翻訳、評論の分野で活動するSNSI研究員の古村治彦のブログ
by Hfurumura
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タグ:普天間基地移設問題 ( 21 ) タグの人気記事

最悪のシナリオ:海兵隊のグアム移転がないままの辺野古への「拡張」

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /



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今日から7月。2011年の前半はやはり東日本大震災と福島第一原発の事故が最大で最も悲しい出来事でした。

本日は、普天間基地移設問題について書きたいと思います。本日、米上院歳出委員会は、在沖縄海兵隊のグアム移転支出を認めない歳出法案を可決しました。アメリカ政府が海兵隊のグアム移転のための費用として求めた1億5000万ドルが全て削られてしまいました。お金がなければ何もできないのは政府の仕事も同じです。シンプルなことを言えば、グアム移転にお金が使えなくなり、計画が狂います。計画が狂って移転が一年遅れるのも困りますが、一番困ることは海兵隊のグアム移転が頓挫してしまうことです。

米上院歳出委員会は上院で最も大きな委員会であり、予算審議権を持つ委員会です。アメリカ議会の委員会は委員長が大きな力と影響力を持っています。米上院歳出委員会の委員長は、日系二世のダニエル・イノウエ上院議員(ハワイ州選出)です。イノウエ議員は第二次世界大戦、いや米軍史上最も栄典を受けた442部隊(その分犠牲が大きかった)の英雄です。民主党の長老として、尊敬を集め、影響力を持っています。

イノウエ議員は、先ごろ日本を訪問し、記者団に対して「普天間基地は辺野古移設が望ましい」と発言しています。一方、上院軍事委員会のレビン委員長(民主党)は、辺野古移設は困難であり、嘉手納基地統合案を主張していました。私は普天間基地の辺野古移設と海兵隊のグアム移転はセットになっているとばかり思っていましたが、どうもそうではなかったようです。

普天間基地の辺野古への移設は普天間基地周辺の安全を確保し、沖縄の負担を軽減することと、アメリカ軍全体の再編成のために海兵隊をグアムに移設するということがセットで話されていました。しかし、辺野古への移設は自然破壊につながり、沖縄の負担軽減になっていないという批判が根強く、民主党も2009年の総選挙で県外移設を主張しました。私は、普天間基地の海兵隊は常にアジア太平洋地域をローテーションで巡回しており、常に普天間基地にいるのではないということを知り、それなら家族ごとグアムに移転し、沖縄には数か月いるだけの施設があれば良いし、ヘリコプターなどは分散して駐屯すればよいのではないかと考えています。それなら普天間基地は廃止し、同時に辺野古に大規模な滑走路など必要ない、と考えています。

しかし、私の考えはどうも甘かったようです。アメリカとしては、海兵隊のグアム移転を遅らせながら、同時に辺野古への基地移転ということだけは進めさせて、海兵隊が普天間基地に居座りながら、辺野古に米軍施設や基地を作らせるというハラなのではないかという考えに至りました。「日本側の動きが鈍いので、グアム移転は遅らせる。従って普天間基地はそのまま使用する。しかし、辺野古への移設は日米で合意しているので、辺野古における米軍施設や基地の建設は始める」というのがアメリカの意図なのではないかと私は考えています。

こうなると、「グアム移転を遅らせたのは日本側の責任なのだから」と言え、「アメリカも今は財政が厳しいので、グアム移転をして欲しければお金を出せ」「お金が出せないなら、普天間基地はそのまま使う。辺野古への移設は約束だから建設は始めてもらう」ということになるのでしょう。

私の妄想と笑われても仕方がありませんが、結局米軍の基地拡大につながるようなことにならないように願うばかりです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「普天間移設、不透明さ高まる 海兵隊のグアム移転費、支出認めず 米上院歳出委」

2011年7月1日付 MSN産経ニュース

 米上院歳出委員会は30日、在沖縄米海兵隊のグアム移転費支出を認めない内容の2012会計年度(11年10月~12年9月)の歳出法案を可決した。政府が海兵隊グアム移転費として要求した約1億5千万ドル(約121億円)が全額削除されたとみられる。

 海兵隊のグアム移転は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設とセットになっている。同委員会は、日本政府が普天間移設を実現する能力について「不確かさ」があることなどをグアム移転費支出を認めない理由とした。

 米議会では上院軍事委員会も、グアム移転費の支出を認めない判断をしており、普天間移設の見通しの不透明さが高まった。(共同)

●「パネッタ氏が新国防長官に 米予算削減が課題」

2011年7月1日 47(よんなな)ニュース

 【ワシントン共同】オバマ米政権で中央情報局(CIA)長官を務めてきたレオン・パネッタ氏(73)は1日、ワシントン郊外の国防総省で就任式に臨み、第23代の国防長官に正式に就く。

 ブッシュ、オバマ両政権で長官を務めたゲーツ氏の後任。アフガニスタンやイラクの駐留米軍撤退を進め、パキスタンとの関係修復を図るとともに、オバマ政権が打ち出した12年間で4千億ドル(約32兆円)の国防費削減が重要課題となる。

 パネッタ氏は民主党下院議員などを経て、クリントン政権で行政管理予算局(OMB)局長と大統領首席補佐官を歴任。

 米軍普天間飛行場移設問題については、先送りせずに解決する意思を表明。

●「辺野古移設合意へ 今夜2プラス2 北沢防衛相「日米同盟深化の確証得たい」」

2011年6月21日付 MSN産経ニュース

 【ワシントン=酒井充】日米同盟深化のための共通戦略目標を策定する外務、防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)が21日午前(日本時間同日夜)、ワシントンで行われる。北沢俊美防衛相は20日夕(同21日午前)、記者団に「非常に歴史的な分岐点であり、これを契機に日米同盟がさらに深化していくとの確証を得たい」と抱負を語った。

 関係4閣僚が出席する2プラス2は4年ぶり。原発事故や災害対応に関する米軍と自衛隊、地方自治体との協力態勢構築や、海洋進出をはかる中国を「脅威」と位置付ける新たな共通戦略目標を策定する。米軍普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)については同県名護市辺野古へのV字型滑走路での移設で合意する予定。

 米議会の一部からは辺野古移設を困難視する意見が出ているが、北沢氏は「日米ともに政治に責任をもった当局が(辺野古への移設を)断固として行うと強い意思表示をするのが極めて重要だ」と語った。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2011-07-01 21:46 | 日本政治

最低でも県外が、いつのまにか最高が現行案に:様々な手を繰り出してくる日米両政府

ネクスト・ルネサンス 21世紀世界の動かし方

カンナ,P. /



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本日、沖縄の仲井真知事と北澤防衛相が沖縄県庁で会談しました。北澤防衛相は、普天間基地移設問題で、現行案に固執し、時期をずらしても辺野古に移設するということを改めて表明しました。2014年に移転完了しなければ、そのまま普天間基地が継続使用されてしまうので、時期については日米両政府で調整しているということです。これは、現行案を了承しないと、普天間基地の移転は成功せず、今のままの危険な状態がずっと続くことになる、というアメリカ政府の脅しを北澤防衛相がわざわざ伝えに行ったのと同じことです。

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普天間基地移設をめぐる、6月以降の日米両政府の動きを見ていると、様々な手を繰り出し、対応をしていることが良く分かります。アメリカ政府は、現行案を進めることは決めています。ただ、アメリカ国内には「現実的ではない」「嘉手納基地に統合したら良いじゃないか」という意見があることを明らかにしています。しかし、だからと言って、嘉手納統合案に傾くことは考えにくい状況です。嘉手納統合案には地元も反対していますし、空軍が海兵隊と基地を共用することには絶対反対です。ですから、アメリカにも沖縄に理解を示す有力者がいるということで、沖縄の人々の気持ちを少しでも和らげようという意図が感じられます。しかし、これもまた裏切られてしまうでしょう。

アメリカ側は、「未亡人製造機(ウィドゥ―・メイカ―)」というあだ名をつけられている、オスプレイを普天間基地に配備しようとしています。オスプレイは、開発段階から墜落事故が頻発し、安全性に疑問が持たれています。このような輸送機を周辺に住宅や公共施設が密集している基地(危険を除去するために移転しようとしている)に、配備をするなどその意図が疑われます。これは、アメリカ政府による脅しです。「このような危険な飛行機があなた方の頭の上を飛び回りますよ。人がほとんどいない辺野古に移設させた方が良いでしょう」と言っているようなものです。

そしてオスプレイ配備の次の日、出てきたのが、米空軍の訓練施設の場所として、鹿児島県の種子島に近い馬毛島に移転させるという話です。米空軍の岩国基地の訓練施設についてもまた日米間の懸案になっています。沖縄とは関係ないかもしれませんが、空軍施設となると、現在普天間基地に配備されているヘリコプターなどはこちらに移設できます。馬毛島は無人島なので、どのような設備も作ることができます。空軍と海兵隊の共用基地となる可能性は高いでしょう。また、東シナ海からこの種子島・屋久島地方の海域は、中国の潜水艦が通っています。これらに対するけん制にもなります。朝鮮半島有事、台湾海峡有事にも即応できる場所です。馬毛島に空軍と海兵隊を置いておくことは、
辺野古に置いておくことよりも重要であると考えられます。

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馬毛島のあたり、種子島のあたりは鹿児島の大隅半島と、鹿児島第五区という選挙区を形成しています。ここは、元々中選挙区時代には、二階堂進、山中貞則という自民党の大物政治家の地盤でした。小選挙区制度になる頃、二階堂氏は引退、その後、山中貞則氏が死去するまで地盤を守り、その地盤は森山裕氏が引き継ぎました。周囲が是非森山氏に地盤を引き継いでもらいたいと熱心に頼み、森山氏が議員となっています。森山氏は鶴丸高校定時制を卒業し、その後、鹿児島市議会議員として活躍、市議会議長となっています。出身は大隅半島の鹿屋市ですが、政治的地盤は鹿児島市でした。しかし、地縁血縁、支持基盤の強さで、鹿児島第五区で当選3回を数えています。2009年の総選挙でも、森山氏が圧勝しましたが、比例で民主党の網谷信介氏が当選しました。網谷氏は森山氏とは
逆で、地元の名門鹿屋高校から一橋大学を卒業し、山一証券をスタートに外資系の金融機関に勤務しました。メリルリンチ証券の副会長を歴任し、資産公開でも、第14位に入るなどエリート街道を歩んできた人です。この二人がどのような動きをするかは注目しておく必要があるでしょう。

