を増やし続けるならば、日本の民主政治体制は、より開かれたものとなり、国会内部の権力の中心が外部からの新しい考えを吸収するようになるだろう。

※トバイアス・ハリス:マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of Technology)博士候補生。2006年から2007年にかけて民主党所属参議院議員(現在はみんなの党所属の浅尾慶一郎代議士)の下で働いた経験(私設秘書)を持つ

(終わり)

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by Hfurumura | 2012-11-25 17:09 | 日本政治

ジェラルド・カーティス写真館:備忘録として

アメリカ政治の秘密

古村 治彦 / PHP研究所



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小泉純一郎元首相とジェラルド・カーティス

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江田五月前参議院議長とジェラルド・カーティス

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古川元久前国家戦略担当相とジェラルド・カーティス

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岸本修平代議士とジェラルド・カーティス

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藤末健三参院議員とジェラルド・カーティス

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古館伊知郎とジェラルド・カーティス

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高校卒業当時のジェラルド・カーティス

アメリカが作り上げた“素晴らしき"今の世界

ロバート・ケーガン / ビジネス社


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by Hfurumura | 2012-11-16 14:53 | 日本政治