普天間基地移設問題については、最低でも県外移設という鳩山首相の決意の下、色々な動きがなされました。牧野聖修代議士発で徳之島移設案も出て、鳩山首相が病床の徳田虎雄元代議士・元自由連合代表を訪問したこともありました。馬毛島移設案も話題に上りました。しかし、ウィキリークスから朝日新聞に提供された公電情報の一部からは、民主党の議員たちは誰も県外移設に本気で取り組まず、鳩山首相もやがて現行案に落ち着くという態度に終始していました。また、官僚たちは、鳩山首相を小馬鹿にし、精神鑑定が必要でしょうなどとアメリカ側に話していたことが明らかになっています。

こうした状況では、アメリカ側が本気で辺野古移設案の見直しをすることはあり得ませんでしたし、これからもないでしょう。「こちらから譲歩しなければ、向こうが勝手に振り上げた拳をシュンとして下げる」と分かっている外交交渉ほど楽なものはありません。普天間基地移設は、日米関係の問題ではなく、日本国内の政治の問題です。より具体的に言えば、日本国内の「買弁」たちが蠢いて、可能であったグアム移転すら検討せずにいたということです。そして、辺野古に移転させなければ、普天間基地は固定化するという脅しを日本国民を守る立場の防衛相が発言しています。この問題を日本国民の利益に沿って解決出来なければ、21世紀の前半も日本はアメリカの属国であり、数世代もアメリカの属国であることを許容するという前代未聞の状態となると私は考えます。

基地問題について動きがあったので、備忘録も兼ねて書いてみました。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「「普天間固定化へ直結も」防衛相、沖縄知事に先送り表明」

2011年6月13日付 朝日新聞

 北沢俊美防衛相は13日午前、沖縄県の仲井真弘多知事と県庁で会談し、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設完了期限について「2014年は現実的に困難。普天間の固定化に直結する危険性もあるので、できるだけ早い実現を図ることで日米で調整中だ」と先送りを正式に伝えた。

 北沢氏は、普天間の移設先として日米両政府が合意した同県名護市辺野古の代替施設滑走路については「(2本の)V字形で調整したい」と、滑走路1本の「I字形」との両論併記から「V字形」に絞り込む方針も伝えた。09年の政権交代以降見直しが行われた移設案は、自公政権時代の案に完全に戻った。

 北沢氏は、21日に米ワシントンで開催予定の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)の際、期限の先送りについて「日米の合意を得て文書化したい」と語った。日米両政府は2プラス2で発表する共同文書に「可能な限り早期に移設」との表現を盛り込む予定。


●「馬毛島移転案を鹿児島知事に伝達 米軍機訓練巡り防衛省」

2011年6月8日付 朝日新聞

 防衛省の小川勝也副大臣は8日、鹿児島県庁で伊藤祐一郎知事と会い、米軍岩国基地(山口県)に移る米空母艦載機部隊の発着訓練(FCLP)の移転先として、鹿児島県西之表市の馬毛島(まげしま)を有力候補地としていることを伝えた。伊藤知事は「地域の方々の意向が最も重要だ。県としてはまずその意向に沿って対応していきたい」と、地元の反発を理由に慎重な姿勢を示した。

 防衛省は、民間の開発会社がほぼ全域を所有する島の土地を買い上げて自衛隊施設を建設、米軍と共同使用する形でFCLPを移転する案を検討している。小川氏は知事に対し、防衛省の計画では、屋久島や種子島の上空を艦載機が飛行しないことになっていると説明した。


●「オスプレイ、普天間配備を正式発表…米国防総省」

2011年6月7日付 読売新聞

 【ワシントン=中島健太郎】米国防総省は6日、海兵隊の新型垂直離着陸輸送機「MV22オスプレイ」を2012年後半に、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に配備すると正式に発表した。

 老朽化したCH46中型輸送ヘリの後継機となる。同省はオスプレイについて、「CH46と比べ、より安全で騒音が小さく、能力も高い」としている。


●「辺野古への移設「最も実現可能」…日米が一致」

2011年6月3日付 読売新聞

 【シンガポール=古川肇】北沢防衛相は3日午後(日本時間同)、シンガポール市内のホテルでゲーツ米国防長官と約45分間会談し、沖縄の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設するとした現行移設計画を「最も運用上実現可能で、政治的に持続可能な方途だ」として、従来通り推進することで一致した。

 ゲーツ氏は、レビン米上院軍事委員長らが提言した同飛行場と米軍嘉手納基地(同県嘉手納町など)との統合案について、「米政府の考え方を代表したものではない。米政府としてはこれまでの立場に何ら変更はない」と表明した。

 北沢氏は、「普天間の固定化を避けるため、可能な限り早期に移設することが不可欠だ」と指摘した。

 日米両政府が断念した「2014年の移設完了」に代わる新たな期限については、「代替施設が完全に運用上の能力を備えた時」と確認するにとどめた。


●「イノウエ上院議員、普天間移設の早期推進求める」

2011年6月2日付 読売新聞

 米民主党のダニエル・イノウエ上院歳出委員長(86)は2日、都内で記者会見し、沖縄県の米軍普天間飛行場移設問題について、「(米国の)忍耐が永遠に続くわけではない」と述べ、同県名護市辺野古への移設計画の早期推進を求めた。

 普天間基地移設の見通しが立たない中、カール・レビン米上院軍事委員長らは同県内の米軍嘉手納基地への統合を提案している。イノウエ氏は、辺野古への移設を盛り込んだ現行計画について「日米両政府の指導者らが、かなりの議論を行った後で結論を導いた」と指摘し、統合案に否定的な見解を改めて示した。


(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2011-06-13 14:09 | 日本政治

世界覇権国の矜持などと言うことも馬鹿らしいが

鳩山政権崩壊の引き金となった普天間基地移設問題は混迷を深めているようです。普天間基地移設問題については、日米合意で8月末までに工法などを決定して辺野古に移すということになっていましたが、それが不可能な状況です。まず、沖縄では、根強い反対感情があります。辺野古には根強い反対運動があり、それを排除してまで調査ができるとは思われません。アメリカ側はそれも分かっているようです。

そして、以下の記事にあるように、在沖米海兵隊のグアム移転が計画の2014年から遅れるという発表がアメリカ側からなされました。記事では遅れの理由について、グアムに海兵隊員8000人と家族9000人が急に移るとインフラ整備が間に合わないというものです。これはふざけた話です。移転計画はそれこそ2006年から進めらていた話で2014年までに道路や電気、水道、ガスなどのインフラのための工事を進めることはできたはずです。それを怠っておきながら、「急に増えると整備が間に合わない」などと良く言えたものだと思います。アメリカ政府は物事を計画的に遂行する能力に欠けていると自分で発表しているのですから。

これは、アメリカ側が、下の記事にあるように、海兵隊移転の経費約61億ドルを日本側が負担することになっていますが、これの増額を狙っているのは明らかです。計画が狂ったのは日本のせいなのだから、それにかかる利子分を負担すべきという話になるのでしょう。この移転整備を日本の企業が受注できるならまだしも、全部アメリカへの貢ぎ金になるのです。

沖縄はアメリカから見ればアメリカの兵士たちの「血で贖った」、自分たちの土地です。ネイティヴ・アメリカンたちから奪った土地と同じです。ですから、その土地をできるだけ使ってアメリカの利益を追求する、具体的にはお金を毟り取るのは当然のことなのです。そして、アメリカ人たちはそうした恥ずべき行為を「帝国の主張できる正統な権利」としています。常に世界唯一の超大国、アメリカは他の国とは違うというエクセプショナリズムを発揮しながら、やっていることは自分たちが「ならず者国家」と呼んだ、イラクや北朝鮮と同じです。

自国の領土のインフラ整備ができないのならIMFにでも融資してもらえば良いと思います。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

●「沖縄海兵隊、2014年までのグアム移転断念」

2010年7月23日付 読売新聞電子版

 【ワシントン=小川聡】沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転について、日米両政府が「2014年」で合意した移転完了期限について、米政府が達成を事実上断念したことが22日、明らかになった。

 米領グアム政府に22日(現地時間)に説明し、日本政府にもすでに伝達した。海兵隊のグアム移転は、沖縄の米軍普天間飛行場移設と並び、日米が06年5月に合意した「再編実施のための日米ロードマップ(行程表)」の柱の一つで、「普天間移設の実現とセット」(米国防総省)と位置づけられている。計画遅延により、普天間が現在の沖縄県宜野湾市に固定化する恐れが一段と強まりそうだ。

 移転計画の先送りは、米海軍の統合グアム計画事務所が22日、グアム政府に行った環境影響評価の事前説明会で明らかになった。

 同事務所の説明文書によると、米政府は「日米合意では、移転の完了期限は14年とされているが、グアムのインフラはそのような急な建設速度に対応できない」との現状認識を明記。グアムの電力・上下水道、港湾、道路などの供給能力を上回らない速度で建設を進める「適応性のある計画管理」を導入するとし、「これにより、基地建設の期限は延長され、より管理しやすいものになる」とした。

 グアムのインフラ整備は、海兵隊移転に伴う急激な人口増加に対応するには、電力供給など民間インフラの整備が不可欠だとするグアム政府の主張を踏まえたものだ。このため、米政府は海兵隊の基地建設に先立って民間のインフラ整備を優先させることにし、工期の長期化と予算の膨張が不可避となった。米政府は月内にまとめる環境影響評価最終版の中で、この方針を正式発表する。

 一方、日本政府筋は、米政府からすでに同様の説明を受けたことを明らかにした。政府筋は「インフラの追加整備には数年かかるだろう」と述べ、14年までの基地建設は客観的に不可能だとの見方を示した。

 グアム移転の先送りは、普天間移設問題が一向に進展しない日本の現状が影響しているのでは、との見方もある。政府内では「米側で米軍再編全体を推進する機運が薄れつつある表れでは」(外務省筋)との懸念も出ている。

 海兵隊グアム移転をめぐっては、総額102億7000万ドルのうち、財政支出28億ドルを含む60億9000万ドル(59%)を日本政府が負担することで日米が合意している。

●「普天間移設で日米外相会談「8月に結論出さない」」

2010年7月23日付 読売新聞電子版

 【ハノイ=宮井寿光】岡田外相は23日、訪問先のハノイでクリントン米国務長官と会談し、沖縄の米軍普天間飛行場移設問題について、代替施設の工法や位置の検討を「8月末までに完了する」とした5月の日米共同声明に基づき、両政府の専門家協議を精力的に進めていくことを確認した。

 外相は「沖縄県の理解を得なければ実質的には前に進むことができない。日米が緊密に意思疎通をし、注意深く着実に進めるべきだ」と述べ、長官も同意した。

 ただ、外相は会談後、記者団に、「8月末」の期限に関し、「専門家による協議で、政府としての結論を出すわけではない。結論は日米の2プラス2(外務、防衛担当閣僚)で出す。長官も認識しているはずだ」と強調。2プラス2の開催時期に関しても「特に決めていない」と述べるにとどめた。

 普天間問題を巡っては、沖縄に駐留する米海兵隊約8000人のグアム移転に関し、日米両政府が「2014年」で合意した移転完了期限の達成を米政府が事実上断念したことも明らかになっている。海兵隊のグアム移転は「普天間移設の実現とセット」(米国防総省)と位置づけられているため、沖縄の反発が強まることも予想される。

(新聞記事転載貼り付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-07-24 18:41

リバータリアニズムの立場からの米軍撤退論②

「私の指揮する沖縄に駐留する全海兵隊員たちは日本の安全を守るためなら喜んで命を捧げる。日本はアメリカを守るという互恵的な関係にはない」と米海兵隊太平洋司令官のキース・スタルダー中将は今年2月に発言した。こんな発言が現在のアメリカでどのように通用し、理解されるだろうか?

アメリカ政府の関係者たちは、アメリカ政府の役割はとても重要だと思いたいのだ。アメリカに依存することを望む国々は喜んで、「アメリカの役割は重要だ」ということを言い続けてくれる。しかし、日本をはじめ、他の人口が多く、経済的に繁栄していて、工業も発達している国々をアメリカが守るというのはアメリカ国民の利益にはならない。

アメリカが半帝国の地位を保てる時代はとうに終わったのである。国の債務残高はすでに13兆ドル(約1170兆円)を超えている。アメリカ政府は今年だけで1兆6千億ドル(約144兆円)の赤字を計上している。これから10年、アメリカ政府の計上する赤字は10兆ドル(約900兆円)に達するだろう。しかもこの数字はその間に銀行や年金基金などの破綻がなければという条件付きである。社会保障と医療保険の赤字は100兆ドル(約9000兆円)を超えている。簡単に言うと、今の状況はアメリカ政府は自国で防衛可能な国を守るために債務を積み重ねている、ということだ。

日本国民の中には、日本の周辺には危険がないとし、過剰な防衛力は必要ではないと考える人たちがいる。他の人たちは、そこまで言い切れるのか不安だと主張している。どちらにしても、防衛は、日本国民が決定することだ。

北朝鮮の持つ軍事能力はどのようなものかはっきりしていない。また彼らの攻撃的な意図は予想がつかない。鳩山前首相は次の様に述べている。「現在の朝鮮半島情勢を考え、その不透明さが沖縄に米軍基地を置いておく理由となる」と。

更に、中国は国力を伸ばしている。中国政府は攻撃的ではなく、受身的だ。しかし、日中両国が所有権を主張する島々をめぐり、争う意思を鮮明にしてきている。その争いが武力衝突までエスカレートしない最良の方法は日本政府がその島々を自力で防衛することだ。

日本の近隣職の中には、第二次世界大戦中の日本の侵略行為を思い出し、日本が軍事能力を持つことを懸念する国が存在する。アメリカ人の中にもそのような心配をする人たちもいる。しかし、日本国民は原罪(original sin)とも言うべき第二次世界大戦での過ちを繰り返さないあろう。侵略戦争を計画し、侵略を実際に実行した人間たちは全員亡くなっている。非武装の
平和維持活動部隊を海外に派遣する時でさえ政治的な混乱が起きるような国が何処か他国を侵略するようなことはない。

とにかく、東アジア各国の日本に対する懸念を和らげる最良の方法は日本と近隣諸国の間に協調を推進する合意と構造を構築することだ。韓国、オーストラリア、インドなど民主政体の国々はアジア太平洋地域が平和で経済的に繁栄を保つために日本と協働していきたいと思っている。それは日本にとっても利益となるし、地域の平和と繁栄のために日本は多大な貢献ができる。日本政府は自国の防衛のためにほとんど何もしないと決めているようだ。しかし、アメリカに防衛を負担してもらおうとすべきではない。

米軍が沖縄に駐留していることは日本を超えて東アジア地域全体の安定に寄与しているという主張がよくなされている。しかし、この主張には根拠が薄弱だ。ヘリテージ財団のブルース・クリングナーは次のように主張している。「沖縄に駐留している米海兵隊はアジアで危機が起きた時のアメリカの対応にとっての欠かすべからざる重要な要素となる」と。しかし、第三海兵遠征軍(the 3rd Marine Expeditionary Force,MEF)は軍事的能力は高いが、東アジア地域で危機が起きた場合、何もすることがないと言える。

第三海兵遠征軍は軍人の数が多い韓国を支援する必要はない。韓国軍は北朝鮮からの攻撃を防ぐ能力を持っている。米海兵隊はもしアメリカが中国と戦争状態に入った場合も有効な使い道がない。彼らが役立つとすれば、国防総省が北京の天安門広場に急襲上陸をして毛沢東の霊廟を確保するという作戦を立てた時だがそんな馬鹿げたことはない。米中間で、台湾、もしくは
所有権を争っている島々を巡る紛争が起きる場合、アメリカは空軍と海軍を主に投入する。インドネシアでの反乱、ソロモン諸島やフィジーでの内戦、タイ、ビルマ、カンボジアとの間の国境紛争などアジア・太平洋地域では不安定要因が存在するが、それらにいちいち米軍を派遣するのは愚かで、馬鹿げたことだ。

アメリカ空軍前参謀長だったロナルド・フォグルマン大将は次のように語っている。「沖縄にいる米海兵隊は米軍全体の軍事計画に対して何の貢献もしていない。海兵隊は沖縄に駐留する必要はない。戦争計画の中で彼らが派遣される時間などが決められるが、作戦遂行において、彼らが沖縄に駐留している必要はない。私は彼らがカリフォルニアに帰れば良いと思っている。彼らがカリフォルニアに帰りたがらないのは、彼らがカリフォルニアに帰ってしまうと、“海兵隊に2万人も必要な理由は何か”という疑問をアメリカ国民が持ってしまう恐れがあるからだ」

沖縄に米軍基地があることで東アジアの各国の軍事費を抑える効果があるのだろうか?これは検証されたことがなく、ただの思い込みと言ってよいだろう。たとえ東アジア各国の軍事費が抑制されているとしても、それがアメリカの利益とは言えない。中国の近隣諸国にとって、中国に責任のある外交・軍事政策をとらせる最良の方法は、充分に軍事力を高め、近隣諸国間で協力関係をしっかりと結ぶことだ。二国間もしくは地域の争いをアメリカの介入で収めるようなやり方はすべきではない。

アメリカが東アジア地域の平和に関与しないというのは何も日本人とアメリカ人が経済的、文化的つながりを断つとか、日米両政府が安全保障問題で協力をしないなどということではない。それは、アメリカが日本の安全を保証したり、日本の国土に米軍を長期にわたり駐屯させる理由はもはや存在しないということなのだ。

オバマ政権の外交政策は前任のブッシュ政権の外交政策のように恐るべきものとなっている。アメリカ政府は世界を支配しようとしているし、同盟諸国に対し自分の希望を押し付けている。

このような外交方法を採っていると、長期で見ればアメリカは自壊してしまうことになるだろう。経済的に豊かになり、影響力を持つようになった同盟諸国が防衛政策を自国の思い通りにやりたいと主張してきた時にのみ、アメリカの傲慢さはある意味で、功を奏したと言える。しかし、そうでなければ、アメリカ政府が経済的に繁栄し人口も多い国々を防衛することは、アメリカを国家破産の危険にさらしているのと同じなのだ。

アメリカ政府は外国への関与と海外での米軍の展開を縮小しなければならない。日本はまずその手始めとしては良い場所である。


ダグ・バンドウ(Doug Bandow):ケイトー研究所上級研究員。レーガン大統領時代には大統領特別補佐を務めた。著書に『罠:
変化し続ける時代の韓国とアメリカの外交政策』(ケイトー研究所刊)、共著に『朝鮮半島問題:南北朝鮮とアメリカの困った
関係』(パルグレイブ・マクミラン社刊)がある。

(終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-21 19:23

ニューリパブリック誌に掲載された政治状況についての論文のご紹介③

沖縄は1945年以来、東アジアにおけるアメリカ軍の拠点となってきた。しかし、この事実は顧みられることはなかった。アメリカと日本の古くからのエリートたちはこの事実を完全に無視してきた。沖縄はロングアイランド州の3分の1の大きさしかない。沖縄は日本本土よりも台湾に近い。歴史的にみると、沖縄は日本から独立した王国を形成していた。17世紀に日本のコントロール下に入り、日本の領土として併合されたのは1872年である。日本の一部としての沖縄の歴史は短い。

第二次世界大戦中、沖縄は徹底的に破壊された。沖縄の人々は、戦争中、自分たちが日本政府から捨て石にされたと確信している。日本が主権を回復して以降も沖縄は約20年間もアメリカの占領下にあった。1972年、アメリカ政府から表面上の施政権が日本政府に返還された後も、沖縄にはアメリカの軍事施設が密集し、多くのアメリカ兵が駐屯してきた。

日本本土に住む日本人たちは、自主防衛の責任を放棄したことのつけを、二級市民である沖縄県民に押し付けてきた。沖縄県民は本土の人々からのつけを押し付けられてることに憤りを感じていた。しかし、この問題が表面化するのは、1990年半ばのことである。この時期、12歳の女の子がアメリカ兵によって性的に暴行された。この事件が契機となり、沖縄での基地反対運動が急速に盛り上がった。基地反対運動の目標となったのが、普天間にある米海兵隊航空基地であった。この基地は、宜野湾市の人口密集地に位置している。日米両政府の間で長い年月をかけての交渉が行われ、2006年、両国政府は、普天間基地を移設することに合意した。しかし、この移設案では、沖縄の別の地域に新しい施設を絶滅寸前のサンゴ礁を埋め立てて建設するということになっていた。この地域の海には希少海洋生物が生息している。サンゴ礁と珍しい海洋生物が新しい基地によって絶滅してしまうのは間違いないところだ。

自民党は、沖縄の反米軍基地運動を抑えることに汲々としてきた。そのための手段として、地元の建設業者には公共事業を与え、基地に反対する人たちのデモを暴力団を使って粉砕することも厭わなかった。鳩山は昨年の選挙期間中、この基地問題をもう一度取り上げ、沖縄にとってより良い方向の合意に向けてアメリカと交渉すると公約した。沖縄の有権者の多くが民主党に投票した。

この普天間基地移設問題の見直しは、民主党が掲げるアメリカとの関係の見直しの一環である。民主党は、日本をアメリカの保護国(私が常々主張している)から対等な同盟国にすることを主張している。鳩山と小沢にとっては、オバマ政権が国際問題でジョージ・W・ブッシュ政権のとった強硬な姿勢ではなく、新しいアプローチをとると語っていたことが追い風となっているように思われた。鳩山と小沢はオバマと彼の側近たちと膝詰めで、両国にとって必要なこと、両国政府の要求、東アジアの
安全保障環境の変化について話し合えると考えていた。

しかし、それは間違いだった。2009年10月のロバート・ゲーツ国防長官の日本訪問からそうだったが、オバマ政権は、鳩山と鳩山の側近たちを軽蔑とあからさまな敵意をもって処遇した。オバマ政権は、普天間基地の移設合意についての再交渉の可能性を話し合うことすら拒否した。

こうしたオバマ政権の態度は、オバマ政権が「影響力の代理人たち」(訳者註:ジャパンハンドラーズ)の言うことをそのまま鵜呑みにしていたことを明白に示している。影響力の代理人たちは、「民主党が率いる日本政府はぜい弱だ。日本政府は反米勢力によって率いられている。そして、アメリカが鳩山をヒューゴ・チャベス・ベネズエラ大統領やイランのマフムード・アフマディネジャド大統領に対するように処遇したら、彼の政権は長くは続かない」と主張していた。そして、オバマ政権は、
この主張をそのまま受け入れたのである。

この戦術はうまくいった。さらに、民主党の敵たちにとって幸運であったのは、2010年3月26日に韓国の哨戒艇が沈没したことだった。沈没の原因は北朝鮮による魚雷攻撃だったと発表された。現在、日本人の多くが北朝鮮を日本にとっての唯一の脅威であると考えている。彼らの多くは良く考えもせずに、アメリカ軍こそが北朝鮮の狂った体制の攻撃から自分たちを守ってくれる盾だと信じている。これはそのように日本のマスコミも報道しているからでもある。朝日新聞をはじめ日本の大マスコミは、次のように主張している。「日本とアメリカの関係はとても重要だ。その日米関係を鳩山が危険にさらしている。これは許しがたいことだ。彼は沖縄の人々に公約したことを守れなかった」

鳩山は自滅したというのがより正しい言い方である。鳩山は優柔不断で、何事も対処が遅く、宇宙飛行士のようであった。それでも彼の前任者である自民党の麻生太郎ほどは酷くなかった。鳩山政権は普天間基地移設問題以外にもいくつもの課題を抱えていた。高速道路無料化や社会保障費の増額という公約は果たせず、小沢には政治とカネに関わるスキャンダルがついて回り、周囲は騒ぎ立てていた。しかし、鳩山政権にとって致命傷となったのは沖縄であった。鳩山はアメリカ側に対し普天間基地移設の現行案を再交渉してくれるように主張したが失敗し、公約を果たせなくなったと発表したとき、沖縄県民の怒りは噴出した。そして、民主党と連立を組んでいた小政党である社民党は連立を離脱した。

現在、多くの日本国民は、今回の問題について、アメリカ政府ではなく、鳩山がいたらなかったせいであると考えているようだ。しかし、アメリカ政府はぬか喜びはしない方が良い。沖縄は地域をあげてアメリカにも日本にも反対するようになっている。このような状況下では、普天間基地の移設合意を実行するには強硬な手段を用いるしかない。しかし、日本政府は合意案があると言っても、そのような強硬な手段をとることは望まない。自民党が沖縄の怒りを和らげてきたので、彼らが政権に復帰
することを期待しても、それも難しい状況だ。

日本では新しい総理大臣が誕生した。菅直人と鳩山は全く違う種類の政治家だ。菅は中流家庭に育った。鳩山は持って回った話しぶりだったが、菅ははっきりとものを言う。菅は「ミスタークリーン」と評判をとっている。そして、菅は小沢から独立した、距離を保っている政治家だ。菅直人は民主党の代表選で小沢の選んだ無名の候補者を破った。しかし、これは政治的な「歌舞伎」だったのかもしれない。菅が鳩山の跡を受けて代表になったことで、この夏に行われる参議院議員選挙での勝利の可能性が高くなった。参議院選挙で勝利することで、民主党は与党としてますます強力となる。

(つづく)

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by Hfurumura | 2010-06-10 22:03 | 日本政治

どの口が言うか:あなたが辞めさせたようなものなのに

昨日、鳩山由紀夫総理大臣が辞任、更に、次回衆議院議員選挙への不出馬を発表しました。鳩山首相は、民主党の両院議員総会において、格調高い退任演説(farawell speech)を行いました。

その中で、退任の理由として次の2つを挙げています。その理由とは、①普天間基地移設問題で、自らが述べた「最低でも県外、国外移設を目指す」という言葉を守れずに、沖縄県民や徳之島の人々に迷惑をかけたこと、そして②政治とカネの問題で、自分に長年仕えた秘書が政治資金規正法に違反していたこととクリーンであるべき民主党政権がお金にまつわる政治スキャンダルにまみれてしまったこと、以上の2点です。

鳩山氏は普天間基地移設問題について、米軍に依存し続ける状態から脱したいという思いであったと、鳩山首相は述べています。そして、「ぜひきょうお集まりの皆さん、官僚の独占した社会ではなく、できるだけ民が、国民の皆さんができることはやりおおせるような社会に変えていく。その力を貸していただきたいと思います」(時事通信全文文字起こしから一部転載)が重要です。

鳩山首相は、官僚組織の改革を進めるための革命を断行していました。しかし、今回、官僚とアメリカの結託によって、敗れ去りました。私は今回の鳩山首相の退任演説を、アイゼンハワー米大統領の退任演説に比肩するものであると考え、「アメリカ・官僚複合体(US-Bureaucracy Complex)」批判演説なのだと主張しています。アイゼンハワーは、「軍産複合体(Military-Industry Complex)」を批判して退任していきました。

「官僚たちが自分の上司である首相に抵抗し、邪魔をするようなことはしないはずだ」と考える人もいるようです。しかし、下の記事に取り上げられている、藤崎一郎駐米大使はその典型例です。いくつかのポイントを挙げます。まず、自分が特命全権大使として代表している国の指導者を軽々に、公の場で批判するのは官僚としての分を超えた愚かな行為です。

官僚ごときが、国民の選んだ政治家、国家指導者に対して「苦言」を呈するなど、思い上がりも甚だしいものです。また、政治状況がどのように変化しようとも、粛々と自分の仕事を行うことが官僚であり、政治状況について何か公に意見を発することは許されないことです。辞任した後で、民間人としてなら、表現の自由がありますから、公序良俗に反しない限り、いくらでも発言できます。

また、この藤崎大使が、現行案の実施にこだわり、アメリカの威光を詐欺的に利用して、「自作自演」を行ったことも忘れてはいけません。藤崎大使は昨年12月21日、ヒラリー・クリントン国務長官に急に「呼び出し(called in on)」を受けたとして、米国務省に行き、その後、その建物の前で会見し、アメリカ側は普天間基地移設問題で現行案通りの実施を求めているということを演出しました。しかし、米国務省は、藤崎大使の「呼び出し」を否定し、彼が「立ち寄った(came by)」だけだという発表を行いました。

藤崎大使は、アメリカ側にも迷惑をかけ、「虎の威を借る狐」のような行動をして、鳩山首相の普天間基地の県外移設の動きの邪魔をしたのです。結局、普天間基地移設問題が、鳩山首相の辞任の理由となってしまいました。藤崎氏を筆頭に、官僚たちが邪魔をして、それで鳩山氏の退陣の引き金を引いたということになります。それなのに、「首相は長く続けてもらい」という「苦言」を呈する藤崎大使。その傲慢さには開いた口がふさがりません。

官僚たちが大変な抵抗勢力であり、政治家と国民をばかにして、傲岸不遜な振る舞いをしているか、今回のことで分かるようになったと思います。官僚という名の、アメリカの代理人、官匪を排除することを民主党には求めます。しかし、残念なことに既に、「暗黒面に堕ち」、「口蹄疫に罹患した」民主党の政治家たちが出てきているようです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「「総理は長く務めてほしい」 駐米大使、辞任に「苦言」」

2010年6月3日付 朝日新聞電子版

 【ワシントン=村山祐介】藤崎一郎駐米大使は2日の定例記者会見で、鳩山由紀夫首相の辞任発表について、「総理は一国の
顔。できれば長く務められ、世界各国首脳と長いつきあいをされていくことが望ましい」と述べた。日本の首相の短期交代が続
くことに、異例の「苦言」を呈したかたちだ。

「【首相辞任】駐米大使、短命政権に苦言「各国と長い付き合いを」」

2010年6月3日付 MSN産経ニュース

 藤崎一郎駐米大使は2日の記者会見で、鳩山由紀夫首相の退陣表明について「首相は一国の顔」だと指摘、「本当は長く務め、
世界各国の首脳と長い付き合いをすることが望ましい。今後の首相はそうあってほしい」と述べ、短命政権が続くことに苦言を
呈した。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設をめぐり先月末に日米合意にこぎつけたことから「一生懸命合意に持ってきた
ところだったのでびっくりした」とした上で「米国との関係でも、首相も残念に思っていると思う」と述べた。

 また米国内の反応については「これほど早いタイミングで(退陣表明する)とは思っていなかったようだ」と分析した。
(共同)

「クリントン長官、駐米大使を異例の呼び出し 普天間問題」2009年12月22日10時23分

2009年12月22日付 朝日新聞電子版

 【ワシントン=伊藤宏】クリントン米国務長官は21日午後、藤崎一郎駐米大使と米国務省内で会談し、米軍普天間飛行場の
移設問題などについて意見交換した。クリントン長官が同日朝急きょ、藤崎大使を呼んだもので、こうした形で国務長官と大使
が会談するのは極めて異例。クリントン長官は、新たな移設先を探す鳩山政権の動きに不快感を表明し、現行計画の早期履行を
改めて求めたと見られる。

 会談はクリントン長官の執務室で約15分間行われ、キャンベル国務次官補らが同席した。この日は、記録的豪雪の影響の
ために、連邦政府機関は原則休業となっており、休業状態にある同省に呼び出す異例ずくめの対応となった。

 藤崎大使は会談後、記者団に対し、「長官が大使を呼ぶということはめったにないが、日米関係を重視しているという考え方
を改めて伝えたい、ということで、先方から話があった。お話は日米関係全般についての長官の考え方だった」と述べた。

 藤崎氏は、普天間問題も議題になったことを認めたうえで、現行計画の履行を求める米側の立場に変わりはない、という認識
を示した。米側の危機感のあらわれか、との質問には「重く受け止めている」と語った。ただ、会談の詳細については「内容を
大臣、総理に報告する必要がある」として、明らかにしなかった。

 鳩山由紀夫首相は17日、コペンハーゲンで開かれたデンマーク女王主催晩餐(ばんさん)会で、クリントン氏と隣席に
なった際、普天間問題の決着を先送りした経緯を説明し、理解を得られたとしている。クリントン氏が藤崎大使を呼んだ背景
には、米国の姿勢に変化がないことを念押しする狙いがあったと見られる。


「藤崎駐米大使はクビにしろ」

2009年12月27日付 ゲンダイネット

 こんなウソつき野郎はクビが当然だ。クリントン米国務長官が、普天間基地移設問題で藤崎一郎駐米大使(62)を呼び付け
たという一件は、なんと、藤崎大使のヤラセだった。相手国の大臣をダシにして、ありもしない事実をでっち上げるなど、到底
許されることではない。

 21日に米国務省で行ったクリントン長官との会談について、藤崎大使は「朝、急きょ呼ばれた。普天間計画の即時履行を
求められた。大使が呼ばれるのはめったにない」と神妙な面持ちで解説した。これを受けて大マスコミは早速、「駐米大使、
異例の呼び出し」「米国が強い不快感」と大々的に報道。日本と米国が戦争でもおっぱじめるかのように大騒ぎした。

 ところが、これ、大ウソだった。翌日、クローリー国務次官補が会見で「呼んでない。(藤崎)大使が立ち寄ったのだ」と
明かしたのだ。これが本当ならとんでもないし、仮に呼び出しが事実だったとしても、真っ先にマスコミに話すことが国益に
なるのか。政府内で話し合うのが筋だろう。外務官僚が勝手にやっていいことではない。

「本省の指示でなく、勝手にやったのだとすれば、一種のクーデターですね」

 こう言うのは元レバノン大使の天木直人氏。

「本来なら、すぐに東京の本省に連絡を入れて対応を協議すべき内容です。それを真っ先にメディアに話したのだから怪しいと
思いました。そもそも大使は、当該国の要人を呼んだり、自分が呼ばれたりするのが仕事です。駐米大使に就いて2年近くに
なるのに、呼び出しを『異例』という感覚も信じられない。自ら『仕事をしていない』と白状していることになる」

 普段の藤崎大使は、ぶら下がり取材に応じないという。そんな人物が進んでペラペラと話したのだから、「何かある」と疑う
のが当然だろう。ところが、大マスコミはウソつき男の発言を真に受けて“世論操作”の片棒を担いだのだ。とんだ赤っ恥で
ある。

●過去にも事実をネジ曲げた前科

 実は、この大使、過去にも事実をねじ曲げた“前科”がある。

「93年に在オーストラリア大使館で公金流用疑惑が発覚しました。当時、藤崎さんは会計課長で査察の責任者でした。ところが
疑惑が広がらないよう、関わった職員の処分をせず、事実の隠蔽(いんぺい)を図ったのです」(外務省関係者)

 慶大を中退し、69年に入省。同期には普天間問題や北朝鮮の拉致問題で有名になった田中均元外務審議官(現東京大学公共
政策大学院客員教授)がいるが、「駐米公使時代、国防総省に日参するものの相手にされなかった話は省内で有名」(事情通)
という。もともと能力には疑問符が付く男なのだ。

 それでもアジア局参事官、北米局長などを経て08年4月に駐米大使に就いている。トントン拍子に出世しているから不思議
だ。

「次官経験もない藤崎が『外交官最高のポスト』と呼ばれる駐米大使に就任したのは、“大蔵一家”の妻のコネが大きかったと
ささやかれています。妻の父親は大蔵官僚出身で元東京銀行頭取・会長、母親も大蔵OBで元明治製糖相談役の娘です」
(外務省事情通)

 駐米大使の収入は在勤手当だけで月約70万円。これに本給や配偶者手当、住居手当などを合わせれば年収3000万円は
軽い。退職金も数千万円はもらえるだろう。まったくふざけた話である。

(日刊ゲンダイ2009年12月24日掲載)

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-06-03 11:57 | 日本政治

3党合意を実際に読んでみよう

福島瑞穂消費者・少子化担当大臣が昨日、沖縄を訪問し、辺野古への移設反対を改めて表明した中で、「3党合意」に反している、という発言に対して、閣僚たちから批判の声が出ています。下の新聞記事では、岡田克也外務大臣と直嶋正行経済産業大臣の批判が掲載されていますが、鳩山由紀夫総理大臣も批判を行ったということだそうです。

岡田外相、直嶋経産相は表現は違いますが、ともに「普天間とか辺野古とかいう表現は入れずに3党合意はできあがっている」と言っています。

それでは「3党合意」とはどういうものか、実際に読んでみなければ、どちらが正しいことを言っているのか分かりません。それで実際に読んでみました。これも下に貼り付けました。

「3党合意」というのは、正式には「連立政権樹立に当たっての政策合意」というもので、三党が正式に出している文書です。この合意に基づいて、政策を実行していくという約束を紙に書いたもので、法的拘束はありませんが、政党間の信義に基づいた文書です。

この文書には、10個の政策分野について合意した内容が書かれています。今回の問題では、9番目の「自立した外交で、世界に貢献」が当てはまります。そしてその中でも「主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくる。日米協力の推進によって未来志向の関係を築くことで、より強固な相互の信頼を醸成しつつ、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」が重要であると考えられます。

この部分、および文書全体に「普天間」、「辺野古」という単語は一切出てきません。ですから字面の点から言えば、岡田外相、直嶋経産相の言っていることは「正しい」と言えます。

しかし、上に引用した部分を読むと、「米軍再編や在日米軍基地のあり方について見直しの方向で臨む」と書いてあります。今回の場合、この「見直し」という単語が問題になります。「見直し」という単語は複数の解釈ができます。

たとえば、学校時代、テストの時間、先生が「残り時間が少ないよ。答えを見直してごらん。ケアレスミスをするなよ」という呼びかけを聞くことがありました。この場合、間違っていない答えの場合、「これはこうで正しいから書き直さない」という「正しさ」を確認する作業でもありました。しかし、見直しには、「間違い」の確認もあり、「これはこうで間違っているから書き直さなくちゃ」ということもあります。

今回の場合、鳩山首相がいろいろと「見直し」てみて、「辺野古の周辺(沖合も含む)」に作ることが「正しい」、現行案の「正しさ」を確認したと言うことはできます。しかし、社民党にとっての「見直し」は現行案に「間違い」があるから「見直す」ということでした。

そして、鳩山首相は、「県外、国外移設」という発言をしました。これは現行案とは違うということを言っていました。こうした発言をしていたことは今更隠せません。そうなると、社民党が鳩山首相の「辺野古周辺」と言いだしたことに反発するには当然です。

閣僚たちは、この部分で官僚のような答え方をしてはいけないと思います。しかし、このような木で鼻をくくったような発言を民主党側、閣僚たちがするか、それは、社民党の主張は間違っていないと考えているからです。それでも自分たちのやっていることは間違っていないということを強調したくて、強引な抗弁をしているのです。

官僚とアメリカに絡め取られている閣僚たちが官僚のような答え方をするのは当然なのかもしれません。しかし、ここで大事なことはこれ以上の策動に乗らないことです。策動というのは、連立政権を内部分裂(谷垣自民党総裁いわく「閣分裂」)させようという動きのことです。官僚はおそらく閣内で、情報量に差をつけて、閣僚間の疑心暗鬼や不満を醸成させて、内閣を崩壊に追い込もうとしていると思われます。

ここで彼ら官僚の策動に嵌まってはいけません。この問題では対立があるのは仕方がないので、それ以外ではまとまりが保てるように努力しなければなりません。そして、鳩山首相をはじめ民主党の閣僚たちは、もっと穏やかな、落ち着いた、大人の対応をすべきです。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「外相「福島氏の主張は間違い」 3党合意違反との批判に」

2010年5月26日付 朝日新聞電子版

 岡田克也外相は26日午前の衆院外務委員会で、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設をめぐり、「(社民党の)福島(瑞穂)党首が言われている『3党合意に反する』というのは明確に間違い」と反論した。平沢勝栄議員(自民)への答弁。

 岡田氏は昨秋の連立政権樹立時の3党協議で、自ら民主党幹事長として福島氏と協議した経緯に触れ、「結局、普天間とか辺野古とかいう表現は入れずに3党合意はできあがっている。福島さんが言っているような普天間の移設先は『日米合意に戻らない』とか『辺野古の近辺にはしない』とか約束したわけではまったくない」と主張。「閣僚の一人としての自覚を持ってやっていただきたい」と重ねて批判した。

 岡田氏はさらに「最終的には閣議で何らかの決定か了解を行うことになるだろう。(福島氏も)ぜひそれに賛成をして頂きたい」と求めた。


「「3党合意を曲解」直嶋経産相、普天間で社民党批判」

2010年5月25日付 MSN産経ニュース

 直嶋正行経済産業相は25日の閣議後会見で、米軍普天間飛行場の移設問題について、「世の中に向かって3党合意違反だと繰り返すのは問題だ」と連立を組む社民党の対応を批判した。

 社民党は、鳩山由紀夫首相が普天間飛行場の移設先を現行案とほぼ同じ名護市辺野古周辺にする方針を打ち出したことへ、「3党合意に反している」として、連立からの離脱も視野に反発を強めている。

 これに対し、直嶋経産相は「3党合意では沖縄の負担軽減に取り組むことを確認しただけ。内容を曲解している」と話し、政府案は3党合意違反にあたらないと強調した。

 さらに、社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相は連立与党の一員として事態の収拾に努力すべきだとして、「むしろ火を付けてまわるのはどうかと思う」と、閣僚として対応に問題があると厳しく牽制(けんせい)した。

 一方、県外移設を明言していた鳩山首相の責任問題については、「なんとか沖縄の負担を下げたいという考えでああいう行動をされたのは、ぜひ理解していただきたい」と述べるにとどめた。


(新聞記事転載貼り付け終わり)

(政党文書貼り付けはじめ)

三党連立政権合意書

民主党、社会民主党、国民新党の三党は、第45回衆議院総選挙で国民が
示した政権交代の審判を受け、新しい連立政権を樹立することとし、その発
足に当たり、次の通り合意した。

一 三党連立政権は、政権交代という民意に従い、国民の負託に応えるこ
とを確認する。

二 三党は、連立政権樹立に当たり、別紙の政策合意に至ったことを確認
する。

三 調整が必要な政策は、三党党首クラスによる基本政策閣僚委員会にお
いて議論し、その結果を閣議に諮り、決していくことを確認する。

2009年9月9日

民 主党代表
社会民主党党首
国 民新党代表

2009 年9 月9 日

連立政権樹立に当たっての政策合意

民 主 党
社 会 民 主 党
国 民 新 党

国民は今回の総選挙で、新しい政権を求める歴史的審判を下した。
その選択は、長きにわたり既得権益構造の上に座り、官僚支配を許してきた自民党
政治を根底から転換し、政策を根本から改めることを求めるものである。

民主党、社会民主党、国民新党は連立政権樹立に当たって、2009 年8 月14 日の「衆
議院選挙にあたっての共通政策」を踏まえ、以下の実施に全力を傾注していくことを
確認する。

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

小泉内閣が主導した競争至上主義の経済政策をはじめとした相次ぐ自公政権の失
政によって、国民生活、地域経済は疲弊し、雇用不安が増大し、社会保障・教育のセ
ーフティネットはほころびを露呈している。

国民からの負託は、税金のムダづかいを一掃し、国民生活を支援することを通じ、
我が国の経済社会の安定と成長を促す政策の実施にある。

連立政権は、家計に対する支援を最重点と位置づけ、国民の可処分所得を増やし、
消費の拡大につなげる。また中小企業、農業など地域を支える経済基盤を強化し、年
金・医療・介護など社会保障制度や雇用制度を信頼できる、持続可能な制度へと組み
替えていく。さらに地球温暖化対策として、低炭素社会構築のための社会制度の改革、
新産業の育成等を進め、雇用の確保を図る。こうした施策を展開することによって、
日本経済を内需主導の経済へと転換を図り、安定した経済成長を実現し、国民生活の
立て直しを図っていく。



1.速やかなインフルエンザ対策、災害対策、緊急雇用対策

○ 当面する懸案事項であるインフルエンザ対策について、予防、感染拡大防止、
治療について、国民に情報を開示しつつ、強力に推し進める。
○ 各地の豪雨被害、地震被害、また天候不順による被害に対し速やかに対応する。
○ 深刻化する雇用情勢を踏まえ、速やかに緊急雇用対策を検討する。

2.消費税率の据え置き

○ 現行の消費税5%は据え置くこととし、今回の選挙において負託された政権担
当期間中において、歳出の見直し等の努力を最大限行い、税率引き上げは行わ
ない。

3.郵政事業の抜本的見直し

○ 国民生活を確保し、地域社会を活性化すること等を目的に、郵政事業の抜本的
な見直しに取り組む。
「日本郵政」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命」の株式売却を凍結する法律を速や
かに成立させる。日本郵政グループ各社のサービスと経営の実態を精査し、「郵
政事業の4 分社化」を見直し、郵便局のサービスを全国あまねく公平にかつ利
用者本位の簡便な方法で利用できる仕組みを再構築する。
郵便局で郵便、貯金、保険の一体的なサービスが受けられるようにする。
株式保有を含む日本郵政グループ各社のあり方を検討し、国民の利便性を高め
る。
○ 上記を踏まえ、郵政事業の抜本見直しの具体策を協議し、郵政改革基本法案を
速やかに作成し、その成立を図る。

4.子育て、仕事と家庭の両立への支援

安心して子どもを産み、育て、さらに仕事と家庭を両立させることができる環境
を整備する。
○ 出産の経済的負担を軽減し、「子ども手当(仮称)」を創設する。保育所の増設
を図り、質の高い保育の確保、待機児童の解消につとめる。学童保育について
も拡充を図る。
○ 「子どもの貧困」解消を図り、2009 年度に廃止された生活保護の母子加算を復
活する。母子家庭と同様に、父子家庭にも児童扶養手当を支給する。
○ 高校教育を実質無償化する。

5.年金・医療・介護など社会保障制度の充実

○ 「社会保障費の自然増を年2,200 億円抑制する」との「経済財政運営の基本方
針」(骨太方針)は廃止する。
○ 「消えた年金」「消された年金」問題の解決に集中的に取り組みつつ、国民が
信頼できる、一元的で公平な年金制度を確立する。「所得比例年金」「最低保障
年金」を組み合わせることで、低年金、無年金問題を解決し、転職にも対応で
きる制度とする。
○ 後期高齢者医療制度は廃止し、医療制度に対する国民の信頼を高め、国民皆保
険を守る。廃止に伴う国民健康保険の負担増は国が支援する。
医療費(GDP比)の先進国(OECD)並みの確保を目指す。
○ 介護労働者の待遇改善で人材を確保し、安心できる介護制度を確立する。
○ 「障害者自立支援法」は廃止し、「制度の谷間」がなく、利用者の応能負担を
基本とする総合的な制度をつくる。

6.雇用対策の強化―労働者派遣法の抜本改正―

○ 「日雇い派遣」「スポット派遣」の禁止のみならず、「登録型派遣」は原則禁止
して安定した雇用とする。製造業派遣も原則的に禁止する。違法派遣の場合の
「直接雇用みなし制度」の創設、マージン率の情報公開など、「派遣業法」から
「派遣労働者保護法」にあらためる。
○ 職業訓練期間中に手当を支給する「求職者支援制度」を創設する。
○ 雇用保険の全ての労働者への適用、最低賃金の引き上げを進める。
○ 男・女、正規・非正規間の均等待遇の実現を図る。

7.地域の活性化

○ 国と地方の協議を法制化し、地方の声、現場の声を聞きながら、国と地方の役
割を見直し、地方に権限を大幅に移譲する。
○ 地方が自由に使えるお金を増やし、自治体が地域のニーズに適切に応えられる
ようにする。
○ 生産に要する費用と販売価格との差額を基本とする戸別所得補償制度を販売農
業者に対して実施し、農業を再生させる。
○ 中小企業に対する支援を強化し、大企業による下請けいじめなど不公正な取引
を禁止するための法整備、政府系金融機関による貸付制度や信用保証制度の拡
充を図る。
○ 中小企業に対する「貸し渋り・貸しはがし防止法(仮称)」を成立させ、貸付け
債務の返済期限の延長、貸付けの条件の変更を可能とする。個人の住宅ローン
に関しても、返済期限の延長、貸付け条件の変更を可能とする。

8.地球温暖化対策の推進

○ 温暖化ガス抑制の国際的枠組みに主要排出国の参加を求め、政府の中期目標を
見直し、国際社会で日本の役割を果たす。
○ 低炭素社会構築を国家戦略に組み込み、地球温暖化対策の基本法の速やかな制
定を図る。
○ 国内の地球温暖化対策を推進し、環境技術の研究開発・実用化を進め、既存技
術を含めてその技術の普及を図るための仕組みを創設し、雇用を創出する新産
業として育成を図る。
○ 新エネルギーの開発・普及、省エネルギー推進等に、幅広い国民参加のもとで
積極的に取り組む。

9.自立した外交で、世界に貢献

○ 国際社会におけるわが国の役割を改めて認識し、主体的な国際貢献策を明らか
にしつつ、世界の国々と協調しながら国際貢献を進めていく。個別的には、国
連平和維持活動、災害時における国際協力活動、地球温暖化・生物多様性など
の環境外交、貿易投資の自由化、感染症対策などで主体的役割を果たす。
○ 主体的な外交戦略を構築し、緊密で対等な日米同盟関係をつくる。日米協力の
推進によって未来志向の関係を築くことで、より強固な相互の信頼を醸成しつ
つ、沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編
や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む。

○ 中国、韓国をはじめ、アジア・太平洋地域の信頼関係と協力体制を確立し、東
アジア共同体(仮称)の構築をめざす。
○ 国際的な協調体制のもと、北朝鮮による核兵器やミサイルの開発をやめさせ、
拉致問題の解決に全力をあげる。
○ 包括的核実験禁止条約の早期発効、兵器用核分裂性物質生産禁止条約の早期実
現に取り組み、核拡散防止条約再検討会議において主導的な役割を果たすなど、
核軍縮・核兵器廃絶の先頭に立つ。
○ テロの温床を除去するために、アフガニスタンの実態を踏まえた支援策を検討
し、「貧困の根絶」と「国家の再建」に主体的役割を果たす。

10.憲法

○ 唯一の被爆国として、日本国憲法の「平和主義」をはじめ「国民主権」「基本的
人権の尊重」の三原則の遵守を確認するとともに、憲法の保障する諸権利の実
現を第一とし、国民の生活再建に全力を挙げる。
以上

http://www.dpj.or.jp/news/files/20090909goui.pdf

(政党文書貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-05-26 13:47 | 日本政治

社民支持も実は日本のためになる

福島瑞穂消費者・少子化担当大臣(参議院議員・社民党党首)が沖縄を訪問し、普天間基地問題で、辺野古への移設に改めて反対し、「辺野古という文字が入った合意なら閣議決定でも閣議了解でも署名はしない」と宣言したということです。

簡潔に述べるなら、もし福島氏がそのような態度を取るならば、大臣を辞職するか、罷免されねばならないということです。そうなると、社民党から出ている副大臣、政務官(数はそう多くはありませんが)もまた辞職するということになると思います。そして、閣外協力という形に転じて、普天間基地の問題だけは反対するということになります。政治家の言葉と決断は重たいわけですから、内閣の長である総理大臣の意向に沿えない場合は辞任するしかありません。

しかし、この問題はそんなに大きな問題ではありません。議会運営上、厳しい面があるかもしれませんが、閣外協力さえ維持できるなら議会運営も何とかなります。社民党はそうした立場を日本で代表する政党ですから、内部では色々あっても反対を貫かねばなりません。またそうすべきです。だからと言って、閣内不一致だとか、政権に衝撃を与えるという程の事ではありません。

内閣の閣僚が政治献金や選挙で違反をしていて辞任するなら大変ですが、それでも歴代内閣は続いてきた場合がほとんどです。小泉内閣、安倍内閣、福田内閣、麻生内閣などを見ていくと、農相などは可哀そうなくらい辞任が続きました。だからと言って倒閣にはなりませんでした。

そしてもっと言うと、社民党は反対の立場を明確にし、参議院選挙で少しでも党勢を拡大した方が日本のためになります。これは私が社民党支持だから言うのではありません。社民党が基地問題で反対の軸となり、今度の参議院選挙を戦い、ある一定の票数を獲得することで、アメリカに対して、日本国民のある一定の数は強固に反対していることを示すことになります。これが核になって、消極的に安保に賛成している大多数の日本人が反対に回った場合、あなた方はどうするんですか、ということが言えます。

「アメリカは辺野古移設という勝利を得たでしょうが、それでかえって日米同盟、日米安保を危機に陥れるのですか」ということになります。ここから交渉の長い道のりの第一歩が始まると思います。社民党は曲がりなりにも伝統ある政党ですから、反対勢力の取りまとめとして一定の勢力を持ってもらうことが実は外交交渉で重要だと思います。

福島氏は自覚的なのか、無自覚なのか分かりませんが、今のような行動をしていけば良いのだと思います。


(新聞記事転載貼り付けはじめ)

「辺野古移設反対、知事に明言 社民・福島氏が沖縄訪問」

2010年5月25日付 朝日新聞電子版

 社民党の福島瑞穂党首(消費者・少子化担当相)は25日、沖縄県を訪問し、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題をめぐって仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事と会談した。福島氏は鳩山由紀夫首相が表明した「辺野古」移設を拒否するよう要請。閣内で移設に関する閣議決定や閣議了解、首相談話のいずれにも反対する考えを表明した。

 一方、鳩山首相は同日夜、記者団に対して「閣議で何らかのことを決めていかなければならない」と語り、移設案を閣議にはかることを初めて明言した。閣内の意見統一ができなければ、福島氏の閣僚としての進退論に発展する可能性も出てきた。

 福島氏はこの日、沖縄県庁で仲井真氏と会談。普天間飛行場の「国外・県外移設」の必要性を説明した上で、「沖縄県と社民党が手をつなぎ、歴史を変えましょう」と呼びかけた。仲井真氏は「頑張って欲しい」と応じた。

 福島氏は伊波洋一宜野湾市長や稲嶺進名護市長とも会談。名護市内で開いた記者会見では「辺野古という文字が入った合意なら閣議決定でも閣議了解でも署名はしない」と宣言。首相談話についても「反対する」と語った。

 ただ、連立離脱については「離脱するかしないかが争点ではなく、辺野古に新たな基地をつくらせないよう頑張って欲しいとの沖縄の民意をしっかり受け止める」と述べるにとどめた。

 福島氏の沖縄訪問について、首相は「社民党の代表として沖縄に赴かれ、そして仲井真知事と懇談された」と一定の理解は示した。だが、岡田克也外相は記者会見で「内閣の一員として、総理が大変厳しい決断をされたことに一定の配慮があってしかるべきではないか」と語るなど、閣内からは批判が出ている。

 一方、民主党内では「社民党を連立離脱に追い込むべきではない」(幹部)との声があがる。参院選直前のこの時期に連立の枠組みが変わるようなことになれば、終盤国会の運営や政権運営に影響が出るのは避けられない。

 こうした中、野党側は「閣内不一致」と批判を強めている。自民党の大島理森幹事長は25日の記者会見で「福島さんは大臣と党首を兼ねている。政府の方針に反対なら、閣僚を辞して行動するのは当然のことだ」と指摘。福島氏の不信任案提出も検討している。

(新聞記事転載貼り付け終わり)

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by Hfurumura | 2010-05-25 23:27 | 日本政治

帝国側で怯えのようなものを感じているインテリもいるようだ

昨晩から今朝にかけて、毎日新聞や日本経済新聞で、普天間基地移設問題について、ニューヨーク・タイムズ紙が「オバマ政権の勝利」と伝えた、と報じました。その意図は、国民の怒りの火に油を注ごうというものであったと推測します。短い記事の中で、ニューヨーク・タイムズ紙の記事からセンセーショナルな単語だけを抜き出すのはフェアではないし、悪意さえ感じます。

そこで、昨日から大変忙しかったのですが、ニューヨーク・タイムズ紙の記事を簡約したものを以下に掲載します。これを読むと、日本について少し知っているが詳しくはない、しかしインテリである人たちがどのような認識を持っているかが分かると思います。

以下の記事では、辺野古にあるキャンプシュワブに基地機能を移設して新しい施設を作るとしていますが、沖合を埋め立てるという詳しい工法については一切書かれていません。本当に知らないのかわざと書かれていないのか分かりません。確かに鳩山首相は工法や場所を特定していないので、「周辺(near)」としか書けないのはしょうがないところです。

そして、記事の中で、勝利は危ういものとなるので傲慢に取られないように気をつけるべきだ、と書いてあります。これは、フィリピンやカザフスタンの米軍基地が撤退した(させられた)ように、反対が大きくなれば出ていかざるを得ないということを示しています。そして、日米同盟を多くの日本人が支持している以上、米軍が追い出される心配はないとあります。それでは逆に、日本人が日米安保はいらない、ということになれば、米軍は出ていかなければなりません。私たちは想像していませんでしたが、米側としては、「反対されたら出ていかなくてはならなくなる」という心配を、一部の人たちは常に抱えているということなのです。

今回の問題で、日本人の多くが安全保障や米軍基地問題について考えるようになりました。基地の問題は、日米両国の国内問題でありますが、日本人の考え方で大きな影響を与えることができるのだということが分かります。これは私の感触ですが、帝国は属国に対して何でも押しつけることができるので傲慢になりますが、同時に属国の堪忍袋の緒が切れることも恐れているという複雑な状況なんだろうと思います。

今回の記事はアメリカ側の怯えのようなものが感じられるのであって、決して高らかな勝利宣言ではありません。

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

日本側が沖縄の米軍基地について態度を軟化させた

2010年5月23日付 ニューヨーク・タイムズ紙

マーティン・ファクラー(Martin Fackler)

2010年5月23日(日)、鳩山由紀夫首相は、怒りを顕にしている沖縄の人々に対して、普天間飛行場の移設は島外ではなく、沖縄本島の北部に移設すると発表した。これは選挙公約を破ったことになる。

鳩山首相が行った発表は、オバマ政権の勝利であると共に鳩山首相にとっては屈辱となった。鳩山首相の行動は、日本のマスメディアがここ数週間伝えてきたことが正しかったことが証明された。日本のメディアは、米海兵隊の普天間飛行場を人口の少ない沖縄本島北部に移設するという2006年に日米両国で合意に達した計画を受け入れるだろう、と連日報道してきた。

怒りに駆られた多くの人々が23日に沖縄を訪問した鳩山首相に対して、黄色に紙に「怒」と書かれた紙を掲げ、「帰れ!」という怒号をぶつけた。東京では、野党や連立政権の閣僚が、鳩山首相を「普天間基地移設を大きな政治問題にしておきながら、2006年の合意内容に戻ることになった」と激しく攻撃した。

鳩山首相は、戦略的な理由から、自分の決断は正しいとしているが、沖縄の人々に対して、「大変心が痛む。このような大きな混乱を招いたことに心から謝罪したい」と述べた。

昨年8月、鳩山氏率いる民主党は総選挙に勝利した。これは半世紀も続いた自民党支配を打ち破ったものだ。鳩山氏の勝利に対して、アメリカ政府内では、日本がアメリカのアフガニスタンでの戦いを支持せず、支援をやめるのではないかという懸念が拡がった。鳩山氏はアメリカのイラク侵攻に反対し、アメリカ主導のグローバライゼーションに異を唱えた。彼は、これまでの日米関係を見直し、日米関係を「対等なパートナー」となるようにすると国民に約束した。

新しい日米関係のシンボルとなるのが、普天間の米海兵隊航空基地の沖縄県外、国外への移設だった。沖縄には日本に駐留している5万人の米軍の半分が集中している。鳩山首相の約束は、日本国民の一部に歓迎された。特に沖縄では好感を持って迎えられた。沖縄では、1995年に3名のアメリカ兵による、12歳の少女への暴行事件が起きて以来、米海兵隊との間で緊張関係が続いてきた。

政権について以降、鳩山首相は、核兵器を保有している北朝鮮と積極的な外交姿勢を示す中国に直面してきた。そして、アメリカとの安全保障同盟を危うくさせることに重大性に気づいた。しかし、彼は日米合意の内容変更を模索したがそれが政治的に彼を傷つけ、決断ができないという印象を与え、鳩山政権全体に対する非難を招いた。

アメリカ政府は、2006年に日米間で合意した内容に固執した。その内容は、普天間基地の機能と米海兵隊の騒音を発するヘリコプター部隊を、沖縄本島北部の漁村である辺野古にあるキャンプシュワブに新しい基地を建設し、移すというものであった。

鳩山首相は5月に入って2度目の沖縄訪問を行った。政権の座について以来、鳩山首相は、米海兵隊が東アジア地域の安全保障にとって抑止力として適切な役割を果たしていること、米海兵隊にとって沖縄は戦略的に最重要の位置にあることを学んだ。東アジア地域の安全保障に重要なインパクトを与えている韓国の哨戒艇沈没事件で韓国側が調査内容を発表した日、鳩山首相は、抑止力というポイントを協調した。

鳩山首相は沖縄県知事との会見で次のように述べた。「私ども日本政府は、沖縄の皆様に対して普天間基地の機能を辺野古周辺に移すことを受け入れて下さるようにお願いする、という結論に達しました」


鳩山首相は、普天間岸基地の機能をキャンプシュワブに移すという現行案を選択し、その理由は、移転を速やかに行うためだとした。普天間基地のある宜野湾市の人々が長年、街の真ん中にある基地に対して不安や不平を表明してきた。

会見後、仲井真弘多(なかいまひろかず)は、「鳩山首相がこの半年間、私たちの期待を大きくしてきたことは大変残念である」とだけ述べた。

しかし、沖縄県民は鳩山首相の決断に怒りを表明した。新しい基地の建設に対して激しい抵抗が予想され建設が遅れる可能性もあり、沖縄県民の怒りは鳩山首相と民主党に対してダメージを与えるだろう。

今回の鳩山首相の決断は、オバマ政権にとって勝利と捉えることもできるだろうし、そう感じる人々も多いはずだ。しかし、日米関係の専門家たちは、アメリカが、弱い同盟国に対して現行案を押し付け、無理やり飲ませたということになると、この外交的な勝利も怪しいものとなってしまうと警告している。しかし、現在、世論調査によると、大多数の日本人は自国の安全保障のために日米同盟は必要であると考えている。これは安心材料である。

昨年9月、鳩山氏は首相の座に就いた。それ以来、鳩山首相は、基地問題に対して明確な態度を示してこなかった。彼は基地は沖縄県外に持っていくと言いながら、アメリカ政府の懸念を気にしていると述べている。

鳩山首相のどっちつかずの態度によって、「鳩山首相は決断ができなく、基地問題を他人事みたいに扱っている」という批判が起きた。日本政治の専門家たちは、今年の7月11日に行われる参議院議員選挙で民主党が敗北するようなことになると、鳩山首相は退陣せねばならなくなるとしている。

1996年に沖縄で女子児童に対する婦女暴行事件が起きた。その事件後、日米両政府は基地の返還に最初に合意した。しかし、基地機能の移設先を探すのに苦労して、返還は遅れる結果となっている。

基地を受け入れてくれたら日本政府は巨額の公共事業を行うと約束した。そして、日本政府の後押しもあり、キャンプシュワブがある名護市が最後には基地を受け入れる決定をした。しかし、今年の1月、基地受け入れ派の市長が反対派に選挙で敗れた。基地反対の立場の現市長は基地を沖縄県外に移すという有権者の期待を受けて当選した。

日曜日、稲嶺進市長は鳩山首相と会談した。市長は厳しい顔をした鳩山首相に対して、「私はあなたの沖縄訪問を歓迎しない」と述べた。会談後、稲嶺市長は鳩山首相を「名護市と沖縄を裏切った」と非難した。市長は地元の反対を考えると、「辺野古に新しい基地を建設することは不可能だ」とも述べた。

稲嶺市長は最後に次のように述べた。「私は怒りを隠せない。名護市には新しい基地はいらない」

(終わり)

(新聞記事転載貼り付け終わり)


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by Hfurumura | 2010-05-25 21:25 | 日本政治

鳩山首相がなぜ「腹を切れ」とまで言われてしまうのか

鳩山由紀夫首相が記者団からの質問に「批判は甘んじて受ける」という発言をしました。「(世論の)批判」という用語はおかしいと思います。世論は生きていませんから、批判をすることはできません。「日本国民の批判的な世論」が正しい用語だと思います。こんなことはどうでも良いことですが。

鳩山首相は一敗地にまみれました。自分の発言したことを守ることができませんでした。ですから、批判の的になりますし、実際、インターネット上では、あらん限りの悪罵を投げつけられています。とても「批判」という単語では追いつかないほどの激しい内容が書かれています。

それでは、なぜ、鳩山首相がここまで怨嗟の声の対象になってしまうのでしょうか。沖縄の人々が嘆き悲しむのは分かります。しかし、今回は日本全体が怒っています。公約破りはこれまでの自民党政権でもあったし、現在の民主党政権下でもマニフェスト通りに行かないということも出てきています。しかし、ここまでの激しい内容はありませんでした。

私の考えでは、それは、「日米対等、世界の中でも大国の日本、世界に冠たる日米同盟」という思い込みが冷酷な現実に打ち砕かれたからです。その現実とは「日本が属国であり、アメリカは世界帝国である。属国は帝国の言いなりにならないといけない」というものです。ですから、鳩山首相に対する罵声は彼個人に向けられると同時に、属国である事実のやりようのなさ、絶望感に対してのものだと思います。

属国のリーダーは、帝国との関係でぼろぼろにされ、国民からも避難されます。ロバート・パットナムは、外交交渉における「ツー・レベル・ゲーム」という概念を提唱しました。これは外交交渉には「国家間交渉」と「国内交渉」の2つがあり、外交交渉を成功させるには、国内の選好の幅が重要だと述べています。

ツー・レベルでひどい経験をしているのが鳩山首相です。しかし、今回、初めてと言って良いほど、「日本が属国である」という事実が白日の下の曝されました。自民党政権下で、巧妙に隠されてきたものが表に出てきました。これによって、国民共通の理解ができつつあり、これから良い影響が出てくると思います。

鳩山首相は決断をしました。あとは負けっぷりを悪くして、ぐだぐだ粘って、ワケの分からない感じを出して、アメリカから様々な譲歩や条件を勝ちとっていただきたいと思います。

(新聞記事転載貼付けはじめ)

「「批判は甘んじて受ける」 辺野古表明で鳩山首相」

2010年5月24日付 朝日新聞電子版

 沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設先を同県名護市辺野古周辺にすると23日に表明した鳩山由紀夫首相は24日、「(世論の)批判は甘んじて受ける」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 首相は昨年の衆院選前に「最低でも県外移設」と訴え、今年4月には辺野古沖を埋め立てる現行案を「自然への冒涜(ぼうとく)」と否定してきた。

 記者団から発言の整合性を問われた首相は「現在の朝鮮半島、アジア情勢を考えたとき、日米同盟をしっかりとした信頼関係の上に乗せることが何よりも大事だと判断した」と釈明。その上で「辺野古ではあるが現行案ではない。環境面に徹底的に配慮する新しい形を何としても作り上げたい」と述べ、環境に配慮した工法をとることで、沖縄側の理解を得る考えを示した。

(新聞記事転載貼付け終わり)
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by Hfurumura | 2010-05-24 12:16 | 日本政治